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私も那須は時々山行に訪れるのですが、秋から春にかけ那須岳の殊に茶臼から朝日までの稜線を跨いで時折吹き付ける暴風(雨)には特段の警戒心を持っています。当日の天候によっては朝日に向かうか迷う場合もありますので、そんな日は峠の茶屋避難小屋にて他ハイカーからの情報を元に最終判断を下します。
那須岳に明るいハイカーなら、此処に吹く強風の凄まじさ…数時間に亘って暴れるような爆風はとても人の身体で受ける事はもちろん伏せてかわす事も出来ないということをご存知かと思います。
レコにも記載したのですが、実はこの5月に登った折、その前日に朝日の肩まで登っていた若者2人が今回の遭難事故の犠牲者同様、吹雪に見舞われて身動きが取れなったらしく駆け付けた地上救助隊と一晩バビークした結果、翌日も自力下山が出来ずに栃木県の消防防災航空隊所属のヘリ「おおるり」が出動、遭難者を上空から吊り上げ救助するのを目の当たりにしました。
この時は吹雪の中、遭難者からの救助要請を受けた警察消防の迅速な対応により朝日へ向かおうとする登山者の規制を敷き麓の駐車場まで保護送還するという措置が取られたお陰もあり2次遭難は免れています。
さてここからが本題なのですが、そもそも暴風時の通行を先行規制して避難小屋を関所代わりに遭難予備群を出さないようにできないものかと考えます。
平時、「峠の茶屋避難小屋」は無人の小屋であり雨風凌ぎや休憩の為に立ち寄るハイカーが多いのですが、位置的には表那須岳ルートの朝日岳手前の最後の砦になり得る小屋です。ここにオンライン警報設備や駐車場横の登山指導所、はたまた茶臼を挟みますがロープウェイ運営スタッフや定期通行される歩荷さんなどと連携を取り、強風緊急警報発動時には対応スタッフを配置するなど。
風が強まる時間を的確に予測するのは現状困難なため、各ポイントに風速計(既設の物もあるかも知れないが)を設置して一定の基準で避難小屋の内外でアラート発報、併せて最速で担当者を派遣すればタイムラグも最小にできると考えます。
もう一つ、小屋から朝日までの剣ヶ峰トラバースは平時は難易度が高く無いため、そのイメージだけで朝日の肩まで登ってしまった場合に、一旦暴風雨に晒されると添付写真の通り逃げ場がほぼ無い状況です。唯一石造りの道標(たしか熊見曽根←→朝日岳?)があるのみです。機転を利かせられるならコレの裏側に身を寄せ、持ってればツェルトやマットを被る…位でしょうか、ただどれ位持つか…
まあそんな事出来るような人ならそもそも、そんな時そこに居ないと思いますけど。
捜索隊はほんの数百メートル先に遭難者が救助を待っているのを分かっていても断腸の思いで風雨の収束を待つしかありません。せめてシェルターがあれば、というか「朝日の肩にシェルターないの何で?」とずっと思っていましたから、起こるべくして起きたと感じてしまう…慚愧に堪えません。
今回の遭難で生命を落とされた方の中にはお医者様もいらっしゃったそうですが医学的な知見からも生命だけは何とか護る行動を取ろうと最期まで懸命に尽くされたのではないでしょうか。
絶望的に取る手段がない状況でどれだけ心細く意識が遠のく中で寒くて辛くて悔しかったかと思うと本当に胸が痛みます。
これまで通り那須岳入山者への注意喚起はもちろんですが、このエリアでの遭難発生のメカニズムを見える化して迅速に手を当てる必要があります。4人の尊い生命は強風対策の欠如の代償として余りに大きいとの認識をより多くの方々と共有したく、一登山者である私を含めあらゆる立場の方々のご理解とご協力の下、那須岳周辺に於ける暴風雨に起因する遭難・ヒヤリハット事例の検証と再発防止の取り組みが進むよう祈念します。
国立公園内での事故でもあることから所轄省庁・自治体におかれましても予算の確保と実行がなされるよう切望するところです。
亡くなられた方のご冥福を心からお祈り申し上げます。
もう15年ほど前の9月に、1泊2日で大丸温泉→峰の茶屋→三斗小屋温泉→大峠→三倉山→音金というコースを歩きました。
1日目は峰の茶屋から三斗小屋温泉に15分ほど下った所にある避難小屋に泊まる予定でしたが、峰の茶屋に着いた途端にもの凄い風に遭遇しまったく歩けず、やむを得ず峰の茶屋の避難小屋に泊まりました。
それまで那須の山には数回登りに来てましたが、身動き出来ないほどの強風に遭遇したのは初めての経験でした。
報道によると、今回の遭難で亡くなられた方々は峰の茶屋の北側で発見されたようですね。
私が経験した時と同じような強風に遭遇したのでしょうか。救助隊も強風で二次遭難の恐れがある為、峰の茶屋から引き返しているようです。
あと少し降りれば峰の茶屋に避難小屋があって助かったのに、それさえも許さない那須の山の風は恐ろしいですね。
こんばんは!
5月に縦走した時は、その前日に吹雪いて遭難者が出たなんて想像もできないほど穏やかな天候でした。
ただ、朝日の肩の手前の岩壁は凍て付き高山植物には霧氷が見てとれ、驚いたのを覚えています。
自然が豹変するというのはこういう事かと思いましたが、できれば身を以て体験したくはないですよね。
今日のほうど
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