遥かなる平が岳!
コースタイム
天候 | 快晴のち薄曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2010年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
そこから再びR352で、インターからトータル1時間40分ほど走ると鷹ノ巣の駐車場に到着します。 銀山平からのR352は、ほぼ全区間が1〜1.5車線の挟路です。動物の出没もあるので、夜間は走行注意です(でもオレは夜中に走った・・・)。 駐車場は道路の東側(登山口側)に、舗装されているのが20台分。 西側にも10数台は止められそうなスペースがあります。 男女別のトイレもあります。北アルプスで見たことのないような立派なやつ。 水場はありませんが、登山道を10分ほど進むと沢を跨ぐポイントがありますので、そこで確実に補給できます。 温泉は、『白銀の湯』が銀山平温泉にあります。おすすめですよ。 R352の銀山平分岐を過ぎ、枝折峠に上がる橋の手前を直進するとあります(しっかり看板あり)。 ガソリンスタンドが少ないです。特に夜間は一度R17に出ないとダメ!なので要注意。 また、コンビニもインター周辺にあるのが最後です。車も人間も、補給にはくれぐれもご注意を。 (湯之谷の道の駅の前にあるセーブオンか、一度R17に出ないとありません) |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道は全体的によく整備されています。 鷹ノ巣登山口〜下台倉山の間にあるやせ尾根は、普通に歩けば何と言うこともありません。 ただ、雷の時は逃げ場がないので、特に下山時にここを早めの時間に抜けることを考えると、真夏は避けた方がいいのかもしれません。6月や9月の、雪のない天候の安定した日を狙うのがいいですね。 何カ所か、ロープのお世話になりましたが、その程度です。 台倉清水の水場は・・・分かりませんでした。 白沢清水は出ていますが、細かい草が浮いていたりするので、気になる人はいるかも。 水量に乏しいので、柄杓やコップがあるとくみやすいです。 姫池はアメンボさんがたくさんなので、ちょっと飲むのは厳しいかな(アメンボが入ってきちゃう)。 とにかくルートが非常に長い(片道11キロ)ことと、急坂が最初と最後に待ち受けているので、登りも下りもペース配分の難しい山です。下台倉山〜白沢清水の比較的平坦な場所で飛ばしすぎると、登りも下りも最後に足がなくなります。両方とも結構な傾斜なので、標高差を丸呑みすると痛い目に遭います。 エアリアに書かれている通り、早朝出発が必須ですね。 遥かなる平が岳、という言葉を破壊する皇太子ルートには絶句です。登山者のマナーも最悪。 甲斐駒の黒戸尾根もそうですが、『鷹ノ巣から上がってこその平が岳』だと思います。 |
写真
感想
日本百名山の完登を目指すようになって7年目。
年によるばらつきはあるものの、ここまでで既に59座に登って参りました。
60座目をどこにするか。ずっと気になっていた平が岳をターゲットにしました。
登山道は鷹ノ巣登山口からの往復のみ。山中には公認の幕営地も小屋もありません。
標準CTは登りが7時間強、下りが5時間強。これに山頂部のラウンドを含めると、14時間近くなります。
しかも雪の深い土地。登山口の標高は意外に低いので、暑さ対策も必要。
こうなると、必然的に挑戦できる時期と手段は限られてきます。
日の長い、そして夕立の心配のないお天気の安定した日に、夜行日帰りでの挑戦。
ちょうど別の友人との登山予定がキャンセルになったここの週末を使い、挑戦することにしました。
前日午後6時に自宅を出発。国立府中から中央高速、圏央道、関越道を使い、小出インターに9時半。
コンビニで買い物を済ませ、延々と車を進め、午後11時過ぎに鷹ノ巣登山口へ。
この日は土曜日ということもあり、既に舗装済みの駐車場は3分の2が埋まった状態でした。
車を止め、ビールを飲んでから寝床を作っておやすみなさい。
その間にも、続々と何台も車が入ってきていました。
翌朝は3時半起床。朝ご飯を済ませ、4時10分に暗闇の中を出発です。
ポストに入山届けを入れ、ポスト脇のゲートから林道へ、これが登山口です。
準備中だったり、既に出発されている方もいらっしゃいました。
この時点で駐車場はほぼ満車。反対側の砂利の方もそこそこ埋まっていました。
しばらく進むと沢を跨ぎます。雨後の増水時は要注意。ロープが張ってあります。
水はここで補給します。プラティを2.7L満タンにして出発。
間もなく現れる指導標に従って、右斜め前に進む登山道に踏み込む所から、本格的な登りになります。
エアリアにある『前坂』の看板は・・・どこにあったのでしょうか。
気づかぬうちにやせ尾根へ、そして下台倉山へと進んでいました。
やせ尾根は、ネット上の登山記録で書かれているほど怖い場所ではありません。
普通の注意力で問題なし。所々登りにくい場所には補助用のロープもあり、登山道の整備もよく行き届いています。アルプスの一般登山道(エアリアの実線コース)を普通に縦走できる方なら、この程度は問題ないでしょう。下りの時には、スピードを上手く殺す工夫が必要です。
あと、この部分には等高線から読み取れない下りと登り返しがあります(エアリアに『急坂』と書かれている場所の手前です)。
この登り返しはちょっと厳しいです。このコース上で1番の急傾斜でしょう。
逆の下りの時には浮き石が多く、ちょっと気を遣った場所です。
下台倉山までで2時間弱。日差しが強くなってきます。
稜線上は快晴で、風一つない最高のコンディション。ぐいぐい前に進みます。
台倉山までは気持ちのよい稜線の道。時々森の中に入りますが、それもまたよし。
ここで初めて、遠くに平が岳の姿を捉えることが出来ます。だいぶ遠い。
台倉山からはいったん下り、その後は小さなアップダウンを繰り返します。
白沢清水で小休止。ここまでで3時間半弱なので、まずまずのペースです。
水場は水量こそ貧弱ですが、冷たくて美味しいです。冷たいということは、しっかり湧いてきているということですよね。
白沢清水からは池の岳への登りにかかります。
実はこれが意外にしんどい。見た目はそんなに急ではないのですが、等高線通りの登りです。
ただ、傾斜は一定なので、焦らずペースを維持して登れば、割と楽に登りきれます。
登り切ると素晴らしい景色が待っていますし。
姫池越しの平が岳、ホントに最高でした。しばしまったり。
山頂へは分岐を左に折れ、少し下って登り返すと到着です。
山頂近くの池塘が見事でした。越後三山から男体山、皇海山まで望めました。
その後は玉子石へ。玉子石に至る途中の鞍部に水場があります。
水量も多く、かなり確かな水場。冷たくて、ここもホントに美味しかったです。
(私の手持ちの2008年版のエアリアには記述がありませんでしたが、指導標もあります)
玉子石でもしばしのんびりし、再び姫池に戻ります。
帰りのことを考えると、11時半には下山にかかりたい所です。
姫池でお昼ご飯を食べ、登って来た道を今度は下ります。
出てくるイベントは分かっているので、お花を楽しんだり、緑を楽しんだり、行き交う人との会話を楽しんだり・・・
下りはあっという間に3時間半程度で下り切ってしまいました。
往復22キロ、『遥かなる平が岳』という言葉のふさわしい、山らしい山でした。
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ここで1つ、どうしても触れておきたいことがあります。
実はこの平が岳、皇太子さまが登られた際に開かれた別の登山道があります。
通称『皇太子ルート』。中の俣林道(R352から入る。普段はゲートに鍵がかかっている)の終点まで車で入り、そこから登り3時間足らずで山頂に至るルートです。
銀山平周辺の、ある特定の小屋(もしくは民宿)に泊まったお客にだけ、利用する権利を与えられます。
ツアー形式で登山客を募り、バスで運ぶのですね。
私が登ったこの日も、相当数の登山者がこちらのルートを使っていました。
使っている彼らにどうこう言うつもりはありません。
実際、往復の標準CT14時間という山に、日帰りで挑戦できる人はかなり限られますし。
お年を召された方が、この短縮ルートを使うのは、現実的かつ当然の選択だと思います。
問題なのは、このルートを『available』な状態にしている地元の自治体と、それをメシの種にしている地元民宿/小屋の姿勢です。
そもそも、この山に幕営地も小屋もないのはなぜなのか。
入山者を絞ることで、自然を守るという目的があってのことなのではないのか。
その目的を鷹ノ巣ルートで実践している傍らで、なぜこのルートを生かしておくのか。
生かしておくなら、なぜある特定の宿に宿泊した者にだけその権利を与えるのか。
姿勢に一貫性がなく、全く理解できません。
名指しはしないが、これをメシの種にしている地元自治体、民宿、小屋のみなさまには猛省を促したいと思います。
僕は未踏ですが、もう少し鍛えてから日帰りに挑戦したいと思っています。
皇太子ルートもそうですが、幕営公認ではない、たまご石の説明標識の必要性など少し不思議な山となっている感じを受けます。
他の方の記録でも読みましたが、日帰りでようやく辿り着いた山頂で撮影渋滞なども・・・なんだか悲しいですよね
jimsonさん、コメントありがとうございます。
ここの日帰りは、標高差こそそれほどでもないのですが、とにかく距離が長いのと、その標高を稼ぐ場所がとても短いので、急登になる所が厳しいですね。
やっと着いた山頂で撮影渋滞・・・私もそうでした。
がっかりというか。でも、池の岳の急坂を登り切って、姫池越しに見える平が岳を見た瞬間のあの気持ちは、鷹ノ巣ルートを歩いてしか得られないと思います。ぜひその感覚を味わってみて下さいね!
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