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ハイキング
日光・那須・筑波
男抱山
2007年01月01日(月) [日帰り]
天候 | 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2007年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
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コース状況/ 危険箇所等 |
年末からずっと気になっていたのが天気だった。何となく元日に初日の出を見に行く気持ちが心の何処かにあったのだ。それは多分昨年の元日の天気が悪くて初日の出登山をしなかった為の再発的なものだと思う。昨年は「古賀志山から初日の出を!」と意気込んでいた記憶があり、実は当日天気が悪かったのを少し喜んだ記憶もある。口では簡単に「初日の出」などと言っているが、結構それは寒いのだ。真冬の朝方、それも一番冷え込む時間に家を出るのだから当たり前の話なのだが、勝手な思いは暖かい家の中でするのであって寒さなどは考慮する前の話だからいざ当日となると心は挫けるのだ。 さて、今年は予報がどんどん良くなって確実にご来光が拝める天気だという。隊長に「初日の出見に行こう!」と誘いを掛けるが当然のように良い返事は返って来ない。それでも一人じゃ行きたくない一心で何とか口説き落として二人で行く事になった。 隊長 「何処行くの?」 私 「何処がいい?」 隊長 「近いとこ!」 私 「古賀志山?」 隊長 「大小山は?」 私 「全然近くないよ、それにおっちゃんも初日の出は混むって言ってたし・・・」 隊長 「じゃあ、古賀志山でいいよ。」 私 「それじゃロマンチック村のとこ(男抱山)は?」 隊長 「あそこやだ!」 私 「何で?近いし登りもすぐだし眺めもいいよ?」 隊長 「登るとこにお墓あるから怖いヤダ!」 私 「あはは、真っ暗にしていけば見えないじゃん!」 隊長 「そっか!じゃあいいよ。」 と、こんな具合に行き先が決まった。本当は直前まで古賀志山が有力だったのだが考えて見れば登りはヘッドランプに頼るので頂上手前の急登が隊長には危ないかも知れない、それに加えて普段でも登山者が多い山だから絶対混むと考えたのだ。 新年の朝を迎えた。 5時に起き出して5時半に家を出る。元日の日の出時刻は午前6時51分(東京)だから登りを考えても余裕だ。多分車内が暖まる前に登山口に到着するだろう。 こんな寒さの中で名も無いような山を登る人は居ないだろうと思っていたら先着が2台止まっている。4人連れのグループだ。私としては静かな山頂から初日の出を拝みたかったところだが、隊長は他人がいた方が心強いのか喜んでいる様子だ。 「さあ、行こうか。」 東の空は薄らと明るくなり始めているが周囲はまだ明けない暗がりだ。原くんに貰ったヘッドランプを隊長の頭に着ける。最近はLEDランプが流行っているが原くんが隊長にプレゼントしてくれたのは豆電球タイプだ。でもこれが良いのだ。幕営場での小さな動きならLEDでも良いのだが、真っ暗な登山道を歩く時は豆電球タイプの方が断然歩きやすい。これは真面目に本当である。 登山道を歩き始めると先に歩いて行った4人グループの他にもライトがチラチラ動いている。予想以上に登山者がいる様子にビックリした。多少足を早めて急坂を歩く。 隊長の歩調が急に遅れ始めた。 私 「どうした?明るくなっちゃうぞ!」 隊長 「うん・・・・」 私 「何だ疲れたのか?」 隊長 「う〜ん・・・」 私 「何がう〜んなんだ?」 隊長 「う、う、う・・・・・ウンコ!」 私 「バカ!早く言え!!」 隊長を登山道から外れた安全な場所まで連れて行く。少し離れた私の耳に暗闇から低いうなり声が聞こえて来る。 笑顔で戻って来た隊長が一言。 隊長 「これは初ウンコだね!」 まったく世話の掛かる隊長だ。 東の空が明るくなり始めて登山道から眺める周囲の町明かりも薄くなり始めた。急いで頂上を目指す。 頂上直下の岩に取り付くと頭上から結構人声が聞こえる。既にご来光を待つ登山者が来ている様子だ。それでもまあ大した事は無いだろうと高をくくって岩をよじ登って行くと突然 「いらっしゃい!」 と大勢の声が掛かった。 驚いた事に頂上には既に10人以上の人が陣取っている。そんな人たちを予想もしていなかったので素直に驚いた。 何とか二人の場所を確保してご来光を待つ。 茨城県境の山々の一点が一際明るくなっている。太陽の昇る場所が判って来るに従い山頂の人々からは期待の声が上がり始める。東の空の何とも言えないグラデーションが美しい。 そんな事を考えていると山影からオレンジの欠片が顔を覗かせた。初日の出の瞬間だ。 私 「よ〜く見てるんだよ、そして何かお願いをしてごらん。」 隊長 「うん」 登り始めた太陽は思いの他の速さで山影から姿を現した。その間の限られた瞬間を見るためだけに登って来た。最初は煩わしいと感じた山頂の人々ともいつの間にか声を掛け合い感動を分かち合っている。 こんな目的の登山もアリかな・・・ そう思いながら登山道を下って来ると 「また来年!」 さっきまで一緒に山頂にいた若者に声を掛けられた。私たちも手を振って 「それじゃまた!」 と答えていた。 |
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