卒業試験合格@小川山
天候 | 晴れのち曇りのち雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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写真
感想
昨年外岩リードを始めて1ヶ月で無謀にも挑戦して敗退した「卒業試験 10b」。
きっちりカタをつけて、レッドポイントしてまいりました。もちろん一便で。
あっ、実は核心部は他のパーティの方に教えていただいたんですけどね(笑)。
前回どうしても分からなかった中盤の核心部は、右手でフレーク端の四角いカチ、左手でその上の極小カチを持ち、左足はスメア、右足で細かいスタンスを拾って体を上げていき、フレーク状のガバをややデッド気味に取りにいった。
さらに体を上げて水平クラックのガバを取り、クリップして左端まで移動して大レスト。その後はおまけのようなもので簡単だった。
先日完登できなかった「パンピー 10b」も何とかレッドポイントできた。
ムーブは分かっているのですぐに登れると思ったら、肝心の核心部で間違ったムーブを記憶していたようで、いきなり落ちちゃった。
改めてハングドッグしてムーブを探るハメに。時間かけちゃってゴメンナサイ。
1ピン目をクリップした後は、右手で縦型のカチを持ち、右足をスタンスに上げ、左の外傾ホールドに左手に足だと思っていたが、左手が滑ってしまいプッシュできない。
結局一旦左手で腰元のホールドを持って、右足をもう少し上のスタンスに上げてから、右手よりさらに上にあるカチを左手で取り、右手の縦型カチを外側に効かせて右に体重をかけつつ、左足を外傾スタンスに乗せて上げ、右足を次の安定したスタンスに上げればよいのだった。このとき窮屈になるため、正体でないと右足を上げられない。
何回落ちたか忘れてしまったが、何とかレッドポイントできてよかった。
最後に「レッドストーム 10b」というルートをフラッシュしたが、これは余計だった。
体感グレード5.7の大甘ルートで、やる意味なかったみたい。
何はともあれ、この日のハイライトは「卒業試験」。
今年中には何とか登りたいと思っていたが、思ったより早く実現してよかった。
中級以上のクライマーにとっては何てことのないルートだと思うが、自分の実力からするとかなり厳しいルートで、力を出し切って完登できたので達成感は大きい。
〈追記〉
登れたから言うのですが(笑)、卒業試験はホントいいルートです。
壁一面を使って登る面白さはもちろんのこと、手が厳しいところには足が、足が厳しいところには手があり、唯一手も足も厳しい核心を耐えるとガバカチが待っているという具合で、初心者がチャレンジするのにもってこいのザ10bだと思う。
核心までに力を使い切っても、左にトラバースすればノーハンドレストできるし、そこからゴールまでは傾斜が緩くなりスタンスもしっかりしているので、ビクトリーロードを行くような感覚で、達成感を噛みしめながら登れる。
今回成果が出た大きな理由の一つがシューズ。
足裏感覚に乏しくて今まで使うことを躊躇してきたミウラを初めて外岩に投入。
ソールが固いので、やはり細かいスタンスに無理なく立てる。
よく言われるように、紐を締めているときに集中力が高まってくるのもいい。
〈追記〉
卒業試験を登れたのがあまりにも嬉しかったので、ドキュメンタリー風に追記。
フリークライミングのレコはあまり読む人もいないし、他の人にとってはどうでもいいことでしょうが、自己満足のため(笑)。
朝一番でやってきた姉岩。
去年トップアウトすらできず、カラビナを残置して敗退するという屈辱を味わった「卒業試験 5.10b」を見上げつつ、まずは隣りの「センター試験 5.8」でウォーミングアップ。
岩が冷たく、指先が痛い。寒くて気持ちが乗って来ない。
「卒業試験」なんてとても登れるような気がしない。
ほどなくして二人組の男女がやって来た。
聞けば男性はずっと宿題になっている「卒業試験」に狙いを定めて来たそうだ。
お互い頑張りましょうとエールを交換する。
この方かなり打ち込んでいてホールドを知り尽くしているようで、後で教えてもらったのが一便で登れた大きな理由になった。
一旦下の岩場でクラックを狙っているmfさんのところに行ってから戻ってみると、人が増えていて「卒業試験」は順番待ちになっていた。
以前オンサイトしたことがあるというイレブンクライマーの女性が目の前で落ちた。
その直後が自分の番だ。
シューズの紐を締めながら、気持ちを集中させる。
左から取り付き、岩に指先をかける。日が射してきたためそれほど冷たくない。
オブザベはほとんどしていないが、下部は体が覚えている。
慎重に体を上げていき、まずは右へトラバース。
水平クラックに指をかけ、右足を大きく伸ばして右端のスタンスに突っ張ろうとする。
あれ?届かない?
後から考えてみたら、前回は一旦壁の真ん中あたりのスタンスで踏み替えてから右端のスタンスに突っ張っていたのだ。
そんなことにも気づかず、強引に右足を伸ばしきると何とか届いた。
ほっと一息つきながら安定したスタンスに立ち、この先の道筋を見上げる。
核心部に突入する前に少し上がり、左手を目一杯伸ばしてクリップ。
一旦クライムダウンして、息を整える。
見上げると手も足もないように見える。
唯一顕著なフレーク端にある箱型のカチに左手をかけ、右手は覚えていない小さな手がかりにかけ、細かいスタンスを拾って登り始める。
ガバを掴んでしまえば楽になりますよ。下から声援が飛ぶ。
ダメだ。体が上がりきっていないから、届かない。このままでは落ちる。
必死にこらえてクライムダウンする。
安定したスタンスに立ち、仕切り直す。すでに張ってきた前腕を何度も振って回復させる。
今度は箱型のカチを右手で持ち、左手はさらに上の極小カチにかけ、左足を思い切って何のスタンスもない壁にスメアし、右足で細かいスタンスを拾って体を上げていく。
ガバはまだ遠い。指が千切れそうだ。息が荒くなる。
ここまで上がったらもうクライムダウンはできない。手を出すしかない。
ややデッド気味に手を飛ばす。右手か左手かも覚えていない。
よし、取れた!ギャラリーから声援が上がる。
慎重に足を運んで、さらに上の水平クラックに手を伸ばす。
クリップ忘れずに!そこまで来たら行っちゃってください!様々な声が飛び交う。
水平クラックのガバを頼りに、左端まで移動する。足は全くないが、手はガッチリホールドを捉えているので不安はない。
左端には天国のようなテラスがあるのだ。
ここで十分に時間をかけてレスト。ここから先はオブザベすらしたことのない未知のパートだ。
しかし、一見した限り難しそうには見えない。
案の定、登り始めてみると、核心部とは比較にならない安定したスタンスが続き、手もある。リーチの長さが有利に働くようだ。
これは行ける!確信が徐々に大きくなっていく。
慎重に足を決め、ゆっくりとゴールに近づいていく。
終了点にクリップし、ギャラリーに向かって小さくガッツポーズして呟く。「Yes!」
喜びを噛みしめながらさらに登り、岩の頂点に立つ。
金峰山荘が小さく見える。
吹き渡る冷たい風にしばらく身を任せた。
着々と課題ルートを完登されてますね〜。
さすがです
それにしてもレコの熱の入れ方が木曽駒とずいぶん温度差ありますね〜
木曽駒は景色は綺麗だったのですが、あまりにもあっけなかったもので…
小川山はいいですよ。
早く外岩リードデビューできるといいですね。
kanosukeさんはまずセンター試験から受けてくださいネ。
何はともあれ、卒業おめでとうございます。
私も早く卒業したいところですが、リーチのない者にとって「手が厳しい
ところに足がある」(その逆も)かどうか・・・。
まあ、次は集中力高めて挑戦しますよ!
体調が悪いのにお付き合いいただいて、ありがとうございます。
mfさんには極めて不利なルートだと思いますが、それを克服して完登したら、達成感はひとしおだろうと思います。
次回体調を整えてガンバです!
ちなみに最初の右トラバースは、私は直接右足を目一杯開いて一気に伸ばしましたが、壁の真ん中に小さいスタンスがあるので、中継して踏み替えできますよ。
近いうちに10cのレギュラーにもチャレンジしましょう!
あと、やはり10cのソラマメハングもガバ中心の前傾壁らしいので、ジムムーブが使えそうで気になってます。
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