菌界の探索2012――奥秩父前衛峰の森のウスヒラタケ
- GPS
- --:--
- 距離
- 8.9km
- 登り
- 311m
- 下り
- 368m
コースタイム
奥秩父の前衛山塊へ入る林道に車をデポ。午前8時。
林道の入林地点の沢に入り、森の中へ。
標高1500m付近の針・広混成林で、枝沢を4本トラバースしながら、探索と撮影。
車デポ地点に下山。午後2時前。
自宅に午後4時30分に帰る。
天候 | 晴れたり曇ったり |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
資源涵養のため、行動範囲の詳細は公表していません。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
森の中は道はありませんが、4本の枝沢が目印になり、藪が少ないため歩きやすいです。人はまったく出合ったことがないエリアです。 |
写真
感想
8月も半ばにさしかかり、夏から初秋のきのこシーズンは本来なら本番にさしかかる時期。
ところが今年の関東甲信越は、7月からの少雨が続いてきました。奥秩父、カヤノ平(長野)、そして今回の奥秩父と、探索を続けて、例年よりはかなりきのこの数、種類が少ない。
今回の奥秩父の前衛山塊は、3日前に20ミリほどの降雨があったものの(アメダスのサイトで情報入手)、これでは樹木の葉を濡らして、地面には少ししかお恵みがないのではと想像して、現地へ向かいました。
そして、森へ入ってみると、やはり地面につもった腐葉土が乾燥気味でした。それでも、尾根の斜面や、沢沿いの場所は、地面はしっとりしています。
きのこの総数が少ない分、じっくり探索をすすめることができました。
今回出会ったなかで、初対面の筆頭は、カメムシタケ。あのカメムシの死骸から生えだすきのこです。綿棒をやや太目にしたオレンジ色の棍棒のようなタワーをまっすぐ立てた姿は、きのこではなく植物を思わせました。棍棒の下部は赤みがあるリング模様で、これが自然が生み出した作品なのかと、まじまじと見入りました。
顔を近づけると甘い果物のような香りがした、アンズタケ風のきのこも初対面でした。「これをピラフに炊き込んだら、香りがすばらしいだろうな」と思いました。
一人できのこを撮影しているときは、まったく静かなため、この一帯を動き回る鹿の、無警戒なときに出す穏やかな鳴き声が、聞こえてきます。
枝沢の源頭を移動中、気を抜いて近寄ってきた子鹿と20mくらいまで接近し、子鹿が気がついて斜面を疾走する場面にも出会いました。母鹿はまだ尾根の上に残り、声を上げていました。
以前、クマかアナグマが、地蜂の巣を掘り返した跡もあったこの森ですが、今回は、おそらく熊でないと排泄できない太さの糞もありました。
もう10数回は通った森ですけれど、時期を替え、年を替えてはいる度に、いろいろな体験ができます。
コメント
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tanigawaさん、こんにちわ。
菌界の不思議ワールド、面白いですね。
普段は見過ごしがちな小さな世界も
確実な営みがあります。
カメムシの死骸から出るキノコ、
はじめて聞きました。
冬虫夏草みたいです。
北海道では、カバノアナタケ、ありましたか?
sakusakuさん、コメントありがとうございます。
菌界に入り込むときは、前、左右、上下にと目を凝らすし、ごく小さな世界を虫眼鏡のような目にしてセンサスしたりしますから、その動きを第三者が眺めたら、「怪しいやつ!」と思われちゃうかもしれません。
カメムシタケは、後で考えたら、根元で菌糸で絡められているカメムシ君を観察しとけばよかったなあと。でも、その瞬間は、綿棒にカラーリングしたような不思議な「子実体」に見入られました。
カバノアナタケは、知りませんでした。
「樺の穴茸」で、白樺の木二〇〇〇〇本に1本の割合で、ウロに見つかるキノコらしい。
私は北海道では、淡水魚ばかり追いかけていました。
sakusakuさんらが白馬大池へ行ったときに、私は岩菅のてっぺんから、望遠レンズでそっちを眺めてました。宙返りする男子も見えないかと・・・。
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