記録ID: 5904271
全員に公開
沢登り
剱・立山
称名川支流ザクロ谷
2023年09月02日(土) 〜
2023年09月03日(日)
tunotenko
その他1人
コースタイム
日にち:2023年9月2〜3日
山域:称名川系・ザクロ谷
メンバー:T野,T原(記録)
2020年に下半を登り上半を敗退してから足掛け4年。
2021〜22年は水量や雨の関係でトライは控えた。ザクロに思いを馳せながら道具を揃えた。(スカイフックやタロン)去年は上半の難所であるF34の偵察と事前工作としてハーケンを一枚打ってきた。(去年は去年で大畠谷を遡行したのでそれでお腹いっぱいになっていた笑)雨が少ない今年はチャンスと思い、8月はじめの空いた1日に沢の水量偵察とF2の攻略訓練。そして前週に登山道を利用して幕営地へ宿泊装備のデポをし当日を迎えた。
1日目。6時を回ったころ桂台ゲートに着く。準備をしていると、不意にT谷くんに声をかけられる。7時の開門を車の中で待っていたようだ。我々は先に歩き始めるので、途中でまだ歩いているようならピックアップしてくれとお願いする。しかし登り口まで結局歩ききった。導水管を登りきった所あたりで後ろから声が。K村さんとT谷くんが追いついてきた。大声で挨拶を交わし先を急ぐ。
雑穀谷はいつもながらボルダーになるような大きな岩がゴロゴロしていて、それを越えていくため時間がかかる。それでもその奥のザクロ谷に到着。
F2はやはり水流は少なく細い。練習の通り水流の右側に泳いで取り付き、体勢を整え左手で横ガバを一気に取る。一発で決まった!ステミングでジリジリ登りチョックに抱きつきホッとする。荷揚げをしてT野さんを迎える。
F3はT野さんがシャワーを浴びながらもサクサク登る。
続いてF4。絵になる滝。泳いで取り付く。ここもステミングで登りチョックに抱きつく。難所をサクサクとこなし気分が良い。
ハンマー投げの滝がでてくる。実はふたりともハンマー投げをしたことがなかった。
(前回はもうひとりの同行者が全て投げていた)投げ方が分からなかったが、ハンマーを振り子のようにして勢いをつけ後ろに投げるのが自分には投げやすかった。まあまあの確率で決まり時間も短縮できた (T原氏はうまくなっていたが、T野はダメダメ)。しかし引っかかっただけのロープを人工で登るなんて考えるとゾッとする。ザクロ以外でハンマー投げの技術が必要なところがあるのか疑問だとふたり同意見。
14時ごろ幕営予定の牛ノ首に着く。宿泊装備はデポしてあったので遡行中の荷が軽く助かった。早い時間から焚き火をして、早々に就寝。私はダウンシュラフだったがシュラフカバーだけのT野さんは寒かったようだ。
6:30 桂台ゲート
6:50 導水管登り口
7:25 雑穀谷
9:00 ザクロ谷
9:30 F2&F3
10:50 F4
14:00 牛ノ首
2日目。冷たいウェットスーツをまた着込み出発。てまり滝も水量が少なく毬には見えない。高巻きもサクサクこなし早乙女滝出合に降りる。
口なしの滝はハンマーを投げ入れあぶみで難なく越える。ここも水量があまりなく落口が高くなっておりヒールフックを決めるにも足が届かなかった。
F25は2020年に登ったにもかかわらずここで敗退したところ。今回は時間も早く迷いもないので手早く突破するつもりだったが、壁にあるはずのリングボルトが見当たらない。チョンボ棒で1ピン目を掛けるのだが…ふたりともメガネっ子で目が悪いので見逃しているのではないかと探すもわからない…見えるのは上のカンテ下に残置のスリングがぶら下がっているのみ。幸い3.5mの長いチョンボ棒だったので、T野さんが滝側からスラブに少し登りなんとかその残置スリングにひっかけ成功!これで安心。バンドをトラバってF25の落口へ。
ソーメン滝も左側にハーケン残置があるはずだが見つからず…縦リスに自前のハーケンを打つが効かないアブミに乗ったら動き出したので慌てて下りてもう一枚重ね打ちして登りだしたら結局壁ごとはがれて二人ともドボン、ハーケン2枚のうち1枚をロープにつなげてなかったためハーケン一枚ロスト(泣き)。諦めて左岸を巻くこととした。巻でも1枚ビナと捨て縄残置。
F31はF4より難しいことで巷で有名なミニF4である。
ほかのPの記録だとリングボルトと残置スリングがあってこれをひっつかんでチョークストーンに跳ぶと書いてあったがそういったものはなかった。最初T野が正面突破しようとして逃げ帰りT原さんが 右側の壁をスカイフックとあぶみを掛けかえでトラバースして突破する方針にトライ。途中2回ドボン、実に惜しい!T野に交代して届きそうだったがドボン、3回目、絶妙なクライミングでT原さん突破!
そしてついにF34。めがねっ子ふたりには壁の残置がなかなか見えない。長いチョンボ棒で一番下のリングボルトにロープを掛けてみる。それに2連結したあぶみを引き上げるも、なかなか登れない。あーだこーだしているうちにマイクロトラクションをドボンしてしまう。底に見えるのに深くて取れなかった(涙目)そのうちT野さんがリングボルトの左下の赤いハーケンを発見!(ダジャレじゃないのよ)そこに2連結あぶみをチョンボ棒で掛け、残りのあぶみ2本でT野さんがサクサク登りあげる。噂通り最後のトラバースがヤバい。一番上のリングボルトはリングが飛んでボルトに細〜い細引きが掛かっている。切れないかヒヤヒヤ。ぬめる壁をトラバースして落ち口へ。去年自分たちが打った最後のハーケンが安心感をくれた。これで上半のハイライトは終了!
ほぼ達成した気分で小滝やF37を越えついに最後のF40。距離と落口にかぶさっている木枝を見てハンマー投げは断念。T野さんが高巻きする。噂通り滑って悪い。しかし中間にリングボルトを発見!さらにその上の枝にランナーを取り一安心。あまり高く登らず、バンドをトラバースして適当な木に捨て縄を打ち斜め懸垂でF40落口に降りる。これで終わった…ホッとした。お互いを讃え合い、ザクロ完登を喜びあう。
牛ノ首デポしたものをピックアップして急な登山道を重いザックを担いで降りる。足がガクガク。長い真っ暗な称名道路をトボトボ帰り道を歩く。帰り道も楽させてくれないザクロだった。
また登りたいかという問いに、ふたりともNOである(笑)ザクロはちょっと特殊な沢に感じる。ザクロのためにいろいろ考えて準備をした。これはこれで面白かったが、再登はゴメン。それに天候の幸運もある。今年のようなチャンスはめったに無いかもしれない。
去年の大畠谷と今年のザクロ谷。どちらもT野さんとふたりでの遡行。お互いの役割をしっかり果たし、おかげさまで憧れだった北陸の難しい二つの名渓を遡行できました。
5:40 牛ノ首出発
5:45 てまり滝
6:15 早乙女沢出合
6:30 口なしの滝
8:00 F25
9:15 ソーメン滝
11:40 F31
12:10 F34
15:15 F40
16:05 F40落口
16:45 大日平小屋
18:30 大日岳登山口
19:20 桂台ゲート着
いろいろ残置ピンなどが飛んでいるようです。
・ソーメン滝のハーケン
・F25リングボルト
・F31の残置(ボルト?ハーケン?)
山域:称名川系・ザクロ谷
メンバー:T野,T原(記録)
2020年に下半を登り上半を敗退してから足掛け4年。
2021〜22年は水量や雨の関係でトライは控えた。ザクロに思いを馳せながら道具を揃えた。(スカイフックやタロン)去年は上半の難所であるF34の偵察と事前工作としてハーケンを一枚打ってきた。(去年は去年で大畠谷を遡行したのでそれでお腹いっぱいになっていた笑)雨が少ない今年はチャンスと思い、8月はじめの空いた1日に沢の水量偵察とF2の攻略訓練。そして前週に登山道を利用して幕営地へ宿泊装備のデポをし当日を迎えた。
1日目。6時を回ったころ桂台ゲートに着く。準備をしていると、不意にT谷くんに声をかけられる。7時の開門を車の中で待っていたようだ。我々は先に歩き始めるので、途中でまだ歩いているようならピックアップしてくれとお願いする。しかし登り口まで結局歩ききった。導水管を登りきった所あたりで後ろから声が。K村さんとT谷くんが追いついてきた。大声で挨拶を交わし先を急ぐ。
雑穀谷はいつもながらボルダーになるような大きな岩がゴロゴロしていて、それを越えていくため時間がかかる。それでもその奥のザクロ谷に到着。
F2はやはり水流は少なく細い。練習の通り水流の右側に泳いで取り付き、体勢を整え左手で横ガバを一気に取る。一発で決まった!ステミングでジリジリ登りチョックに抱きつきホッとする。荷揚げをしてT野さんを迎える。
F3はT野さんがシャワーを浴びながらもサクサク登る。
続いてF4。絵になる滝。泳いで取り付く。ここもステミングで登りチョックに抱きつく。難所をサクサクとこなし気分が良い。
ハンマー投げの滝がでてくる。実はふたりともハンマー投げをしたことがなかった。
(前回はもうひとりの同行者が全て投げていた)投げ方が分からなかったが、ハンマーを振り子のようにして勢いをつけ後ろに投げるのが自分には投げやすかった。まあまあの確率で決まり時間も短縮できた (T原氏はうまくなっていたが、T野はダメダメ)。しかし引っかかっただけのロープを人工で登るなんて考えるとゾッとする。ザクロ以外でハンマー投げの技術が必要なところがあるのか疑問だとふたり同意見。
14時ごろ幕営予定の牛ノ首に着く。宿泊装備はデポしてあったので遡行中の荷が軽く助かった。早い時間から焚き火をして、早々に就寝。私はダウンシュラフだったがシュラフカバーだけのT野さんは寒かったようだ。
6:30 桂台ゲート
6:50 導水管登り口
7:25 雑穀谷
9:00 ザクロ谷
9:30 F2&F3
10:50 F4
14:00 牛ノ首
2日目。冷たいウェットスーツをまた着込み出発。てまり滝も水量が少なく毬には見えない。高巻きもサクサクこなし早乙女滝出合に降りる。
口なしの滝はハンマーを投げ入れあぶみで難なく越える。ここも水量があまりなく落口が高くなっておりヒールフックを決めるにも足が届かなかった。
F25は2020年に登ったにもかかわらずここで敗退したところ。今回は時間も早く迷いもないので手早く突破するつもりだったが、壁にあるはずのリングボルトが見当たらない。チョンボ棒で1ピン目を掛けるのだが…ふたりともメガネっ子で目が悪いので見逃しているのではないかと探すもわからない…見えるのは上のカンテ下に残置のスリングがぶら下がっているのみ。幸い3.5mの長いチョンボ棒だったので、T野さんが滝側からスラブに少し登りなんとかその残置スリングにひっかけ成功!これで安心。バンドをトラバってF25の落口へ。
ソーメン滝も左側にハーケン残置があるはずだが見つからず…縦リスに自前のハーケンを打つが効かないアブミに乗ったら動き出したので慌てて下りてもう一枚重ね打ちして登りだしたら結局壁ごとはがれて二人ともドボン、ハーケン2枚のうち1枚をロープにつなげてなかったためハーケン一枚ロスト(泣き)。諦めて左岸を巻くこととした。巻でも1枚ビナと捨て縄残置。
F31はF4より難しいことで巷で有名なミニF4である。
ほかのPの記録だとリングボルトと残置スリングがあってこれをひっつかんでチョークストーンに跳ぶと書いてあったがそういったものはなかった。最初T野が正面突破しようとして逃げ帰りT原さんが 右側の壁をスカイフックとあぶみを掛けかえでトラバースして突破する方針にトライ。途中2回ドボン、実に惜しい!T野に交代して届きそうだったがドボン、3回目、絶妙なクライミングでT原さん突破!
そしてついにF34。めがねっ子ふたりには壁の残置がなかなか見えない。長いチョンボ棒で一番下のリングボルトにロープを掛けてみる。それに2連結したあぶみを引き上げるも、なかなか登れない。あーだこーだしているうちにマイクロトラクションをドボンしてしまう。底に見えるのに深くて取れなかった(涙目)そのうちT野さんがリングボルトの左下の赤いハーケンを発見!(ダジャレじゃないのよ)そこに2連結あぶみをチョンボ棒で掛け、残りのあぶみ2本でT野さんがサクサク登りあげる。噂通り最後のトラバースがヤバい。一番上のリングボルトはリングが飛んでボルトに細〜い細引きが掛かっている。切れないかヒヤヒヤ。ぬめる壁をトラバースして落ち口へ。去年自分たちが打った最後のハーケンが安心感をくれた。これで上半のハイライトは終了!
ほぼ達成した気分で小滝やF37を越えついに最後のF40。距離と落口にかぶさっている木枝を見てハンマー投げは断念。T野さんが高巻きする。噂通り滑って悪い。しかし中間にリングボルトを発見!さらにその上の枝にランナーを取り一安心。あまり高く登らず、バンドをトラバースして適当な木に捨て縄を打ち斜め懸垂でF40落口に降りる。これで終わった…ホッとした。お互いを讃え合い、ザクロ完登を喜びあう。
牛ノ首デポしたものをピックアップして急な登山道を重いザックを担いで降りる。足がガクガク。長い真っ暗な称名道路をトボトボ帰り道を歩く。帰り道も楽させてくれないザクロだった。
また登りたいかという問いに、ふたりともNOである(笑)ザクロはちょっと特殊な沢に感じる。ザクロのためにいろいろ考えて準備をした。これはこれで面白かったが、再登はゴメン。それに天候の幸運もある。今年のようなチャンスはめったに無いかもしれない。
去年の大畠谷と今年のザクロ谷。どちらもT野さんとふたりでの遡行。お互いの役割をしっかり果たし、おかげさまで憧れだった北陸の難しい二つの名渓を遡行できました。
5:40 牛ノ首出発
5:45 てまり滝
6:15 早乙女沢出合
6:30 口なしの滝
8:00 F25
9:15 ソーメン滝
11:40 F31
12:10 F34
15:15 F40
16:05 F40落口
16:45 大日平小屋
18:30 大日岳登山口
19:20 桂台ゲート着
いろいろ残置ピンなどが飛んでいるようです。
・ソーメン滝のハーケン
・F25リングボルト
・F31の残置(ボルト?ハーケン?)
過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
いろいろ残置ピンなどが飛んでいるようです。 ・ソーメン滝のハーケン ・F25リングボルト ・F31の残置(ボルト?ハーケン?) |
写真
装備
共同装備 |
8ミリ35m 浮縄15m ハンマーハーケン(ハーケンはとんだ)カム チョンボ棒3.5m アブミ4個 クリフハンガー2個 タロン1個(つかわず)マイクロトラクション2個(1個水没)
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感想
一人ではとても手の届かないザクロ谷。
実際完全遡行できるなどとはおもってなかったのですが、じみじみと必要な道具を揃えていったりザクロに練習に行ったりと準備を重ね、今年は水が少なくてチャンスでしたので自分の仕事のせいで途中であきらめて帰ってきた2020年のトライの無念を晴らすことができました。現場で最高の底力を発揮する最強パートナーT原氏と二人で実現できたザクロ谷遡行でした。本当にありがとうございました!
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