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ハイキング
御在所・鎌ヶ岳

国見岳

2023年11月19日(日) [日帰り]
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過去天気図(気象庁) 2023年11月の天気図

感想

山行記録668 令和5年11月19日 (日)
雪を踏みに 〜国見岳〜
単独 地図:御在所山

 11月半ば過ぎの金曜日に気圧の谷が通過して、後から強い寒気が流れ込んできた。天気予報では西回りの寒気で、九州北部や中国地方では平地でも雪が降る可能性があるという。高層天気図では、土曜日の夜には能登半島付近500hPaに−30℃ぐらい、そして850hPaでは鈴鹿の山周辺で-3℃ぐらいの寒気が流れ込む予想で、上空は真冬の空気になる。だから時雨れれば山は雪。ただし、風は西寄りなので、時雨れない可能性もある。果たして…。
 土曜日の明け方から午前中にかけて時雨れ模様の天気になった。雲底は、最初はかなり低かったが、陽が高くなると1000mぐらいにまで上がり、入道の山頂東側の斜面が白くなってのが見えた。
 予報では、日曜日は移動性の高気圧に覆われてくるという。そうなれば、雪を踏みにいかない手はない。まだヒザが完全復活したわけではないが、そそくさと冬の装備を整える。時雨れていた時間を考えれば、ピッケルはたぶん大げさだと思うが、3年もサボっていたせいで錆が浮いて申し訳ないので、ついて行ってもらうことにした。
 凍結でスカイラインが通行止になっているかも…、と思いながら湯の山に向かうと、いつものように「落石通行注意」。少し得した気分である。紅葉の時期ではあるが、まだ夜明け前なので、余裕で蒼滝大橋東の駐車スペースに車を停める。
 少し明るくなり始めた6:05出発。思ったほどの寒さではない。入山届を提出して裏道に入る。赤とんぼの最終日に作業中だった四の渡しの橋も完成している。これで雪が積もってもそれほど怖い思いをせずに渡れるかもしれない。森にオレンジ色の光が射し込んできた。6:48藤内小屋に到着。
 夏とは違って小屋はまだひっそりしている。無精して車の中で適当に結んだ靴ヒモを結び直して、6:54出発。
 今日は久しぶりのヤシオ尾根。まずは三岳寺に向かう。所々消えかかった道。途中でコースアウトして戻ったりして少々時間を食う。よく確認すれば目印が付いているが、少し見にくい所があるから補充しながら歩く。すでにシロモジもほとんど葉を落とし、聞こえるのは沢の音のみ。ヒッソリ冬枯れの森に変化してきている。
 三岳寺の渡渉点に到着。小腹が減ってきているのでヨウカンをついばんで出発。石段を登って鐘突堂跡から誰もいない静かな尾根を登り始める。
 取っ掛かりの登りにくい尾根を過ぎ、腰越峠への道を分けると急登にかかる。やはりバリエーションルートだけあって、分厚く積もった落ち葉が滑りやすい。
 今日はザックにピッケルをくっつけていて、ザックの重心が後ろに移動して重く感じる。まだヒザの調子が元に戻りつつある段階だから、無理をしてしまうと後戻りしてしまいかねない。急ぐことは禁物である。どこからともなく甘い香りに包まれている。おそらくタカノツメ。落ち葉もあっちこっちに散らばっている。谷を挟んだ尾根が白い。国見尾根の上部がそこそこ白くなっている。見た感じ、雪線ともいえる高度は1000m。もうすぐである。
 藤内小屋が見えるコブで水を補給。ここから一番イヤなところへ入っていく。相変わらず足元が不安定な斜面を横切る。ロープは基本使いたくないから、一歩一歩確実に踏んでいかないといけない。ロープ場を抜け、沢状を登って斜面に取り付く。ここもいずれ岩に貼りついている表土が流れて足場がなくなるんだろう。そんなことを考えながら尾根に出ると、いよいよ雪が出てきた。南向きの尾根なのでまだカケラに過ぎないが、登るにつれて北側の斜面が白くなっていく。それにしても、少し雪があるだけで、ルートファインディングがあやふやになるものらしい。地形がハッキリしているので大きくはコースアウトしないが、なるべくルートを外さないように注意していく。
 周囲が結構白くなってきたころ、右の方の森の奥から鈴の音。ハライドからのルートが近づいてきた。8:35、尾根の分岐を通過。尾根を登り詰め、高原状に入っていく。気温は3℃。積雪はだいたい3cmというところか。樹に積もった雪は解け始めている。空には雲が広がっているが、低い雲ではなく、切れ間も多く、雲頂も平らで高くはない。御在所の気象ドームも見えている。風はやや北寄りの西風。それほど強いものでもないが、やはり山の上の風は冷たい。
 いつも道草するヌタ場にさしかかる。ヌタ場の泥にも雪がうっすらと載って、そこがぬかるんでいることが雪を透かして見えている。ヌタ場の脇に立つブナの大木がひときわ目立つ。ブナを見上げて「お久しぶりです」とあいさつ。
 縦走路に出て一段登ると青岳である。少々腹が減ってきたので、ここでメシにしようかと思っていたが、風が避けきれないのでいつもの場所まで行くことにする。スパッツを着け、せっかくなのでピッケルを手にする。ただ、この積雪なので地面には突き立てず、ザックを下から支えるように持って歩く。
 国見岳の北峰を通過すると、意外に人が来ている。もちろん御在所ほどではないだろうとは思うが。国見岳に来たということは、やはり雪を踏みに来た人たちなんだろうか。
 9:37国見岳南峰に到着。「結局ここやな〜」みたいな感じで、薄い雪の上にマットを敷いて腰を下ろす。少し風が通るが、カッパの上着を羽織れば十分に寒さはしのげる。今日は味噌煮込みうどん。「ネギ1本持って来たらよかった」。ちょっと後悔。
 雲は多いが晴れ間もあって、陽射しがあれば陽だまりでのヒルネが始まりそうな暖かさであるが、陽が陰るとちょっと冷える。御在所のスピーカーからの声も耳障りなので下山することにする。
 国見岳の南面は、すでに雪が融け始めて雪道とも言えない状態になってきている。滑らないように注意しながら国見峠に下り、そのまま北谷に入る。
 裏道を続々と登ってくるパーティーとすれ違いながら、最初の付替ルートの分岐あたりまで降りると、ルート上には雪がなくなってきた。ピッケルをザックにくくりつけて下り始める。ヒザがまだまだ本調子ではないから、ペースをシッカリ落として行く。藤内壁から岩屋の声が響くのを聞きながらユルユルと下り、11:25藤内小屋に到着。
 スパッツを外して川へ洗いに行き、小屋の前に戻ると、大将が腰掛けほどの丸太を担いで戻ってきた。「文さんのザックと違うかな〜と、思たらやっぱしそうか」みたいな…。ワシのザック、そんにわかりやすいやろか?。久しぶりに駄弁るのもええかなと思っていたが、忙しそうだったので長居せずに下山開始。あとは遊歩道のような道をトコトコ歩くだけである。
 そんなワケで、4年ぶりになるかな?。久しぶりに雪を踏んでみた。そうして降りてきた下界は暑い。窓を開放して帰途についた。

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