両神山《八海山 意波羅山》

2021年01月11日(月) [日帰り]

• GPS: 08:08
• 距離: 8.6km
• 登り: 985m
• 下り: 982m

コースタイム

日帰り

• 山行: 4:33
• 休憩: 3:24
• 合計: 7:57

8:55 日向大谷口バス停
9:08 9:17 民宿両神山荘
10:16 10:23 会所
11:33 13:32 両神八海山
14:03 14:15 弘法之井戸
14:27 15:04 清滝小屋
15:12 15:16 弘法之井戸
15:31 15:31 両神八海山
16:11 16:24 会所
16:49 16:53 民宿両神山荘
16:56 16:56 日向大谷口バス停
16:58 ゴール地点

天候

曇り

アクセス

利用交通機関：

自家用車

上の無料駐車場に駐める。
路面凍結無しでした。

コース状況／危険箇所等

両神山の石造物調査レコです。

清滝避難小屋まで一般登山道を歩いていますが、探索のため部分的にコース外を歩いています。凍結箇所はありませんでした。

写真

1/11 8:51

まずは勢至堂(三夜堂)へ参拝です。

1/11 8:53

勢至堂の東面には怪しい平場があります。武甲山の遥拝所と云われる基壇状の高まりや、礎石跡と思われる平らな石がありました。

1/11 9:01

両神神社(観蔵院)に参拝です。

1/11 9:08

怪しい踏み跡を辿ってみると、日向大谷の水源的な場所に来てしまいました。

1/11 9:20

観蔵堂に参拝です。

1/11 10:15

落葉した両神
この時期は地形を見るのに最適です。日影丸、日向丸、杭岩など岩峰がよく分かりました。

1/11 10:20

会所 木橋跡の石垣
古道を探すもののよくわからず。

1/11 10:23

対岸から見た石垣

1/11 10:36

御魂霊神と石祠
新たに御魂霊神の台石を発見できました。
石祠57cmには「明治三十三年九月」とあります。

1/11 10:51

十九丁目石 法挾護童子(ほうきょうごどうじ)
破損が著しいですが、未見だった丁目石を発見することができました。
両神山の表参道は清滝まで、不動明王の眷属である三十六童子に導かれながら登拝する参道になっています。36基のうち28基を確認しており、コレだけ自然石の丁目石です。

1/11 11:28

薄川の表面も凍結しています。

1/11 11:32

八海山と二十八丁目石
両神山の八海山とはピーク名ではなく、木曽御嶽信仰の神で越後八海山の守護神である、八海山大頭羅神王が勧請された地点ということです。

1/11 11:34

八海山大頭羅神王
先ずはケルンを動かします。(調査許可を得ています)

1/11 11:51

右手に宝剣、左手に宝珠を持ち、頭には獅子冠を載せ、八海山大頭羅神王の特徴をよく表しています。
装飾された台座の下に台石があります。

1/11 12:31

台石の銘文によると、江戸の講中によって造立されたことが判りました。右面には世話人の銘もありました。
史料的価値のある台石の銘文は、拓本採取を試みましたが、紙が凍結してしまいうまくいきませんでした。(このあとケルンは元に戻しました)

1/11 13:38

続いては意波羅天宮です。
江戸築地 皆帰講 行者貞海の他六名による造立ということが判りました。

1/11 13:45

意波羅天宮と妙空蔵童子
木曽御嶽五神の一神で、秩父御岳山の守護神と云われている神像です。

1/11 14:08

弘法之井戸
この背面を登り、手水場と云われる弘法之井戸の水源を探索しました。

1/11 14:17

篠平(すずだいら)
谷状地形を探しても水場は見つからず、上の平場に乗り上げました。ここはかつてスズタケの繁る篠平と呼ばれる場所で、広々空間でした。両神山にこんな穏やかな場所があったとは。

1/11 14:18

篠平のチャート塊
ほぼフラットな広場に小屋サイズの巨大な岩塊があります。

1/11 14:21

チャート塊からは、海老弦ノ頭から三笠山の稜線が一望できました。

1/11 14:22

篠平の主
一際高くて太い樹木です。このすぐ先が清滝避難小屋でしたが、空き瓶やゴミが散見していました。

1/11 14:25

清滝避難小屋
先日の山行の際に、手違いで置き忘れたモノを回収できました。

1/11 15:03

清滝不動三尊
こちらの調査でも、新たに興味深い銘文を確認しました。

1/11 15:11

弘法之井戸
恒例行事である、両神山の霊水をお持ち帰りです。

1/11 15:19

鹿の群れ(9頭)に遭遇しました。

1/11 15:59

荒沢不動の下を探索するgさん

1/11 16:02

沢床には昔の指導標の残骸が落ちていました。

1/11 16:03

古文献の写真によると、この巨石上に不動明王が鎮座していたと思われます。

1/11 16:07

下山途中には谷底に炭焼き窯を発見しました。「あんなところに？」と思いましたが、切り倒した木材を谷底へ放り込み、炭にしてから運び出したのかも。急峻な谷をもつ両神ならでは？

1/11 16:54

両神山荘のポンちゃん
無事に下山してゴールです。

撮影機器：

iPhone 12 128GB SoftBank Apple

感想

モンブラン

godohanさんをお誘いして、ライフワークにしている両神山の探検へ。

これまではハイキング主体の踏査という形で両神山に取り組んできましたが、今回は調査目的で入山しました。

両神山中において百基以上確認している石造物のうち優先度の高い、八海山と意波羅天宮、普寛行者(レコにのせていません)の計測と銘文の判読を行いました。それから冬枯れの時期ならではの地形観察に、弘法之井戸周辺の探索もできました。

このペースでは今後おそらく数十回、数ヶ年規模の調査が必要ということがわかりましたが、楽しみながらゆっくりと取り組みたいと思います。最後に同行して下さったgさん、並びに関係者様に感謝申し上げます。

コメント

ぶこうざん

寒い中お疲れ様でした。
godohanさん、montblanc55さん、おはようございます。

朝電話をいただいたのに、仕事中のため気づかず掛けなおした時には圏外になっていて、連絡つかず申し訳ありません。
早速再調査へ行ってこられたのですね、さぞかし寒かったことでしょう。
八海山での台石調査は予定通りなのに、拓本採るのに紙が凍結するのは想定外・・・・。
まだまだ調査が続くとのこと、焦らずジックリ調べましょう。
寒い中、お疲れ様でした。
bukozan

モンブラン

Re: 寒い中お疲れ様でした。
bukozanさん、こんばんは。

朝の行き違いはこちらこそすみません。

凍結した拓本、実は想定していたのですが、上手くいかず残念です。今年の冬は一段と冷えますね。

それはさておき、篠平です。両神山にあのような穏やかな平場があるとは目から鱗でした。避難小屋が建つワケです。今度は雨季に手水場を探索しましょう。ありがとうございました！

johro

ゴールデンコンビ結成ですか？？
確か私の記憶ではお二方が一緒に山行したという記録は無かったかと。。
以前から面識があったのですか？？
お二方の嗜好が似ているなぁと以前から感じていましたが。
最強タッグがついに結成ですね！！！

モンブラン

Re: ゴールデンコンビ結成ですか？？
johroさん、こんばんは。
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。

godohanさんとは先日の年越し山行以来、二回目となります。前回の山行では貴重な調査の機会を頂きましたので、お誘いさせて頂きました。

以来、両神山の調査に御同伴していただいております。

johro

Re[2]: ゴールデンコンビ結成ですか？？
なんと、、
お二方のレコは全てウォッチしてると思ってましたが、どういう訳か拍手１００超えのバズりレコを見逃してました。。
いやぁ、最高の新年でしたね！
今年もお二方のレコ楽しみにしてます！！

モンブラン

Re[3]: ゴールデンコンビ結成ですか？？
いつもレコご覧いただきありがとうございます。

多分johroさんがフォローしていないamino3さんがupしたので、通知が届かなかったのかもです。

このような状況下なので、今年も県内を中心に歩きたいと思います。目標の一つにjohroさんが取り組んでおられる、県境トレイルに挑戦してみようと考えていますので、johroさんのレコを参考にさせて頂きます。

yamaonse

調査お疲れさまでした。
モンブランさん、godohanさん、こんばんわ。寒いなかの石造物調査、お疲れさまでした。拓本とったりして凄い、と思ったら、とってるそばから凍る、てのもびっくりです。最近、自分も注意して見るようにしているのですが、年号とか麓の村の名前とかを見つけるとうれしくなってそこで終わり。見たことを後で調べたりするといろいろなことが繋がりそうですね。年代物の石造物については最強ペアの歴史調査、これからも楽しみにしたいと思います（＾＾）

モンブラン

Re: 調査お疲れさまでした。
yamaonseさん、こんばんは。

誰に頼まれた訳では無いのですが、昔取った杵柄で両神山の石造物調査に取り組んでみました。が、見通しが甘かったようで反省です。

両神山中の石造物は、意外にも上州由来のモノが多くあり、yamaonseさんにも馴染み深いモノがあるかもしれません。史料的な制約もあり山の歴史は結局のところわからないことの方が多いですが、平地より開発が少ない分、当時の景観や石造物が良く残されているのかなと思います。それを感じたり、想像を巡らせたりしながら楽しむのが醍醐味ですね。

周知の通り埼玉屈指の危険地帯ですので、安全第一で取り組みたいと思います。コメントありがとうございました。