城ヶ崎

過去天気図(気象庁) | 2023年12月の天気図 |
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感想
二日間ファミリーで。
土曜日は季節外れの高温と強風で、岩場は塩っぽい。このコンディションでは難度の高いシーサイドは無理と諦めて、ファミリーへ。まったりシスターからアンクル、サムと登り、途中でたまたま出会った他会の連中とコラボ、というか、若手で指導した受講生もいたので、初心者の指導とあいなる。岩場は混雑していた。
日曜日は一転して低温で、風は相変わらず強く、上着を持ってこないTaka は私のダウンを狙って、早く登れ、という。私が登る時にはダウンを脱ぐので、それを着ようという魂胆である。そのため、8時から一番のりで、シスターのリードはekoから。その後ファザー、ブラザー、マザーとトップロープで登り、サムはリード&フォローで。土曜日と同じく、ekoリードで、と思ったのだが、takaが譲ってくれず、仕方なく、ekoフォロー。サムの隣の隣のまだ登ったことのないルートをtakaがトップロープトライ。あまり登られていないのも納得できる、あまりいいルートではなかった、とのこと。
この最後のルートをTakaが登り終えた頃、ビギナーやベビーでわちゃわちゃしていた女性二人パーティーに異変が。シスターを登るのに苦労していたこのパーティーの、ロープワークがまったくわかっていない初心者の方をシスターの回収に行かせてしまい、経験者の女性が下から、「セルフを取って」と指示するので、初心者の方はビレイ解除してしまった。上にいる初心者と下にいる経験者の女性とのコミュニケーションもうまくいっていない。見るにみかねて、「セルフとって、というと、セルフを取り払う意味に理解してしまうから、セルフビレイをセットして、とか、セルフは外さないで、とか指示しないと、上ではノービレイになってますよ」とアドバイス。その後、上の人にはセルフをセットするよう促して、彼女は自己確保はしたが、木の幹にロープを回して懸垂用にロープを2本束にする、という意味が理解できていない。下の人が「ロープを上げて」と言うので、単にロープアップするだけでロウアーダウン体制に入ろうとする。「ロープを投げて」と言われても、木の幹にロープを回していないので、せっかく上げたロープを投げると、自分のロープは外さないまま、セットはまだトップロープの支点のままのため、また元に戻るだけ。この時点で、下にいた人は、これ以上、下から指示しても埒があかない、と観念したのか、慌てて遊歩道を回って上にいる人の元に向かった。
ようやく合流して二人で懸垂セットしたものの、先に初心者の方を懸垂させるので、ekoが下でロープを持っていることにした。下に戻ってきた人は次の人が懸垂する際にロープを持つこともせず、みているだけ。これも見かねて、ロープを持つようアドバイスした。経験者が降りてきて、ありがとうございます、とは言われたが、「お連れの方はロープワークを理解されていないようなので、確認された方がいいですよ」と言うと、「回収にいってもらうまえに教えたんですけど」と言う。
うーん、この人はそれなりの年齢の女性だが、今まで後輩に何か教えた経験がないのだろうか?あるいは仕事で後輩に指導したりする経験もないのだろうか?こんな危険な活動をしていて、ひとつ間違えると死んでしまうというのに、直前にチラッと教えただけで、相手が理解して、誰も見ていないところで、一人できちんと懸垂セットできると考えているとしたら、万が一の事故の際にリーダー責任を問われても仕方がないケースだと思う。
初心者を連れて岩場にいけるだけの技量のない人が初心者を連れていってしまい、事故を起こす事例が次から次へと報告されているが、まさに事故の一歩手前の状況であった。
しかも、もっと怖いのは、経験者の方は、「私はちゃんと教えたのに、それができない相手が悪い」と考えている点だ。手順を一度教えただけで、すぐにできる人はそうは多くないし、すぐにその場でできたとしても次の機会に同じことができるかどうかは未知数になる。同じことを教えても、すぐにできる人とそうでない人がいることも念頭におかなければならない。今回の初心者の女性はかなり高齢で、新しい技術をしっかりとこなせるようになれるかどうか、かなり疑問符がつく。クライミングでは、何度も時間をおいて、同じロープワークが再現できるようになるかどうか確認を繰り返してはじめてセットを任せられる。クライミングではそれぐらい慎重であるべきだと思うが、巷の山岳会ではロープワークをあまりに軽く考えているようで、背筋が寒くなった。
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