記録ID: 40385
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ハイキング
中国
トホレコ(日本縦断徒歩旅行の記録)45・日本海、ひたすら〜9(萩へ)
2006年11月14日(火) 〜
2006年11月17日(金)
- GPS
- --:--
- 距離
- ---km
- 登り
- ---m
- 下り
- ---m
コースタイム
11/14 瀬越ー須佐ー阿武
11/15 阿武ー萩
11/16 萩ー三見ー三隅ー只の浜
11/17 只の浜ー黄波戸ー油谷ー阿川
11/15 阿武ー萩
11/16 萩ー三見ー三隅ー只の浜
11/17 只の浜ー黄波戸ー油谷ー阿川
過去天気図(気象庁) | 2006年11月の天気図 |
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アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
11/14 昨夜は何故か寝苦しく、朝寝坊。寝覚めが悪いことこの上ない。雨が降ってたらサボっちゃおーかなー、なんて思ったのだが、低く垂れ込めた雲からは、あいにく雨音は聞こえてこない。いつ降り出してもおかしくないやうな怪しい雲行きではあるが、気温も高いし、まあ、サボってる訳にもいかないだろう。観念して、頑張って阿武の道の駅を目指してみる。彼の地には温泉もあるという。このところ温泉にフラれ続けているので、今夜あたりいい加減湯を使いたいところだ。 9号線には戻らずに、山を越えて江崎の漁港へ入る。海沿いには、何に使うのか、巨大な鉄塔が何本もたち並んでいる。港を横切るようにして架けられた橋を渡っていく。眼下には西堂寺の六角堂。江崎の漁港は入江が入り組んでいて風情のあるところである。 国道に戻って須佐の町へ。朝から何も食ってなかったのでオニギリなど購入してみる。国道沿いに隧道を幾つか潜って峠を越えていくと宇田郷に出る。茫々たる海沿いの道である。宇田郷の駅で一服。こんな片田舎の無人駅にしては、随分綺麗に手入れされている。待合室の壁に川柳など貼られているのは、おおかた、近所のヒマなじいさんが手入れをしておられるのだろう。一口に「侘び寂び出ちゃってる」などと言って片付けてしまう訳にはいかないやうな、切なくもユルい情感を湛えている。 海沿いの道を、遠岳山の突き出した半島にぶっつかるまで歩いていくと、緩やかな峠越えにかかる。これを越えれば阿武の道の駅はすぐそこだ。この地味な峠は「サエガ峠」という。漢字で書くと「才ヶ」となる。これは字体によっては「オケ」と読めなくもない。しばらく気付かなくて、「“オケ”っつーのもぞんざいな名前だよなあ。」なんて思っていた。道理で、「オ」の字体が変だし、「ケ」が小さいなあ、とは思ったんだ。納得。 奈古の町で買い物。珍しく洋酒など買ってみる。つっても“ブラックニッカ”だけど。つまみにピーナツとレーズン。親鳥かしわが安かったので、晩のおかずに。親鳥ってたまにしか見かけないけど、安く売られている。やたら固い肉なのだが、「薩摩地鶏に似ている。」と思い込めば、噛むほどに滋味の溢れる食べ物のやうな気がする。あながち気のせいでもあるまいて。 メンチカツなど齧りつつ、奈古の町からもう少し、海岸まで歩くと道の駅がある。ちゃんと温泉も営業中だ。取り敢えず一風呂浴びる。塩っぱくも苦い湯だ。湯上がり、ワンゲルOBのShingoo氏に連絡をとってみる。Shingoo氏は福岡県は博多市に程近い、二丈町という所で地質屋を営んでおられる。そろそろ九州上陸の日も近付いて来たので、何か美味いものでも食わせて貰うべく、早めに連絡を取っておこうという寸法だ。しかし何としたことか、Shingoo氏は12月中旬まで出張中であるとのこと。しかも出張先は札幌。なんだってよりによって札幌なんだ?先日のStar-River氏といい、ワンゲラーって奴ぁ・・・。 11/15 なんかもう、アレだな。3日も歩くと休養したくなる。困ったもんだ。今日あたり、雨でも降ってくれれば喜んで停滞しちゃうんだけど、雨なんてそう上手い具合に降ったりしないものだ。やや強い風が上空の高い所を吹き抜けていると見えて、ちぎれた雲がどんどん飛ばされていく。強い寒気が入っているらしい。こういう天気も悪くないという気がする。十一月の冷たい風にもだいぶ慣れて来たやうだ。一度風邪をひいたんで免疫力がついたのだろうか。今日は萩市止まりということにして、10時過ぎ、のんびり出発。ちぎれ雲の合間から溢れくる陽射しも何処か弱々しい。あの、正月過ぎの陽射しにも似た透明感。いつの間にか冬に片足突っ込んでいたものと見える。 別に急ぐでもなく、トボトボと萩へと向かう。萩は物静かな、古い城下町である。シーズンのせいかも知れないけど、静かだ。風流だ。駅前の閑散とした感じも、古い町並みの残る辺りの風情も悪くない。品の良さそうなおば様方が、くゎんこうに勤しんでおられる。悪くない。しかし、如何せん背中のザックが重いな。 お城の石垣など残る辺りを抜けて、指月山の麓におよろしい感じの砂浜を見付けて野営地とする。近くの公園では部活動の高校生がランニングなどに汗を流している。そういえば、いつの間にか山口県に突入していたようだ。九州大陸がもうすぐそこだ。本州走破も見えてきたな。 何故かよく寝付けず。やたら喉が乾く。ブラックニッカをソーダ割にして、4時過ぎまで舐めていたろうか。 11/16 8時過ぎ、目覚める。風が強い。テントを畳むのが大変だ。荷物をまとめてザックに腰かけていると、砂浜の方から犬を連れたおばさんがやって来る。何故かポロポロと涙を流している。風が強くて寒かったからだろうか?丁度方角が一緒だったので、途中までポツポツと話しながら行く。ゴミを入れたレジ袋をザックにぶら下げていたのだが、持って行ってくれた。親切な人だった。何故ポロポロと泣いていたのかは不明。 国道には戻らずに、物好きにも海沿いの道を選ぶ。玉江浦を過ぎると急激に道は細くなる。区画線さえ引かれていないやうな、心細い道である。益田市で9号線を分け、変わって海沿いに続いている191号線もここからは遠い。地元の人以外、ほとんど通る人のない道なのだ。そして、その、地元の人だって決して沢山いるとは言えない。今日も冷たい北風だが、11月の憂鬱にも慣れて、寒さがむしろ心地良いくらいだ。線路の写真などやたらに撮りながら行く。しかし露出計の具合がどうにも変だ。僕の感覚とはだいぶ違った所を露出計の針が指している。機械を無視出来るほど自信ないしな。どうしよう。電池が切れたかな? 三見の漁港でパンを買って昼飯にする。この辺の町並みは風情があっていい。手積みと覚しい石垣が多い。津南のババさんを思い出した。 三見からは“萩・三隅線”とかいう道路を新設工事中で雰囲気ぶち壊しである。191号線の他にまだ道路作るってか。ホントに必要なのか疑いたくなる。三隅まで歩いて国道に合流。コンビニで例の、カレーヌードルなど食す。それからカメラの露出計用のボタン電池を購入。電池を入れ替えると、だいぶ針の動きが元気になった気がする。しかしまだなんかアテにならない感じだなあ。実は先日、石見銀山を訪れた際に、軽くカメラを落としてペンタプリズムの所がへこんでしまったのである。アレのせいで壊れた可能性もある。だとしたら、石見銀山からの写真はみーんなパァだな。 長門のショッピングモールで買出し。今夜は手抜きでレトルトカレー。長門の町には目もくれず、只の浜へ向かう。早くも日が暮れ始めている。急いだのだが、只の浜に着く頃にはすっかり日が暮れてしまって辺りの様子が定かではない。どうやら砂浜って訳ではないようだ。パーキングから線路を渡って海岸に出れる所があったので行ってみたが、コンクリートブロックで固められた海岸が続いていた。仕方ないのでコンクリートの上で野営。この時季、コンクリートの上は冷え込んで寝心地が悪い。雨なんて降ったら目も当てられないだろうね。 11/17 5時頃一度目が覚める。やけに冷え込んでいる。コンクリートの上ってことも影響しているのだろう。この寒さで早朝から徒歩旅行なんてやるガッツはどこからも湧いてこない。というわけで、気持ち良く二度寝の夢を貪っていると、何やら外が騒がしい。おもむろにテントから顔を出してみると、白いシャッポに学生服の若者が20人ほど集まって一心に空を見上げている。その視線の先には一翼のプロペラ機。ちぎれ雲の合間を盛んに駆け回っている。学生達に対してデモンストレーションしているらしく、低空飛行やキリモミ降下などのアクロバットを気前よく次々と繰り出している。学生の中にはシャッポを取って手を振る者もいる。何かの祭典だろうか?プロペラ機の主翼には赤い日の丸が染め抜かれていた。自衛隊がらみの何かなのかもしれない。取り敢えず写真など撮ってみる。なんか得した気分。二度寝にもたまにはご利益があるものだ。 黄波戸に温泉があるようなので行ってみる。黄波戸は実に小さい漁港である。バス停のすぐ裏手にあるホテルに行ってみる。フロントのめんこいお嬢ちゃん曰く、ここでも日帰り入浴は可能だが、もっと広くていい温泉が他にある、とのこと。料金もここより100円安いんだとか。丁寧に道など教えてくれる。めんこいなあ、もお。食べちゃいたいくらいだ。 という訳で教えられた通りに行ってみる。温泉交流センターとかいう施設だとのこと。しかしまあ、行く手には恐ろしく急な坂道が待ち構えている。フロントのお嬢ちゃんは僕が徒歩旅行者だということが分かって無かったのかも知れない。まあ、徒歩旅行などというものは、説明したところで分かって貰えない事も多いしな。途中まで行ってみたが、面倒くさくなって止めにする。まあ、温泉、温泉と騒いでいるのも半分はこういった裏道を彷徨う為の口実だったりするからな。油谷の方にも温泉があるみたいだから、そっちで改めてトライすることにしよう。 古市でたこ焼き買って食す。おいしい。人丸でおにぎり買って食す。おいしい。 油谷の温泉は地図とずいぶん違う所にある。海を望む立派なホテルである。この辺は楊貴妃の墓があるとかってユルい伝説があるらしく、このホテルの温泉も“楊貴妃の湯”などとフューチャーしている。日本って実は世界の偉人が沢山没していたりするのだ。モーセとかキリストとか。凄いよね。それから、この辺は阿部首相の出身地らしく、「がんばれ、阿部晋三!」などという横断幕が掲げられている。今となっては物悲しい限りだ。さて、肝心の温泉であるが、日帰り入浴が何と1000円の高値で取引されている。バカじゃねーの?楊貴妃とか言ってんじゃねえよ。などと口汚く罵ってみるも、冷静にまわりを見ると、次々に車が出入りして結構繁盛している様子。どうなってんだ、日本って国は?まあいいや、先を急ぐとしよう。 粟野という所に着いたのが5時。丁度いい河原もあったが、もう少し進めば阿川という海水浴場がある。そちらまでもう一息、足を伸ばしてみる。粟野を過ぎるといきなり峠の山道となる。ひぐらしが夜を呼んでる訳じゃないけど、どんどん日が沈んでいく。夕焼けが綺麗だ。追いかけても追いかけても、峠の向こうに逃げて行ってしまう。 暗くなる前に何とか阿川に到着。海岸は野営にうってつけの砂浜が弧を描いて広がっている。海水浴場なので駐車場や公園など綺麗に整備されている。そのわりに何故かトイレがないのね。 |
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