【4ポンドと2000円の障壁】
サイレンセスターという自然豊かな公園に4ポンドの入場料が設定されることに抗議するデモが計画されているとの記事を英ガーディアン紙(Web版)で読みました。
これで思い出したのが富士山通行料。2024年7月1日から吉田ルートで2000円の通行料を徴収して混雑回避や自然保全を狙うとのことです。入山者数を抑制して自然保全を行うことには大賛成なのですが、そのやり方には注意が必要だと思います。
【事前抽選による許可制が良いと思う】
富士山の混雑緩和が狙いであれば、一律で負担しなければならない通行料ではなく、事前抽選による許可制にするべきだと考えています。なぜなら心身の健康維持に重要である自然へのアクセスは、すべての人に保証されるべき権利だからです。お金が自然体験への障壁となるべきではありません。
ただし、事前抽選許可制の運営にはお金がかかるでしょうから、「最低限の手数料(数百円くらい?)に加えて負担できる人は負担する任意の協力金」という形が望ましいのではないでしょうか。
【自然は心身に良い」
自然の中での活動は心身に良い影響を与えます。ストレスを緩和し、免疫力を高め、記憶力を強化するなどの効果が認められています。登山者である我々は自然いっぱいの山をのんびり歩くのは心身に良いことが感覚的にもわかるのではないでしょうか。
また子どもが自然の中で活動することは心身の健康にも良いですし、創造性を刺激し、後々の人生に大きな好影響を与えることもあります。
【自然へのアクセスに格差が生じている】
心身に好影響を与える自然の中での活動ですが、家庭の所得の違いにより自然へのアクセスに格差が生じています。裕福であれば自然の中での余暇活動(登山、キャンプ、野鳥観察等)を楽しむ余裕がありますが、貧しければその余裕は限られます。
また都市部自然豊かなで遊びやすい公園へのアクセス良好な場所に住むにはそれなりの家賃を払わなければなりません。
そして経済的に余裕がある家庭は、学校でも塾でもない、自然体験プログラムなどに子どもを参加させることができます。一方で金銭的に豊かではない家庭にはそこまでの余裕はないでしょう。
このようなことの積み重ねで社会経済格差が自然へのアクセスの格差、そして心身の健康の格差につながっています。
【自然へのアクセスをすべての人に】
社会経済的状況に関わらず、自然の中での活動ができる公平な社会を作ることが望まれます。いわゆる「親ガチャ」の影響を減らし、人々の心身の健康を増進して、努力すれば報われる社会につながるでしょう。
富士山の通行料が富士登山という素晴らしい自然体験の障壁とならないことを望みます。すべての人が楽しめる富士山でありますように。
【自然へのアクセスをすべての人に】というのは難しいでしょうね。
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