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Yamareco

大山(おおやま) / 雨降山・阿夫利山

「大山詣り」で知られるピラミダルな霊山


大山は神奈川県伊勢原市、秦野市、厚木市にまたがる山で、標高は1252mです。丹沢山塊の東端に位置し、日本三百名山、および花の百名山に選定されています。
山容は整った三角形をしており、麓から良く見ることができます。そのため古くから信仰の対象となり、人々に親しまれてきました。

ミシュランガイド掲載の山

"大山阿夫利神社下社"
"大山阿夫利神社下社"

大山は観光地としても名を馳せており、フランスのミシュラン社が発行するガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で一つ星を得ています。さらに、中腹に鎮座する「大山阿夫利神社下社」からの眺望は、二つ星の評価で紹介されています。

"大山ケーブルカー"
"大山ケーブルカー"

大山阿夫利神社下社まではケーブルカーを利用することができます。
そのため、登山デビューや親子登山によく選ばれるほか、参拝客や旅行者も多く訪れる山です。

隆盛を極めた「大山信仰」

"真鶴半島:相模湾越しに大山を望む"
"真鶴半島:相模湾越しに大山を望む"

大山は「雨降山(あふりやま)」「阿夫利山」の別称も持ち、名の通り、雨を降らせる山を意味します。と言うのも、相模湾の湿った空気が山にぶつかると、霧や雲となりよく雨が降るためで、農民らから雨乞いや農耕の神として信仰されていました。
また相模湾の漁師達は、大山を海上における目印としており、豊漁や安全を祈願していました。
山頂の巨大な自然石は「石尊権現」が宿るとして、古来、崇められています。

"大山寺"
"大山寺"

山岳修験の霊場としても名高く、その中心となった「大山寺(おおやまでら)」は、奈良の東大寺を開いた良弁僧正(ろうべんそうじょう:689-774年)が開基だと伝えられます。三代目の住職は弘法大師(こうぼうだいし:774-835年、法名は空海)が務め、いくつも霊所が設けられたそうです。

"大山七不思議:爪切り地蔵"
"大山七不思議:爪切り地蔵"

弘法大師の逸話が残る「弘法の水」「爪切り地蔵」は「大山七不思議」に数えられており、大山寺付近の「女坂」で見ることができます。

"こま参道"
"こま参道"

江戸時代には、大山信仰が関東一円に広がり、庶民の間に「大山詣り」が流行しました。大山詣りは、隣近所や同僚と「講」と呼ばれる団体を作り、連れ立って大山に参る催しです。レジャーとしての側面も強いため人々の興味を引き、全盛期は年間20万人が登拝したとも言われています。その賑わいは、歌舞伎や落語の題材としても取り上げられるほどでした。
山麓には門前道が栄え、関東各地から大山を結ぶ道は「大山道」や「大山街道」などの総称が付きました。
現在も鈴川の渓流沿いには宿坊やお土産店が並び、当時の情緒を今も感じることができます。

"大山とうふ料理"
"大山とうふ料理"

"大山こま"
"大山こま"

参道の名物は「大山とうふ」と「大山こま」です。往時は、講中らが喉越しの良い豆腐で英気を養い、お土産に駒を買い求めていたことが想像させられます。
この大山詣りの歴史文化は、文化庁により日本遺産に認定されています。

関東平野を見晴らす眺望

"山頂"
"山頂"

山頂には立派な鳥居と「大山阿夫利神社本社」が据えられており、前社、本社、奥社の3つの御社があります。
奥社の前は広場で、休憩に適しています。茶屋と公衆トイレも設けられています。

"山頂:富士山を望む登山者ら"
"山頂:富士山を望む登山者ら"

"山頂:関東平野を望む"
"山頂:関東平野を望む"

見晴らしは申し分なく、富士山や丹沢山塊、秩父連山、南アルプスなどを望むことができます。
また、関東平野も良く見え、スカイツリーや筑波山、相模湾に浮かぶ江の島なども確認できます。

モデルコース

"モデルコース(大山ケーブルバス停〜大山〜阿夫利神社駅)"
"モデルコース(大山ケーブルバス停〜大山〜阿夫利神社駅)"

5時間49分 6.9km
大山ケーブルバス停(48分)→大山寺(44分)→阿夫利神社駅(66分)→16丁目(40分)→25丁目(19分)→大山(69分)→見晴台(30分)→阿夫利神社駅
(※阿夫利神社駅より大山ケーブルカーに乗車、下車後は徒歩約15分で大山ケーブルバス停へ)

代表的な行程は、大山ケーブル駅のある表参道から登り、雷ノ峰尾根から下りるルートです。(登山口:大山ケーブルバス停阿夫利神社下社

"男坂"
"男坂"

「大山ケーブル駅」を過ぎると「男坂」と「女坂」に分岐します。
男坂は急な階段が続きます。手すりが無いため、下りでの通行にはあまり向きません。
女坂は大山七不思議を巡りながら大山寺に立ち寄る道です。

"登拝門"
"登拝門"

大山阿夫利神社下社から山頂への道のりは、1丁目から28丁目に区分されています。所々に丁目が書かれた石が置かれ、登る際の道しるべを担っています。
1丁目は「登拝門」で、これをくぐります。ふだんは扉の片側のみが開いていますが、夏山とされる期間のみ左右に開かれます。

"夫婦杉"
"夫婦杉"

8丁目に立つのは「夫婦杉」で、根元から幹が大きく分かれて伸びています。注連縄が巻かれ、縁起が良いとされています。

"天狗の鼻突き岩"
"天狗の鼻突き岩"

「天狗の鼻突き岩」は15丁目に祀られています。こぶし大ほどの穴を持つ大岩で、天狗が鼻で突いて開けたとの伝説が残ります。
20丁目の「富士見台」は、富士山のビュースポットです。

"27丁目付近"
"27丁目付近"

27丁目の銅製の鳥居をくぐると、山頂はもう目の前です。

"見晴台"
"見晴台"

下りは雷ノ峰尾根を伝います。
「見晴台」からは、大山のどっしりとした姿を眺めることができます。

"二重滝"
"二重滝"

「二重滝」は大山六滝のひとつで「雨乞いの滝」の通称も持ちます。良弁僧正が大山へ入った際にここで竜神に会ったとする言い伝えがあります。
登山口 阿夫利神社下社
大山ケーブルバス停
ヤビツ峠
蓑毛
日向薬師バス停
ふれあいの森日向キャンプ場
基本情報
標高 1252m
場所 北緯35度26分26秒, 東経139度13分52秒
カシミール3D
■大山(おおやま)は、神奈川県伊勢原市・秦野市・厚木市境にある標高1,252mの山である。丹沢山などの丹沢の山々とともに丹沢大山国定公園に属し、神奈川県有数の観光地のひとつである。日本三百名山や関東百名山のひとつでもある。別名を雨降山(あふりさん)という。

■公式登山道は、1)大山ケーブル駅BSから男坂or女坂を登り阿夫利(あふり)神社下社を経由し山頂に至る表参道。2)日向薬師(ひなたやくし)から見晴台(みはらしだい)ー雷ノ尾根ー山頂に行く道。3)煤ヶ谷BSから不動尻・唐沢峠経由の静かな径路。4)ヤビツ峠BSから山頂を目指す”最短の道”。5)最短の道よりちょっと苦労する、蓑毛ーヤビツ峠or蓑毛越ー山頂に至る裏参道。6)そして秦野駅から直接・権現山に入り大山南山稜を行く長大な縦走路、の6コースがある。

■丹沢山系と同一に分類されるが、文化的にも登山的にも”丹沢”とは一線を画している。
◆富士山のような三角形の美しい山容から、古くから庶民の山岳信仰の対象とされてきた。
宝暦(1751年 - 1764年)から行われた信仰登山は大山講と呼ばれ、各地から参詣のための多くの道が通じており(大山道・大山街道)、現在の国道246号線(矢倉沢往還)もその一つであった。
江戸時代の庶民にとっては、大山詣と江ノ島詣のセットが娯楽の一つで、各地からの参詣者は登山口(現在の大山ケーブル駅)の旅館に宿泊し、翌朝・先導師(山岳ガイド)と山頂を目指した。帰路は日向薬師に下山し江ノ島まで歩き宿泊し”精進落し”と称しては乱痴気騒ぎをするケースが多かったようだ。
こま参道を歩けばその賑わいを感じることが出来よう。古典落語の演題に『大山詣り』がある。
◆入山者の絶対数が圧倒的に多い。登山目的だけではなく、信仰、行楽客も多く、一般の老若男女に愛されている山である。新緑・紅葉の時期は特に人気がある(副作用として表参道はしばしば渋滞する)
山登りそのもの・展望は勿論。良好な広葉樹林とコースの整備。表参道コースの丁名石、女坂の七不思議、阿夫利神社と大山寺の宗教行事などパワースポット要素。大山登山マラソン大会、大山桜祭り、大山豆腐祭りなどの観光行事。大山ケーブル駅周辺の古の旅館群と土産物店、民芸品の大山独楽、食では大山豆腐・きゃらぶき。さらに矢倉沢往還や大山街道の旧道探索など様々なジャンルが絡み、ネタには事欠かない。
また、主要登山口が小田急沿線からの多くのバス便でカバーされており、特に表参道コースは大山ケーブルカーを使えば中腹の阿夫利神社下社まで歩かずに行ける手軽さなどから、小田急電鉄・広報戦略の目玉となっている。

■南北から見れば三角形のピラミダルですぐにそれとわかる山容である。
しかし東西から見ると、南に大山南山稜・北には西沢ノ頭・ミズヒノ頭に連なる長大な稜線と山塊を擁ている。大山自体にも多数の支尾根がある。
よってバリエーションルートや沢登りのコースも豊富である(安全面からコースの明記は避ける)
山頂
分岐
トイレ 冬季閉鎖
食事 山頂に売店あり
展望ポイント

山の解説 - [出典:Wikipedia]

大山(おおやま)は、神奈川県伊勢原市・秦野市・厚木市境にある標高1,252 mの山である。丹沢山などの丹沢の山々とともに丹沢大山国定公園に属し、神奈川県有数の観光地のひとつである。日本三百名山や関東百名山のひとつでもある。
大山は、丹沢表尾根の東端にあり、富士山のような三角形の美しい山容から、古くから庶民の山岳信仰の対象とされた(大山信仰)。「大山」の名称の由来は不詳だが、明治以降は山頂に大山祇神を祀ったためと言われるようになった。大山祇神は江戸時代末までは「石尊(大)権現」と呼ばれていた。大山の山頂には巨大な岩石を御神体(磐座)として祀った阿夫利神社の本社(上社)があり、中腹に阿夫利神社下社、大山寺が建っている。また、大山は別名を「阿夫利(あふり)山」、「雨降(あふ)り山」ともいい、大山および阿夫利神社は雨乞いの神ともされ、農民の信仰を集めた。
江戸時代の中ごろ(18世紀後半)から、大山御師(明治以降は先導師)の布教活動により「大山講」が組織化され、庶民は盛んに「大山参り」を行った。各地から大山に通じる大山道や大山道標が開かれ、大山の麓には宿坊等を擁する門前町が栄えることとなった。
大山では、天狗信仰も盛んであり、阿夫利神社本社(上社)が石尊権現社(大山寺本宮)だった江戸時代までは、山頂奥社が「大天狗社」、山頂前社は「小天狗社」だった。そして大山には日本の八天狗に数えられた大山伯耆坊の伝説も伝わっている。元々は伯耆大山の天狗であり、相模大山の相模坊が崇徳上皇の霊を慰めるために四国の白峯に行ってしまったために、相模大山に移り、富士講の人々に信仰されたという。現在でも阿夫利神社の下社の近くに伯耆坊の石碑があり、大山寺の側には伯耆坊を祀った祠がある。
現代においては、日本経済新聞がYAMAPを使用して集計した「2023年に登頂回数が多かった山」ランキングで全国9位を記録する登山者に人気の山でもある。

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