岡山市＆吉備中央町 虎倉山 虎倉城跡＆ユキワリイチゲ
Machapuchare
その他1人 
体力度について
- GPS
- 03:20
- 距離
- 7.0km
- 登り
- 387m
- 下り
- 381m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
- 山行
- 2:50
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 3:20
歩行距離7km、歩行時間3時間、歩行数11,500歩、消費カロリー820Kcal
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2024年03月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
近くに建部コミュニティバス「虎倉」バス停＜写真03＞がありますが、土日祝日は運休、平日も虎倉線はここが始発で1便、鼓田線が月木金の数便のみです。 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
危険箇所やヤブコギはありません。吉備中央町方面に一部倒竹がありますがすぐによけられます。また、虎倉（こくら）城跡には急な切岸（二の丸跡南東端辺り＜写真22＞と二の丸跡北東端辺り＜写真31＞）があり、木を掴めるので前者のほうが安全です。 常磐橋の北側のたもとの路肩から伊賀一朗氏のお墓＜写真09＞までは、一部倒竹がありますがすぐによけられます。 しばらくは舗装道路で、標高110mを過ぎ、地形図の砂防ダム？の辺りから土道です。3年前よりも幅が広くなったような気がしましたが、対向車とすれ違うのはまだ難しそうです。 標高140m辺りで九折谷（つづらや？）川に出合うと、虎倉城の道標があります。地形図上は破線の道が西にも延びていますが、そちらは低い草が茂っており、さらに西へと歩けるかどうかはよくわかりませんでした。 道標に従い北上すると小石がゴロゴロしています。細道もありますが崩れやすくはなく、小石もそのうちなくなりました。 標高280m辺りの分岐で南東に進めば虎倉（こくら）城跡ですが、先に北西に進みました。最初はササがまばらに生えていましたが、標高295〜325mは細い竹が断続的に道にかぶさり気味に倒れていました。幸い、すぐによけられあまり歩きにくくはありませんでした。 吉備中央町に入り標高350mを過ぎるとT字路で、左折し砂利道を歩きました。北上し地形図の実線の道に出合うと分岐で、虎倉城跡入口＜写真13＞の道標がありました。右側の下るほうの舗装道路を選び、伊賀一朗氏のお墓＜写真09＞で引き返しました。 標高280m辺りの分岐から南東は虎倉（こくら）城跡で、二の丸＜写真21＞から東へは急な切岸＜写真22,23＞か＜写真31＞を上り下りします。 標高280m辺りの分岐には城跡の案内板と堀切＜写真15＞があります。整備された土道をさらに進むと、標高290m辺りが虎倉城出丸跡（歓喜山頂上）＜写真16〜18＞です。 さらに細道を進んでいると、道の北側にわずかに高くなった平坦地＜写真19＞があり、通り過ぎてから振り返って撮影し、後で確認するとやはり曲輪（くるわ）でした。 標高300m辺りの空堀＜写真20＞から細道は南を巻くように延びています。尾根上にある三の丸跡は前回は見学したのですが、今回はうっかり復路でも巻いてスルーしてしまいました。 標高320mの虎倉山（こくらやま）頂上は、西側が本丸跡＜写真32〜35＞、東側が二の丸跡＜写真21＞になっています。分岐には二の丸跡の案内板があり、まずはそこから東へと現在は竹林になっている二の丸跡を横断しました。3年前よりも竹が減ってさらに歩きやすくなっており、縫うように進めば普通に歩けます。 二の丸跡北東端辺り（＜写真21＞撮影地点）は急斜面なので、とりあえず南西に向かいました。二の丸跡南東端辺り＜写真22＞も急斜面ですが、木を掴んで適当に下りました。下りるとやはり曲輪があり、下りてきた切岸＜写真23＞を振り返りました。ここは木を掴めるので、復路もこちらを登ったほうが安全です。 過ぎると痩せ尾根で、南西側にある岩場の辺り＜写真28＞（復路で撮影）に堀切の案内板があったように思いますが、自然地形のような気がします。 最後に低木の間を少し上ると標高318.0mの三角点「虎倉」＜写真27＞周辺は低木が茂っていますが平坦で、ここも出丸跡＜写真24〜27＞です。南東端は崖でここから先は岡山県古代吉備文化財センターの「岡山県中世城館跡総合調査報告書」には記載されていませんが、昔はこの南の市場集落から延びる搦手道（からめてみち）があったようで、三十番神社＜写真04＞境内にある虎倉城跡案内板に記載されています。 引き返しきれいな細道に入ると、大きくカーブして虎倉城出丸跡北の支尾根＜写真29,30＞に続いていました。岩埋まりの上を歩き、痩せ尾根を東に進むと、岩＜写真29＞の辺りから下は崖です。ここも出丸跡としているサイトもありますが、岡山県古代吉備文化財センターの「岡山県中世城館跡総合調査報告書」では支尾根となっています。今回は岩の上には登らず南から北へと巻き、復路は岩埋まりの南側を歩きました。 標高318.0mの三角点「虎倉」のある虎倉（こくら）城出丸跡＜写真24〜27＞に続く細道まで戻ると、今度はそのまま西に二の丸跡北東端切岸＜写真31＞を登りました。こちらも急斜面で掴める木の枝が少なめなので、連れが途中で手をついていました。時季によってはマダニがつく可能性があるので要注意です。登りきると二の丸跡北東端辺り（＜写真21＞撮影地点）に出ました。 竹林を抜け、二の丸跡の案内板がある分岐から西の本丸跡＜写真32〜35＞へは、傾斜も緩やかで楽でした。また、本丸跡の北尾根にも曲輪（くるわ）が連続しており、一部で石垣が確認されているそうですが、今回は見落として行きませんでした。 |
| その他周辺情報 | 宇甘（うかい）川沿いを北上すると宇甘（うかん）渓自然公園があります。周辺にいくつかある駐車場と合わせて数十台は駐車可能で、紅葉の時季以外は空いていそうです。3年前はアセビやマルバマンサクが咲いていました。また、ヤマザクラ？も楽しめるようです。 |
写真
02常磐橋越しに虎倉城出丸跡（三角点「虎倉」）…常磐橋の南側のたもとより正面に標高318.0mの三角点「虎倉」のある虎倉城出丸跡＜写真24〜27＞が見えました。
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03虎倉バス停…御津・建部コミュニティバスの虎倉線はここが始発で平日1便、鼓田線が月木金の数便です。登山ではなかなか利用しにくいですが、いい目印になります。ここから道標がこまめについており、迷うことはありません。
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05白梅…メジロが複数いましたが、こちらを警戒するように木の枝に隠れながら移動し、そのうちに飛び去ってしまいました。花だけになりましたが動画も撮りました。
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06ツバキ…直径7cm程でした。咲き始めだったので、ツバキのほうだろうと思います。もっとも、最近は3〜4月に咲くハルサザンカというのがあるので断定はしにくいのですが。
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09伊賀一朗之墓…虎倉城城主だった伊賀家は、現在は吉備中央町におられるようです。町内のことだと思いますが、道路工事の際に、別の家のお墓と一緒に伊賀という名字の墓石が見つかったことがあるそうですが、これのことなのでしょうか。伊賀一朗氏と虎倉城との関係はよくわかりませんが、舗装道路の脇にポツンとある割には大切にされているようです。ここで引き返しました。
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12ツルニチニチソウ…直径3〜4cmの花が数輪ありました。比較的寒さに強く、我が家の裏では雪をかぶっても常緑で越冬しましたが、さすがにここは寒過ぎるらしく葉の大半は茶色く変色しかけていました。
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14ニホンジカの角…長さは45cm程でした。枝分かれの具合から3歳のオスだと思います。道の真ん中にありましたが、なぜか往路では見落としたようです😅
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15虎倉城出丸跡（歓喜山頂上）北西堀切…虎倉城跡と伊賀一朗氏のお墓＜写真09＞との分岐辺りです。堀切の案内板は北側にあるのですが、木立でわかりにくいので南側を撮りました。
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16虎倉城出丸跡（歓喜山頂上）…虎倉城本丸跡＜写真32〜35＞のある標高320m峰の北西、標高290m辺りです。奥に見えている虎倉城址歓喜山供養碑＜写真17＞まで歩きながら動画を撮りました。
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17虎倉城址歓喜山供養碑…中央の古い墓石のように見えるのが天保4年につくられた供養碑です。「妙法伊賀氏長船氏御先祖代々並諸侍之〇魂等」と彫られています。よくわからない一文字は「忠」でしょうか。虎倉城城主だった伊賀氏と長船氏、その家臣たちの供養碑で、昭和58年に文字が彫り直されました。
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18倒れた霜柱…供養碑＜写真17＞の前に幅0.5〜1cm、長さ2〜3cmの霜柱が散乱していました。歩いている間に踏み倒してしまったのかもしれません。この日は寒かったので、周辺を歩くとザクザクと音がしていました。
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19虎倉城出丸跡（歓喜山頂上）東の曲輪…道の北側にわずかに高くなった平坦地がありました。通り過ぎてから振り返って撮影しました。帰宅後に岡山県古代吉備文化財センターの「岡山県中世城館跡総合調査報告書」の縄張り図を確認してみると、やはり曲輪（くるわ）でした。
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20虎倉城空堀…標高300m辺りです。右側に見える斜面は見上げる高さでしたが、後世の盛り土の可能性があるそうです。動画も撮りました。ここから南下して虎倉城本丸跡＜写真32〜35＞のある標高320m峰の南を巻きました。本丸跡の西にあった三の丸跡は復路でも巻いてスルーしてしまいました😅
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21虎倉城二の丸跡…虎倉城本丸跡＜写真32〜35＞と二の丸跡との分岐に二の丸跡の案内板があります。そこから東へと現在は竹林になっている二の丸跡を横断し、北東端辺りで振り返ってみました。3年前よりも竹が減って歩きやすくなっていました。
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22虎倉城二の丸跡南東端より南東の曲輪…二の丸跡南東端は石が埋まって急斜面になっています。わかりにくいですが、その先に尾根の一部が見えています。ここから木を掴んで適当に下りました。
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23虎倉城二の丸跡南東の曲輪より二の丸跡南東端の切岸…切岸らしき急斜面を下りて一段下の曲輪（くるわ）から振り返ってみました。復路はこの北の切岸＜写真31＞を登りましたが、掴める木の枝が少なめなので、ここまで引き返したほうが楽だったと思いました。
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24虎倉城出丸跡より石原城跡…標高318.0mの三角点「虎倉」＜写真27＞周辺は低木が茂っていますが平坦です。崖の先端より南東方面を望みました。左が宇甘（うかい）川対岸の石原城跡（妙見山西の標高330m峰）、中央奥は龍王岳、右は371m峰です。
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25虎倉城出丸跡より宇甘川＆田んぼ…出丸跡の崖の先端＜写真24＞より少し引き返して東側に出てみました。やはり急斜面です。東方面のカーブする宇甘（うかい）川と田んぼを見下ろしました。
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26マメヅタ…木の幹に張り付いていました。ツタのように見えますが、シダ植物です。直径1cm程の丸い葉とは別に細長い胞子葉があります。葉裏に茶色い胞子がびっしりついているのでわかりやすいのですが、今回は出ていませんでした。平坦地に戻り、三角点「虎倉」＜写真27＞に向かって歩きながら動画を撮りました。
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28虎倉城二の丸跡と出丸跡の間の痩せ尾根…三角点「虎倉」のある虎倉城出丸跡＜写真24〜27＞から二の丸跡＜写真21＞に引き返す途中、標高310m辺りです。痩せ尾根の左奥に見える岩場の辺りに堀切の案内板があったように思いますが、自然地形のような気がします。岡山県古代吉備文化財センターの「岡山県中世城館跡総合調査報告書」にも記載はありませんでした。歩きながら動画も撮りました。
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29虎倉城出丸跡北の支尾根…標高318.0mの三角点「虎倉」のある虎倉城出丸跡＜写真24〜27＞の北です。ちょうどこの岩辺りから下（東）が崖のようになっています。ここも出丸跡としているサイトもありますが、岡山県古代吉備文化財センターの「岡山県中世城館跡総合調査報告書」では支尾根となっています。見張り台として利用した可能性はありそうです。動画も撮りました。
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30虎倉城出丸跡北の支尾根より宇甘川＆田んぼ＆石原城跡…岩＜写真29＞のすぐ東にはギリギリ立てます。東方面がよく見えました。手前がカーブする宇甘（うかい）川と田んぼ、右側の田んぼの奥に見えている直方体は虎倉神社、そこから左に宇甘（うかい）川を包むようにそびえている尾根の最高点辺りが334m峰、右端は石原城跡です。
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31虎倉城二の丸跡北東端切岸…虎倉城出丸跡北の支尾根＜写真29,30＞から引き返し、標高318.0mの三角点「虎倉」のある虎倉城出丸跡＜写真24〜27＞から北の支尾根に向かって延びている道まで戻ってきました。ここから西に切岸を登りました。途中で振り返ると、連れが地面に手をついて奮闘中でした。登りきると二の丸跡北東端辺り＜写真21＞に出ました。
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32虎倉城本丸跡…竹林と化した二の丸跡を西に通り抜け、分岐から西の本丸跡に向かって歩きながら動画を撮りました。標高320mの虎倉山頂上は虎倉城本丸跡で広々としています。左の石碑が「史蹟虎倉城址碑」です。
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33虎倉城本丸跡より三角点「大溺（おおぬき？）」峰…少し南に移動して西南西方面を望みました。吉備中央町との境界線上にある標高434.0mの頂上三角点「大溺（おおぬき？）」峰辺りが見えているようです。
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34虎倉城本丸跡の瓦…「史蹟虎倉城址碑」の下に集められていました。状況がわかるように動画も撮りました。天正10（1582）年の銘のある鬼瓦が見つかっていることから、この頃に建物の瓦葺き化が進んだと考えられています。よく見ると、本丸跡周辺ではまだ転がっている瓦の破片がいくつかありました。
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35虎倉城本丸跡カワハ木⁉…本丸跡から西に尾根を進めば三の丸跡に下りられるのですが、うっかりして東に少し引き返してしまいました。樹皮がかなりはがれたブナ科らしき大木が目に留まりました。3年ぶりの再会です。この時季は落葉しているのでよくわかりませんが、生きていてほしいです。
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37第一ユキワリイチゲ発見！…往路では小さな葉しか見つけられず、半ばあきらめモードで下っていると、連れが見つけました。この日は朝からいい天気だったのですが、なぜかこの頃から曇りがちになってきました。天気が悪いと開かない花なので、これが精一杯でしょう。
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38ユキワリイチゲ…花の直径は2〜3cm、花弁のように見えるのは萼片です。この2か所以外はつぼみだけでした。葉しかない株のほうがずっと多かったので、時期が少し早かったのかもしれません。
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39ジャノヒゲ実…標高140m辺りまで下りてきました。九折谷（つづらや？）川に出合う辺りで、虎倉城の道標があります。地形図には西に延びる破線の道があるので、少し進んでみました。低い草が茂っており、どこまで行けるか不安です。足元に直径1cm足らずのジャノヒゲの実がたくさんありました。
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装備
| 個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下（厚手）
防寒具
手袋（防水加工）
軍手
雨具
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴（防水加工）
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
タオルハンカチ
カメラ
飲料水（スポドリ＆茶）
水筒（保温）
非常食（栄養補助食品）
スマホ（地図アプリ使用）
eTrex22x（GPSナビゲーター）
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感想
【3月に入っても寒の戻り】
3月3日、岡山市北区御津虎倉（こぐら）の虎倉（こくら）城跡を訪問しました。岡山市北区の北西端に位置し、吉備中央町との境近くにあります。駐車場はありませんが、常磐橋の北側のたもとの路肩にスペースがあります。ゴミステーションがあるので、邪魔にならないのはせいぜい1台でしょうか。日曜日でゴミの収集がないので、ここに停めて山行を開始しました。
この日は、ひな祭りでした。旧暦の3月は新暦の4月にあたり、桃の花が咲き始める頃なので、桃の節句と呼ばれています。桃はさすがに早いにしても、そろそろ暖かくなるだろうと思いきや、まだ梅やツバキが咲き始めでした。しかも、この日、隣の岡山市北区建部町の最低気温は−4.8℃を記録し、3月に入っても真冬の服装での山行となってしまいました😓この状況ではお目当ての花が開いてくれないのでは？・・・＜後に続く＞
【見どころの多い虎倉城跡】
常磐橋の北側のたもとの路肩から出発し、まずは標高318.0mの三角点「虎倉」のある虎倉（こくら）城出丸跡＜写真24〜27＞を確認＜写真02＞しました。しばらくは舗装道路で、こまめに道標があります。3年前よりも増えているような気がしました。
標高110mを過ぎ、地形図の砂防ダム？の辺りから土道です。3年前よりも幅が広くなったような気がしましたが、対向車とすれ違うのはまだ難しそうです。
標高140m辺りで九折谷（つづらや？）川に出合うと、虎倉城の道標があります。標高280m辺りの分岐で南東に進めば虎倉城跡ですが、先に北西の吉備中央町方面に進みました。以前にymiyakeさんの山行記録で気になっていた伊賀一朗氏のお墓＜写真09＞にお参りして引き返しました。
標高280m辺りの分岐まで戻り、今度は南東の虎倉城跡に向かいました。この分岐には城跡の案内板と堀切＜写真15＞があります。整備された土道をさらに進むと、標高290m辺りが虎倉城出丸跡（歓喜山頂上）＜写真16〜18＞です。この日は朝の冷え込みが強かったので、歩くとザクザクと霜柱を踏む音がしました。ここには虎倉城城主だった伊賀氏と長船氏、その家臣たちの供養碑＜写真17＞があります。後述しますが、ここで起きた悲劇にしばし思いを馳せました。
さらに細道を進んでいると、道の北側にわずかに高くなった平坦地＜写真19＞があり、通り過ぎてから振り返って撮影し、後で確認するとやはり曲輪（くるわ）でした。
標高300m辺りの空堀＜写真20＞から細道は南を巻くように延びています。尾根上にある三の丸跡は前回は見学したのですが、今回はうっかり復路でも巻いてスルーしてしまいました😅
標高320mの虎倉山（こくらやま）頂上は、西側が本丸跡＜写真32〜35＞、東側が二の丸跡＜写真21＞になっています。分岐には二の丸跡の案内板があり、まずはそこから東へと現在は竹林になっている二の丸跡を横断しました。3年前よりも竹が減ってさらに歩きやすくなっており、縫うように進めば普通に歩けます。北東端辺り（＜写真21＞撮影地点）は急斜面なので、とりあえず南西に向かいました。
二の丸跡南東端辺り＜写真22＞も急斜面ですが、木を掴んで適当に下りました。下りるとやはり曲輪があり、下りてきた切岸＜写真23＞を振り返りました。過ぎると痩せ尾根で、南西側にある岩場の辺り＜写真28＞（復路で撮影）に堀切の案内板があったように思いますが、自然地形のような気がします。
最後に低木の間を少し上ると標高318.0mの三角点「虎倉」＜写真27＞周辺は低木が茂っていますが平坦で、ここも出丸跡＜写真24〜27＞です。南東端は崖でここから先は岡山県古代吉備文化財センターの「岡山県中世城館跡総合調査報告書」には記載されていませんが、昔はこの南の市場集落から延びる搦手道（からめてみち）があったようで、三十番神社＜写真04＞境内にある虎倉城跡案内板に記載されています。
引き返しきれいな細道に入ると、大きくカーブして虎倉城出丸跡北の支尾根＜写真29,30＞に続いていました。岩埋まりの上を歩き、痩せ尾根を東に進むと、岩＜写真29＞の辺りから下は崖です。ここも出丸跡としているサイトもありますが、岡山県古代吉備文化財センターの「岡山県中世城館跡総合調査報告書」では支尾根となっています。東方面がよく見えるので、見張り台として利用した可能性はありそうです。今回は岩の上には登らず南から北へと巻き、復路は岩埋まりの南側を歩きました。
標高318.0mの三角点「虎倉」のある虎倉（こくら）城出丸跡＜写真24〜27＞に続く細道まで戻ると、今度はそのまま西に二の丸跡北東端切岸＜写真31＞を登りました。こちらも急斜面で掴める木の枝が少なめなので、連れが途中で手をついていました。時季によってはマダニがつく可能性があるので要注意です。登りきると二の丸跡北東端辺り（＜写真21＞撮影地点）に出ました。
竹林を抜け、二の丸跡の案内板がある分岐から西の本丸跡＜写真32〜35＞へは、傾斜も緩やかで楽でした。本丸跡には石や瓦の破片＜写真34＞が見られます。天正10（1582）年の銘のある鬼瓦が見つかっていることから、この頃に建物の瓦葺き化が進んだと考えられています。
また、この北尾根にも曲輪（くるわ）が連続しており、一部で石垣が確認されているそうですが、今回は見落として行きませんでした。三の丸をスルーして下ってしまったのも悔やまれます。遺構はわかりやすいので、また機会があれば見学したいと思います。
【伊賀氏、宇喜多氏、長船氏縁の虎倉城で起きた悲劇】
虎倉（こくら）城は市場集落の北にそびえる標高320mの虎倉山（こくらやま）一帯に築かれています。築城時期には諸説あり、1400年代とも1500年代ともいわれています。
築城後、松田氏家臣の伊賀氏の居城となり、城主久隆は同じく松田氏家臣であった宇喜多直家の妹と結婚、宇喜多家の姻戚となりました。歴史に詳しい方は、ここで嫌な予感がするでしょうが、当時はまだ直家もそこまでひどくなかったので、伊賀氏はしばらく安泰でした。
永禄11（1568）年、久隆は宇喜多直家の先兵として出陣、金川城落城と元の主君であった松田氏の滅亡に貢献しました。なんか、直家と同じにおいがします😓
その後、毛利氏VS宇喜多氏の合戦が勃発、虎倉城周辺の城は次々に攻め落とされ、宇喜多氏あわやと思われましたが、虎倉合戦では城主伊賀久隆の見事な指揮で宇喜多方が大勝、大逆転しました。毛利氏にとっては史上最大の敗戦で加茂崩れと呼ばれています。
ところが、久隆は急死、年代には諸説ありますが、毒を盛られたという説が複数あります。宇喜多直家の家臣が武将としてはかなり有能だった久隆をねたみ讒言したため、信じた直家が毒殺を指示したとか、力をつけてきた久隆を脅威に感じ始めた直家が毒殺を決意したとかいうのですが、久隆は悪事の限りを尽くしたので天罰が下って直家の毒にやられたという記述もあるようです。類は友を呼びましたか😓久隆の死は毒を盛られた翌日、あるいは解毒剤の処方が遅れて体調がすぐれず翌年に狸汁を食した後ともいわれています。とりあえず、毒を盛られた後に宇喜多関係者に襲われたことはなかったようです。
久隆没後、子の与三郎（隆家のちに家久と改名）は仇討ちのため直家の宿敵毛利氏を頼りましたが、備中高松城水攻めにより毛利氏が秀吉・宇喜多軍に敗れると、黒田官兵衛らが虎倉城の接収にあたり、宇喜多氏重臣の長船氏の居城となりました。しかし、天正16（1588）年、長船氏の家臣である石原氏は夫婦そろって突然主君一族を襲い、最後に城に火を放ち自害しました。吉備中央町三納谷の銀山での利益を横領していたことがバレて自暴自棄になり、長船氏をことごとく殺害して自害したとも、伊賀氏の再興を願う民衆の味方になり長船氏を排除しようとしたともいわれています。
この時代の文献は軍記物語など後世の人々の思惑により史実と異なる記述がなされた可能性があるものも多く、どこまでが真実かはわかりませんが、虎倉城は伊賀氏、長船氏と有能な武将が城主を務めたものの、二人とも暗殺という悲劇に見舞われたようです。宇喜多家にかかわったからだと思いたくはないですが、どうなのでしょうか😓
歓喜山と呼ばれる出丸には供養碑＜写真17＞があり、吉備中央町吉川在住の元城主伊賀氏の子孫の方々が定期的にお参りに来られていたそうです。「伊賀氏」「長船氏」とあるのは、両氏に対して鎮魂の祈りを捧げるためなのでしょう。その後も城主は何人かいるのですが、両氏の悲劇がよほど衝撃的だったのかもしれません。虎倉城の歴史を紐解くと、毛利氏や宇喜多氏、秀吉なども登場し、ここが大きな意味を持ち重要な拠点であったことに改めて気づかされることになりました。
【今年初めてのユキワリイチゲ】
虎倉城跡を訪れた目的のひとつにユキワリイチゲの観賞がありました。ユキワリイチゲは「雪割一華」という漢字が表すように、雪解け直後に雪を割って花茎を伸ばし、他の花に先駆けて咲き春を告げる「スプリングエフェメラル（春の妖精）」と呼ばれています。岡山県では南部の小石がゴロゴロした谷などに生育しています。実は2021年3月7日にここを訪問した際に、ユキワリイチゲの群生が見られたこともあり、今回も楽しみにしていました。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2981421.html
ところが、往路では花が見られず、小さな葉のみでした。訪問した時期や時間帯が早かったのでは？と、半ばあきらめモードとなりました。しかし、復路では花やつぼみのついた数株を発見しました。前回見たのも午後だったので、昼から開花したのかもしれません。
地下茎で増えるので、一つの群生は同じ遺伝子を持ち、結実しません。この地で咲き続けられるかどうかはわかりませんが、見守っていきたいものです。
こっそり拍手
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