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講習/トレーニング
箱根・湯河原

赤十字救急法講習

2013年09月25日(水) [日帰り]
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過去天気図(気象庁) 2013年09月の天気図
2013年09月21日 12:00撮影 by  SO-02E, Sony
9/21 12:00
2013年09月22日 17:09撮影 by  SO-02E, Sony
9/22 17:09
2013年09月23日 16:59撮影 by  SO-02E, Sony
9/23 16:59
撮影機器:

感想

9/21〜23日の連休、9時〜17時のフルタイムで赤十字
救急法基礎講習、救急員養成講習を受講した。

山、岩、沢をやるうえで、その重要度の差はあれ、
レスキューや雪崩対策の知識や技術が必要となる。
そして、この過程では、通常、救急、救命の処置をおこなう
ことになるが、もっぱら、これらは先のセルフレスキュー
とは分割されてファーストエイド(FA)などと呼ばれ、
別枠で学ぶこととなることが多い。

この一般登山道、岩、雪山等、ジャンルごとに存在する
レスキューの仕組みに共通して(もちろん下界の暮らしでも)
必要となるFAだが、どうもレスキュー技術の華やかさの陰に
隠れてるというか、やや後回しにされている気がする。個人的には。
(この辺、講習の参加率に影響している気もする)

私が所属している山岳会でも、会独自に年に1回程度で、
経験者を講師として(いつもありがとうございます)
FA講習を開催したり、集会でFAキットの中身を確認
したりしているが、内容的には明らかに1日では足りる
ものではなく、個人的に、もう少し総合的、体系的にFAを
学びたいと思い、今回の講習を受講するに至った。

もちろん、背景としては、沢登りへの傾倒が強まった
ことで、より奥深い領域に踏み込んでいることを自覚
したり、沢の初心者を連れてリーダーとして沢に入ることも
あり、となると、予想もできないトラブルも起こりえるし、
より確実な技術の引き出しが必要となるなというところも大きい。

うちの会でも目の前でトラブルが起きた際に、
堂々と(とまでは言わないまでも適切に)対処できる人、
どれだけいるだろうか。。。

前置きが長くなったところで、講習の話し。

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講習は1日7時間×3日=計21時間。

費用は教材費を含め3,000円+郵送代100円。この費用で
3日間の受講料、試験費用に加えてFAキット(FAバッグ、
三角巾2枚、キューマスク2個、ガーゼ2枚)が配布される。
キットを実費で買う方が高いらしいので、この講習料は
本当にお値打ち。

講習会場は日赤神奈川県支部、みなとみらい線の日本大通り駅
から徒歩3分くらいのところ。大変立派な建物、自社ビル
だとしたら凄い。寄付金で建ったのか?と穿った見方をして
しまったり。。。

カリキュラムは、救急法基礎講習と救急法救急員養成講習に
分かれており、前者は初日の5時間程度の講習と検定
(実技と学科)、後者は初日の後半と2日目、3日目、最後に
検定(実技と学科)という流れ。

参加者は40名程度で、通常他の講習だと年齢層もバラける
らしいが、今回は赤十字の奉仕団(ボランティア)関連からの
参加が多かったらしく、20歳前後の女性が半数以上を占めて
いた。。。ので私のモチベーションもアップした。

基礎講習の試験は、実技も学科も特に難しくはない。
救急法の検定は、実技はきずの手当てと固定、止血法から
8種類程度、学科は全体を通して選択式穴埋め、○×、記述
(単語レベル)で構成されており、テキストだけ渡されて勉強
すると厳しいと思うが、講習中に講師からヒントが出まくるので、
そこだけ押さえておけば、特に問題となるところはない。
この試験問題って、内容変えていっているのだろうか...

基礎講習、養成講習、それぞれ、受講すると「受講証」が、
検定に合格すると「認定証」が交付される。

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で、この3日で学んだこと(テキストの目次的ではあるが)は
以下に記したが、かなり盛り沢山。

盛り沢山の技術の雨あられで、ともすると、そこばかりに
注目がいってしまうが、大切なことは
・自分自身をまもる
・周囲の状況の観察
・冷静な判断
であること。

救命措置や手当を行う場合も
・傷病者の観察を続ける
こと。

講習中ずっと言われ続けた。

これを前提に
基礎では一時救命措置(心肺蘇生)
養成では主に三角巾を使用した手当の
技術を学んだ。

基礎ではまず体位、体位変換、回復体位を学んだが、これは
実際の現場で傷病者がいればまず大切な要素、対応となる。
山の場合を想定するとなお困難な状況が見込まれる。ともあれ、
まずはこれを知らないと、次の手当等に移れない。

で、
一時救命処置は、当然、胸骨圧迫→気道確保→人工呼吸が
技術的核心となるが、大事なのは観察(周囲、傷病者の全身)、
協力者要請、119番通報。疎かにしてはならない。

胸骨圧迫、気道確保、人工呼吸、AEDの一連の処置は
まさしく生死にかかわるところなので、冷静且つ迅速な
判断が求められるところ。できれば遭遇したくないが、した
場合を想定した知識と技術の習得が必要となる。
(もちろん、我々の役目は救急隊、医者に引き継ぐところまで)

続いて、養成講習では、三角巾を使ったきずの手当、固定を
中心に進んだ。

まず、骨折は開放骨折でも生命の危険は少ないので、手当は
慌てずに。声も出すし、見た目もヤバそうだが、呼吸停止、
心停止の傷病者がいれば、もちろんそちらが優先。

きずの手当では、まず、関節圧迫止血。保護ガーゼ等の準備が
整えば直接圧迫止血に移行する。止血は最低5分以上行わないと
止まらない。

それではシンドイので、ここで三角巾の出番。三角巾(包帯)
で保護ガーゼを固定する、という流れとなる。

三角巾は頭、額に始まり、膝、下腿まで10部位に対応する
使用法を学んだ。これは実技試験にもなるので、自宅でも復習
した。。が、すぐに忘れそうなので、今後も繰り返し反復練習
しないとな。

ちなみに、ここでも重要なのは観察と声掛け。傷病者の顔が
見えるところで手当することで、安心感を与えるとか、急な
容態の変化はないか等、手元の作業ばかりに集中していると、
すぐに突っ込まれる。見られてるね。

続いて骨折の手当。主に副子と三角巾を使った固定方を幾つか。
もっとも山には三角巾は持参しているが、副子などない。何が
代替できるかは普段からイメージしておく必要があろう。

あと、山との関係では足首のねんざの際の固定法も学んだ。

最後は搬送だが、これは担架を使ったノーマルな方法と1人で
運ぶなどの方法を学んだ。搬送となると、山でのそれはさらに
ハードルが上がるが、ともあれまずは基礎固め。
それと重要なのは保温。傷病者は思いのほか身体が冷えるもの。

一通りの実技講習が終わった後には、「総合実技」と称して、
大地震発生シミュレーション。20人弱のグループに分かれて、
傷病者の捜索から、救命措置、手当〜救護所までの搬送を
行った。これは試験とは関係ないが、ここまで点で学んできた
知識や技術を引き出しに整理したうえで、状況に合わせて
判断、行動するというなかなかの高度なもの。ましてグループで
動くので、短い時間の中で役割分担して、効率的に動かねば
ならず、結構パニくる。でも、2回実施し、2回目は大分スムーズに
なった。この総合実技は脳からシルが漏れるほどフル回転だったが、
その分大変有意義だった。

そんなこんな、細かい技術のみに傾注することなく、常に全体を
意識しながら、充実の3日間となった。

これまでもFAは多少は学んできていたので、今までがゼロ
だったわけでもなく、一方で、今回の講習を経て完璧になるかと
いったら、そういうわけではない。

と言っても、やはり3日連続で学んだことで、できること、でき
ないこと、その中の選択肢はもう少しはっきりしたと言える。
引き出しの整理もできたなか。

事故、トラブルに遭遇したくはないが、万一遭遇した場合は、
積極的に、率先して、対応し、冷静な観察と迅速正確な判断を
行えるようになりたい。

あ、試験は合格してました。

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以下はおおまかに学んだ事項。


<基礎講習>
1赤十字救急法について
2手当の基本
 ・体位変換、気道確保、回復体位など
 ・傷病者への接し方
 ・連絡、通報等
3一時救命措置
 ・心肺蘇生(胸骨圧迫、気道確保、人工呼吸等)
 ・AED
 ・気道異物除去
4赤十字の事業

<養成講習>
1.救急員に求められる能力(正しい観察と判断を行える能力等)
2.急病
 ・心臓発作、脳卒中、呼吸困難、腹痛、熱中症、中毒など
3.けが
 ・きずの手当
 ・骨折の分類と手当
 ・各部のけが
 ・特殊なけが(落雷、低温障害など)
4.きずの手当
 ・止血
 ・保護ガーゼ、包帯
 ・三角巾使用法
  →額、耳、頭、胸、肩、手、前腕、下腿、膝、腕の吊など
5.骨折の手当
 ・各部の骨折の手当
 ・脱臼、捻挫、突き指等の手当
6.搬送
 ・搬送のときの注意事項、準備
 ・1人、2人で運ぶ場合
 ・担架による搬送
7.救護
 ・災害時の心得
 ・災害被害を軽減する国民運動
 ・留意事項(意思決定、二次事故、日常の準備等)

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コメント

試験受かりましたか?
やっさんお疲れ様でした!
ぴちぴちの女の子いっぱいで良かったですね!

山で活躍する技術がいっぱいのようで、来年は出たいです!
2013/9/26 0:37
受かったよ。多分100点だな。
今回は残念だったね。

ぴちぴち女子と一緒(実際のバディは刺青の外人だったけど)だったので、3日間終始ニヤついていたと思う。

ともあれ、来年とは言わず、冬にでも受講しなよ。
一緒に山行く人には、雪崩とFAはマストでお願いしたい。俺も助けてほしいから。
2013/9/26 2:41
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