また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

HOME > annchannさんのHP > 日記
2022年02月02日 22:03未分類全体に公開

退院しました!

あら!
これ公開するつもり全く無かった(自分への覚え書きとして残そうとしたためました)のですが、日記って下書き保存てできないの?!
仕方ない。読んでいただける形に最後まで仕上げよう。


なんと1/9,000(一説)を引き当ててしまった。「網膜剥離」に。

始めは目の霞み、その数日後視界に影が。休診日だったので翌日に眼科を受診すると、紹介状を書くから翌日すぐに行って手術をしてもらえ!
時間が遅かったので予約はできないから、とにかく朝一で駆け込めと。そんなに一大事なのか!?
検査画像を見ると明らかに眼球内側がはらりとめくれているのが判る。こんな事がまさか我が身に起こるとは!
手術をすると1〜2週間の入院と告げられ、それにさらにビックリ!

なんでこんな事になってしまったのだろう?とにかく思い当たる節が全くない。

第一日、土曜日。
言われるままに浦安市は某夢の国のそばにある順天堂大学付属病院を訪れたのは先週土曜日。
幸い空きベッドがあり入院可能。そのあとは様々な目の検査や、PCR検査をはじめとする、手術をするために必要な体の検査を重ね、それでは手術は正午から行いましょうと決定。手術法の説明を受けたり承諾書を書いたりと考える間もなくあれよあれよと事が運ぶ。
施術法は2種類あり、私は眼球の外側からの方法を選択。どちらがいいという事は無く、外側からの方が術中に痛みは伴うものの、退院までの期間が短くなるとのこと。

手術開始。局所麻酔によりボーっとはするが、医師とおぼろげながら一応会話ができる状態。もし痛かったら決して動かず、口に出して言うように言われていたが、瞬間的に訪れる痛みに 今のは痛かったと言っても意味はない。時々眼球をグッと押されるような感覚があり、その都度襲う激痛に耐える他は特に苦しみはなかった。
大学付属病院の特徴らしく、執刀医以外にも複数のドクターや必要以上の看護師も列席しており、なんとなくその過程についての説明ややり取りが聞こえてくる。手術にかかった時間は70分ほどか。終了後に「○○先生ありがとうございました」と言うくらいの余裕があった。

術後すぐに隣のベッドにゴロンとさせられ、そのまま病室に搬送されたのが少し笑えた。そして部屋に入るとすぐに昼食が届けられたのもおかしかった。つまり元々それほど危険な手術ではないという事なのだろう。時計を見ると2時半だった。ほぼ人生初めてと言っていい入院生活の始まりだ。

若干の頭痛を除けば体調は良かった。点眼薬が3種類、一日4回。検査前にはさらに瞳孔を開く薬も差す。バイ菌混入を防ぐため、目に付けての点眼はタブーである。これが結構難しい。そもそも目薬を差すこと自体ほぼ初めてなのだ。

それよりもキツかったのは眼球内のガスを抜くためにうつ伏せ姿勢を保てという指示。だからテレビも見られない。普段うつ伏せで寝ることがまずない。整骨院によくあるクロワッサン型をした枕をもらうのだが、目を押しつけられないので使えない。9時の消灯後、寝られる体勢作りを試行錯誤するのだが、とてもではないが寝付けない。結果諦めて横向きになったら秒で眠りに落ちた。

二日目、日曜日。
うつ伏せという事は、日中は下を向いていればよいのかと尋ねるとそうだと言われた。これは良かった。iPadをテーブルに置いて○○プラでGUNDAMのテレビ第1シリーズを見下ろした。
しかし気分は晴れない。ずっとうつ向き加減でいるから滅入ってくるのか、ネット情報で頭でっかちになるためか、暗い将来ばかり考えてしまう。一番の不安は、くっつきが悪いことや再発による再手術。10人に1人くらいいると説明を受けた。もう一度目の玉をグリグリされるのかと思うと気が狂いそうだ。二番目の不安は視力が落ちること。これまた術前の説明では、"黄斑"部分まで膜が剥がれているので、矯正視力でもせいぜい0.5までしか戻らない事を覚悟するように言われた。現在眼鏡をかけての視力が1.0。もう山上からの景色も右目では満足に見られないのかと思うと改めて気持ちが下がった。
さらには、眼圧がまだ高いので点滴で薬を入れるかも知れないからと、左手に刺したままの針とチューブを外してもらえなかった。刺さったままであることが気持ち悪いし、眼圧が下がらないという事実は不安を掻き立てた。やはりうつ伏せで寝ていないのが良くないのだろうか。
しかし二晩目もうつ伏せでは眠ることはできなかった。夜中に目が覚めると一応トライするのだが、諦めて横を向くとあっという間に寝入るを繰り返した。

三日目朝、月曜日。
検査でガスが順調に抜けて眼圧もしっかり下がっているので横を向いて寝てもいいと許可が出た。一度だってうつ伏せ寝はしなかったのだが、日中の姿勢を頑張ったのが良かったのだろうか。チューブも外す許可が出た。
そしてさらには、昼に視力検査をすると矯正視力ながら0.8が出た。昨日の悶々とした不安は共に吹き飛んだ。退院に向けた相談をしましょうと言われた。小躍りしたい気持ちだった。

食事は味が薄いことを除けば可もなく不可もない。魚が多く肉は少量だ。塩分がとても控えられていることもはっきりわかる。昼には巨大なバナナやパイナップルなど果物が出る。普段食べないものばかりだ。白米の盛りがいいのでお腹は満たされる。動かないので腹がまったく減らず、食欲も湧かない。しかし信念に反するので米粒一つ残さない。
驚いたのは、結局4泊5日で3キロも体重が落ちていたことだ。普段なんと無駄に食べているのだろうと自分の飽食を少しだけ恥じた。実は病院到着前にコンビニへ寄って、まさかの時のためにとアレを3本ほどバッグに忍ばせてきた。病院食はもちろんアテには適さなかった。院内の売店で味の濃いスナックなどを買い求めることもできたが、そういう気にはなれなかった。1年363日好きなように飲んでいるが、4日間も一切口にしなかった自分にも驚いている。

5人部屋は全てパーティションで区切られており、互いに顔を合わすこともない。テレビもイヤホンでの視聴なので、とても静かで快適だった。個部屋を求める必要はない。
時代だろうか、看護師は日替わり2交替制。患者との間に起こり得る様々なトラブルは、このシフトでかなり減らせるのだろう。もちろん全員が笑顔と心配を注いでくれるが、ほんの数分の手順通りの機械的なやりとりで本物の心を配るのはほぼ不可能である。話したくて仕方がないご年配の同室者は漏れなく全員に完全に受け流されていた。
世辞の一つも身に付けて欲しいものだ…

四日目、火曜日。
昼の検査で改めて順調を告げられた。
これまで、度重なる検査や、薬を飲んでいる事の毎回の確認、毎日の体温測定や血圧の検査、排便回数の確認など、万全のフォロー体制である。当たり前なのであろうが、非常に丁寧である。委細漏れは無い。
一方でマニュアルには無い注文へは心ない対応が少なからずあった。寂しい限りである。

さて、その検査を終えると唐突に、もうこれ以上居ても仕方がないので明日退院しますか、と意向を尋ねられた。あまりの急展開である。てっきり短くても一週間、金曜日までは入院だと思っていたが、こちらにも長居をする理由はない。即座に受諾した。
ということはやはり月曜日から職場へ復帰しなければならない。

最後のご褒美のようだが、検査直後には入院後初めてのシャワータイム、そして看護師さんに洗髪をしてもらえるという予約が入っていた。実に気持ちが良かった。これだけはもう一度してもらいたかった。

第五日最終日、水曜日。
朝食、検査を終え、退院したのは10時過ぎだった。5日ぶりの外の空気。それだって人生初だった。
荷物は肩に食い込むが、バスを選ばず駅まで歩いた。陽が眩しかった。少し覚束ないが、自分の足でしっかりと歩くことができた。単純に気持ちが良かった。
冷たい風が季節を思い出させ、駅に着くまでには完全に日常に戻っている自分を感じていた。

登山再開は三月だなー
お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:427人

コメント

この日記はコメントを受け付けていません。