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Yamareco

記録ID: 1168993
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
蔵王・面白山・船形山

宮城県笹谷峠近傍西クラスミ山

2017年05月27日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
5.1km
登り
487m
下り
477m
天候
過去天気図(気象庁) 2017年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
小屋の沢林道と市政林道の路肩
コース状況/
危険箇所等
一部を除き道なし
その他周辺情報 笹谷温泉、青根温泉、遠刈田温泉
市政林道の渡河点。正面に今から登る“小屋の沢ピラミッド”の「鼻」に当たる尾根が見える。
2017年05月27日 10:28撮影 by  iPhone 7, Apple
5/27 10:28
市政林道の渡河点。正面に今から登る“小屋の沢ピラミッド”の「鼻」に当たる尾根が見える。
大森山尾根の“小屋の沢ピラミッド”北側に位置する平らな鞍部。リョウブの木にテープが巻かれている。
2017年05月27日 11:46撮影 by  iPhone 7, Apple
5/27 11:46
大森山尾根の“小屋の沢ピラミッド”北側に位置する平らな鞍部。リョウブの木にテープが巻かれている。
“小屋の沢ピラミッド”北側鞍部から北にたどるとすぐ、特徴的なブナの大木に出会う。
2017年05月27日 11:55撮影 by  iPhone 7, Apple
5/27 11:55
“小屋の沢ピラミッド”北側鞍部から北にたどるとすぐ、特徴的なブナの大木に出会う。
ミズナラ、カエデ、ブナが混ざる若い林が続く。なんとなく切り分けが。えっ、どこに?
2017年05月27日 12:21撮影 by  iPhone 7, Apple
5/27 12:21
ミズナラ、カエデ、ブナが混ざる若い林が続く。なんとなく切り分けが。えっ、どこに?
西クラスミ山近くの尾根は東にやや開ける。
2017年05月27日 12:48撮影 by  iPhone 7, Apple
5/27 12:48
西クラスミ山近くの尾根は東にやや開ける。
シロハンショウヅル咲く尾根。
2017年05月27日 13:15撮影 by  iPhone 7, Apple
5/27 13:15
シロハンショウヅル咲く尾根。
正面やや左に神室岳、その右には風ノ堂が見える。
2017年05月27日 14:14撮影 by  iPhone 7, Apple
5/27 14:14
正面やや左に神室岳、その右には風ノ堂が見える。
小屋の沢を隔てて雁戸山の尖峰をみる。
2017年05月27日 14:14撮影 by  iPhone 7, Apple
5/27 14:14
小屋の沢を隔てて雁戸山の尖峰をみる。
雲の間に大東岳が望まれる。
2017年05月27日 14:29撮影 by  iPhone 7, Apple
5/27 14:29
雲の間に大東岳が望まれる。
林道の脇ではラショウモンカズラが華麗な姿で見送ってくれた。
2017年05月27日 14:47撮影 by  iPhone 7, Apple
5/27 14:47
林道の脇ではラショウモンカズラが華麗な姿で見送ってくれた。
撮影機器:

感想

宮城県笹谷・小屋の沢から大森山尾根778メートルピーク(西クラスミ山)往復

5月3日に小屋の沢ピラミッド(仮称:796メートル独標のこと)から六方山に登ることに成功し、小屋の沢ピラミッド鞍部に至る立派な道の発見に気をよくした我々は、この鞍部から大森山に尾根伝いに行けるのかどうかということに強い興味を持ち始めた。5月27日、朝はまだ雨が降っていて予定していた秋田の山への遠征は取りやめることにした。天気の回復を待って近場の山ということになり、気になっていた大森山尾根の探索に行くチャンスが早くも巡ってきたのだった。
小屋の沢林道に入ると我々を歓迎するかのように陽が差し始めた。市政林道に入り、林道が水流を渡る手前に駐車する。雨の後にしては水量は普段と大差なく濁りもないが、万が一これから増水して車が通れなくなったりしたら事だからである。渡河点の向こうに、今から登るピラミッドの“鼻”がきれいな姿を見せている。この1カ月足らずの間に山は一気に夏の様相に衣替えし、タニウツギがたわわに花をつけ、美しさを競うかのように咲き誇っている。ハルゼミが賑やかに鳴く。クロアゲハのまだういういしい雄たちが、やっとさしてきた陽射しを満喫するかのように追尾を繰り返している。
前回はすぐに目に入った踏み跡が地面を覆う下生えの草木の青葉に隠されて、しばし右往左往させられる。ようやく入口を見つけて登り始めると、シロヤシオはほとんど花を落として瑞々しい青葉が周囲に広がる。ぐいぐい一本道を登る。うっかりクマの糞を踏んだのを後ろからくるKinuasaに見咎められるも、急な登りは落ち込む余裕を与えない。やがて尾根の弛みに達する。再び尾根がせりあがる付け根から道は左に巻き始め、ピラミッド北の鞍部へと水平路となる。何か所か視界が開ける場所があり、雁戸の尾根がわずかに雪を残しているのが眺められた。神室岳は雪を失い、すっかり黒くなっている。やがて、のびやかに広い鞍部に着く。鞍部の真ん中のテープのまかれた木がリョウブであることを、葉が出た今になってやっと理解した。ここで例によって昼休みをとる。
さて、ここからが今日の探検である。ピラミッドに背を向けて、北へと向かう。丈の低いササの生える疎林をやや右寄りに進むと、境界見出標や伐採標識が間隔を置いて現れ、なんとなく切り分けがわかる道のようなところを忠実に辿る。木に作業用の赤いマーキングもある。ところどころにブナの巨木が散在するものの、おおむね若いミズナラやブナからなる明るい林である。しかし、眺望は得られない。780メートルのピークはどこが山頂なのか分からない茫漠とした森にある。これを越えてシロハンショウズルの咲く稜線を辿り、次の鞍部から778メートル独標に取りつくが、尾根が狭まるあたりで切り分けとマーキングは右に折れ、斜面を下っている。我々はあくまでも尾根を登るが、ここには踏み跡も何もなく、藪となっている。木の枝を払いつつ上をめざし、やがて最高点、778メートル独標に着いた。真東の方角、木の間越しにクラスミ山の均整のとれた美しい姿が間近に見える。こちらの独標の名は不明のため、仮に“西クラスミ山”と呼ぶ。クラスミ山とは顕著な尾根でつながったペアのような独標だからだ。独標のてっぺんから北に向かっては獣道が踏まれており、それを辿ることにする。ところが、数メートル進むと、この獣道はべらぼうに密度の高い灌木藪に入っていくのだった。隣の小ピークは見えているが、到底突破できるような状況ではない。潔く撤退を決めた。藪になっているのは、ピークの平坦部を脱して下降に転ずる地点であり、従って傾斜がきつく、樹高が低いため日当たり良好である。このため冬場であってもこの藪が雪に完全に覆われることはないだろう。大森山から六方山まで踏破するとしたら、ここの突破が鍵となろう。
さて踵を返した我々は、天候も何やら怪しいのでクラスミ山を経由することもせず、先の谷に向かっている切り分けを少し検分したのち、往路を忠実に辿って下山した。朝には雲に隠れて見えなかった大東岳が、木々の間からその大きな山容を覗かせている。クマの糞にきれいに残った自分の足跡を確かめるのを忘れずに、転がるような勢いで林道に降り立つと、時はすでに15時になろうしていた。取りつき点付近3か所に、布短冊をぶら下げて目印とした。林道わきではラショウモンカズラがひっそりと我々を見送ってくれた。咲き始めたウラジロヨウラクが、夏の到来を告げている。きっと今年の秋には、勝手知ったるクラスミ山の側から778メートル独標を目指すことになるだろう。

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