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宮城県笹谷峠近傍の大森山尾根上778メートルピーク(西クラスミ山)往復

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日程 日帰り   4 時間    往復/周回ルート
エリア蔵王・面白山・船形山
ジャンル無雪期ピークハント/縦走
技術レベル 5/5 ※技術レベルの目安
体力レベル 2/5 ※体力レベルの目安
見どころ 温泉あり 紅葉あり
距離/時間
[注意]
水平移動距離: 5.13km
最高点の標高: 775m
最低点の標高: 478m
累積標高(登り): 548m
累積標高(下り): 543m
アクセス 車・バイク   
新笹谷渓流釣り場手前を市政林道へ入る
コースタイム 市政林道渡河点 ---(53分)--- 小屋の沢ピラミッド北鞍部 ---(22分)--- 780mピーク ---(30分)--- 西クラスミ山 ---(130分)--- 市政林道渡河点

ルート説明:

宮城県笹谷・小屋の沢から大森山尾根778メートルピーク(西クラスミ山)往復

5月3日に小屋の沢ピラミッド(仮称:796メートル独標のこと)から六方山に登ることに成功し、小屋の沢ピラミッド鞍部に至る立派な道の発見に気をよくした我々は、この鞍部から大森山に尾根伝いに行けるのかどうかということに強い興味を持ち始めた。5月27日、朝はまだ雨が降っていて予定していた秋田の山への遠征は取りやめることにした。天気の回復を待って近場の山ということになり、気になっていた大森山尾根の探索に行くチャンスが早くも巡ってきたのだった。
小屋の沢林道に入ると我々を歓迎するかのように陽が差し始めた。市政林道に入り、林道が水流を渡る手前に駐車する。雨の後にしては水量は普段と大差なく濁りもないが、万が一これから増水して車が通れなくなったりしたら事だからである。渡河点の向こうに、今から登るピラミッドの“鼻”がきれいな姿を見せている。この1カ月足らずの間に山は一気に夏の様相に衣替えし、タニウツギがたわわに花をつけ、美しさを競うかのように咲き誇っている。ハルゼミが賑やかに鳴く。クロアゲハのまだういういしい雄たちが、やっとさしてきた陽射しを満喫するかのように追尾を繰り返している。
前回はすぐに目に入った踏み跡が地面を覆う下生えの草木の青葉に隠されて、しばし右往左往させられる。ようやく入口を見つけて登り始めると、シロヤシオはほとんど花を落として瑞々しい青葉が周囲に広がる。ぐいぐい一本道を登る。うっかりクマの糞を踏んだのを後ろからくるKinuasaに見咎められるも、急な登りは落ち込む余裕を与えない。やがて尾根の弛みに達する。再び尾根がせりあがる付け根から道は左に巻き始め、ピラミッド北の鞍部へと水平路となる。何か所か視界が開ける場所があり、雁戸の尾根がわずかに雪を残しているのが眺められた。神室岳は雪を失い、すっかり黒くなっている。やがて、のびやかに広い鞍部に着く。鞍部の真ん中のテープのまかれた木がリョウブであることを、葉が出た今になってやっと理解した。ここで例によって昼休みをとる。
さて、ここからが今日の探検である。ピラミッドに背を向けて、北へと向かう。丈の低いササの生える疎林をやや右寄りに進むと、境界見出標や伐採標識が間隔を置いて現れ、なんとなく切り分けがわかる道のようなところを忠実に辿る。木に作業用の赤いマーキングもある。ところどころにブナの巨木が散在するものの、おおむね若いミズナラやブナからなる明るい林である。しかし、眺望は得られない。780メートルのピークはどこが山頂なのか分からない茫漠とした森にある。これを越えてシロハンショウズルの咲く稜線を辿り、次の鞍部から778メートル独標に取りつくが、尾根が狭まるあたりで切り分けとマーキングは右に折れ、斜面を下っている。我々はあくまでも尾根を登るが、ここには踏み跡も何もなく、藪となっている。木の枝を払いつつ上をめざし、やがて最高点、778メートル独標に着いた。真東の方角、木の間越しにクラスミ山の均整のとれた美しい姿が間近に見える。こちらの独標の名は不明のため、仮に“西クラスミ山”と呼ぶ。クラスミ山とは顕著な尾根でつながったペアのような独標だからだ。独標のてっぺんから北に向かっては獣道が踏まれており、それを辿ることにする。ところが、数メートル進むと、この獣道はべらぼうに密度の高い灌木藪に入っていくのだった。隣の小ピークは見えているが、到底突破できるような状況ではない。潔く撤退を決めた。藪になっているのは、ピークの平坦部を脱して下降に転ずる地点であり、従って傾斜がきつく、樹高が低いため日当たり良好である。このため冬場であってもこの藪が雪に完全に覆われることはないだろう。大森山から六方山まで踏破するとしたら、ここの突破が鍵となろう。
さて踵を返した我々は、天候も何やら怪しいのでクラスミ山を経由することもせず、先の谷に向かっている切り分けを少し検分したのち、往路を忠実に辿って下山した。朝には雲に隠れて見えなかった大東岳が、木々の間からその大きな山容を覗かせている。クマの糞にきれいに残った自分の足跡を確かめるのを忘れずに、転がるような勢いで林道に降り立ったら、すでに15時近かった。取りつき点付近3か所に、布短冊をぶら下げて目印とした。林道わきではラショウモンカズラがひっそりと我々を見送ってくれた。咲き始めたウラジロヨウラクが、夏の到来を告げている。きっと今年の秋には、勝手知ったるクラスミ山の側から778メートル独標を目指すことになるだろう。

ルート詳細

1. 市政林道渡河点 (465m)
道あり
2. 小屋の沢ピラミッド北鞍部 (690m)
リョウブの木にマーキングのある平坦地
3. 780mピーク (780m)
4. 西クラスミ山 (778m)
東にクラスミ山が間近に見える。
5. 市政林道渡河点 (465m)
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