大雪山旭岳
天候 | 二つの台風の余波で雨後晴れ。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
船
|
感想
大雪山系旭岳へ。
雨と霧の中、旭岳の頂上を目指して、強風に抗う様に尾根筋を歩き偽金庫岩の前に出た。
細かい雨なのに、強風と交わり岩を叩く。
不気味な遠雷の様に噴火する水蒸気の音が響いてくる。
一歩進んで半歩下がる様な苦しい登り。
まだ盛んに白煙を上げる硫気の噴出孔。
私達は、偽金庫岩の尾根筋を左に回り、金庫岩の前に出た。
此処から右に回る道を進むと頂上に出る。
登山者は濃霧の中で偽金庫岩を金庫岩と見間違えて進路を左へ取り遭難するとの言い伝えがあると大雪山のガイド元村さんが教えてくれた。
何時しか雨合羽を羽織った下着は汗でびしょ濡れになっていた。
これが、北海道の山か。
握り締めた指先が寒さで痛い。
まだ、9月の半ばなのに。
元村さんが昨年7月26日のトムラウシ山遭難時の話をしてくれた。
当時、雨と横殴りの風で、雨と汗で下着まで濡れてしまい、登山者のリックの中にある予備の下着までもをパッキングのミスで濡らしてしまった。
その為、避難小屋で着替えすることすら出来ず低体温で亡くなったと云う。
晴れた日には登山者を楽しませてくれる、美しい山の湖も、一旦、風雨が荒れれば、その様相を一変させ、恰も滝の水が横殴りに落ちてくる様に登山者に吹き付けたと言う。
一昨日まで東北地方に二つあった低気圧が太平洋に抜けていくと予想されていたが、今日もまだ、この北海道中部に余韻を残して居るらしい。
予報では、午後からは天気は快復するという。
それが待ちどうしい。
甘い期待を僅かに感じながら、私達は旭岳2291mの頂上に立った。
寒い、本当に寒い。慌ててウィンドブレーカーを羽織る。
その時 一瞬だった、ほんの一瞬、遥か彼方に烏帽子岳が雲の中から現れた。
そこへと続く広大な丘陵と山々。
あぁ、此処が神々の遊ぶ「カムイミンタラ」大雪の庭なのか。
そこには平現状に緩やかな斜面に人間が手を加えて礫を形良く並べたように見える構造上の姿があった。
大きな礫と小さな礫が自然により分けられ亀甲型や菱型の紋様の様にきちんと嵌め込まれている。
此処は、千二百年前の中生代に属する岩石が基盤になっていて氷河期の厳しい寒さの中で風化した礫が自然に移動したものだと云う。
遠路はるばるご苦労様と大雪の山々が挨拶している様に見える。
ベテラン山ガイド元村さんと頂上を示す三角点を前に記念写真を撮った。
(彼は山長靴のモトさんと呼ばれている。)
http://www.youtube.com/watch?v=4xSIJtuR10k
此処は北海道で一番高い山、高さは2300m足らずだが緯度の関係で本州の3000メートル級の山に匹敵する。
山麓には広大なお花畑を控え、大雪山系の全てが神々の集う庭と呼ばれる程、美しい光景を惜しげも無く見せてくれる。(URLは山麓の写真集)
http://www.youtube.com/watch?v=8-uTjvAq1mA
私がこの山旅に出たのは、思いつき旅だった事が微かに脳裏を掠めて行った。
それと入れ替わる様に本来の山遊びは、お天気の良い日を地元で待機してから行動すれば山の神々様もご機嫌よく迎えてくれそうな自分勝手な事を考えている。
もう、それが実行出来そうな時間的な余裕がある筈なのに。
北海道羽幌が故郷だと言うドライバーが云っていた。
舞鶴から小樽までフェリーでお越しになったのですか。
新日本海フェリーは社員教育が徹底されているでしょう。
私が、この船を利用するのは、これで4回目になるが、この人の話を聞いて、確かに仰る通りだったと素直に感じた船旅でした。
http://www.youtube.com/watch?v=XG02gGR_Bro
2010年9月18日
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する