山形県立博物館・高畑日向洞窟・押出遺跡・うきたむ風土記の丘
hirokok510
- GPS
- --:--
- 距離
- 155km
- 登り
- 872m
- 下り
- 985m
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| 天候 | 腫れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2017年09月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
バス
|
写真
高畠町までの道中に通過した白竜湖は古くから形成された大谷地の一部で、その地層の19.5m下から3万年前のAT層（姶良丹沢火山灰層）が検出された。長年にわたる堆積で湖は埋まりつつある
西の長岡山丘陵の旧石器遺跡では地表下30�僂貌麕�年前の石器が検出されるが、堆積の急な泥炭層の大谷地では6千年前の荘は2mの深さになっている。
日向洞窟は昭和29年発見、翌30年に当時縄文最古の土器として注目を集め、縄文土器・文化の起源にかかわる重要遺跡として継続調査・研究され、52年には国指定史跡、出土品も重要文化財となった。
湿地に埋まってパックされた大量の縄文クッキー、編み物、櫛断片、木器、彩漆土器、平地式住居など、当時の知見では想像できなかった遺跡・遺構・遺物が発見された
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この日の遺跡見学が終わり、村上に移動する途中に酔った白い森SA--周辺にある飯豊連峰や朝日連峰南端の祝瓶山へ行けそうにも見えるが、実際には遠いかな？キャンプ場からは日帰りでも行けるらしいーー。
感想
前夜宿泊した山形城近くのゲストハウスに泊まっていた大英博物館で美術の仕事をしていたというスペインの若者に教えられた近道を通って、山形城市内にある博物館に行く。
ヤマガタダイカイギュウや国宝の女神土偶、自然史と考古展示の概要を見て、集合場所の山形駅に急ぐ。グループー遺跡見学ツアーのバスに乗り込み、再び県立博物館に戻り、今度は博物館学芸員、原田さんの解説付きでじっくり見る。自然史展示で新潟県や山形県に特に多い緑色凝灰岩は装身具（管玉）などに利用されたが、新第三紀の激しい地殻変動（グリーンタフ変動というらしい）、海底火山活動により形成されたという。そのほか、付加体と花崗岩の形成や列島・山形県の形成に関する展示が続き、カイギュウの化石も山形がかつては海の底だったことを証拠づけている。次に新生代第4紀の表記と間氷期を繰り返す気候変動期の河岸段丘の形成の展示があり、堆積層の中に当時の表記の痕跡などがみられるらしい。また火山では吾妻山、蔵王、月山、鳥海山などの成り立ちや、最上川の自然史、県内各地の特徴ある岩石、地形、地質や景観の紹介があり、そのあといよいよ考古展示へ
旧石器時代の展示では、新庄市南の遺跡の後期旧石器時代の石刃や彫刻刀などのほか、飯豊町上屋地B遺跡の中期旧石器時代のハンドアックスや石核などがあり、ホントかなーー？？ただし付近の炭化物の年代は3万2千年前以前となっているようだ。県立博物館HPでは石核を4万年前とし、「シベリアのルバロワ＝ムスティエ文化期の石器とよくにていいる」と解説している。お隣には大石田町角二山の後期旧石器末の細石刃などが並んでいる。また上屋地Aの片刃石斧など。縄文草創期に入ると日向洞窟の展示。石器や土器のほか、洞窟のジオラマもある。国宝室に入ると、女神様。船形町の西ノ前遺跡の住居址のみぞ1m下の2.5m範囲から5つに分かれた女神像土偶が発見され、国内最大級、完形で美しい姿から重要文化財に指定され、のちに国宝となった。重さ3.1�圈�大きめの新生児くらいの重さ、中空ではなくずっしりしている。次に草創期の洞窟遺跡出土品（大立洞窟など）の微隆起線土器や押出遺跡の彩漆土器（複製品）などを見る。
その後、弥生時代の稲作の始まりや古墳時代からなら平安時代の展示品を少し見て、最上川水運の歴史をたどる展示も見る。
昼食後、高畠町へ移動、途中大谷地の北端にある白竜湖を見るー沈降する大谷地―低湿地のかつての姿を残している。大谷地周辺の丘陵すそには様々な洞窟が開口し、遺跡が多い。大谷地の南側にある県立風土記の丘考古資料館を見学。館長の渋谷さんがあいさつし、学芸員の伊藤順子さんが展示解説をしてくださった。館名の「うきたむ」（置賜）はアイヌ語で流れる土地＝湿地帯＝で、旧石器時代には小国町や飯豊町の丘陵地のほうに遺跡が多く、縄文草創期に入ると低湿地周辺の洞窟を中心に遺跡が出現している。前期に入るとさらに低い部分に押出遺跡のような低湿地にある特殊な遺跡が出現、押出遺跡の出土物が多く展示されており、住居内出土品などが一括で国の重要文化財に指定されている。押出遺跡は12000年前の縄文草創期から前期まで存続し、水没して遺跡がパックされて残された。その後の東京の下宅部遺跡（1995発見）や埼玉県の寿能、デーノタメなど各地で発見されている。もっとも是川遺跡ではもっと古い時代に低湿地遺跡の発掘が行われていたがーー。近年、弥生時代に入ると最上川沿いに酒田まで遺跡が点在しているようだ。弥生前期に日本海ルートで遠賀川系土器と稲作が青森まで到達したときに、酒田あたりまでその波が来たらしく、生石2遺跡からその証拠が出ている。山県の古墳時代は会津の古墳時代との関係で興味はあるが、今回は時間がないので今後の課題。
風土記の丘から渋谷館長さんの案内で日向洞窟と押出遺跡に向かう。まず日向洞窟の第一洞窟を見学。この洞窟は昭和30年代に山内清男氏や山形大学の柏倉教授らの指導で発掘調査が行われ、草創期遺構長期にわたって利用され、国指定史跡となっている。洞窟はすぐ行き止まりで2mほど下まで掘ったようだが現在はすでに埋め戻されている。ここから草創期の土器片や多数の石器が出土して、草創期研究に大きな影響を与えた。近年、東北芸術工芸大学の長井氏により再び発掘調査が継続的に行われて、日向洞窟遺跡の全貌が解明されつつある。この遺跡は第一洞窟前のテラスが大変広く、道路を挟んで日向洞窟西遺跡へとつながっており、この遺跡が大谷地川と深い関係を持っていたと考えられているようだ。第4岩陰のほうに向かうと、長井氏らの発掘調査現場があった。担当の学生さんらが測量などをしていた。さらに押出遺跡に向かう。押出遺跡は出土品が重要文化財に指定されているが、遺跡そのものは諸事情がありまだ指定されていないという。低湿地の大谷地の排水路の工事の際に発見されたが、おそらく排水路の農業上の重要性や地主の見解などがあって、高畠町は国指定史跡には消極的という。文化財関係者は、可能な範囲でよいから何とか国指定をとって一部でも遺跡を保存したい意向だ。成功を祈りたい。この遺跡が今日の最期の遺跡、ここからは一路小国街道を村上まで下る。途中、運転手さんのおすすめの関川村の渡邊邸を外から見学し、村上駅付近のホテルに入る。
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