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特に岩場を使った細い通路をバランスをとって歩く練習は通常落下による危険性を伴うものなのですが、ここで使われている2つ一組の安全フックのゲートは内部ワイヤーで連結されて両開放動作ができないようになっており、フックのかけ忘れや半端閉じによる事故は起きませんので安心して滑落体験ができます(滑落距離は1m位なのでショックアブソーバーはありませんが、ひどい転落をしても上半身に重心を荷重移動できるフルハーネスが用意されています)。雲梯のような腕力だけで渡る(力尽きると空中落下)コースも用意されていますが、一人で落ちたとしても常時監視員がタワーを巡回して見守っているので安心です。レスキューはワイヤーに滑車を掛けて救助ロープをコースの片端から落下者まで投げ滑らし、落下者の方で接続してもらって片端から引っ張り戻すか、監視員が落下者まで滑車でワイヤー伝いに滑走していってレスキュー作業を行うようです。つまりどんな難しいコースでもワイヤーから救助するシステムになっています。
システム的にはワイヤーフックの架け替える箇所にブロックと呼ばれるレゴブロックの大きいようなものが挟み込まれており、そこにあるワイヤーに沿った突起部分でのみフックを掛けることができるようになっております(おそらく磁力)。ブロックのない通常のワイヤー部分ではゲートを閉じれないのでフックを掛けることはできませんし、これだとスタート地点にあるブロックでのかけ忘れもありません、二つのフックをスタート地点のブロックで掛けて終了地点の掛替場所で片方のフックのゲートを開けると、もう片方のフックのゲートは他方のフックのゲートが閉じていない限り例えそこがブロック部分であったとしてもゲートが開かない機構になっているので、一方が意図せずゲートオープンになったとしても、もう片方はそのゲートがどこかのブロックでワイヤーに接続されて閉じられない限りずっと閉塞していることになります。このハードによるフェイルセーフ機構により途中で使用者の判断能力や機能レベルが低下したり、意識を喪失するなどして危険な状況になったとしても落下防止システムの動作は機械的に担保されていることになります。
現在のクライミングシステムにもグローブ等に磁石を付けておいて磁石が近づいたときのみゲートが開くような仕組みにするとクライミング中での不慮のゲートオープンによるカラビナからのロープ逸脱事故は防止できるように思います。
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