志賀
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天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2009年07月の天気図 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道は整備されていて良好。 鏡池からの下山路は細いが歩き易かった。 富貴原の池から下は木や岩が立ち塞がり、少々てこづった。 標識に距離、所要時間等掲載されておらず、不便を感じた。 |
写真
感想
昨年10月、全盲のYさんをエスコートして台湾玉山登山を成功しましたが、今回またしてもYさんのお声掛りで志賀高原本白根山から鏡池経由で殺生河原への縦走に行って来ました。
生憎の天候が続いています。
今週は全国的に悪天の予報が出ています。
昨日、望月少年自然の家で行われた長野県山岳協会東北信支部主催の登山教室に参加。
翌26日に蓼科山に登山すると言うのを断ってのYさんガイド登山です。
と言ってももちろん無料手弁当ガイドであることは言うまでもないこと。
当初の計画では、車を白根山駐車場に停め本白根山付近の駒草を鑑賞する登山の予定でした。
出掛けてから気付いたのですが、車に地図を置き忘れてしまいました。
そのため地形の概念が掴めず、少々ハードな登山になってしまいました。
もともと出掛ける前日に、Yさんから駒草と出来れば有毒ガス噴出地の近くで硫化水素ガスの臭いを確かめたいとの要望も出ていたのですが、これほど見事にハードなルートになるとは思っても見ませんでした。
天候は長野県は午後から全県雨の予報です。
出来れば2時頃までの予定で安全な登山をと考えてもいました。
8時に長野駅で落ち合って一台の車に同乗して一路、志賀高原を目指します。
10時志賀高原白根山駐車場に着き、準備を整えて出発します。
出発してすぐ雨です。カッパを羽織り、ザックカバーを被せました。
登山と言ってもなるべく簡単に駒草を鑑賞してとの思いから、逢ノ峰を登らず林道を歩きます。
本白根スキー場までのピストンバスが狭いアスファルト道路を往復しています。
雨は暫く歩くうちに止んでしまいました。
雨に関しては本当にラッキーなことでしたが、今回その後一度も降らずに居てくれて大助かりしました。
10時42分本白根スキー場のリフト乗り場です。
ここから本白根山登山道が始まります。
Yさんは台湾のときと変わらず至って元気です。
それでも道の荒れているところは神経を尖らせなければ万一、怪我をしただけで重大な事故に繋がります。
今回、同行して下さって居るお二人はいずれも登山暦の浅い方たちですが、気配りは本職です。
軽快で豊富な話を大いに楽しみながら息の切れない速度で登ります。
11時10分、本白根山が望める展望の良いところに出ました。
足元には赤さが一段と鮮やかな駒草の群落が荒れた斜面一面に咲き誇っています。
見上げる斜面にも競い合うように咲いています。
本白根山を一望に見渡せる見事な景色との対比に、心が解き放たれる気持ちがしました。
Yさんは元気であった頃の記憶を辿っているかのように、駒草の花を手にとって形を確かめていました。
顔は穏やかに微笑んでいます。
来て良かったとつくづく思いました。
見下ろす窪地は噴火口の痕のようです。
その縁を経巡りながら、本白根山へと続く稜線へ出ると、西からの強い風が汗ばんだ身体を心地よく冷却してくれます。
11時43分本白根山頂上です。
近くにいた方に4人の写真を撮って戴き、風が強いため休むことなく先へ進みます。
暫くして林間の下りに掛かりました。
道がぬかるんで、ところどころ足を濡らします。
Yさんは濡れることには恐れることなく確かな足取りで追いてきます。
眼下に池が見えてきました。鏡池です。
平T山岳会の80人と狭い道で行き会い、こちらは無勢で立ち止まり強制休息です。
こんなに大勢で一度に移動を?と少々心穏やかではありません。まー、我慢です。
鏡池の池辺は80人ほどの人が休んでいました。
我われも簡単な昼飯を摂ります。
Yさん持参のポットで作られる熱々のコーヒーに、緊張の糸がしばし緩みます。
チョコレートが取り出され、茹でた甘いトウモロコシが振舞われます。
私の提供は何もありません。何時も単独行をしている気配りの無さが露呈します。
仕方ありません、気遅れすることなく戴くことにします。
40分ほど休みを取り、出発です。
鏡池を出て更に下降を続け、13時14分ロープウエイ山頂駅との分岐点に付きました。
ここで大きな間違いをしてしまいます。
山頂駅からはこの分岐にしか道は無いものと思ってしまったのです。
反対側の道は殺生河原経由温泉街とあります。
ここで殺生河原の道へ踏み出しました。
トラバース路を10分ほど進むと道が一気に下降し始めました。
延々下って行きます。
30分ほど下った頃、小さな池が見えて来ました。
後で確認したところ富貴原の池と分かりましたが、その時は標識も無く分かりません。
池の周りの消え入りそうな道をおずおず進みます。
鶯が鳴き遠くで雷の音も聞こえます。
そのとき、池の反対の岸にジッと動かないケモノ一匹、カモシカです。
ジーとわれわれを眺めながら微動だにしません。
メンバーの一人は感動の面持ちで写真を撮っていました。
道は水平に左方向に進路を変えて続きます。
ずーと下のほうにかなり大きな町が見えています。
よく見て判断すれば草津町であると分かったほどの距離でした。
池から進むこと20分で、本格的な登山の分類に入るほどの険しい道に遭遇しました。
溶岩の大岩をまたぎ越え、ずり落ち、隙間を慎重に進みして、一時間を掛けてようやく殺生河原に到着しました。
左手には立ち止まらずに進めとの標識が打ち立てられた殺生の河原が不気味な白さで煙を吐いています。
右手への道が温泉街へ続くとあります。
暫く躊躇したのち、右手の道に進みました。
5分ほどでまたもや危険地帯遭遇です。窪んだ地の底からガスが吹いているようです。
ここにも立ち止まるなの標識が。
しかし、見渡すと石楠花の大繁殖地だと気が付きました。
白山石楠花の原生林です。花はすでに散って久しく、葉っぱだけのつややかな青さが印象に残りました。
結局、15分も行かずに引き返しました。
と言うのも、曲がり込んだ道の先には黒々と黒木の山が行く手に続いていたからです。
1時間程度では温泉街には着かないと判断してUターンです。
15時27分、再び殺生河原に着いて、河原の底を道なりに進みます。
すぐ側を志賀草津道路が走り、通り過ぎる車の窓から小学生と思しき男の子が声高に、「あんなところを歩いている人が居るよっ」と運転中の父親にでしょうか話しかける声が届きます。
なんだか非常に危険なことをしている様な気持ちにさせられました。
道路に出て1分も歩かない頃、小高い斜面が目隠しになって居て気付かなかったロープウエー山麓駅の駅舎が目の前に・・・。
15時55分タクシーに乗り込み白根山の駐車場所まで帰ります。
白根駐車場、16時7分到着。
沿面距離:8.804km 所要時間:5時間25分
累積標高:+527m −1008m 歩数:22123歩(鏡池まで9200歩)
結果、Yさんは大いに喜んでくれましたが、反省しきりで山を後にしました。
一日を共有する事が出来たこと感謝します。
荒涼とした岩場の荒れ地に一生懸命に咲くコマクサに感動し、
幻想的な池に出会って思わず・・ブルー・ブルーシャトー♪なんて口ずさんだり
石楠花の群生地で一面花が咲いたときを想像して又来たいな・・・なんて呑気なこと思いながらの楽しい一日でした。
沢山歩いて飲んで食べてお喋りして
kijitogaさんのガイドに安心して付いて行けました。
有り難うございました。
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