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記録ID: 556130
全員に公開
ハイキング
近畿

熊野古道伊勢路 三瀬坂峠から遷宮直後の瀧原宮へ

2014年11月30日(日) [日帰り]
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bool その他5人
GPS
--:--
距離
5.2km
登り
231m
下り
184m

コースタイム

日帰り
山行
2:00
休憩
1:10
合計
3:10
11:20
40
多岐原神社
12:00
12:40
60
13:40
14:10
20
道の駅奥伊勢木つつ木館
14:30
瀧原宮
徒歩で三瀬坂峠を目指す場合、
JR三瀬谷駅前にある「道の駅奥伊勢おおだい」からスタートするのが一般的です。

私たちも計画段階では奥伊勢おおだいからのスタートを考えていましたが、
登り口近くに丁度良い駐車スペースを発見したので、急遽そこからの山行となりました。

ただし、三瀬坂峠は道中にトイレ休憩できる箇所が無く、
多岐原神社側の登り口に仮設トイレが1基あるのみですので、
いずれにせよ休憩と補給のために、
スタート直前に奥伊勢おおだいに立ち寄ることをおすすめします。

道の駅には大台町の観光案内所も併設されています。
天候 曇り時々晴れ、夕方から雨
過去天気図(気象庁) 2014年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
S:JR三瀬谷(みせだに)駅から徒歩およそ1時間で多岐原(たきはら)神社入口。
G:JR滝原(たきはら)駅から徒歩およそ15分で瀧原宮(たきはらのみや)の鳥居。
自家用車の場合は、紀勢自動車道大宮大台ICからスタート地点、ゴール地点それぞれ5分程度で到着。

※今回は自家用車2台でスタート地点付近まで行き、ゴール地点まで回送。
コース状況/
危険箇所等
三瀬坂峠(みせざかとうげ)は、峠道のほぼ全般にわたって未舗装の急登が続きます。
距離は短いとはいえ、そこそこキツく感じる坂道ですので、
登山靴やストックは用意しておくことをおすすめします。

熊野古道の一部ではありますが、石畳は無く、世界遺産としての指定区間ではありません。
そのため山中では、他の登山者にほとんど出会うことがありません。

道としての危険箇所は特にありませんが、
野生動物、とくにクマやイノシシ、サルの出没情報が多発している場所です。
熊よけ対策グッズを装備することはもちろん、
動物の活動が活発な時間帯(夕方以降〜早朝)の散策は控えましょう。
その他周辺情報 JR三瀬谷駅前に「道の駅奥伊勢おおだい」が、
瀧原宮の鳥居前に「道の駅奥伊勢木つつ木館」があります。

日帰り入浴施設は、周辺にはありません。
スタート地点の多岐原神社(たきはらじんじゃ)。
ゴールの瀧原宮(たきはらのみや)が所管する境外摂社で、
伊勢神宮を構成する125社のうちの一社です。
スタート地点の多岐原神社(たきはらじんじゃ)。
ゴールの瀧原宮(たきはらのみや)が所管する境外摂社で、
伊勢神宮を構成する125社のうちの一社です。
小ぢんまりとした神社ですが、現社殿に隣接して遷宮のための御敷地が用意されており、
それなりの格式の高さをうかがい知ることができます。
小ぢんまりとした神社ですが、現社殿に隣接して遷宮のための御敷地が用意されており、
それなりの格式の高さをうかがい知ることができます。
多岐原神社は宮川(みやがわ)の川岸近くに鎮座しています。
祭神の真奈胡神(まなごのかみ)は、倭姫命(やまとひめのみこと)がこの川を渡るのを助けた神さまとされています。

かつてはこの宮川に「三瀬の渡し」と呼ばれる渡し舟があって、
熊野古道は三瀬の渡しから三瀬坂(みせざか)峠を越えていくのが正式ルートでした。
現在は、その跡地とされる河原だけが残っています。
多岐原神社は宮川(みやがわ)の川岸近くに鎮座しています。
祭神の真奈胡神(まなごのかみ)は、倭姫命(やまとひめのみこと)がこの川を渡るのを助けた神さまとされています。

かつてはこの宮川に「三瀬の渡し」と呼ばれる渡し舟があって、
熊野古道は三瀬の渡しから三瀬坂(みせざか)峠を越えていくのが正式ルートでした。
現在は、その跡地とされる河原だけが残っています。
山行当日は午後から天気が崩れる予報。
まだ明るいものの、これから目指す峠の向こうには早くもやや厚い雲が。
山行当日は午後から天気が崩れる予報。
まだ明るいものの、これから目指す峠の向こうには早くもやや厚い雲が。
多岐原神社から三瀬坂峠の登り口までの間にあった石造りの道標。
いつの時代のものなのでしょう?
多岐原神社から三瀬坂峠の登り口までの間にあった石造りの道標。
いつの時代のものなのでしょう?
熊野古道、三瀬坂峠への登り口を示す看板。
民家の私道のようですが、紛れもなく熊野古道の一部です。
標識が無ければ絶対に気付かないと思います。

このまましばらく民家の間を入っていくと、
標高差約200m、頂上まで1100mの峠道が出現します。
熊野古道、三瀬坂峠への登り口を示す看板。
民家の私道のようですが、紛れもなく熊野古道の一部です。
標識が無ければ絶対に気付かないと思います。

このまましばらく民家の間を入っていくと、
標高差約200m、頂上まで1100mの峠道が出現します。
登り口付近にある、三瀬坂峠の登山者向けに設置された仮設トイレ。
1基しかありませんが、多岐原神社の周辺には公衆トイレはもちろんコンビニや商店さえもありませんので、非常に助かります。
登り口付近にある、三瀬坂峠の登山者向けに設置された仮設トイレ。
1基しかありませんが、多岐原神社の周辺には公衆トイレはもちろんコンビニや商店さえもありませんので、非常に助かります。
登り口からしばらくは舗装された道が続きます。
未舗装区間の手前には、普通車10台くらいが駐車できるスペースがあります。

「道の駅奥伊勢おおだい」の観光案内所でも駐車場として案内されましたので、登山口駐車場として使用できるハズ。
登り口からしばらくは舗装された道が続きます。
未舗装区間の手前には、普通車10台くらいが駐車できるスペースがあります。

「道の駅奥伊勢おおだい」の観光案内所でも駐車場として案内されましたので、登山口駐車場として使用できるハズ。
さあ、いよいよ登山開始!
登り始めもしばらくは舗装路が続きますが……。
さあ、いよいよ登山開始!
登り始めもしばらくは舗装路が続きますが……。
途中から未舗装の、いかにも旧道らしい峠道になります。
三瀬坂峠は終始、スギ、ヒノキといった針葉樹の林の中を進みます。
展望が開けず、単調な景色が続きますが、道は比較的登りやすいです。
途中から未舗装の、いかにも旧道らしい峠道になります。
三瀬坂峠は終始、スギ、ヒノキといった針葉樹の林の中を進みます。
展望が開けず、単調な景色が続きますが、道は比較的登りやすいです。
道の傾斜がよくわかる(と思う)写真。
頂上の手前500mくらいから、これくらいの急登が続きます。
もはや完全に登山道。
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道の傾斜がよくわかる(と思う)写真。
頂上の手前500mくらいから、これくらいの急登が続きます。
もはや完全に登山道。
三瀬坂峠頂上。標高265m。
麓の集落からわずか1kmちょっと、コースタイム30分程度の短い登りですが、体感的にはもっと長い峠道のように思えました。
登山としてはやや物足りないものの、ハイキングとしては本格的な部類かも。

頂上付近にはかつて茶屋があったと思われる平地があって、
休憩することができます。
三瀬坂峠頂上。標高265m。
麓の集落からわずか1kmちょっと、コースタイム30分程度の短い登りですが、体感的にはもっと長い峠道のように思えました。
登山としてはやや物足りないものの、ハイキングとしては本格的な部類かも。

頂上付近にはかつて茶屋があったと思われる平地があって、
休憩することができます。
峠の頂上に祀られている、宝暦6年(1756)建立のお地蔵さま。
石室の中に恭しく安置されていて、往時の信仰をしのばせます。

写真左下に見切れている丸い石は、ここで行き倒れた旅人の供養碑で、明治9年(1876)と刻まれています。
峠の頂上に祀られている、宝暦6年(1756)建立のお地蔵さま。
石室の中に恭しく安置されていて、往時の信仰をしのばせます。

写真左下に見切れている丸い石は、ここで行き倒れた旅人の供養碑で、明治9年(1876)と刻まれています。
お昼休憩後、瀧原宮に向かって峠を下ります。
峠の反対側も、やはり結構な急登。
トレッキングポールを長めに調節して構えます。
お昼休憩後、瀧原宮に向かって峠を下ります。
峠の反対側も、やはり結構な急登。
トレッキングポールを長めに調節して構えます。
坂が緩やかになってくると、左手に現れる高さ約2mの石垣。
いつの時代のものかはわかりませんが、おそらく江戸時代に築かれた、イノシシよけの石垣と思われます。
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坂が緩やかになってくると、左手に現れる高さ約2mの石垣。
いつの時代のものかはわかりませんが、おそらく江戸時代に築かれた、イノシシよけの石垣と思われます。
平地に下りたところで、道の左側に溜め池(三瀬坂池)が見えます。
ちなみに、道のところどころの土が掘り返されているのは、どうやらイノシシの仕業のようです。
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平地に下りたところで、道の左側に溜め池(三瀬坂池)が見えます。
ちなみに、道のところどころの土が掘り返されているのは、どうやらイノシシの仕業のようです。
里(さと)の登り口まで下りてきました。
ちなみに「里」は便宜上の通称、ではなく、れっきとしたこの付近の地名です。
登り口が国道42号線にそのまま接していますが、観光客の増加に対応してか、歩道を拡幅する工事を行っていました。

本来の熊野古道は国道を横切った反対側に続きますが、
そのあとすぐにまた手前側に横切るので、今回はこのまま国道沿いを歩きます。
里(さと)の登り口まで下りてきました。
ちなみに「里」は便宜上の通称、ではなく、れっきとしたこの付近の地名です。
登り口が国道42号線にそのまま接していますが、観光客の増加に対応してか、歩道を拡幅する工事を行っていました。

本来の熊野古道は国道を横切った反対側に続きますが、
そのあとすぐにまた手前側に横切るので、今回はこのまま国道沿いを歩きます。
民家の間を縫うように、熊野古道が続きます。
かつてはこの道を、熊野や伊勢に向かう人々が行き交っていたのでしょう。
奥に見える、背の高い木立の中が、ゴールの瀧原宮です。
民家の間を縫うように、熊野古道が続きます。
かつてはこの道を、熊野や伊勢に向かう人々が行き交っていたのでしょう。
奥に見える、背の高い木立の中が、ゴールの瀧原宮です。
瀧原宮の敷地の北西端に祀られている、足神さま。
この窪みに足を乗せると疲れが取れる……。
と、かつて巡礼者の間で言い伝えられていたそうです。
瀧原宮の敷地の北西端に祀られている、足神さま。
この窪みに足を乗せると疲れが取れる……。
と、かつて巡礼者の間で言い伝えられていたそうです。
「道の駅奥伊勢木つつ木館」に到着。
白い鳥居の先、約150m先が瀧原宮の入口です。
駐車場は、瀧原宮の参詣者用のものと道の駅のものとが渾然一体になっていて、かなり広いです。
「道の駅奥伊勢木つつ木館」に到着。
白い鳥居の先、約150m先が瀧原宮の入口です。
駐車場は、瀧原宮の参詣者用のものと道の駅のものとが渾然一体になっていて、かなり広いです。
瀧原宮の入口。社殿はここから約500mの参道を歩いた先にあります。
瀧原宮は伊勢神宮の内宮(ないくう)こと皇大神宮(こうたいじんぐう)の別宮(べつぐう)の一つで、
「遥宮(とおのみや)」とも呼ばれていました。

かつて伊勢神宮から出発した西国三十三所の巡礼者は、まずこの瀧原宮にお参りを済ませ、
それから熊野古道を南下して、第1番札所のある那智の滝へと向かったとされています。
瀧原宮の入口。社殿はここから約500mの参道を歩いた先にあります。
瀧原宮は伊勢神宮の内宮(ないくう)こと皇大神宮(こうたいじんぐう)の別宮(べつぐう)の一つで、
「遥宮(とおのみや)」とも呼ばれていました。

かつて伊勢神宮から出発した西国三十三所の巡礼者は、まずこの瀧原宮にお参りを済ませ、
それから熊野古道を南下して、第1番札所のある那智の滝へと向かったとされています。
瀧原宮は、内宮・外宮(げくう)に遅れること約1年、
平成26年11月7日に式年遷宮の遷御(せんぎょ)の儀を迎えました。
山行当日は、遷御から1ヶ月足らずの11月30日。
造営されたばかりの社殿からはヒノキの香りが漂っていました。
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瀧原宮は、内宮・外宮(げくう)に遅れること約1年、
平成26年11月7日に式年遷宮の遷御(せんぎょ)の儀を迎えました。
山行当日は、遷御から1ヶ月足らずの11月30日。
造営されたばかりの社殿からはヒノキの香りが漂っていました。
一方で、隣の古殿地では早くも社殿の解体作業が始まっていました。
20年に一度しか見られない、新旧の社殿が隣り合う貴重な光景です。
一方で、隣の古殿地では早くも社殿の解体作業が始まっていました。
20年に一度しか見られない、新旧の社殿が隣り合う貴重な光景です。

装備

個人装備
長袖シャツ Tシャツ ズボン 靴下 防寒着 雨具 日よけ帽子 ザック 昼ご飯 飲料 レジャーシート コンパス ヘッドランプ 筆記用具 ガイド地図(ブック) ファーストエイドキット 常備薬 保険証 携帯 時計 ストック カメラ
共同装備
非常食 ガスカートリッジ コンロ コッヘル
備考 峠道の距離が短く、下山後は舗装路が続くため、あえて普通のスニーカーを履いて行きましたが、
思いのほか道が険しかったので、登山靴を用意するのが正解だったと反省。
お守り代わりのトレッキングポールに助けられながらの下山となりました。

今回、登山用の吸汗速乾アンダー(モンベルのジオライン)を初めて実践投入しましたが、
登山中にかいた汗がガンガン乾いていくのを実感しました。
おかげで休憩中の汗冷えもまったく無かったので、用意しておいて良かったと思います。

感想

旧街道と侮ることなかれ。普通にしっかりと登山道です。

人生初の熊野古道への挑戦でした。
熊野古道といえば、江戸時代には多くの旅人が行き来した歴史の道。
なのだから、きっとスニーカーで大丈夫!
……とか勝手に想像していた山行前日の自分を叱りたいです。

この三瀬坂峠コースは、一言でいえば
「登山道としては物足りないが、ハイキングとしてはやや本格的」というレベル。
普段運動していない人であれば、登山靴とストックの装備をおすすめします。

裏を返せば、それなりの装備で挑めば距離も短いし高低差もあまり無いので、
それほど負担にならない程度で熊野古道に挑戦できると思います。
三瀬坂峠は、石畳など目立つ遺構があまり無く、また世界遺産の指定範囲外ですが、
その分、静かに「昔ながらの巡礼路」という、本来の熊野古道としての在り方を体験できることでしょう。

注意すべき点は、やはり野生動物との遭遇、特にクマです。
登り口には、山行1ヶ月前の10月10日にクマらしき動物を目撃したとの情報がある、
という、注意を促す看板が設置されていました。
念のため熊鈴をつけての登山でしたが、幸いなことにクマにもシカにもイノシシにも遭遇しませんでした。

どうやら毎年のようにクマが目撃されているようですので、
単独行は自粛し、夕方や早朝の登山は控えるようにしましょう。

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