瑞牆山(末端壁)


- GPS
- 08:32
- 距離
- 2.5km
- 登り
- 337m
- 下り
- 266m
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
前日の小川山から移動して、会のメンバーと十一面岩末端壁へ。
宿題の「エアウェイ」をトライ。
1便目
前回の感触を裏切り、アストロドーム下部からジャムが効かせられずテンテン。霧がかかっていたせいでフリクションが悪いのか、朝一で体が動かないのか・・ひとまずアストロ終了点でエアウェイのヌン掛けを試してみる。やはりマスターはつらいのでボルトセクションのヌンチャクはプリセットにすることにした。
2便目
霧が晴れてフリクションが戻ったのか、わりとスムーズにアストロドーム終了点まで到達。相変わらず息が上がる。ここから倍ちかい高度を登るのか・・と一瞬めげそうになるが息を整えて後半戦へ。
出だしのトラバースでカチを握ると思ったよりよれているようで持ち感が悪い。指が抜けかけるが吠えながら耐える。一足一足慎重にスタンス拾い中間のクラックまで到着。#2をセットしてレストする。
ここから、7〜8手こなせばガバに到着して核心は終了だ。ランナウトするがここから先はプロテクションを省いて一息でこなそうと覚悟をきめてレストポイントを出る。
無心でムーブをこなそうと心がけていたけど、ガバへの1手を出す際に2〜3m足下のプロテクションが目に入り恐怖心が過ぎる。
恐怖心を振り切るように吠えながら一手。止まった!! 足早に春うららに合流。荒い息を整える。あとは5.8くらい・・慎重にスタンスを確認しながらテラスへ上がる。完登した時にお昼寝テラスで見る眺めは最高だ!!
エアウェイのRPでおなか一杯だけれど、登った本数が少ないのでペガサス1Pをトライ。遠目から見たワイドセクションは意外と逃げ道があり、数か所あるレストポイントでこまめに休みながら無事オンサイト。ライン取りや、足運びが悩ましくて面白いルートだった。
この日のハイライトはとっしーのトライだった。最終便で、アストロドームRP。いつ落ちてもおかしくないようなヨレた状態ながら、得意のワイドムーブを駆使しながら、一足一手粘りに粘って完登。折れない心の重要さを改めて教えてもらった。トラッドクレード更新おめでとう!
■エアウェイ
アストロドームの終了点からボルト一本はさみ、フェイスを横断して春うらら1Pへ繋ぐライン。
閉塞感のあるアストロドームから一転、広い末端壁のフェイス面を登るのは露出感、高度感がすごくルート名(空路?)のように空中散歩をしているような爽快感を感じる。プロテクションを取れる場所がかぎられるせいもありランナウト気味になるけど、それもまた、良いスパイスになっているのかもしれない。手を離せるテラスまで上がれるというのも満足感がある。
アストロドームを再登するのは気が重かったけれど、それを差し引いても素晴らしいルートだった。
エアウェイ 5.12A 2RP
ペガサス1P 5.10C OS
注意)一部ムーブ記載あり、気にされる方はご注意を
いつもの会の先輩達と瑞牆末端壁へ。出発はゆーまさん宅の駐車場にバイクを停めさせてもらって5時半。渋滞にも捕まらず3時間でみずがき自然公園。9時半にはアプローチ完了でスムーズだった。到着時間比較で5時半発と6時発に結構大きな壁がある気がする。だんだんとこのアプローチも馴染み深くなって来た。まだ見てない気になるエリアも多いけど。
今日の目標ルートはアストロドーム11a。順調に10dのクラック経験を重ねる事が出来たので、自分の中でも順当なトライとしてやる気は十分。実は昨年の10/20に1便だけお触りさせてもらっていたのだが、なす術なく核心もほぼムーブ起こせずはじき返され、下部核心終わりの棚で撤退、という内容だったので去年との違いを確認したい気持ちもあった。
この日、ワルさんもアストロドームトライ。ラッキーさんはエアウェイ。ゆーまさんは、はるうららといった内容。
ワルさんは初見だったので、おこがましいが去年の自分の初便を見ているようで核心の対応に追われる気持ちに共感が止まなかった。最後ムーブ固まってたので是非次回上部まで!
ラッキーさんは2便で早々にエアウェイをRP。核心部の唸り声に瑞牆のお姉さん方の嬌声を浴びていた。冗談抜きで最高にカッコ良い登攀であった。タイミング的に写真撮れず残念だったが、アストロドームパート後にせり出したフェイス部分に躍り出る姿はなるほどエアウェイという感じ。その後ペガサスのオンサイト付き、流石。
ゆーまさんは、はるうららがあと一息という雰囲気。核心部はほぼ終わっているようだが、俺が行くまで是非終わらせないで頂きたい!
★アストロドーム 11a
1便目
傾斜が強い出だしはハンドジャム+ワイドムーブ混じりに処理して核心真下まで潜り込む。昨年見て覚えていた左腰を押し付けるやり方でレスト体勢を作るが思ったより休めずジリ貧になる。とりあえず上方に安定して#0.75を仕掛けるとこまでは繋がった。次の手を決め兼ねる内にフォール。安定するように見えても体幹が吸われる。長く滞在し過ぎた。核心のムーブを確認、左クラックをサムカム→レイバックで繋げるやり方を思い付く。その後もリップから抜けてマントルを返すまで、テンテンで検討しておく。上部についてはほぼオンサイトになるが、プロテクション位置もやや悩ましく、ムーブ的には恐らく10a〜bなのだろうけど、絶妙にずっと休めるポイントが無いのが難しさを増している気がする。(正確にはレスト体勢は作れるのだが、フルレスト出来るポイントが無く、常に効かせたり身体を入れたり、ジャムったり、何がしか小さい力で絶え間無く余力を削られ続けている感じ)棚からハング下まではなんとか意地で繋げたが、そこでテンション。限界まで耐え過ぎたのか、体調がおかしく長時間レストしても全然息が整わない。貧血っぽくクラクラする上、吐き気がして力が戻らない状態。クラック特有の疲弊感だが、酷さが当社比最高潮(朝一だから?)。
なんとかそこそこの状態っぽくなったので、ハングだけ処理してTO。キツイけど1便目で抜けられて一応及第点。降りた後も体調最悪でしばらくグッタリした。
2便目
下部核心でフォール。サムカム→左側レイバックを試し、リップまで届くが、右上出来ずフォール。教えてもらったラッキーさんムーブを検証。右クラックの核心上部右側にあるカチをガストンっぽく取って一気にリップに飛ばす。こっちのが楽そうなので採用して(パクって)抜ける事に決める。下部核心のみ確認して撤退。余力を残して次の便に懸ける。
3便目
作ったムーブで順調に核心抜けるが中間入り口でフォール。#0.3弾け飛ぶ。固め取りしたもう一個の#0.3で止まり肝を冷やす。そんな気がなくても明らかに心が折れてまともに突っ込めなくなる。生理的に恐怖で身体がすくんでいるのが自分で分かる。人工付きの酷いテン山で抜ける。
4便目
タイミング的にもう上がりムードだが、ラッキーさんが「トッシーもう1便出すでしょう?」と当たり前のように聞いてくれる。完全に諦めていたので、面食らう。一瞬の事だが、3便目を振り返ってあの体たらくでトライする価値のある登攀が今出来るのか考えた。と、その前にラッキーさんの言葉でまだトライ出来る可能性を考えて、まず第一に嬉しい、有難いと確かに感じた事を思う。関係ない、この気持ちを優先しようと思った。有り難く泣きのもう1便を頂戴する。『邪念は置いて「次のとこまで無心で」を繰り返して行け』とゆーまさんからも至言を頂きその通りで行こうと決める。恐らくさっきのカム弾けの印象は簡単に拭えないので、予定より多くカムを持って行く事で精神安定剤にする。
トライ開始。下部、身体の重さを感じるが同時にリラックスしているのも感じる。1便目で落ちた下部核心部で際どく右カチを止める。本当に際どかった。リップ取り、持ち替え、左ボトミングジャム。バチ決まりで癒される。落ち着いて#0.75カム決め、右膝を入れてマントル前にニーバーで可能な限りレストする。マントルを返して念押しのレストと精神集中。3便目でフォールした箇所へ。ここは#0.3→#0.4を2個固め取りに変えて安心感増。先程確認していたムーブで左足に乗り込む。立ち上がってから荷重が左に逃げ過ぎて半ば落ち掛ける。左足下のカムが見えてヒヤリとする。右手で持ち堪え、なんとか足を踏み替えて対応出来た。ついでにカムを多く持って来た事で、仕掛ける番手を取り出すのにもたつき、重ねて焦る。ここが一番際どく、持ち堪えてなんとかレスト体勢を作れてプロテクションを取れた時点で初めてRPを意識する。「ここからは絶対に大切に登ろう」と念じると、ジワリ、ジワリ、と高度を上げながら、限界近いヨレを感じる。しかし1便目と違いムーブはほぼ出来ている事が大きな差だ。泳げない人間が息継ぎをするようにジリ貧のレストを繰り返しながら、なんとか進み、いよいよハング下に予めヌンチャクを連結しておいた#1をねじ込みクリップする。左上すればすぐそこに終了点、それでも尚、全く油断出来ない。頭上にハンドジャムをねじ込み、高度感を感じながら身体を外に出して左へ。もう一手決めて、足を入れ替え、左のガバへようやく手が届いた。7割の安堵。ラスト、終了点直下のワイド部分に膝ごとねじ混む。バック&フットで安定して両手を離してようやく、勝利を確信した。しかしもはや紛う事なき絞りカスのようになっているので、ゆっくりとゆっくりと終了点へ。そしてRP。
確実に今までの自分のクライミング人生で最もヨレながらRPした便であった。文句無しに出し尽くした。
NPグレード更新、11クラッカーとなった。
色々書きたくなるがきっと蛇足になるのでこの辺で。
最後の1便の機会を貰えた事にただただ深い感謝しかない。
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◆リザルト
アストロドーム 11a ×××○ RP
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