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Yamareco

記録ID: 194753
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

貫ヶ岳ー高ドッキョウー青笹山ー真富士山縦走

2012年05月26日(土) 〜 2012年05月27日(日)
 - 拍手
GPS
29:15
距離
37.3km
登り
3,079m
下り
2,981m

コースタイム

1日目:十島駅(8:30)-中沢公民館(10:40-11:00)-貫ヶ岳(12:30-13:25)-平治の段(14:20-14:30)-樽峠(14:55-15:05)-高ドッキョウ(16:30)

2日目:高ドッキョウ(4:15)-徳間峠(4:55-5:05)-赤岳(5:35)-砂子山(6:20)-田代峠(6:55-7:05)-青笹山(8:15-8:45)-湯ノ岳(9:40-9:45)-第二真富士山(10:30)-第一真富士山(11:05-11:30)-第3登山口(12:15)-第1登山口(12:55)-平野(13:20)-蕨野温泉(13:45)
天候 1日目:晴れ後曇り
2日目:晴れ
過去天気図(気象庁) 2012年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
行き:JR十島駅
帰り:蕨野温泉〜JR静岡駅(しずてつジャストライン)

感想

今回は、貫ヶ岳、高ドッキョウと登って、そのまま静岡側に縦走する計画を立てた。

貫ヶ岳、高ドッキョウだけなら、板井沢行きのバスを使えば、日帰りでも登れそうだが、テントを持って縦走した方が更に多くの山に登れる。真富士山まで足を伸ばすことにした。

■1日目
貫ヶ岳は、東側の中沢に登山口があるとのこと。バスは無いようなので、最寄り駅の十島駅から歩いて向かうことにする。
水の入手ができるか分からないこともあって、8Lの水を担ぐことにした。そのせいで1泊2日なのにザックの重さが20kgになってしまった。

今日の幕営予定地は、高ドッキョウだ。距離にして17kmほどだが、その内、7kmは車道なので、ゆっくりペースでも十分着けるだろう。いつもより遅いペースで、麓の集落を眺めながら、のんびりと車道を歩いて行く。今日は、とても天気がいいが、風が涼しく、暑くない。

山に向かう細い道に入ると、山肌を走って行くイノシシを目撃する。かなり民家の近くにまで来ていることに驚く。
ゴルフコースの中を通る道を歩いて行くと、ゴルフに興じる人達が沢山見えた。こんな狭いところでは、少ししか体を動かせず、ストレスが溜まるのではないかと思っていると、その狭いコースを皆、カートを使って移動している。

中沢公民館前で少し、休憩する。ここに、登山口を示す道標が立っている。
林道を西に進んで行くと、すぐに登山口があり、そこから尾根に取り付いた。地形図には描かれていない道だが、とてもしっかりしている。

気持ちよい風も吹いているというのに調子が出ない。稜線までの500m程の登りで、何度も小休止してしまった。新しい登山靴が、まだ馴染まず、踵が擦れて痛いのも気になる。

しかし、稜線まで出れば、そこから貫ヶ岳の頂上は近い。頂上には昼時なのに誰もいなかった。木々で遮られ、眺めは良くないものの、少し平らなスペースがあり、明るい雰囲気の山頂だ。

調子も上がらないので、頂上で大休憩を取ることに。シートを敷いて、昼寝をする。
気が付くと、1時間も休憩してしまったが、あと6kmも進めば、宿泊地なので、ゆっくり歩き出す。

貫ヶ岳から平治の段までは、アップダウンもそれほどない稜線歩きだ。途中、2箇所展望所があり、南東の眺めが良かった。
平治の段からは、なだらかに下って、樽峠に降り立つ。南と北に向かう道と交差する。

樽峠から高ドッキョウに向かう道も地形図には描かれていないが、踏み跡ははっきりしていて、とても歩きやすい。
新緑とウグイスの鳴き声の中、緩い登りを登って行くと、高ドッキョウに着いた。
時間は16:30で、これより後に来る人はいないだろうが、しばらくテントは張らずに休憩する。今日は結局、誰にも会わなかった。

山頂は、こぢんまりとして、とても落ち着く雰囲気だ。眺望は、ほとんどなし。
ここはテントを張るのには良い場所だ。平らなスペースがあり、背の高い笹に囲まれて、風を受けることもない。
テントを張って、食事を摂ると、寝不足と疲れから、すぐに眠りに落ちた。

夜、目が覚めると、とても静かだ。今日は風が無く、木々の葉の音もしない。

今日登った貫ヶ岳と、この高ドッキョウは、山梨百名山に選ばれている山だ。私が山梨百名山を意識して登り始めたのは、2年ほど前。コツコツと週末に登り続け、ようやく98座まで登ることができた。2年前は、ここまで登れるとは思ってもいなかった。
残る笹山、笊ヶ岳も、この夏に登りたいと思っているのだが、どちらも難しい山で、どう登って良いものか、計画が立たない。

■2日目

朝、3時に目を覚ます。今日は、青笹山まで稜線を進み、そこから南下して真富士山までの予定だ。暑くなる前にできるだけ進みたいので、4:15に出発。

まず徳間峠に向かって緩やかに下る。途中、これから向かう青笹山や真富士山がよく見えた。峠の手前では、やせ尾根の急坂にロープが張られたところがある。そこを下ると、徳間峠に着いた。

ここから東西に向かう道は、地形図に描かれているが、田代峠への道は、地形図に描かれていない。ここは、あまり歩かれていないようで、ヤマレコでは、malembeさんの記録が1件あるだけだ。しかし、記録を見ると、踏み跡もあるとのことで、慎重に進めば問題なさそうだ。

徳間峠からの踏み跡は、意外なほどしっかりしている。笹がうるさいところも少しあるものの、迷うほどではない。稜線に忠実に登って行くと、1055mピークについた。赤岳と描かれた小さいプレートがある。展望はない。

そこからの下り、西に向かう尾根を直進しそうになるが、北側に向かう斜面を降りるようだ。迷いやすいのか、その部分ピンクテープが多数で助かる。
急な斜面を90mほど下って、200mほど登り返すと、1159mピークに着いた。こちらには、砂子山のプレートが付いている。やはり笹に囲まれて眺望はない。

この先の道は、踏み跡も分かりやすく、迷いそうなところはなかった。ロープなどを使って急坂を下って、田代峠に着いた。心配していた区間を無事通過して、安心する。

ここから青笹山までの登りは、1ヶ月前にも歩いた道だ。その時は、疲労が激しく、大変苦しめられた登りだったが、今日は、それほど大変ではなかった。しかし、踵が擦れて痛い。

500m程登って、青笹山に到着。ここは、1ヶ月前に泊まった場所で、私のお気に入りの山だ。ブナの木陰にシートを敷いて、少し寝ることにする。
涼しい風に吹かれて、とても気持ちがいい。このまま、ずっと寝ていたい気分だ。

この先は、南に延びる稜線を進むだけで、大きな登りはもうない。
笹が刈り払われた、幅の広い快適な道を進む。稜線では、太陽に照らされて辛いかと思いきや、木が適度に生えていて、日陰を進むことができた。

快適な道は、下村に向かう分岐で終わっているようで、そこから湯ノ岳への道は、急に細くなり笹薮の中を進む。しかし、人の歩く幅だけは刈り払われていて、笹のトンネルを進むようで、楽しい。

湯ノ岳の山頂は、樹林帯の中にあり、苔むした倒木やバイケイソウがあって、静かな雰囲気だ。

ここからも、なだらかな道が続く。のんびりと歩いて行くと、第二真富士山に着いた。山頂は狭いものの、少し霞んだ富士が見えた。

ここから真富士山までは、1.3kmほど。一度、急坂を下って、登り返すと真富士山に着いた。2ヶ月前に真富士山に登ったときと同じ岩の上で、東側の眺めを楽しみながら昼食を取った。

今日は、ここから平野に下るだけだ。
平野への分岐を進むと、地形図に描かれた道と違うように道が進んでいる。ここは、道が付け替えられたのかもしれない。しかし、道標も所々あって、途中、沢を横切る所も問題なかった。最後、車道に降りるルートも、地形図の道とは大分違うところを通っている。

ここからは、車道を延々と歩いても良いが、ショートカットできる登山道がある。2回、車道に出るが、その都度、道標があるので、降り口が分からないことは無かった。

一番下の登山口(第一登山口)まで降りて車道をしばらく歩いたところで、50代と思われる夫婦に出会い、「これから山頂まで行きたいが、どのくらいかかるか?」と聞かれる。夫婦の格好を見ると、驚くことに、どこかの観光地に行くような格好で、奥さんの靴は、女性が町中で歩くときのような靴だ。しかも、奥さんがハンドバックを持っているだけで、男性は空身。水を持っている気配もない。

私は、何のことを言っているのか分からず、思わず、「山頂って、どの山の?」と聞くと、真富士山とのこと。ここは標高350mほどで、山頂までは1000mある。このときの時間は既に13時だ。何かの冗談かと思ったが、ふざけているようにも見えないので、こちらも真面目に「その格好では無理です。しかも時間も遅過ぎるので、登ったら帰って来れませんよ」と答えると、渋々諦めたようだった。
私と会わなかったら、どこまで登って諦めただろうか。

不思議な人達と分かれて、車道を平野まで下る。後は、温泉にでも浸かって帰ろうと、蕨野温泉まで歩くも、日帰り入浴はやっていないとのこと。着替えだけ済ませてバスに乗った。

8L担いだ水は、涼しい風のお陰で、結局6Lほどの消費で済んだ。今回も、とても充実した登山だった。

---
家に帰ると、登山家の竹内洋岳さんが、ダウラギリに登頂し、8000m峰14座を達成したとの素晴らしいニュースが。今回の登山中、ずっと気になっていて、ラジオのニュースにも注意していたのだが、帰ってくるまで結果が分からなかった。16時間以上かけての登頂とのことで、私が1日目、歩き出すよりも、ずっと前の時間から歩き始め、私がテントで眠りについた後も、まだ歩き続けていたようだ。なんと強靭な体と精神力だろうか。

昨晩は心配で、ずっとGPSの軌跡を見守っていたが、無事にBCまで戻ったとのことで、とても嬉しくなった。

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コメント

参考
またまたすごく参考に成ります。
本当に旅上手なんですね。
2012/5/29 20:17
ヤマレコのおかげです
boneさん、こんばんは。

計画を立てるときに、ヤマレコのレコがかなり役立ってます。地図からの検索機能で、歩こうと思ったルートの記録が簡単に見つかるので。

今回は、この辺りをよく歩いている、malembeさんの記録を参考にさせてもらいました。malembeさんの田代峠〜徳間峠の記録がなければ、多分、今回のルートは歩いていないと思います。
2012/5/29 21:24
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