小笠原母島 石門
- GPS
- 06:15
- 距離
- 5.7km
- 登り
- 489m
- 下り
- 478m
過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
船
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ガイド同行が条件のコースです。 |
写真
感想
今日は民宿の主人と石門を歩く。ご主人は自然保護管理員を委託されているようで、組織図を調べてみると林野庁・関東森林管理局の小笠原諸島森林生態系保全センターから委託されているようだ。40年以上母島の山を調査されていて、今回歩く石門ルートもご主人がルートを整備されてきたそうだ。知識は豊富なのだが、ガイドというよりはご自分の仕事をこなしながらという雰囲気である。かなりお年を召されているようだが、歩く速さはかなり速く黙々と歩くので、仕方なくこちらから、どんな歩き方をするのか確認することになる。今回歩いていても、アチラコチラに植樹している木の経過観察や、石門コースの整備のために、道を塞ぐ枝をバッサバッサと斧で切り落としてゆく。
「なぜガイドがいるの」と問うと、「迷うから」との返事だった。この地には地名と同じ固有種石門の木が10本ほど生えているが、なんの変哲もない木だ。
燃料や畑開墾のため木は伐採され、向島の木も燃料で伐採されたそうだ。そのため石門や桑ノ木山辺りは燃料用としてアカギが植樹された。しかし成長が早く20年ほどの放置で、太陽の光を遮り固有種の木を枯らしたり、アレロパシーの化学物質をを放出して他の植物の成長を阻害する等、固有種が駆逐される悪影響が出ている。同宿の林野庁の委託を受けた業者さんは、このアカギを伐採されているのだそうだ。その作業はかなり手間がいるようで、根元から倒すと他の木々に影響が出るため、木の天辺から切り落とし滑車で降ろしてくる作業になるらしい。直径50cmに近いその木を人力で運搬するため50cmほどに切り刻み、人力で運搬・積み上げるのだから大変手間のいる作業である。なぜそんな作業方法になったかと素人や地元の人間は考えるのだが、伐採が始まる最初に決まったことらしく、それが今でも受け継がれているようだ。
昔NPOで植物の勉強はしたが、生活に関係ないことは覚えきれす諦めた人間なので、今回の政治的ガイドは結構面白かった。ご主人は植物の調査を依頼されているので、木々やシダについている鑑札はすべてご主人が付けられたそうな。現在ご主人の後継者はいない状況で、さてこの後どうなることかと心配になる。コースの途中で委託業者の方と内地から来た女性に追い抜かれたが、「この人を後継者に指名しろ」と茶化しなどを入れながらの島の話は結構面白かった。
本来なら手を入れられないのだが、石門の大崩れの展望が効くように目障りの木々を伐採したら、こんな風景が見られるようになった。海岸が白いのは、石門の大崩れで石灰が海に溶け出しているのだ。鍾乳洞あるが、現在は危険なため入れなくなっている。NHKやソニーが撮影に来たマルハチの木や固有マイマイなどを見る。昨日泳いだ東港とシマクマタケランの花等を見ながら元来た道を戻る。この帰りにも大胆な伐採は続く。登山口に戻ったのは14時過ぎで、8時頃から歩き始めたので約6時間山の中にいたようだ。今年も雨量が少なく流れを止めることがなかったコースの沢も干上がっていた。
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