金毘羅山ロックガーデン
コースタイム
天候 | 午前中は曇り午後より雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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写真
感想
昨日に続いて、江口マウンテンガイドサービスの岩場行動技術講習に参加。今日は実践技術編。参加者4人のうち3人は昨日の基本技術編からの継続参加。1人が新規の参加だが、この方とは昨年11月の江口ガイドのクライミング講習でご一緒したことがある。
今日もスタートはY懸尾根だが、取り付きにはすでに何人かパーティがいて、懸垂下降の練習中。われわれは、少し離れた林の斜面で、フリクションノット(クレムハイスト)の使用法の説明をうけ、実技練習。今日は、基本的にはこの方法で登るので、念入りに練習をくりかえす。私自身も実際にクレムハイストを使っての岩登りははじいめての経験。
要領がわかったところで、Y懸尾根を登るが、混み合っているラインを避けて登りはじめる。1Pを登ったところで、軽くオーバーハングした岩にで、ここで自己脱出の練習。長短2本のシュリンゲをクレムハイストにし、1本はカラビナでハーネスにつなぎ、長い方のもう1本をあぶみにして、ハングを乗りこえる練習をする。最初はなかなかあぶみに立ちこめないが、だんだん慣れてくると、身体が上にあがるようになる。クレムハイストが固く結ばれてしまって、上にずらせるのに難儀したが、なんとかハングを越えることができた。
われわれが自己脱出の練習をしている間に、20人を越す団体が下から登ってきた。固定ロープにシュリンゲでプルージックを作って自己ビレイをとりつつ登ってくる。何人かはおそろいのヘルメットをかぶっていて、みると「奈良県勤労者山岳連盟」と書いてある。労山の講習会のようである。
混雑がひどいので、江口ガイドの判断でY懸尾根を避けて、北尾根にまわることになった。昨日下山路にとった急傾斜の道を谷にむかって降り、MKフェースをとおりすぎ、北尾根の取り付きへ。ここで昼食タイムとする。昼食が終わり、いざ登りだそうとしたら、急に雨が降り出した。最初は小雨だが、だんだん強くなる。
北尾根は傾斜がきつく、しかも雨が降り出したので、ここはクレムハイストを使わず、ロープをつないで登る。1P目は降り出してまなしだったので、まだましだったが、2P目を登るころになると本格的な雨に。レインウェアを出す余裕がなく、待っている間にウェアが濡れて、寒い。岩は濡れ、滑りやすい。この2P目が今日の練習でいちばん怖かった。濡れた岩のわずかなスタンスに足をかけると、2年前の滝での滑落の記憶がよみがえる。何とかクリアしたが、雨はやむ気配なし。
江口ガイドは、これ以上北尾根を登るのは危険だと判断し、2P目で終了。ここで雨具を着る。北尾根を離れてMKフェースの方へトラバースし、その後再びY懸尾根に来た道を引き返す。Y懸尾根に戻ると、先ほどの混雑が嘘のように、誰もいない。こんな雨の中、まだ行動しているのはわれわれくらいであろう。先ほど中断した地点から、Y懸尾根の頭に向かって登りはじめるが、途中で昨日のルートを外れ、Y懸尾根の側壁にむかってトラバースする。側壁の下部に来て、雨で濡れて光っている壁を登る。なぜコースを外れたかというと、帰りにここを懸垂下降するためである。
側壁を登ると、あと少しでY懸尾根の頭に到着。少し休憩したあと、ここから下山を開始する。下山は懸垂下降を交えながらいくのだが、懸垂下降の下降支点のセット、懸垂下降、ロープの処理これらすべてをガイドではなく、参加者が自分でやりながら降りるのである。江口ガイドはわれわれがやっているのを見て、アドバイスするだけ。途中懸垂下降を4回おこなった。いずれも垂直に近い壁である。
懸垂下降自体は何も問題ないが、ロープワークではトラブルの続出。雨で濡れたロープは重く、振り分けするのも時間がかかる。懸垂下降が終わると、次の下降点まで束ねたロープを両肩にかけて急な尾根を歩いて降りるのだが、それでなくとも雨で眼鏡が曇って視界がままならぬところへ、ロープの重みが首と肩に加わり、足下がおぼつかない。いちばん楽なのは懸垂下降中だった。
ようやく17時前に朝のスタート地点であるY懸尾根の取り付きに到着。雨で苦労したが、しかしじつに実践的で充実した内容の講習であった。
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