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Yamareco

記録ID: 313439
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講習/トレーニング
奥秩父

マルチピッチリード講習@小川山「セレクション」

2013年06月22日(土) 〜 2013年06月23日(日)
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コースタイム

■ 6/22(土)
(1P) 10:02 - 10:20 mfさんリード
(2P) 10:28 - 11:05 geraniumリード
(3P) 11:?? - 12:07 mfさんリード
(雨のため敗退)

■ 6/23(日)
(1P) 08:17 - 08:39 geraniumリード
(2P) 08:44 - 09:23途中待ち) mfさんリード
(待ち)
(3P) 09:49 - 10:13 geraniumリード
(4P) 10:?? - 11:09 mfさんリード
(待ち)
(5P) 11:28 - 12:10 geraniumリード ※セレクション終了点
(6P) 12:23 - 12:50 mfさんリード
(7P) 12:55 - 13:29 geraniumリード
(8P) 13:57 - ??:?? mfさんリード
(9P)記録なし geraniumリード ※屋根岩2峰三角点
天候 両日とも晴れ時々曇りのち雨
過去天気図(気象庁) 2013年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
マルチピッチリード講習の補習を受講。
一応前回の講習で卒業し、自分たちだけでも簡単なルートを経験したが、まだまだ初心者であるということがよく分かった。
これから色々と経験して課題を明確にしてから、また改めて補習を受けるような形でレベルアップしていければと思う。

今回の講習場所は小川山のマルチピッチルート「セレクション」。
元々自分たちだけで行くつもりだった人気ルート。
登ること自体は自分たちだけでもできたと思うが、ロープワークや段取り、ルーファイなどで、まだまだ教えてもらわなければならないことが沢山あった。
今後さらにレベルの高いルートにチャレンジするためには、あらゆる面でスピードアップする必要があることを認識させられた。

当初の予定では初日に「セレクション」を登り、翌日は別のルートに行く予定だったが、初日は突然の雷雨で途中敗退。翌日に改めて「セレクション」を登った。
初日に敗退してしまったので、厳密にはルート全体に対するオンサイトではなくなってしまったが、全ピッチ初見、オールフリーで完登したので、ほぼオンサイトと言ってもよいのでは?と思う。
今回はmfさんも下調べして来なかったようだし(笑)。
やはり実力ぎりぎりのルートを完登すると、達成感がある。
先日登った「二子山中央稜(5.7)」と1グレードしか違わない5.8だが、ずい分難しさが違うと感じた。
ということは5.9のマルチになると、自分の実力からすると相当厳しいのだろうと思う。クラックの5.9をオンサイトできるようにならないと無理かな。

初日を振り返って。
取りつきまでは特に迷うこともなく、無事到着。
登攀の準備をしながらオブザベ。
しかしこの段階で、とんだ大ボケをかましてしまった。
「1P目はあのクラックですねー」、「2Pのスラブは前日の雨でまだ濡れてるなあ」、「1P目と2P目の間の階段状の部分はトポに出ていませんねー」、などとmfさんと相談。
あのスラブが乾いてからでないと登れないなあ、なんて言っていたが、よくよくトポと照合してみたら、とんだ勘違いが判明。
階段状に見えたところが2P目のスラブで、2P目と思っていたところは12cのつるつるフェイスだった。
ルート外にある12cの壁が乾くのを待とうとしていたとは!(笑)

これから先はかな~り詳しく書いてありますので、オンサイト狙いの方は読まないでくださいね♪
このルートは岩峰の弱点をついた理想的なラインなので、オンサイトした方が絶対楽しいと思います。

それはさておき、そんなこんなもありながら1P目クラック(5.8)はmfさんリードでスタート。
クラック得意なmfさんが意外と苦労しながら登って行ったので、そんなに難しいのかな?と思いつつフォローで登り始めたら、久々のクラックで登り方が分からず初っ端から必死な状態に(笑)。
クラックの右縁がガバになっており右向きには効くのだが、クラックは左上しているため体重を左に移さなければならない。
左壁にスメアしつつ何とかハンドジャムとフットジャムを決めて、上のホールドに手を伸ばすものの、これががっかりするほど甘い。
何が何だか分からないまま、しゃにむに体を上げて、ようやく左上のガバをつかんで事なきを得たが、危うく出だしから落ちちゃうところだった。腕は朝からもうパンパン。

2P目スラブ(5.8)はワタクシのリード。
めちゃくちゃ怖かった。
傾斜は緩いが、手がかりもスタンスもほとんどない上に、2本目、3本目のボルトがやたらと遠い。
3本目をクリップするまでは、落ちたらテラスに激突すること間違いなしのランナウトっぷり。
目を皿のようにしてほんのわずかな凹みを探し、足を信じてフリクションで登って行った。
例えば1グレード上の「小川山物語」などは傾斜はもっときついが、明確な手がかり足がかりがあるので、こちらの方がずっと難しく感じた(もちろんランナウトの恐怖込みで)。
上部はけっこう明確なホールドがあり、ボルト間隔も短いので、スピードアップすることができた。

3P目ワイドチムニー(5.6?)はmfさんリード。
トラバースのあとのチムニーは難なく越えて、あとは階段状のパートを登るだけと思って見ていたら、何を思ったか右の大岩を大きく右に巻いてゆくmfさん。
その後、何をしているのか分からない時間がしばらくあり、どうしたのかと思っていたら戻ってきた。
大岩にロープを回すような格好で左上したため、ロープが重くて引けなかったらしい。
結局戻って、手でロープを手繰ってからようやくビレイポイントに到着。
あとから聞いたら、何と真直ぐ向かう階段状のラインに気づかなかったとのこと!

4P目オフィズスからチムニー(5.7)はワタクシのリード。
手前に生えている木に左足をステミングして、クラックに足を突っ込む。
とここで不吉な雷鳴が轟き、雨が降ってきたが、すぐに止むだろうと思って特に気にもせず。
2つ目のカムをセットできたので、よしこれから核心突破だ!と思ったところで塾長からお声がかかる。「敗退も考えてください」
はっと我に返り、即座に敗退しますと返事。
雨はともかく、岩場の雷は相当やばいらしい。
そんなことも知らずにズームインしていた。多分自分たちだけで来ていたら、登り続けていたはず。
結果オーライでは済まされないことであり、よい経験になった。
幸いクライムダウンしながらセットしたカムを回収できたので、残置はしないで済んだ。

自分がトップで懸垂下降したが、ここでも初心者っぷりを遺憾なく発揮。
ロープが絡まりまくり、なかなか下りられない。
しかも空中懸垂になってクルクル体が回転したところで絡みがマックスになってしまい、泣きたくなる状態に…
オートブロックでバックアップを取っていたおかげで、両手を離して作業できた。
改めてトップはバックアップをとらなければならないと痛感した。

そんなこんなで初日は敗退したので、翌日改めて「セレクション」を登ることに。
朝8時に一番手で取りつく。リードの順番は前日とは逆にした。

1P目クラック(5.8)はワタクシのリード。
初日に苦労したのでリードは不安だったが、案外すんなりと登れた。
やはり1回でも登っていると、かなり違うものだなと思った。
出だしはクラックの右縁のガバを諦め、右フェイスのカチを持って体を左に寄せ、左手ハンドジャムをがっちり決める。
フットジャムも決めつつ右手を伸ばしたら、ハンドジャムバチ効きのポイントを発見。
2つ目のカムをセットし、ガバ同然のハンドジャムを頼りに一気に体を上げて左上のガバを取った。
あれ~、簡単だったなー、なんてね(笑)。
その後フォローのmfさんが落ちそうになったのでビックリ。前日にリードしたのに!
後から聞いたら、リーチの違う自分がセットしたカムに手が届かなくて、回収に苦労したらしい。そんなことがあるんだなー、とまた一つ勉強になった。

2P目スラブ(5.8)はmfさんリード。やはり慎重に登ってゆくが、自分と違うのは泣き言を言わないこと(笑)。
「えー、マジー」「怖えー」「遠いよー」などと愚痴っていた自分とは違い、黙々と登っていきましたとさ(笑)。

フォローで登り始めるため支点を回収していたら、後続パーティのおっさんが到着して、断りもなくピッチをつなげて先に登り始めた。
それはそれで構わないのだが、先行パーティのフォローを抜いていくぐらいだから、よっぽど速いんだろうと思ってすぐに後から登り始めたら、なかなか先に進んでくれず、壁の途中で待たされるハメに。
ここで落ちられたら、間違いなく自分に激突するではないか!
おまけに我々のロープなどお構いなしに、適当にヌンチャクをかけて登っていくものだから、互いのロープが交差してしまい、何度もヌンチャクをかけかえなければならなかった。
スラブはフォローだと気楽だが、2セットのカムとザックを背負うと、これはこれでたいへんだった。
登り方も雑になってしまい、あまりよろしくなかったかな。

3P目ワイドチムニー(5.6?)はワタクシのリード。
チョックストーンの奥をバックアンドフットで登ると、拍子抜けするほど簡単だった。
手前の方が面白そうなので、次に来る機会があったらそこを登ってみようと思った。
チムニーを登りきると、あとはほとんど階段状でビレイポイントへ。

4P目オフィズスからチムニー(5.7)はmfさんリード。
自分はフォローで。
出だしのオフィズスは木にステミングしてからクラックにからだを入れ、背中を右壁に押しつけつつ、フットジャムを決めて登った。
問題はオフィズスとチムニーをつなぐ短いスラブ。
自分としては、ルート全体の中でここが一番難しかった。
塾長やmfさんによるとそんなことはないと言われたので、おそらくムーブが間違っていたのだろうが、ほとんど落ちる寸前だった。
小さいバンドに乗ったあと足を上げなければならないのだが、両手をマッチできるカチはあるものの、それ以外に手がかり足がかりがまったく見当たらない。
左足はスメアするしかないのだろうなとは思ったが、右足もない。
極小の左手カチを見つけて体を上げようとしたら、表面が剥がれてしまい慌ててクライムダウン。
行きつ戻りつしながらようやく意を決し、左手はさっきとは違う極小カチ(というか僅かな凹み?)を拾い、左足を上げてスメアし、右足を「手に足」で上げようとしたら、げっ!右足が届かない!
やばいと思って左足スメアを小刻みに上げていき、右足も小刻みに上げてようやくスタンスに乗せ、ほっと一安心。
かなり雑な登り方になってしまったが、いまだにどうすればよかったか分からない。
後半のチムニーは見た目と違って簡単だった。体を入れなくても右側にスタンスが豊富にあり、チムニーの縁はハンドホールドで使えばいいという感じだった。

5P目(5.6)はワタクシのリード
出だしの短いスラブでランナウトするぐらいで、特に難しい箇所はなし。
このピッチは途中でルートが分かれており、弱点をついた自然なラインで行くと3級程度。
左にトラバースして最後にまたクラックを登るというラインもあるようだが、今回我々は自然な易しいラインで登った。

一応これでトポ上の「セレクション」は終了したが、最終的に普通のクライマーはまず行かないだろう、その先の頂上らしきところまで登った。
これが頂上かなと思った最終ポイントより先にもう少し高い岩があったが、とても登れそうにはなかったのでそこで終了とした。

この日はmfさんトップで懸垂下降。
登ったルートではなくショートカットを試みたが、1回では下りられず、2回ピッチを切って取りつき付近まで下りた。
懸垂1P目に岩を回り込むようにして登ってきた方向に下りたため、ロープが屈曲して引き抜きに苦労した。
塾長にも指摘されたことだが、あとから調べてみると、取りつきよりかなり上になってしまうが、真直ぐ下りれば1回で地面まで行けたようだ。
懸垂が終わる頃にまた雨が降り始め、土砂降りのなか大急ぎで下山。

色々と課題があることも判明したが、何はともあれ「セレクション」をオールフリーで完登できてよかった!
塾長ならびにご一緒いただいたmfさんに感謝申し上げます。

左方カンテはもっとスピードアップしてからでないと、時間切れで敗退なんてことになりかねないので、修行が必要ですね!
1P目 クラック(5.8)
1P目 クラック(5.8)
2P目 ダイヤモンドスラブ(5.8)
1
2P目 ダイヤモンドスラブ(5.8)
3P目 ワイド(5.6?)
4P目 オフィズス(5.7)
1
4P目 オフィズス(5.7)
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コメント

geraniumさん、ご無沙汰してます。
そしてmount-fineさん、yuki81さん、はじめまして。

geraniumさん、すっかりアルパインな方になっちゃって、
高所恐怖症のワタシには、遠〜い存在に、、、。
レコも用語の意味がわからず、カナシイです。

でも日頃からジムでのトレーニングに励まれ、外岩にもどんどんチャレンジされて、
カッコいいです、ホント。

先日、久しぶりに北岳バットレスを間近に眺めたんですけど、
そのうちgeraniumさんたち、ここを登るんだろうなー
なんて思いました。
これからも頑張ってくださいね。
お疲れ様でした。
2013/6/25 23:03
ricalonさん、こんばんは。
レコは拝見していますが、コメントではすっかりご無沙汰してしまいました。

お山に復帰できて、本当によかったですね
いきなりハードな山行をされているみたいですが。

クライミングのレコはほとんど自己満足です。
読む人のことを全く考えていないので、ワケ分からないですよね。

北岳バットレスいいですね。
いつか自力で行ってみたいと思います。
連れて行ってもらうのと自力で行くのとでは天と地ほど難しさが違うので、いつのことになるやら分かりませんが。

まだ復帰されたばかりですから、無理しないでくださいネ。
ちなみに私も元々は高所恐怖症でしたよ。
2013/6/26 0:29
いつか、きっとくるその日。
>連れて行ってもらえば行けるけど、難しくても自力で行きたい。

そうなんですよねぇ。時間はかかろうとも自分で行きたい。
そこに行けるような自分になりたい。
そう思って、小さな努力を積み重ねているgeraniumさんを、ホント尊敬してます。

池山吊尾根を登ってボーコン沢の頭からバットレスを見惚れていると、あの岩の塊を必死に攀じ登るパーティがいる。
スッゲ〜っっ!!
思わずカメラに収めてレコをアップすると、そのクライマーはgeraniumさんだった、、。

そんな日がいつかくるんじゃないでしょうか。
その勇姿を目撃できるよう、私も山を歩き続けられるよう頑張ります。
2013/6/26 14:21
そんな~。
誉めすぎですよ〜。ricalonさん。
でも嬉しいです。もっと言ってください!
(あれ?どこかで使ったようなフレーズ?)

ジムも外岩も努力しているわけではなく、面白いからやっているだけなのですよ〜。
ricalonさんの歩荷トレーニングの方が、ずっと尊敬に値すると思います。

ジャンルは違いますが、自力で行くことへの想いは同じですね!
お互い頑張りましょう!
2013/6/26 16:32
なぜ?
geraさん、mfさんこんばんは。
そして塾長お疲れさんです。

土曜は雨で半ドンとはいえ2日間岩遊びができたとは、
なんて悪運が強いのでしょう

geraさんの愚痴はいつものことですが、
これって、フリなんじゃないかと疑ってる私

そのうち「私を岩に連れてって」くださいね
2013/6/26 20:18
kanosukeさん、こんばんは。
確かに平日の講習が雨で次々に中止になっていたことを考えると、土日はラッキーでしたね。
まっ、これも日頃の行いのおかげですけどね!

セレクションのスラブはホント怖いのですよー。
ググってみてください。

kanosukeさんも先日開かれた講習生の集まり(岩ガール率50%)に来ればよかったのに〜。
夏にみんなで小川山に行きましょう!
2013/6/26 21:44
なぬ?
あの会はそんなに岩ガール率が高いのですか?

じゃ、次は
2013/6/26 22:16
ぜひ!
やはり、そこに食いつきましたか。
2013/6/27 16:13
プロフィール画像
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