オートルート Day6(ビネット小屋〜ベルトール小屋)
コースタイム
- 山行
- 6:10
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 6:20
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年03月の天気図 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ベルトール小屋の梯子と階段、踏み外したらタダでは済まない |
写真
感想
今日はロングコース。モンコロンをぐるりと周って、憧れのベルトール小屋まで。特に難しい所もきつい登りもありませんが、最後の登りがお昼時になるので、照り返しが強くて暑くて辛そうだ、という皆の予想通りの展開になりました。
最後は遅れながらも無事小屋まで登りきると、ガイドのミシェルが「グッジョブ!ユーアーストロング」と満足気にウィンク。6時間は結構いいコースタイムだったようです。
ビネットのコルから、ほんの一時だけイタリアに入る事は、ガイドブックを見るまで知りませんでした。フランス・スイス・イタリアの3カ国を縦走した事になります。
北アの県境で遭難したら富山側へ下りろって言いますが、国境で遭難したら、どっちの国へ下りた方がいいとか、あるんでしょうか?まぁ、そんな事考えている余裕があったら、自力で下山できそうですけど。
ベルトール小屋の梯子は、標高差で40m以上ほぼ垂直。踏み外して落ちたらアウトです。今でこそ立派な梯子がついていますが、昔の写真を見ると空怖ろしい。
腹ペコでスープを注文し、宿帳に名前を書き込んでいると「マドモアゼール」と声がする。振り向くと、栗毛の王子様みたいな若い男性がひざまずいて、優しい声で「マドモアゼル、あなたのスープが出来ていますよ」とにっこり。
日本だったら、さしずめカウンターから立ったままで「おー、ねーちゃん、スープできとっぞ。はよ持ってけま!(富山弁)」と大声で呼ばれる所ですが、さすがレディーファーストのお国柄。わざわざ傍まで来て、座っている私と同じ目線まで腰を落として、そっと声を掛けてくれるのです。
客室は下の階にあり、階段は垂直に近いくらい急で、ステップは小さな三角形で足が半分しか乗りません。究極の省スペース設計。
時間がたっぷりあるので部屋でお昼寝し、寒くなって来たので、外に干してあるシールやインナーブーツを取り込もうと思って起き上がり、そのまま三角階段を3〜4段登った所でクラッと来ました。ここは3300m、起き上がってからせめて一息深呼吸すべきでした。
慌てて手摺に掴まろうとしたけど、もう手遅れ。身体が宙に浮いて背中から落ちて行く。マズイっ!頭を打ったら強制送還だ。せっかくここまで頑張ったのに・・・
幸い頭は打たずに済みましたが、腕と腰を強打して、痛みと貧血でうずくまっていたら「マドモアゼール」と声がする。顔をあげると、さっきの栗毛の王子様と一緒にいたデカプリオの弟みたいな綺麗な顔したブロンドの男の子が、心配そうに手を差し伸べている。自力で立てない事も無かったけれど、お言葉に甘えて助け起こしてもらいました。
狭い場所に建てられている小屋ではブーツ置き場も限られていて、高い所しか空いていない(私は背が低いので届かない)と、わざわざ自分のブーツをずらして場所を空けれてくれたり、見ず知らずのジェントル達は本当に優しくて助かりました。成田空港ですら、カートにスーツケースを乗せるのを手伝ってくれたのは、通りがかりの欧米人男性でした。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する