5月4日夜、消防団より出動要請があった。
白神岳登山者が下山予定時刻を過ぎても連絡が取れない状況だという。
5月5日の朝刊に、遭難者の氏名が記されていた。
たいていの場合、遭難者は県外の人が多いが、今回は町内の人で、
しかも、私の知り合いだった。
5月5日、朝6時、屯所に地元消防団が集合し、消防車で白神岳登山口へ。
既に消防本部職員や関係者が20名ほど集まっていた。
遭難者の奥さんや会社関係者が、消防団に挨拶して回っている。
奥さんの心配ははかり知れない。
上空では既にヘリコプターが捜索を続けている。
団員の服装は、消防の半纏を着ている人、山菜採りの恰好をしている人、
登山の恰好をしている人など、さまざまである。
私は登山装備で背中に非常食や飲料、救急用具を入れたザックを背負っていった。
地元3分団が揃い、50名ほどの隊列となる。
まもなく捜索開始、というところで、
「発見」の無線連絡が入る。
ざわつく。
発見されたようだ。詳細は分からない。
ほどなく、消防本部の代表者が、隊員を前に遭難者発見の報告をする。
遭難者の健康状態は不明だが、別の登山者2名に付き添われている。
これからヘリで遭難者を吊り上げ、岩崎小学校へ搬送するとのこと。
遭難者の状況はそこで明らかになるだろうと。
よかった。
前々日は大間越の山中で山菜取りが崖から転落死する事故があったばかりだった。
よかった。
遭難者の奥さんは安堵する間もなく、団員に頭を下げて感謝の気持ちを伝えていた。
私たちは何もしていないので恐縮した。
奥さんの応対に胸が熱くなった。
まもなく、遭難者を乗せたヘリコプターが山頂方向からやってきて、
登山口上空を旋回し、北方の岩崎小学校へ飛んで行った。
無事だったぞ!という合図だった。
私たちは安堵の気持ちでヘリコプターに手を振った。
本当に良かった。
以前、彼から白神岳を2時間半で登ったという自慢話を聞いていた。
山スキーもやり、八甲田などへも足を延ばしている。
どうして遭難したのか、まだ分からないが、
彼ほどの上級者でも遭難することがあるのだ。
明日は我が身である。
fujita244さん、はじめまして。
本日の朝、白神岳登山口駐車場までの道で、スキーを背負って自転車で登っていた者です。
早朝から登山口、上空が騒々しくてただ事ではないと思っていたのですが、その後、捜索する気配がなかったのでどうしたのかなと思っていました。無事救助されたということで、ほんとうによかったと思います。私も気を付けなければと思っているところです。
shibayan88さん。コメントありがとうございます。
そうでしたか。凄い人が居るなぁと思って見ていましたよ。
駐車場いっぱいに捜索隊が集まって、他の登山客にご迷惑をおかけしていたと思います。
遭難者は、前日の悪天候で下山路を見失いましたが、避難小屋に泊まって事なきを得たそうです。shibayan88さんが登られた日も、午後から雨が降りましたが大丈夫でしたか?
白神山頂直下に、スキー場のゲレンデのような箇所がありますね。
あそこをスキーで滑ってみたいといつも思っていました。
shibayan88さんはあそこを滑走されたんでしょうね。
このGWで山の事故が多発していますが、お互い気を付けましょうね。
初めまして。
4日の夕方、岩木山から白神岳の方を眺めていました。
今年は白神岳に登ろうと思っていたので、憧れの気持ちで見ていたのですが、まさかそのようなことがあったとは…。
本当に、ご無事で何よりでした。
Springさん、コメントありがとうございます。
いつもSpringさんの山行記録を楽しく拝見させていただいております。
白神岳は、道程は長いですが、滑落とか道に迷うとかということはあまり無いように思います。積雪期にはガスがかかると山頂稜線で方向が分からなくなるので、注意が必要です。
今回の遭難者も、下山時になって降り口が分からなくなり、避難小屋に待機せざるを得なかったようです。登山道全般にわたって電波が通じるのですが、今回は携帯電話が電池切れしたことも騒ぎを大きくする要因になってしまいました。
岩木山スカイライン開通したんですね。近々アタックしたいと思います。
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