称名滝


天候 | 曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
〇行動記録
・10/9(土):4段目落ち口偵察
・10/10(日):
ゲート下駐車場【0430】-4段目落ち口【0600】-登攀開始【0630】ー登攀終了【1600】- 大日平【2000】-ゲート下駐車場【2300】
〇報告
立山に向かう車の音で目が覚める。ゲート手前には、待ちの車が数台止まっていたので、少し下の空きスペースに駐車した。違反切符を切られなければよいが…。昨日の偵察では、少し迷ったものの今日はスムーズに6時に4段目落ち口に到着。陽が上がり、我々の登攀へのモチベーションも上がる。登攀順番はじゃんけんで決めたい処だがビビリ偶数を登ることに。岩を1段登り、6時半登攀開始。
・1P目(S) 50m
切り込み隊長Sが先陣を切る。正面から登り始めが、怪しい残地ハーケンと被ったフェースに違和感を感じ戻ってきた。ルートのミスに気づき、起動修正。正規のルートは、手前左の岩を1段登ってから、右にトラバース気味に登っていく。滝の音で、コールはあまり聞こえない。防寒具やウエットスーツなどを詰めたザックは重く、トラバース箇所では、落ちられないので力が入る。途中、ワンポイントめちゃくちゃ悪い個所があった。ザックの重さに耐えながら、カチを繋いで何とか突破。
・2P目(A) 30m
ザックから解放されて一安心。朝一で腕が張った。草付きフェースを登り、一旦、水線沿いにクライムダウンをしてから登っていく。記録を見ると、普段の水量だとそこまで水線沿いにはいけそうにない。水しぶきを受けるが、それ以降、良い終了点が見つからなかったのでピッチを切る。Sさんは水線沿いを攻めすぎて、強烈なシャワーを浴びていた。
・3P目(S) 20m
左の凹角クラックを直上し、右にトラバースしながら水線沿いに戻っていく。トラバースの箇所で、ロープがかなり引っ張られて苦労した。ここもワンポイントトラバースで怖い思いをした。水線沿いをできる限り攻めるSの登攀はさすがである。3段目の落ち口に到着。
3段目広場は大きく、ビバークもしていた記録がある。ほぼ歩きで2段目の取りつきへ向かう。
・4P目(A) 50m
下から見た感じは登れそうには見えないが、うまく弱点を突きながらスラブ壁をトラバース気味に登ることができる。プロテクションが全く取れず、30m付近でやっとカムを取ることができた。その後もスモールカムしか打てず、怖い思いをした。Sに「全然プロテクションを取らないから簡単かと思ったが、悪かった」と言われた。「ちゃんと見ればリスがあったよ」と言われ、反省。それにしても生きた心地がしなかった。ゾーンに入っていた気がする。
・5P目(S) 30m
右上気味に登っていく。プロテクションはたくさん取れるので安心して登れる。おそらく正規のルートから少し左に離れた所を登っていた感じで、豪快にハイステップで登って行ったSの姿はかっこよかった。荷物の重さを考えて、早々にユマールに変えたが、思っていた以上に苦労した。この荷物を担いで普通に登るのは、大変だろう。爆風テラスに到着。
・6P目(S) 30m
左右クラックが走って、左のクラックが簡単そうに見えるが、上の石が落ちてきそうで危険。右のクラックは、記録だとA1で出だしを突破している。順番は自分のピッチだったため、取り付いたが早々に諦めて、Sさんに託した。プアプロながら何回かムーブを確認した後、突破。Sさん曰く、落ちるかと思ったらしい。このピッチのグレードは10cだと大西さんは言っていたが、Sの体感グレードは11aあってもいいそう。当然ながら、ユマール。
・7P目(A) 50m
最終ピッチ。ここを登りきると称名廊下の入り口に立つことができる。トポだと、簡単なピッチとあったが実際に登ってみると途中で掴んだ岩が1枚剥れて、つるつるのスラブになってしまい、ブッシュに向かって左上気味に登る羽目に。ロープがいっぱいの所で、称名滝の落ち口に立った。Sを迎えて、握手を交わした。
登攀時間は、約10時間。登攀中は、飲み食いしていなかったので水をがぶ飲み。乾いた喉に染み渡る。余韻に浸りながら、16時半頃に、大日平に向けて行動開始。ばててしまい、荷物の半分以上をSに持ってもらう始末。やっぱり、家に引きこもっていてはダメだな。難しくはないが、落ちたらアウトの斜面。自然と力が入り、体力が消耗していく。情報によると、上部に泥草壁が2ピッチあるらしく、そこを暗くなる前に突破したいので小走りで進んでいく。泥壁を登る体力は残っておらず、Sにリードを任せる。出だしがもろく落石が多く、フォローでも登るのに一苦労であった。すっかり日が暮れて、暗闇の中、やぶ漕ぎを続ける。一度開けた場所に出たが、その後も沢を超えながら進んでいく。やぶ漕ぎに嫌気が指しながらも、20時頃に大日平に到着。富山市内の明かりと星空が疲れをいやしてくれる。そこからへとへとになりながら、駐車場へ。下山した時には、23時を回っていた。最高の山行であった。
○所感
当初の予定は岐阜の大滝の初登を狙っていたが実際に行ってみると水は渇水していて、登るモチベーションが上がらず‥。Sが言っていたが、滝はコンディションが大切だと。今回の称名滝は登るにはベストコンディションだった。来るべくしてきたように感じる。ヘトヘトになりながら、大日平で大の字になって星空を眺めていた時間は一生忘れない。
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