黒潮の中の孤島!御蔵島・御山縦断&黒崎高尾
- GPS
- 06:40
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 980m
- 下り
- 1,101m
コースタイム
15:00里発−鳥の尾−16:05ボロ沢橋−16:40黒崎高尾−18:00里着
7/29
(里発−車で長滝山入口へ)
8:30長滝山入口発−長滝山−10:15御山10:30−鈴原高原−12:00御山登山口着
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2006年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
船
島に上陸するには、事前に宿泊予約が必要。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●黒崎高尾への道は、えびね公園までは舗装道。 ●御山への入山は、現地ガイドによる随行が必要(単独入山は禁止されている)。 |
写真
感想
(少し古い記録ですが…。)
世界的にも数少ない、野生のイルカが通年で棲みついてる御蔵島。
これまでに何度かイルカウォッチング(素潜りのみ、スキューバ使用禁止)のため訪れ、他では考えられないような貴重な体験をした。近年、イルカで一躍有名になった島だが、もともとは伊豆諸島随一の深い森を持つ水の豊富な「森と水の島」として興味を持っていた。そこで今回は海だけでなく山もきちんと歩いて、御蔵島をより知りたいと思った。
島では一部を除くと、入山する場合は地元ガイドさんと一緒に行くことになっている。これは観光客が勝手に歩くことで島の生態系に悪影響を与えないようにという配慮による。この島の昔からの貴重な収入源として、将棋の駒や印鑑の材料となるツゲの木があり、山に自生しているのだが、この高価な木を余所者が勝手に持ち出し損害を被っていたことも過去にあったようだ。
滞在3日で、初日と二日目の午前中にイルカたちに会い(今回もたくさん出会い、何頭かは以前見かけた個体にも出会う。)、二日目の午後と三日目、島を歩くことにした。
最初に行った黒崎高尾は、以前島のガイドさんに車で連れていってもらったことがあるが、今回は里から歩いた(この道はガイドなしでも歩行可)。何といっても、海中からどんと850mも突き出た島のこと、行きは上り一方だが、高度を上げるにしたがって里が高い所から一望できたり、三宅島や神津島が一緒に見える場所があったりで楽しい。またそこかしこで水が流れているのを目にすることができて、御蔵島が「森と水の島」であることを実感できる。
黒崎高尾は水面からいきなり500m以上ある崖で、その上から海を見下ろすと、目がくらむような迫力がある。舟が直下を通りかかるのを目にしてその小ささを感じると、いかに高い所にいるかがわかる。
翌日の御山縦走はガイドさん、女性客二人とともに、長滝山入口からゆっくり登り始めた。
尾根まで出ると、ダイナミックな島の地形がよくわかる。御蔵島は御山を中心にして北東方向(大島分川)と南方向(平清水川)に巨大な谷を持っている。イルカウォッチングのポイント探しで島を何度か一周していて、その度に海上からこれらの巨大な亀裂(谷)を見ているが、上から見下ろすとまた壮観である。
シイの原生林を抜けて尾根に出ると、一面の笹原。その向こうに御山が見える。
天気は良かったが風が強く、海の方からひっきりなしに雲が湧いてきて、御山にかかる。その様を見ていると、まるで高山に雲がかかっていく様子にも似ている。黒潮の中に浮かぶ島ならではの、ダイナミックな光景である。強風の影響で、島名産のツゲの木が変形しているのを、幾度となく見かけた。
尾根沿いに上り下りを繰り返し、頂上への分岐点から歩くと、ほどなく頂上。
頂上そのものは草が伸びて眺望が利かなかったが、少しだけ戻ると展望が開け、
南の平清水川の谷と北の鈴原湿原方向が見渡せる。二つはまったく正反対のおもむきである。
御山から鈴原湿原へは、緩やかに下っていく。鈴原湿原に出る手前にもう一か所、小御代という湿原が登山道から少し離れた所にあるということだが、夏場は完全に草の中に没しているとのこと。
鈴原湿原のあたりは何ともいえず緩やかな場所で、こんな平原がこの急傾斜だらけの島のどこにあったのかという感じの場所である。
「森と水の島」を実感したいなら、赤沢の森や南郷の大ジイに至る道の鬱蒼とした原生林を歩くのが良いと思うが、御蔵島のダイナミズムを実感したいなら、この御山縦走をお勧めする。
(2013年6月 記)
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