晩秋の編笠山
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過去天気図(気象庁) | 2010年11月の天気図 |
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写真
感想
八ヶ岳の端っこの編笠山(2000m)に登ってきました。
■出発
深夜4時、クルマに乗り込みエンジンをかけると「ギュギュギュッ・・・」とイヤな音。
室内灯がつけっぱなしだったらしくバッテリーが上がってしまったらしい。
「なになに?」
訳が分からない息子が聞いて来る。
「電池切れだ」
と答えながらさてどうしたものかと考える。
中止にするか・・・いやいや今日は天気がいいらしいから勿体ないぞ。
今から2,3時間充電して出発すれば昼前には歩き始められるだろう。
でテント場には15時頃着といったところか。
という事でしばし仮眠してから再出発する。
紅葉狩りに向かう渋滞にもまれながら小淵沢ICを目指してクルマを走らせていると
やがて八ヶ岳連峰が右手に見えはじめる。
赤岳や阿弥陀岳など急峻な山々が連なる南八ツにあって編笠山は左の端っこに
その名の通り編笠を被せたような穏やかな姿を見せている。
観音平の駐車場は満車のためしばらく戻り路肩に駐車する。
時間はすでに11時半を回っている。
歩き始めがこんなに遅いのは初めてだ。
※今回のルート
観音平→雲海→巻き道→青年小屋(テン泊)→編笠山→雲海→観音平
■山の中
観音平からしばらくはなだらかな山道が続いている。
落葉樹が多いため木々の間から秋の日差しが降り注いで気持ちよく歩ける。
「あ〜、やっぱり来て良かったなぁ」
と息子に話しかけるが気のない返事が返ってくる。
どうやらザックの荷物が重くそれが不機嫌の理由らしい。
夏場のテン泊と違い今回は寒さ対策のための装備が増えているためだ。
もちろん私のザックの重さもズッシリと肩にのしかかっている。
雲海を過ぎると苔むした大きな岩があらわれてきて八ヶ岳らしい光景が広がる。
さらに1時間近く歩くと押手川に到着。
川といってもほとんど枯れているので雪解け時のみ現れるのかもしれない。
ここから先は、山頂へ続く直登ルートと編笠山を右手に巻くルートの分岐点。
予定では山頂を経て青年小屋に降りるつもりであったが予定より遅れ気味なのと
体力的にもしんどくなってきた(こっちが本音)ので息子と相談して巻き道を選択。
山頂を踏むのは翌朝にすることにした。
しかし・・・「巻き道=楽ちん」の構図はここでは当てはまらず岩がゴロゴロして歩きづらく
それなりに急登なところもありなかなか厳しい。
私も息子も徐々に口数が少なくなり「早くテントで休みたいなー」の共通の思いだけで足を運ぶ。
編笠山に日が落ちはじめた頃にようやく青年小屋に到着。
「青年」って最近聞かない言葉だけれどもなんとなく元気が出る響きだ。
もう青年じゃないからかもしれないけれど。(笑)
テント代(1人¥800)を払って小屋の裏手にまわる。
そこそこ広く所々に草地もありほとんどフラットなのでテン場としては上々だ。
すでに5,6張のテントが張ってある。
小屋に近い場所にテントを張って暗くならないうちに水場へ向かう。
今回は寒さ対策に湯タンポを持ってきたので多めに水を補給する。
今夜の夕飯はカニ雑炊。
お湯を沸かしていると
早くも霜が降りてきてうっすらとテントが白くなってくる。
霜は朝方に見るものだと思っていたのでちょっと驚きだ。
食事を済ませて早々にシュフラフにもぐり込む。
時間は18時。
青年小屋からは酔っ払いオジサン達の声が聞こえてくる。
防寒対策はバッチリだが熟睡は出来ないだろうなぁ・・・
長い夜の始まり始まり〜。
■今回の寒さ対策装備
・ホッカイロ(体に張るやつ。そこそこ暖かい)
・ホッカイロ(足先に張るやつ。あまり効果なかった)
・ジッポカイロ(オイルを入れるやつ。効果長持ち。)
・湯タンポ(コンパクトでめっちゃ暖かい。)
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・上下インナー数枚(重ね着しまくりです。)
・フリースの帽子とネックウォーマー
・キャンプ用靴下(モンベルのやつ。けっこう暖かい。)
→http://store.shopping.yahoo.co.jp/toppin/1108002mdgn.html
・シュラフ(冬用じゃないので寒いのです。シェラフカバーが欲しい。)
・ロールマットとエアマット
・ブルーシート(下からの寒さ対策として今回初登場。あんまり効果なかったかも。)
・フライシート(テントのふちをガードして冷気遮断。格安品を見つけて急遽購入。)
で結果はどうだったかというと。。。
熟睡こそ出来なかったけれど予想していたほどの寒さでは無かった。
この夜は風がなかったのが幸いしたかも。
息子も夜中に何回か起きたらしいがそこそこ眠れたらしい。
※今回の収穫
・シュフラフに頭からすっぽり入ってしまうとかなり寒さがやわらぐというのを実感した事。
・真夜中にテントから顔を出して息子と見上げた満天の星空。
そんなこんなで夜が明けて起床したのは6時半。
テントを出ると目の前には権現岳の雄姿、山頂付近の岩場が登りココロを誘う。
ホントは初日に権現岳をピストンする予定だったがまた次の機会ということで。
青年小屋もそろそろ冬に向けて店じまいのようだ。
朝から貯水タンクの水抜きや外トイレの使用閉めなどを行っている。
■山頂へ
今日は編笠山の山頂を踏んでそのまま下山するだけ。
ゆっくりと朝食をとってからテントを畳んで出発。
山頂までは約30分。しばらくは大きな岩を乗り越えながら高度を上げる。
振り向くと青年小屋が小さくなって見える。
その先はハイマツの中を抜け頂にたどり着く。
岩場の山頂には2名ほど先客がいてそのそばに編笠山の標が立っている。
後ろを振り返ると、権現岳の向こうに阿弥陀岳、赤岳など南八ヶ岳の面々がドーンと
いった感じで目の中に飛び込んでくる。
「おお、スゲー」、息子が声をあげる。
左に目をやると北横岳、蓼科山。
さらに左奥には雪を被った北アルプス、中央アルプス。
さらにぐるっと仙状、甲斐駒。北岳だけが雪を頂いている。
もちろん富士山も。
いやいやサイコーの展望だ。
いつの日かここから権現岳、キレットを経て赤岳、横岳を越える縦走をしたいものだ。
しばらくしたらこの風景も雪山に姿を変えそれはそれでまた素晴らしい光景だろう。
「そろそろ行こうよ」
息子の声に促されて眼下に広がる紅葉の絨毯に向かって下山を開始する。
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