与論島 黄昏ハイク39km。な〜んにもないけどそれがいい。島旅トレッキングvol.4
- GPS
- 12:25
- 距離
- 38.6km
- 登り
- 301m
- 下り
- 304m
コースタイム
08:30 成田空港
⇓ [Jetstar GK135便 \8090-(手荷物預け料・座席指定料含む)]
11:50 那覇空港
12:50
⇓ [JAL RAC815便 \10800-]
13:25 与論空港
13:50
↓ 0h10
14:00 兼母海岸(サンセットビーチ)
14:05
↓ 0h10
14:15 茶花港
↓ 0h20
14:35 茶花海岸
↓ 0h05
14:40 与論島役場・観光協会
14:45
*スーパーにて買い出し
15:25
↓ 1h15
16:40 大金久キャンプ場
*テン泊
-11/8(Thu) day2 [大金久キャンプ場-寺崎海岸-茶花市街-与論城址-大金久キャンプ場 18.8km]
08:50 大金久キャンプ場
↓ 0h35
09:25 クリスタルビーチ
09:30
↓ 0h40
10:10 寺崎海岸
10:35
↓ 0h50
11:25 メーラビビーチ
11:30
↓ 0h10
11:40 ヨロン島ビレッジ
*'ヨロンの味たら'にて食事
12:25
↓ 0h10
12:35 品覇海岸
12:40
↓ 0h20
13:00 茶花漁港
*スーパーにて買い出し
13:20
↓ 0h30
13:50 ハビキナ海岸
↓ 0h40
14:30 与論城址
14:40
↓ 0h20
15:00 スーパートップ花川店
*買い出し
15:20
↓ 0h20
15:40 大金久キャンプ場
*テン泊
-11/9(Fri) day3 [大金久キャンプ場-前浜海岸-与論空港 10.5km]
*テント撤収
10:15 大金久キャンプ場
↓ 0h30
10:45 与論島民俗村
↓ 0h30
11:15 前浜海岸
11:20
↓ 0h20
11:40 翔竜橋
↓ 0h50
12:30 与論港
↓ 0h10
12:40 ヨロン駅・パラダイスビーチ
12:45
↓ 0h05
12:50 与論空港
13:50 与論空港
⇓ [JAL RAC816 \10800-]
14:30 那覇空港
*那覇市内散策
17:30 那覇空港
⇓ [Jetstar GK136 \8090-(手荷物預け料・座席指定料含む)]
19:55 成田空港
天候 | 1日目;晴れ時々曇り 2日目;快晴のち薄曇り 3日目;曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
飛行機
ジェットスター http://www.jetstar.com/jp/ja/home *ジェットスター利用の注意点について。 ・キャンセルした場合は、払い戻し金は一切戻ってきません。 ・手荷物預け料はネット予約と同時に申し込んだ方がかなりお得です。15kgの荷物の預け料は¥900-(片道)でした。当日空港で払うとかなり高くなるようなので注意して下さい。 ●那覇空港⇔与論空港 琉球エアーコミューター(JAL共同運航) http://www.jal.co.jp/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
●与論島観光ガイド http://www.yorontou.info/ 島内マップ、観光スポット、商店などの情報満載。 ●沖縄離島ドットコム 与論島 http://www.ritou.com/ritou/yoron.shtml 島内マップ、観光スポット、商店などの情報満載。 ●大金久(おおがねく)キャンプ場の利用方法 【期間】通年 【問い合わせ先】与論町役場観光課 0997-97-3111 【予約】必要ありませんが上記観光課に前もって連絡を入れておくとスムーズです。 【受付】キャンプ場横の一休食堂 【料金】持ち込みテント\350-(1人) 【施設】水洗トイレ・シャワー棟(水シャワー)・炊事棟(BBQ可)・自販機(ジュースのみ) 【キャンプ場の状況】海沿いの防風林内のフリーサイト。土の地面でペグ打ち可。張り縄を張るような石の類は一切なし。 ●ガスカートリッジの入手について。 空路で島に入る場合、飛行機内にガスカートリッジの持ち込みはできません。 また島内ではいわゆる山用のプリムスなどのガス缶は手に入りません。入手可能なのは一般家庭用のガスコンロ用のカートリッジのみです。 入手可能な店舗は、茶花市街にあるAコープとスーパートップ茶花店にはありました。 ただし1セット3本のパックでの販売だった為、使いきれずに余ってしまいました。(僕は島で知り合った露店のおばあちゃんにもらってもらいました) ●島内の入浴施設について。 残念ながら島内に立ち寄り入浴施設はありません。海岸にはシャワーがありますがいずれも水です。 また大金久キャンプ場のシャワー棟も水になりますが、与論島の水道水は本土と比べかなり生ぬるく、案外苦になりませんでした。 ●与論島の気候について。 与論島の過去の気象統計のページ http://weather.time-j.net/Stations/JP/yoronjima ●服装について。 今回、僕は島内ハイキング中は半袖Tシャツに短パンというスタイルで問題ありませんでした。ただ風が吹くと寒さを感じる時もありましたので、ウインドシェルなど何か羽織るものがあれば便利だと思います。 夜はやはり半袖では肌寒さを感じます。薄手の長袖や夏用の長パンなどがよいかと思います。 |
写真
感想
=今年も島旅の季節がやってきた!な〜んにもないけどそれがいい。与論島で黄昏ハイキング=
神津島の島旅トレッキングから1年。また島旅の季節がやってきました。
まぁ特に島旅の季節と決めてる訳ではないんですが、11月に入るとガツガツ歩くよりはダラダラ歩きたいモードになり、さらに日帰りではなくテン泊でとなると、おのずと気候の穏やかな島へという形になってしまいます。
そんな今年の島旅。舞台は南に一気に下って与論島です。
与論島は鹿児島県に属しますが、沖縄本島から25kmしか離れておらずほぼ沖縄の文化圏。周囲27km、人口5300人の島で、歩き回るにはちょうどいい大きさ。そんな与論島での島旅トレッキング第4段はいかに!?
=雪の北八ヶ岳から夏の与論島へジェットスターでひとっ飛び=
初冠雪の北八ヶ岳から2週間。一気に季節を巻き戻し、まだ夏の気配色濃い与論島へ。そんな与論島へは沖縄か鹿児島からの空路もしくは船便がありますが、今回は沖縄経由の空路で向かう事に。東京から沖縄へは、今話題の格安航空のジェットスターで行って来ました。
ジェットスターの沖縄便は成田発。羽田発の一般航空が片道2万前後のところ、ジェットスターは曜日や季節変動はありますが、今回は諸経費を入れても8000円。 旅行会社の安いツアーが利用できないテン泊にはうってつけ!朝8時半の成田発の便でいざ沖縄へ!
=1日目 与論空港〜茶花市街〜大金久キャンプ場 9.5km=
ジェットスターで那覇空港へ。そこから琉球エアーコミューターのプロペラ機に乗り換え30分ちょいで与論島に到着です。与論島はまだまだ夏。半袖Tシャツ短パンに着替え、いよいよ島旅の始まりです。
島には周回バスが走ってるのですが、今回は交通機関を使わず島中を歩き倒すのが目的。与論島ハイキングのコースタイムなんぞありゃしないので、日が暮れる前にはなんとかキャンプ場に到着したいなぁというだいたいな感じで出発!
=白い砂利道。白い砂浜。エメラルドグリーンの海!=
空港の滑走路脇の道を北西へ。途中から舗装路を離れ滑走路沿いに左折し海に向かって続く白い砂利道へ。「う〜ん、これだよこれ。この感じだよ!」という道にいきなりノックアウト。初っ端からやられました。
そしてその道をさらに進むと、そこに現れたのは白い砂浜とエメラルドグリーンの海。兼母海岸、別名サンセットビーチに到着です。空港からわすが10分。誰もいない静かなビーチにたったひとり佇む。素晴らしい景色に時が止まりました。
しかしあまりダラダラしてもいられません。日没までにキャンプ場に辿りつかねばなりませんから。ビーチを後に茶花市街に向かいます。
道すがら目に飛び込んでくるのは、見た事のない植物、南の島の素朴な建物、エメラルドグリーンの海に浮かぶ漁船、珊瑚石でできた家の石塀。目に飛び込んでくる景色が全部新鮮。これぞ島旅の魅力。島は閉鎖された地域のせいかとにかく何もかも濃い。独特の文化がギュっと濃縮されてる感じで歩いていて飽きる事がありません。
海岸沿いの道を歩くこと40分、茶花市街に到着です。茶花市街は役場などがある島の中心地。役場の隣の観光協会でまずは島の情報を入手し、スーパーで買い出しします。
まず入手しなければいけないのはガスカートリッジ。飛行機には持ち込めないので現地で入手するしかないのですが、キャンプ用のガス缶はまず島では入手不可なので、今回は入手し易いカセットコンロ用のガスカートリッジが使えるバーナーを持ってきたのです。
とはいえ南の島でガスカートリッジが入手できるか不安だったのですが、茶花市街の銀座通りのスーパーで無事ゲット。食材も与論産の魚介や果物が結構あり、豊かな島のようです。ビールとガスカートリッジ、食材を詰め込み一気に重くなったザックを背負い、キャンプ場へと向かいます。
=さとうきび畑の中の一本道=
目指す大金久キャンプ場は茶花市街からは島の反対側。海沿いの道を離れ、島内を西から東に横断します。
茶花から遠ざかると周りにはだんだんとさとうきび畑が。傾き始めた太陽の光を横から受け潮風に吹かれる様子は、まさに「ざわわ」の世界。島民よりも牛の数が多いと言われる与論島はあちこちに牛舎があり、そこかしこから牛の鳴き声が。そんなさとうきび畑の中の一本道を高校生が「こんにちは〜」と自転車で駆け抜けていく。
人としての本来の暮らし、あたり前の姿。それが色濃く残っている与論。歩きながら色んな事を考えさせられました。
=白い砂浜の横のキャンプ場=
夕暮れのせまるさとうきび畑の中を歩き大金久キャンプ場に到着。入り口の一休食堂で受付を済ませテントを張ります。
大金久キャンプ場は大金久海岸沿いの防風林の中にあり、炊事場やシャワールームが完備されたキャンプ場です。(ただしシャワーは水です。でもぬるい水で案外大丈夫でした)
季節はずれの平日のキャンプ場なので誰もいないだろうと思ったら案の定誰もおらず場所を選び放題でしたが、良さそうな奥のスペースはプリシアリゾートというリゾートホテルのウインドサーフィンの置き場になっていてテントが張れず、仕方なく手前のスペースに張る事に。(置き場になるのはウインドサーフィンの体験スクールが大金久海岸に移動してくるシーズンオフの季節のみのようです)
テントを張り終えた後、すぐ近くの大金久海岸へ。大金久海岸は与論島で一番のロングビーチで白い砂浜が2kmに渡って続きます。沖合には潮が引いた時だけ現れる百合ヶ浜があり、干潮時にはボートで上陸できます。
そんな大金久海岸もシーズンオフの夕暮れ時とあって誰ひとりいない。白い砂浜のロングビーチを独り占め。贅沢すぎるっ!
夕暮れの海でしばしゆっくりした後は夕食の準備です。メニューはスーパーで入手した与論産の金目鯛で煮込みラーメン。ビールを飲みながら穏やかな島の夜はゆっくりと更けていきました。
=2日目 大金久キャンプ場〜島内1周 18.8km
天気予報では曇り。テンション↓になりましたが空を見上げると晴れており、誰もいない大金久海岸で朝日を浴びながら散歩。周りを見回しても島にかかりそうな雲はなく晴れの予感。さっそく準備をして島内1周ハイクのスタートです。
与論島では毎年3月にマラソン大会が行われていてかなり人気らしいのですが、1周がちょうどハーフマラソンの距離のコース上にはナンバーやキロ数が書かれた道標が常設されています。という事は歩くのにもうってつけ。地図と照らし合わせればどこにいるかすぐわかります。そのコースをベースに海岸線に一番近い道を選んで気の向くままに歩きます。
=台風の深い爪跡=
出だしは大金久海岸沿いの散策路を歩きます。散策路に踏み入るとあちこちで道をふさぐように倒木や折れた枝が散乱しています。
実は与論島は今年の9月の台風16号と17号で甚大な被害を受け、多くの家屋が倒壊したり屋根が飛ばされたりといった状況で、その時の風速は56mという凄まじい風だったそうです。
また強風による高波が津波のように押し寄せ、海岸沿いの堤防を越え防風林をなぎ倒し、墓場の墓石を倒し骨壷が割れ仏様のお骨が散乱するといった酷い状況だったようで、島の海岸沿いの木々は潮水で立ち枯れており見るも無残な姿。そして屋根が飛ばされた家屋が島中に点在していました。建物が破損しそのまま廃業となったホテルもあるようです。
島のおばあちゃんと話をしましたが、生まれてこのかたそんな酷い台風は初めてだったらしいです。与論島に行こうと思って色々調べて初めてそんなひどい事になっていたのを知りました。
震災の復興予算が全く関係ない事に湯水の様に使われているのに、この小さな島はそんな状況のまま置かれている。でもそんな事に負けず「怖かったよ〜。建物ガタガタ揺れて飛ばされかけたもん」と明るく笑って話すおばあちゃん。
話は脱線してしまいましたが、島の状況を皆さんに知ってもらいたくて少し書かせて頂きました。
=この島は天国だ!=
そんな荒れた散策路を抜けると次々と白い砂浜が現れます。なかでも寺崎海岸は素晴らしかったです。
粉砂糖の様にサラサラとした白い砂浜とコバルトブルーとエメラルドグリーンの透明な海。与論島でロケが行われた「めがね」という映画のメインのロケ地にだったそうですが、「そりゃここ選ぶわな」と納得。他に誰もいない事をいい事に、セルフタイマーでジャンプポーズを撮ってみたり、かたやボーっとしてみたりと、ゆっくりと過ごしました。
寺崎海岸を過ぎると再びさとうきび畑の中の道へ。与論島の魅力はほとんど観光地化されてないところですね。海は海のままそこにあり、土地は作物を収穫し生活をおくる為にある。当たり前だけど当たり前じゃなくなっているものがまだしっかり残っているそんな感じがします。
=郷土料理を食らう=
さとうきび畑を抜けるとまた海岸へ。そろそろお腹もすいてきたので、ヨロン島ビレッジの中にある"ヨロンの味たら"という食堂で昼ご飯にすることに。
こちらでは奄美諸島の名物の鶏飯(けいはん)という料理が頂けます。鶏飯は鶏のササミ、煮付けた椎茸、錦糸卵などの具をご飯にのせ、上から鶏ダシのスープをかけて食べるお茶漬け的なものですが、これがですね、激ウマだったんですね。
レモンを浮かべた鶏ダシは爽やかな風味で、盛り付けも非常にキレイ。これは家での飲み会とかの〆にだしたら見栄えもするし喜ばれるかもしれません。
=登山道み〜っけ!=
ウマ〜な郷土料理を食べた後は、島歩きの再開です。大金久キャンプ場からここまでちょうど半周。まだ半分残っています。
ヨロン島ビレッジからは再びさとうきび畑の中を通り海沿いを歩き、茶花市街を抜け島の南部へ。南部はフェリーの着く港があるなど他の海岸に比べて海が深く、そのせいかコバルトブルーの深い色をしています。
そんな海岸を東の方へ歩いていると、前方に高さ60〜70mの崖が目の前に迫ってきます。与論島の真ん中には南北に走る崖状の高台があるのです。小さなピークを越える程度の標高差ですが、ほぼ平地の島にあっては結構な山。そういえば観光協会の人も「島を歩き回ろうと思います」と言った瞬間、『歩いていくの?きつい坂があるよ〜』とビックリしてましたが、なるほどこういう事かという感じです。
しか〜しこれでも山登らーの端くれの端くれ。「すげ〜山っぽいじゃん。登山道とかないかな〜?」なんて思っていたところあったんですね、これが。
車道から崖の上に登って行く曲がりくねった細い道で、花崗岩にブナ林ならぬ珊瑚石に南国の植物がおおい茂り完全に登山道の様相。テンション↑で登っていくと見えてきたのは、「ぐわっ!ロープ発見っ!!」さらにテンション↑↑です。
そんな登山道を登り切ると与論城址に到着です。琉球の北山王の統治下に建てられた城ですが、北山王が滅びたため未完成のまま朽ち果てた城です。
城址からの眺めはさすが城が建てられただけあって抜群。標高90mしかないとはいえ、海抜10mほどしかない島においては結構な高さに感じます。
城址からの眺めを満喫した後は再びさとうきび畑の中を歩きます。途中にあったスーパーと酒屋で今日の夕食の材料とワイン、ビールを買いキャンプ場へ。スーパーの買い物袋を片手にさとうきび畑の中を歩くのは、非日常の中の日常という感じで不思議な気分です。
=一期一会。旅先での出会い=
キャンプ場に戻ってくると青いテントが一張り。といっても特に驚きはなし。テントの主は同年代の青年で知り合いでもなんでもないのですが、実は彼がくる事を事前に知っていたのです。
というのも昨日、島歩きの途中で声をかけてきた奄美諸島を南下しているという旅のおっちゃんから、「奄美諸島を船で南下している青いテントの青年が明日あたり与論にくると思うから、多分キャンプ場で一緒になるよ」と聞いていたのです。
挨拶がてらその青年に、「今日来るの知ってましたよ〜。奄美諸島を船で南下してるんですよね。でこれから沖縄まで行って、さとうきび畑の借り入れの手伝いをするんですよね?」と言うとビックリしてました。
その青年に種明かしをすると『あのおっちゃん、おしゃべりだからなぁ。行く先々で僕の事喋りまくってるんですよ。しかもおっちゃんの方が常に先に次の島に行くんで、もう行く先々で・・・』と苦笑い。
その青年はこれから茶花市街に向かうとの事でしたので、僕は大金久海岸までビール片手に散歩。
ビーチの入口には露店でアクセサリーを売ってるおばあちゃん達が。お茶や黒砂糖、らっきょうの漬物を頂きながら色んな話をし、「おにいさんはほんと優しいね〜。長年商売やってるからわかるんだよ〜」という口車に乗せられアクセサリーを売りつけられ(笑)、お土産代わりにいくつか購入。島中を歩き回って台風の被害を見て来たので少しでも役に立てればと思ったのでちょうど良かったです。島旅をしていて思うのは、島にお金を落とすというのはとても大事だなぁという事です。
そんなおばあちゃん達と別れ、誰もいない夕暮れのビーチへ。砂浜に腰をおろし夕凪の海を眺めながらしばし黄昏。これ以上ない至福の時でした。しばしビールを飲みながらボーッと過ごした後、テントに戻り夕飯の準備にとりかかります。
今日の夕飯はスーパーで買った与論産のぶつ切りのサザエと、鹿児島産のワイン茸なる謎のキノコでトマトソースのパスタにしました。あとは与論産のメカジキをアルミホイル焼きにして食べました。
ワインを1本飲み終わる頃、旅の青年が帰宅。茶花市街で飯を食って来たらしいですが、「良かったらこれから飲みませんか?」とのお誘い。
ベンチに腰掛け飲み始めるも、よく考えたら見知らぬ人と2人で酒を酌み交わすなんて経験は初めてで会話が持つかなぁなんて思ったのですが、その青年も山登りをするらしく10月まで赤岳頂上山荘で働いていたとの事。自然と話は盛り上がり、山の事、旅の事、プライベートな事などなど様々な話をしました。
彼はこれから沖縄まで南下し、最終的には12月に波照間島でさとうきびの借り入れを手伝うとの事。そこでお金を貯めて海外へ旅に出かけけるそう。自分の人生を思いっきり生きてる青年でした。
そんな有意義な時間は穏やかに過ぎていったのですが、この後に地獄が待ってました。
僕は焼酎が苦手で一切飲まないのですが、この日は彼の持参した黒糖焼酎がなんだかものすごくうまく感じられ、ストレートでガバガバ飲んでしまい久々の悪酔い。彼と飲む前に既に一人でワインを1本開けてる訳ですから当然です。元々セーブして飲むタチなのですが、いかんせん飲み慣れない焼酎。ペース配分もなく無茶飲みしてしまいました。
僕は表面上は全く酔った様には見えなくても胃にきてしまうタチなので、テントとトイレの往復状態に。明日はデカザックを背負って空港まで戻らなきゃいけないのに最悪です。「果たして東京まで戻れるのか?」と己を呪いながら寝ました。
=最終日 大金久キャンプ場〜与論空港 10.5km=
翌朝、最悪の目覚め。こんな酷い二日酔いは数年ぶりです。食欲はゼロ。食べたら即トイレという感じだったので何も胃には入れず出発準備。テントを撤収していると、昨夜の青年が起きて来て挨拶。彼もこれから島を歩くつもりとの事。
ザックのパッキングを終え、食堂のおばちゃんと露店のおばあちゃんに「また今度ぜったい来るんでまたヨロシクお願いします」とお別れの挨拶をしキャンプ場を出発しようとすると、
=旅に仲間が加わった!=
旅の青年が待っていてくれて一緒に島を歩く事に。こっちはデカザックでゲロゲロな胃。身軽な彼について行けるのだろうかと思いましたが、見知らぬ人と旅をするなんて事もそうはないと思い一緒に歩く事に。不思議ですよね、昨日会ったばかりの人と一緒に島を歩いてるなんて。
天気はあいにくの曇り空。出会ったばかりの男2人なんでそんなベラベラ話すこともないんですが、不思議と沈黙が気にならない。
しかしながらなんとも予想外な展開だ!(笑)
そんな奇妙な2人旅も終わりが近づきます。彼は与論城址へ。僕は空港へ。
名前も知らない青年。いや聞いたけど酔っ払って覚えてないのかな。連絡先も知らぬまま。
「じゃあ、ココで。楽しかったよ」
『またどっかで会いましょう』
「来年も頂上山荘?」
『いや、とりあえず来年はいいかなぁ』
「じゃあ、いつか頂上山荘に行く時があればその時に」
『南の島にくる事があったらそこでまた会うかも知れないね』
そんな言葉をかわしその青年と別れました。彼のおかげで今回の島旅はほんと心に残るものになりました。
=旅の終わり=
青年と別れた後は、またいつも通りのひとり旅。いつもの気まま歩きと行きたいところでしたが、胃がそれを許さず。
「気持ち悪りぃ〜」
「でも腹った〜」
「でも食べたら吐くし最悪だぁ」
旅の〆がこれかよという情けなさ。いつもの縦走時よりも軽い14kgしかないザックも、体調のせいかうまくフィットしてくれず肩に食い込み一歩一歩がツライ。まぁ自業自得なんですが。
そんなツライ島旅の最終日となってしまいましたがなんとか空港に到着。トイレで汗臭いTシャツを着替え、来た時と同じプロペラ機に乗り、空路の人となりました。
=まとめ=
「南の島を歩きたい」と思い付きで決めた与論島ハイク。島歩きの記録もなかったのでどうなる事やらという感じでしたが、そのぶん心に残るものとなりました。
誰もいない白い砂浜。凪いだエメラルドグリーンの海。さとうきび畑の中の一本道。温かい島の人達や、名も知らぬまま別れた青年との出会い。
ピークハントだけを追い求めず、その土地の文化や風習、歴史を感じながら自然の中を歩くロングトレイルという文化。日本でも各地でトレイルが整備されようやく定着しだしましたが、独自の文化や風習が色濃く残る島歩きはまさにロングトレイルにうってつけ。
な〜にもないけどそれがいい。与論島、島旅ハイク。オススメです!
コメント
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こんにちは、zawadaさん
神津島再訪だとばかり思っていましたよ。
そんな遠いところまで行っていたとは驚きです
素晴らしい景色、青年との一期一会、キッつい二日酔い…。
印象深い島旅になったようで良かったですね。
天気関連も好調を維持しているようですし
それにしても成田から沖縄にジェットスターが運行しているのは
全く知りませんでした。せっかく今回のレコで教えていただいたからには
成田市民としては好条件を活かさない手はありませんね
沖縄本島から与論島の飛行機代が少々痛いので、とりあえずは
レンタル原チャリで沖縄本島ぐるり旅でもやってみるかな〜。
コメントありがとうございます、muscatさん
自分でもびっくりです。2か月前まで与論島のヨの字も、沖縄のオの字も頭になかったので。
今回の島旅は、人生最良の旅でした。人の温かさが身にしみた旅でした。
天気もおかげさまで好調を維持してます
成田から沖縄までのジェットスター。「これはmuscatさんにうってつけではないかーー」と思ってました
調布から成田空港までリムジンバスの往復で交通費6000円かかりましたから。muscatさんうらやましい〜と思ってました。
ジェットスターはキャンセルした場合の払い戻しがきかないというのが難なんですが、でも安いですよね〜。結構快適に利用できたのでおススメです!
与論島までは沖縄本島からフェリーも出ていて、2時間半、片道4500円くらいだったかな?今回は時間を節約する為に飛行機で行きました。
muscatさんの場合、成田発の便を始発にして沖縄に早く着くようにすれば、与論まで船便でゆっくりという方法もとれるかもですよ。
沖縄本島1周いいですね〜
本島に橋でつながっているような離島も結構あるので、そういう所を狙っていくのもいいかもしれないですよ。
p.s.プロフ写真、変更してみました〜
zawadaさん、こんにちは!
ほんと、まさかの与論島とは!
文章も単なる記録じゃなく、旅日記のような、どんどん物語が展開していく様子に引き込まれ、
旅を自分なりに楽しんでるんだなぁ、て様子を感じながら、面白く読ませてもらいました^^
そうそう、何にもないのがいいんですよね。
そういう土地で生活すると、心も豊かになるんだろうなぁ。
島じゃなくても、心穏やかに暮らせる土地で生活したいものです。
ジェットスター、そんなに安いんですね!
なんだか、予約画面を見たときに、色々細かなオプションなど制約があって、
煩雑さに、もういいや!と思いましたが、そこを乗り越えるとお得に旅できそうですね。
機会があえば使ってみたい。
それにしても、ほんと、読みながらものすごく楽しくなりました!
集中して読んだから、心がぽかぽか笑顔になって、気持ちもすっきりしました!ありがとう
hellokinokoさん、こんにちは!!
まさかの与論島でした〜
な〜んにもないけどそれがいい!
「人の本来のまっとうな暮らしってこういうのなんだろうなぁ」と島を歩いていて思いました。
ジェットスター、確かに煩雑なところありますよね。英語のページを日本語訳しているせいか、日本の会社のような至れり尽くせりな感じではないので。
僕なんて会員登録の段階でエラーで登録できませんでしたから
パスワードが大文字小文字と数字を組み合わせなければいけなかったのですが、日本語の注意書きでは小文字と数字しか書いてなかったんです。。。
そこを乗り越えればまぁ大丈夫でしたよ。注意点はネット予約時にオプションの手荷物預けもつける事くらいでしょうか。
じっくりと読んでいただけたようで本当にうれしいです
今回は本当に心に残る、大切な旅となりました。
zawadaさん、こんにちは!
ご無沙汰してます、miouです。
相変わらず、魅惑に満ちた危険な記録です・・。
与那国島、いきた〜!!と叫んでしまいました
素晴らしい出会いと旅の風景・・。
まるで、RPGみたいで、ワクワクしつつ拝読しました。
(今回のボスキャラは焼酎でしょうかね?・・ )
神津島に続き、またド参考しちゃいたいくらいです・・。
ご近所zawadaさまは、アクセスとかリアルに参考になるので、ありがたいです
しかし、癒されました!
ありがとうございました〜
おはようございます。miouさん!
そうかRPGの世界かっ! 頂きましたそれっ まさにおっしゃる通りです。
「ここ行ったら何があるのかなぁ」「この先に道は続いてるのかなぁ」「おっと行き止まりだった」とかそんな感じでした。
で、ボスキャラは焼酎。。。LIFE削られまくりました。
参考にして頂けたらスゴイうれしいです。
単なるアクティビティ目的の観光客だったら沖縄本島を素直にオススメしますが、ヤマレコユーザーには心から与論島オススメできます。
単なる点としての観光スポット巡りではなく、点から点へと歩いて線としてつながった旅ができるのは、歩くのに慣れているヤマレコユーザーならではだと思うんで。
与論島は歩いてこそ本当に楽しめ、歩いたからこそ人との出会いがあると思います。ぜひ与論島、行ってみて下さい
p.s. 調布駅北口5時半発の成田空港行きの京王のリムジンバス。かなり使えますよ。デカザックで電車を乗り継いで行かなくていいので、ちょー楽でした!早朝なので首都高も渋滞知らずでしたし。
まちがっとるし・・
すみません・・。
昨夜は台場ガンダム君お膝元でLIVE後、炬燵ででぬくぬくボジョレーを一杯だけ(ホントですよ!)頂きつつ、zawadaさんのレコで、ホント幸せな時間でしたよ〜!!
調布は好日山荘もできたし、リムジンバスや調布飛行場もありで、ありがたいですよね!
与那国島も行ってみるってのはどうですか?
ボジョレーいいなぁ。19日に今度は船でまた島旅に出かける予定なので持ってこうかなぁ
PARCOの好日山荘、何かと便利ですよね〜。
出発前日とかに「あっ、やべっ、あれないじゃん」とかいう時に重宝してます。
潰れたら困るので、せっせと利用してますよ〜
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