記録ID: 80959
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ハイキング
日光・那須・筑波
鶏頂山
2009年10月11日(日) [日帰り]
- GPS
- --:--
- 距離
- 8.4km
- 登り
- 551m
- 下り
- 551m
コースタイム
登山口 発 10月11日 10:03 0m 0m 1233m
2 大沼入口 着 10:45 2253m 2253m 1464m 42分
発
3 弁天沼 着 10:52 545m 2798m 1519m 7分
発
4 水場 着 10:56 227m 3025m 1575m 4分
発
5 稜線 着 11:11 209m 3234m 1647m 15分
発
6 山頂 着 11:30 393m 3627m 1765m 19分
発
7 御嶽山 着 12:03 1074m 4701m 1685m 33分
発
8 稜線 着 12:20 681m 5382m 1647m 17分
発
9 弁天沼 着 12:35 436m 5818m 1519m 15分
発
10 大沼 着 12:49 545m 6363m 1464m 14分
発
11 登山口 着 13:29 2253m 8616m 1233m 40分
2 大沼入口 着 10:45 2253m 2253m 1464m 42分
発
3 弁天沼 着 10:52 545m 2798m 1519m 7分
発
4 水場 着 10:56 227m 3025m 1575m 4分
発
5 稜線 着 11:11 209m 3234m 1647m 15分
発
6 山頂 着 11:30 393m 3627m 1765m 19分
発
7 御嶽山 着 12:03 1074m 4701m 1685m 33分
発
8 稜線 着 12:20 681m 5382m 1647m 17分
発
9 弁天沼 着 12:35 436m 5818m 1519m 15分
発
10 大沼 着 12:49 545m 6363m 1464m 14分
発
11 登山口 着 13:29 2253m 8616m 1233m 40分
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2009年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
今回の登山は私が単独登山というものを意識しながら歩いた初めてのものでした。前々から書いたり言ったりして来たように私の中の山渓歩きで単独という行動形態は”あり得ない”とまでされて来たものです。まして“ぺんぎん登山隊”としたら隊長在っての登山隊ですから単独登山は記録にもならない番外編なわけです。 ところがここでどうしても考え方を変えなければならない時期に来てしまいました。中学生になって息子にも彼の生活リズムが出来つつありますから一事が万事私と行動を共にする事は出来ないわけです。今までは何の制約も無く父親と遊び暮らしていたわけですが、彼としても母親の意見も無視出来ない訳ですから父親の意向や自分の意思を差し置いても我慢しなければならないところが在るようです。父親と息子との関係、学生生活と地域や周囲の大人たちとの関係、すべてに折り合いを付けながら一つ一つ解決して行かなければなりません。 そんな事を考えながら登山道を歩いています。青空の下でなだらかに登って行く登山道をのんびりと時間を掛けて歩きます。カラマツの黄色い落ち葉の絨毯を踏みながら視線を上へと這わせると真っ直ぐに伸びる幹の更に先を白い雲が流れて行きます。ススキの草原の傍らに立つ傾いた小屋、色褪せてなお内容が読み取れる滑走コースの案内板がメイプルヒルスキーリゾートの往時を偲ばせてくれます。 登山口からしばらく歩いて弁天沼。沼の畔に鳥居と祠と石碑が並ぶ空間をゆっくりと眺めながら小休止。こう書いていると話し相手がいないままにひたすら無言で登山道を歩いている様に思われるかも知れませんが、これが結構独り言を声に出して言いながら歩いている自分に気が付いて可笑しくなりました。「疲れたなぁ・・・」から始まって「頂上はまだまだかなぁ?あっ、(頂上が)見えた見えた、でも遠いなぁ・・・」「ん、あの音は何かなぁ?」なんて具合に心に思う事が次々と口から出て来るのです。他人から見たらさぞ可笑しなオヤジに見えたに違いありません。 隊長が居ない登山を始めた事、これはぺんぎん登山隊として見たならば一つの終わりを迎えたわけですが、私個人的には単独登山というものの始まりでもあるわけです。否応無く、好むと好まざると単独登山という形にならざるを得ない現状の私が選んだ結果です。 一つが終わり一つが始まる そんな事を漠然と考えながら歩いている私の頭に浮かんで来たのが♪人生楽ありゃ苦もあるさぁ♪ ん、水戸黄門のテーマ曲でした。何の脈略もないのですが浮かんで来たものは仕方ないですよねぇ。まあ深刻な悩みは悩みとして私自身はそれほどポジティブという事なんでしょうねぇ。俗に能天気とも言いますけど・・・。 弁天沼を過ぎると登山道は岩混じりで急登が始まります。鼻歌を歌い独り言を呟きながら歩いて行くそんな私の耳にはかなり以前からブィ〜ンと何かのエンジン音が響いていました。それはまるでBGMみたいな感じで聞こえているけど聞こえていないようなそんな感じの音でしたが、気が付いたらかなり大きな音になっています。「何だろう?」これもまた声に出した独り言です。 登山道を進むと漸くその正体が分かりました。地元の山岳会の方か山岳信仰の講中の方々かは分かりませんがチェーンソーで登山道の整備をしている二人連れの姿が見えました。(山頂までに他にも3人の方が作業していました。)私はそんな重労働の恩恵を授かる単なる登山者ですから「こんにちは、ご苦労様です、ありがとうございま〜す!」と大きな声でその労力に感謝を込めてご挨拶をしました。そんな私に「気を付けて!」と声を掛けて下さる優しさをとても嬉しく感じました。 急登を凌いで稜線に這い上がると目の前の斜面はスッパリと切れ落ちています。爆裂火口の淵に這い上がったのです。断崖誕生の経緯からすれば“切れ落ちた”と言うよりは“吹き飛んだ”と言うのが正しいのかも知れません。そして正面には丸い頭をした釈迦ケ岳が間近に見られます。 稜線を左に分ける登山道は釈迦ケ岳に通じていますが今回の目的は鶏頂山なので右の尾根伝いに更に急登を続けます。 息を切らせながら急な登山道を登る私の背中を冷たい秋の風が追い立てます。空を見上げると灰色の雲の割合がかなり広くなっています。今日は午後になるほど天気は良くなるとの予報でしたがそれは平地の話だったようで振り返って見渡す日光の山々も山頂付近に大きな雲を従えています。「何だよ、天気が良くなるって言うからのんびり登って来たのにぃ・・・」なんて自分の体力を棚に上げたままこれも声に出した独り言でした。 山頂に登ると鳥居の先に社殿があり、その中には白装束の参拝者と神主さんがいました。話を聞いていると今日は社殿の不具合を修理する様子で先刻のチェーンソーの方たちがその作業に当たられる様子でした。 「山頂で昼飯を・・・」と思って登って来たのですが風が冷たい上にやけに山の知識をひけらかして居合わせた登山者に大声で講釈している夫婦がいたので5分も居ないで退散です。大体が「講釈」というのは「垂れる」もので好ましく感じませんねぇ。「講釈師見て来たような嘘を言い」なんて諺もありまして話半分という意味合いでは講釈師の話を聞きながら「凄いですねぇ!」と返す相槌もまた気持ち半分ですからおあいこなんでしょう。 まあ山には色々な人が居るので単独でも退屈しないものと知らされました。 そんな具合で昼前に下山が始まってしまったので帰路ものんびりと下る事に決めて稜線の分岐点から爆裂火口を辿り鶏頂山の隣にある御嶽山まで寄り道。今さっき自分が立っていた山頂を余所から眺めるのも一興です。ところどころに葉の色を変えた木々が文字通り色を添えてくれました。「あのオヤジはまだ講釈垂れてんのか?」は心の声です。 さて、稜線から一気に斜面を下り勾配が緩くなると再び弁天沼の広場に到着。ここは素通りして更に下ると登山道から左に入る「大沼入口」の白い標識。山頂直下の登山道から眼下に広がる森の中に光る小さな湖面が見えた時に「帰りに寄ってみるか!」とこれもまた独り言で自分に同意を求めて来たところなので迷う事無く登山道を左へ折れて大沼に立ち寄りました。 これが大正解。 ♪静かな湖畔の森の影から・・・ハイ!♪ ♪静かな湖畔の・・・♪ と季節外れの一人輪唱を繰り返す私。まあ、誰もいなかったから良いですけど、誰かいたらきっとクマさんより怖い不気味なオヤジに見えた事でしょう。 湖面を揺らして風がそよいでユラユラと揺れる木の間越しに今登って来た鶏頂山が見える、そんな風景を一人占めしながら遅い昼食を・・・と言ってもまだ13時前なんですけど・・・。 10時から登り始めて山頂に辿り着き寄り道しながら下山して登山口には14時前に到着です。 手軽と言えば手軽な今回の登山でした。 登山道を歩きながら色々考えました。でも急登が始まった途端に「ああ疲れた!」ばかり。そう登山は余計な思考回路を遮断してそこに在るのは現実だけでした。 終わるものが有れば始まるものもある中で、けして無くならないものもあります。数が減っても消えるわけじゃない、捨てるわけじゃないのですね。継続が断続になっただけの話。終わらせないで新たに始める事も出来るのかな・・・という次第。一つだけ私が大いに安心している部分があります。それは息子が素直な事。自分のやらなくてはならないタスクの中に父親やその友人と行く山渓というものをしっかり刻みこんでいる事です。 現在・過去・未来・・・全部合わせて生きて行くのが楽しいのかも知れません。 単独で登山をしてみて気が付いた事は結構色々な事物が在って飽きない、面白いという事。それは独り言を言っている自分を振り返るだけでも面白いです。違った自分というか有りのままの自分が出て来る事。そして気ままな事。行動が自由な事。 でも裏を返せば私が単独を好まない理由としての“危険な部分”も数多くあるわけで出来る事なら誰かと一緒という形が好ましいし、その方が別の意味合いでの楽しさが沢山有ると思う事に変わりはありません。 |
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