ペルー Montaña Machu Picchu【実は知られざる場所がある】

- GPS
- --:--
- 距離
- 4.4km
- 登り
- 576m
- 下り
- 492m
コースタイム
当日Aguas Calientes駅前よりバス6:25発→Machu Pichuゲート 6:45着。
Mt.Machu Picchuゲート 8:10発→頂上 9:45着。
頂上 11:40発→ ゲート12:30着。
天候 | 大雨のち曇りのち晴れ…のち曇ったり晴れたり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
オリャンタイタンボからアグアス・カリエンテスAguas Calientesまで、 PERURAILのVISTADOME号で1時間30分。 アグアス・カリエンテス駅からマチュピチュ遺跡ゲートまで、バス20分ほど。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
急な道が続くが、石で固めた道の状態は極めて良好。 |
写真
感想
1月末から2週間ほどペルー&ボリビアを旅行したが、
その際訪れたマチュピチュ「山」のことを記しておきます。
マチュピチュはペルー旅行のハイライトの一つですが、
このMontaña Machu Picchu(マチュピチュ山)については
日本語のどのガイドブックにも情報がなく、
英語ガイドLONELY PLANETなどでも少し触れている程度です。
この山は、多くの人が登る有名なワイナ・ピチュとは、
マチュピチュ遺跡をはさんで対角線の方向にそびえます。
そしてそこからの眺めは、ワイナ・ピチュからの眺め以上の絶景だと思います。
(自分も何も知らずに登ったのですが。)
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古都クスコから乗合バンと列車を乗り継いで、
マチュピチュの玄関口のアグアス・カリエンテスへ。
一泊して翌朝、麓からマチュピチュ遺跡までの山道を登るつもりだったが、
この時期は雨期、夜明け前に降り出した雨はしばらくすると大雨に!
しばらく様子を見ていたが止む気配がなかったため、登行は断念し、
駅前からのバスに乗って、6時半過ぎにマチュピチュ・ゲートへ到着。
前日に、マチュピチュ遺跡とその背後にあるワイナ・ピチュへの
入場チケットを購入した(つもりだった)ので、
まずはワイナ・ピチュを登ることにした。
標高差はそれほどでもないが、道が急で片道1時間半はかかるらしい。
まだ雨が残っていたが、行けるところまで行ってみようと。
かなり登山者がいたので心配はない。
遺跡内を素通りして、遺跡入口と逆側にあるワイナ・ピチュ入口へ。
歩いているうちに雨は上がり、遺跡はもやがかかって幻想的だった。
ワイナ・ピチュ入口にもゲートがあって、チケットをチェックしている。
ここで問題発生。
自分が購入したチケットはワイナ・ピチュ登山のチケットではないという。
そんなバカなと思いつつ、係員からチケットについて説明されると、
"Wayna Picchu"ではなく、"Montaña"と書いてある。
前日に宿の人がチケットを買いに駅近くの管理事務所へ行ってくれたのだが、
チケットを渡された際に、ワイナ・ピチュへは行けないかもしれないと
確か話していたような…。
宿の人に、結局のところ山には登れるのかどうか尋ねたら、山には登れると言っていた。事情がよく飲みこめなかったのだが
(というのも、ワイナ・ピチュ以外に登れる山があるとは知らなかったので)、
現場に行けば何とかなると高を括っていたのだった。
係員の話では、
ワイナ・ピチュ登山は人気が高く、チケットは1週間前には売り切れるらしい。
それでも自分はワイナ・ピチュのチケットを頼んで買ってもらったのだと
押し問答をしていたのだが、環境保護のため1日の入場制限400人を
厳密に管理しているようで、埒があかなかった。
そんな自分に対して係員は、
このチケットに書いてある"Montaña"も素晴らしい場所だと
しきりに説得する。
粘って交渉してみたが向こうも折れる気がないようで、
これ以上は時間の無駄と思い、そのMontañaに行くことにした。
場所を問うと、登山口は遺跡入口に近い方だということで、
来た道をまた引き返す。
Montaña入口にもゲートがあった。
登山者はここで氏名等を記帳してから登るのだが、
自分より前に登っている人は10名ほどしかいない。
ワイナ・ピチュと比べると雲泥の差である。
登り始めても、全く誰とも会わない。
そのうちピークが見えてきたが、ワイナ・ピチュに登るイメージと比べると
道のりがはるかに長いように感じられた。
道の状態は良かったので足元の心配はなかったが、
登るにつれ下方にどんどん雲が湧いてきて、遺跡は全く見えなくなってしまった。
次第に道が急勾配になってきた。
しんどい思いをして頂上についても、雲に包まれてまるで眺望がないとしたら、
果たして登る価値があるのか?と疑問も感じ始めていた。
しかし国内で登山する時には、そんなことを考えながら登らないよなと思い直し、
雨期だからダメもとと腹を括り、歩みを進める。
若い男性二人が下山してきた。チリから来た学生たちだった。
随分と早く下山してきたものだなと思い、
頂上はどのような様子か尋ねると、この先の道は断崖にほとんど幅なく設けられた階段になっているが、
登っているうちに雲が出てきて危険を感じたので、登頂を断念して引き返してきたのだという。
一体どんな道なのやら…。
その場所に差し掛かった。確かに狭いが人がすれ違えるぐらいはあり、
階段の作りもしっかりしていて問題はなさそうだった。
通過してしまうと、頂上まですぐだった。
そして雲が少しずつ晴れてきた。
頂上は切り立った崖の上。
先に登り始めた人たちが雲が切れるのを待っていた。
そして自分が到着して間もなく、
それまでの様子が嘘のように、雲が切れていった。
そしてみんな夢中になって、眼下の遺跡に向けてシャッターを切った。
その光景は、自分の想像を超えたものだった。
マチュピチュは"天上の都市"などとも言われるらしいが、
モンタナ・マチュピチュ(マチュピチュ山)からは
ワイナ・ピチュを含めた遺跡がはるか下に見え、
この山よりさらに高い山々が周囲を囲んでいる様子もわかり、
遺跡のある場所はまるで「底」のように見える。
そしてインカの聖なる川・ウルバンバ川が
マチュピチュを取り囲むように流れている様子もすべて見渡せる。
インカ帝国が作ったインカ道は、アンデスの山中を貫いていたらしい。
そのことを考えるとマチュピチュは、
そうした高山を縫うようにつながっていた山道が、
あたかも盆地に下りてくるような「終点」の地のように思える。
天上都市というより、「山間の休息地」の方が適切な気がする。
(天上都市というのは、マチュピチュを再発見した米人学者ビンガムが
ウルバンバ川の畔から登ってきたことから、そう名付けられたのではないか。
多くの観光客は川の方から上って訪れるのだが、古のマチュピチュへの道は
尾根道を辿って次第にマチュピチュへと下ってくるものだった。)
そんなことをつらつら考えながら、景色を眺めていた。
雲は切れたかと思うと、ものの数秒でまた別の雲がやってきて、
マチュピチュの全景を写真に収めるのは、思いのほか骨が折れた。
結局、2時間近くも山頂にいたのだった。
ワイナ・ピチュには登れなかったが、頂上から見える光景は、
おそらくマチュピチュ山からの方がはるかにスケールが大きいと思う。
全く意図せずにマチュピチュ山に登ったのだが、
結果的には、不幸中の幸い、ひょうたんから駒のような素晴らしい体験をした。
今年は3000m級の山に登りたいと思っていたが、
マチュピチュ山の頂上の看板には3082mと書いてあって、
これもまた予期しない形で達成となったのだった。
(もっとも、標高差を考えると大したことはないが。)
マチュピチュへ行く機会があり、体力と時間に余裕があるならば、
マチュピチュ山(Montaña Machu Picchu)に登ることをお勧めします。
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