サンティアゴ巡礼ポルトガルの道 Camino Portugués - Day 2

- GPS
- 08:48
- 距離
- 29.6km
- 登り
- 76m
- 下り
- 85m
コースタイム
- 山行
- 8:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 8:00
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
過去天気図(気象庁) | 2023年04月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
初日を短めにしたため、2日目の今日はいっきに倍の27km先の宿。
夜明けとともに起きて荷物をまとめ、ホテルの朝食時間開始7時とともに早食いし、車を呼んで8時には昨日の終了地点のSacavem駅から出発した。
最初の10kmは、海岸線に並行して続く丘陵地域を巻くように丘の裏側を歩く。この本来の巡礼ルートは今年中には変更される予定。初日の最後に歩いた万博会場跡地公園から続く海沿いの遊歩道がそのまままっすぐ7kmほど延長されて、本来の巡礼道が再び海沿いに戻ってくる辺りで合流することになっている。実際に新しい橋や、湿地帯をまっすぐ続くボードウォークが建設中なのは昨日の最後に見えていた。
ただ、ホテルに向かう車の中から見ると、海岸沿いの中間部分は柱の基礎がいくらか打ち込んである以外はほぼ未着手であったので、これまで「5月には完成して新しい直視ルートになる」という説が、5月に実現するかはかなり疑わしい。いや、まず無理。
私たちは今の丘の向こう側を撒いていくルートを普通に歩くしかない。Sacavem駅から川沿いにほんの少し行ったところで、川を渡ると橋の横から道はいきなり川沿いの土手に入っていく。初日はほぼなかった未舗装道路から今日の長距離歩きは始まった。
左手に川、右手には湿地帯に挟まれた農道っぽい道は、雨や水たまりの後に農機が走ってさんざんデコボコにした後ガチガチに乾いて固まっているため、実は足元に結構注意が必要だった。道幅は車一台分ぐらいはあるので、どうやらマウンテンバイクには大人気のルートのようで、他に歩いている人たちはほとんど見ない代わりに前方から後方から頻繁にソロや、小グループのマウンテンバイクが通っていく。
ただ、ポルトガルでは自転車、特にマウンテンバイクの人たちは総じてマナーがよく、後方からの場合はかなり以前から「通りますよ」と声をかけてくるし、中には私たちが気づくまで黙ってゆっくり後をついてくるような奥ゆかしすぎる人たちもいた。無言ですぐ横をとんでもないスピードですり抜けていくような輩はここにはいないので、そこは日本やオランダよりはかなり気が休まる。
午前の早い時間だったこともあり、この丘の裏の道はほぼ日陰。朝方の涼しい中を気持ちよくさくさくと歩くことができた。
日本と違って道ぞいに自動販売機があるわけもなく、いきなり売店があるわけでもない。飲食物が手に入るのは必ず村かすくなくとも大きな集落しかない。この朝も、丘の裏側を過ぎて、徐々に道が海岸方向へ向かい始めてようやく最初の村に立ち寄って、朝のコーヒーブレイクがかなった。
その次の村は、かつて巡礼者用のアルベルげがあった村。ここが閉業していなければ、リスボン大聖堂から20kmで初日の終了としては理想だったのだ。でも、以前からオーナーが高齢だったこと、そもそもかなり小さな集落で、今後すぐにルートが海沿い一直線になってしまえばここを歩いて通るひとも途絶えていくだろうことは想像にかたくない。閉めてしまう決断はとても理解できた。
その後も野原の中の未舗装道はかなり海岸線に近づくまで続き、大きな車道にでた。住宅地がそばになければ車道に歩道などまずない。今日のルートの3分の1はこういった大きな車道沿いの白線内を歩くことになる。白線は日本の車道に比べるとずっと幅があるのでまぁこれなら大丈夫だろうと思いきや、車側の運転の仕方が日本のようではないのでむしろ気は抜けないのだそうだ。
線路を越えると海岸沿いの地域へ、という手前にあった住宅地で2度目の小休止。海岸沿いは地図上ぱっと見は広大な空き地なので、変な博打は打たずこの住宅街で唯一開いていたカフェに入った。
線路を越える橋を越えると、そこは倉庫や工場が並ぶエリア。以前のルートはその工業エリアを突っ切っていたらしい。ただ、一区画向こうにどうやら遊歩道が整備されてそこが新たなルートになっている。広大な朽ち果てた工場跡地と新たにピカピカの配送センターを建築中との間を抜ける遊歩道は、やがて海沿いのしゃれた公園につながった。
例の建設中の海岸沿いのボードウォークはここに接続するようだ。
しゃれた公園には洒落たカフェもあり、地元の人たちは車でここにきてエクササイズしたりウォーキングしたりしているよう。ここからは、とにかくひたすら広大な草ぼうぼうの空き地の中を突っ切るボードウォーク、そして農道のような未舗装道を延々と歩いた。午後になると日差しはいきなり強くなり、巨大な空き地には日陰もあまりない。
そもそも、この畑でも放牧地でも工場地帯でもなさげな巨大な空き地はなんなんだろうか。
実はGoogle マップ等では私たちはなにやら飛行場のランウェイのような場所の端を歩いていることになっている。ただ、見渡してみても飛行場らしきものは全くない。ここはもしかして過去にリスボン空港があった場所ではないんだろうか?と考察しながら歩く。
白い砂が日差しにまぶしく、目が痛い。そして流石に何の変化もない空き地を、しかも炎天下にひたすら歩き続けることに飽きてしまった。午前中の丘の裏側の農道があったのでまだ良かったようなもので、これが全ボードウォーク建設完了して一直線の海岸沿いルートになれば、これが一日中続くのだ。。。。けっこう嫌だ。
ようやく元空港跡地の空き地を抜け、列車の線路ぞいの何もない車道を更に歩くと、空軍施設のようなものがあった。ここで線路の向こう側にルートは向かう。向こう側に行く方法は単純に駅構内をこっちから向こうに突っ切るというもので、巡礼道標が駅の階段入り口にしっかりとついている。
駅の向こうにある小さな住宅街で、再びコーヒーブレイク。フレンドリーなお爺さんとお婆さんがやっている、「ざ・地元御用達」みたいなカフェだ。若い人たちや都会の飲食店なら英語がかなり通じるのだが、こういった地元のしかも高齢者だとまず英語はまったく使わない。まったく物おじせずにポルトガル語で店の応対を通すところが、なんとなく四国の面倒見の良いおじいちゃんやおばあちゃんを彷彿とさせる。
この後、再び倉庫や配送センターが立ち並ぶエリアを抜け、いよいよ最後の主要幹線白線内歩きが続く区間に来た。
午前終わりの時の車道沿い歩きは、ほとんど車が通らなかったのでまだ良かった。次のこの道は正真正銘の主要道路。しかも、住宅街が横になければ歩行者や横断者もまずいないので、車もバイクもすごいスピードで走っていく。どうしてこんな危険な状況がルートになっているのかというと、この区間は純粋に海岸沿いにどんっと広がる巨大なコンビナートが突っ切れないので、そこをぐるっと迂回しているのだった。なので、本当に心身ともに疲れ果ててようやくその魔の車道から逸れて再び陸橋で鉄道を横切ると、そこはコンビナートのこっち側の端なのだった。
魔の車道歩きの前ですでに通常の歩行距離は超えていたので足の裏は痛いし、荷物は肩にずんっと重い。そこを炎天下の主要幹線(歩道なし)をずっと歩いてきたので、疲労感が3倍だった。
ここからは、一転して何やら郊外のマリーナのような雰囲気漂う村を川沿いの整備された遊歩道を歩く。最後のカフェ休憩をし、冷たい飲み物とポルトガル名物の焼き菓子で小腹を満たした後は、車が来る心配が全くないウォーキング道をとにかく根性で歩き続け、ついにゴールの街の駅前の中心地にあるゲストハウスに到着した。
結局、歩行距離は当初予定の27kmを遥かにオーバー、ほぼ30km近くなっていた。
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