【高熱隧道を訪ねて・関西電力黒部ルート見学会】
- GPS
- 03:10
- 距離
- 17.8km
- 登り
- 2,576m
- 下り
- 1,588m
コースタイム
天候 | 晴れました、天晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
黒部湖→黒部平→大観峰→室堂→美女平→立山駅→宇奈月駅 と乗り継ぎ ホントに遠い |
コース状況/ 危険箇所等 |
宇奈月駅周辺には無料駐車場がありません。900円/日の駐車場を利用 欅平までのトロッコ電車は一般観光客と一緒になって混雑するので、関西電力が事前に7:57発の特別車両を予約してくれます 発車時間まで向かいの黒部川電気記念館を見学すると事前勉強になっていいかも 宇奈月に帰ってからはフィール宇奈月の立ち寄り湯が500円で利用できて快適 http://www.f-unazuki.net/room/index.html 見学会にはコースが2種類 欅平→黒部ダム 黒部ダム→欅平 見学会後に立山をゆっくり見て回りたい人には欅平→黒部ダムの方がお勧め 帰りが遅くなるのがイヤという場合は逆コースのほうがいい 但し、石川県からの場合ですけどね |
写真
感想
前から行きたい行きたいと思っていた、欅平からさらに先のトロッコ電車
そう、かの有名な高熱隧道。吉村昭の同名小説で有名だけど、お金さえ払えば乗せてくれるってもんじゃない。
まず関西電力が募集する見学会に当選しなけりゃいけないのだ。この抽選の昨年2011年度の平均競争率が2.6〜3.6倍。しかもこの見学会は平日にしか行われていないので、そもそも休みとうまくかみ合ってかつ抽選というサラリーマンにはきわめてハードルの高い見学会なのだ。
で、当選したのですよその見学会に、やった!参加日は8月9日。最終倍率3.2倍の競争を勝ち抜いて?の当選、うれしぃー
私いわゆる鉄男ではありませんが、黒部ファンとしては一度は乗りたい上部軌道。高熱隧道を生体験できるのはこの見学会しかありませんからいやがうえにも盛り上がります。
当日は朝5時に自宅出発し、一路宇奈月へ。時間に余裕持たせてトロッコ電車出発まで黒部川電気記念館を見学します。
この見学会をより充実したものとするには、この黒部川電気記念館もそうなんですが
●「高熱隧道」
●「黒部の太陽」
この2冊を読んでいくのといかないのとでは充実度が全く違います。
欅平までは他の観光客の方とご一緒します。欅平に着くと2階の食堂で見学会の受け付け。セコムによるセキュリティチェックがあります。空港でのセキュリティチェックと似たようなもんですね。
ここで、説明役の関電職員の方とご対面。色々と注意事項をお聞きします。ヘルメットの下にかぶるメッシュの帽子をもらっていよいよ関係者以外立ち入り禁止ゾーンに突入です。
竪抗エレベータまでは通常のトロッコ電車でさらに奥へ進み、トロッコを降りたところに巨大な竪抗エレベータがあります。こんなものが昭和初期に作られたとはなんとも驚き。これで高低差200mを一気に昇ります。
昇ったところが欅平上部駅。まだ時間があるので展望台から白馬鑓、唐松岳の後立山を見学。見学者=登山好きではないので皆さん興味津々。そういえば関電の方が「高熱隧道読んだことありますか?」「下の廊下を歩いたことありますか」の質問にはだれも経験無しでした。もったいないなぁ
さて、バッテリーカーに乗り換えて、いよいよ高熱隧道です。といってもいわゆる高熱区間は仙人谷に近いところで、欅平に近いところはまだそれほど熱くありません。客車の中からは外を見るということが殆どできないので、説明を聞きながら進みます。
一通りの説明(建設時の苦労話や時代背景などなど)が終わると高熱区間に達し、扉を開けて外を見せてくれます。これが手掘りのトンネルそのままで、削岩機の跡まで当時のまま残っているそうですが、これはすごかったですね。一番のハイライトポイントです。
高熱区間は今も十分高熱で、配水管を通して全体の温度を下げているそうです。むっとするトンネルを抜けると仙人谷ダム。ここは2年前に下の廊下を歩いた時にも通っていますが、橋上の駅は初めて。ここから見えるダムと眼下に流れる飛竜峡が大迫力です。
しばし撮影タイムで、関電職員の方はカメラマンになってくれて大サービス。相当な数の見学会をこなしてらっしゃるのでしょう、説明も非常に聞きやすくて上手です。
仙人谷駅を過ぎると程なく黒四発電所。紅白歌合戦で中島みゆきが「地上の星」を歌った現場はこの黒四の上部軌道終点の近くのトンネルの中。このあとインクライン乗車中に2002年の紅白歌合戦のDVDを見せてくれました。
この見学会のメインは実はこちらの発電所。乗り物が多すぎて陰に隠れてしまいがちですが、地下に建設された巨大な発電所です。関電も原発が殆ど止まっていますので、黒四も4台ある発電機がフル稼働とのこと。
高速回転する発電機のタービン(大迫力)も見せてくれました。
発電所からはインクライン(いわゆるケーブルカーのでっかいやつ)でさらに高低差456mを20分かけてゆっくり昇ります。インクラインでは前方のドアをフルオープンしてくれて自由に撮影OK。見学会は基本的に撮影どこでもOKでした。
インクラインで作郎という関電の宿舎があるところに到着すると、見学会もいよいよ終わりに近づきます。ここからは普通のバスに乗り換え、トンネルを黒部ダムに向けてひた走ります。
で、最後にもうひとつの見せ場「樽沢横坑」に寄ります。この横坑は関電トンネルを掘り進めた際にでる土砂を排出するために横に開けられたトンネルですが、実はここから裏剱が見えるポイントがあるんです。そこが「樽沢横坑」。
今日は朝から天気もよくて、関電職員さんも「今日はいい天気だから剱岳見えますよ〜」って興奮気味。で、横坑出口に到着するとそこから見えたのは真っ青な空に裏剱!
これは絶景です。職員さんも大興奮で自分でも写真取りまくり(笑)いつもはトンネルの柵から出られないんですが、今日はあまりに天気がいいので大サービスで柵をちょっと横に除けて外に出させてくれました。
いやー労せずして裏剱を見れるなんてこの見学会だけでしょうね。「いつもはこんな天気じゃないんですよ。皆さんラッキーでしたね」ってよかったよかった。
名残惜しいですが、見学会もいよいよ終わり。バスに戻って黒部ダムへと向かいます。扇沢から来るトロリーバスのバス停に程近いところで、われわれの乗った普通のバスも止まります。
ヘルメット姿でバスを降りる見学会参加者をいぶかしげに見る観光客に「いま凄いとこ行って来たんですよ」って自慢したい気分。3時間あまりの見学会は実にあっという間に過ぎました。
最後に関電職員の方から挨拶があって、われわれも感謝の拍手でこの見学会も解散。ここからは扇沢に向かう人、アルペンルートで立山に向かう人と様々です。私はアルペンルートで立山に向かい、室堂平でこれまたピーカンの空の下、立山を眺めて宇奈月へと帰りました。
宇奈月から乗った乗り物の数、実に10回。いやはや疲れました。疲れましたけどなかなかできない経験で本当に楽しかった。来年は逆コースから参加してみたいですね。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する