お遍路第52〜63番札所 ジョギングシューズで雪山を登山するはめに


- GPS
- 32:31
- 距離
- 117km
- 登り
- 1,765m
- 下り
- 1,793m
コースタイム
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
- 山行
- 12:38
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 12:38
- 山行
- 9:32
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 10:22
05:14 道後温泉BS → 07:26 太山寺 → 08:18 圓明寺 → 14:02 菊間温泉 → 15:07 青木地蔵
01/13(日) 43.5km 時速 3.7km/h(休憩温泉含む)
5:36 青木地蔵 → 8:17 延命寺 → 8:06 南光坊 → 10:14 泰山寺 → 10:52 栄福寺 → 12:13 仙遊寺 → 13:36 國分寺 → 14:50 道の駅今治湯ノ浦温泉 → 15:00 温泉四季の湯 16:00→ 17:20 光明寺
01/14(月) 35.1km 時速 3.4km/h(休憩含む)
05:00 光明寺 → 07:20 中大頭 → 09:30 東屋 → 10:26 横峯寺 10:50 → 12:48 香園寺奥の院 → 13:42 香園寺 → 14:18 宝寿寺 → 14:52 吉祥寺 → 15:22 石槌山駅
天候 | 01/12(金)曇り 01/13(土)曇のち雨 01/14(日)雪のち曇 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
西条駅バス停 |
コース状況/ 危険箇所等 |
大雪で倒木あり |
写真
感想
前日
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西宮北インターバス停で、ここから運転を交代するというバスの運転手と話す機会があった。
前の日に夜行バスを運転し、早朝に運転を交代し西宮北インターで降車。近くの仮眠所で寝た後、再び私が乗る夜行バスを運転して四国に帰るとのこと。こんな方のご苦労があって、私も四国へ行く事ができる。
01/12(土)
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バスは予定より20分早く付き、夜明けまではおニューのヘッドライトを付けてのお遍路だ。
コンビニで卵サンドイッチと牛乳の朝食をとったが、後でお腹を壊し、民家のおトイレを借りるハメになった。
今日の札所は2箇所。海岸線を歩くと海が澄んでいる。瀬戸内の島々が見える。
菊間温泉で風呂に入る予定だったが行ってみると潰れていた。
遍路宿や銭湯はお年寄りの経営が多く、後を次ぐ人もいないので、こんなことがある。
菊間は瓦の産地らしく、無人接待所でみかんと瓦生地のお地蔵さんの携帯ストラップをいただいた。
今夜は通夜堂初体験だ。ムカデが出るような通夜堂もあると聞いていたが、真冬なら大丈夫だろう。
管理しているお寺さんに電話すると、鍵は付いていないので自由に泊まれるらしい。
水道、布団、ホカホカカーペット完備。宿帳を見ると今年泊まるのは私が初めてのようだ。畳を踏むと一部が凹む。電気は裸電球。離れたところにトイレもあるらしいが、私は見つけられなかった。
夕方にドヤドヤと団体さんが訪れ、地蔵堂でお経を唱えていった。この後はシーンとし、コンビニ弁当を食べた後はやることもない。20m先が線路と国道と石油コンビナートで、騒音対策の耳栓をして寝た。
01/13(日)
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次に泊まる通夜堂は、お寺さんにご挨拶して入る所なので、早く到着するためヘッドライトを付けて5:40に出発。
今日の札所は7箇所。山寺もあるが、たかが標高255m。ただし歩く距離は40km。
夏のお遍路とは対極的に、ダウンジャケットと手袋をしてのお遍路だ。
参道のお店で温かい甘酒をお接待され癒された。
今日は温泉に入りたいし、入浴時間を取るためには、早足で時間をかせがなくてはならない。
今回はジョギングシューズにしたが、足の甲が擦れて痛い。バンソウコウでやり繰りしてきたが限界に達し、靴を買い換えることまで考えた。
ふと『何が楽しくてお遍路をしているのだろう』との思いが頭をかすめる。
いろいろ試してみると、クッション性を高めるために靴の中敷を2枚敷いたのが敗因で、靴内が狭くなり足の甲が擦れる事がわかった。中敷を抜いてからは楽になった。
道の駅今治湯ノ浦温泉にやっと着くと、温泉はここから700m登った所だという。ガックリきたが止む無し。
温泉に癒されて出てくると雨。
日も暮れてきて小走りで先を急ぐと、Y字路でおじいさんに呼び止められ、そっちじゃない左の道だと教えてくれた。
スーパーで夕食とお酒を仕入れて通夜堂に着くと先客がいた。常連さんで幾度かお遍路されておられるらしい。
ここはお酒禁止とのこと。
15キロの荷物を背負い自炊とテント泊が基本というその方も『何が楽しくてお遍路をしているのだろう』と思うことがあるらしい。その方は人との出会いが楽しみと言う。あと毎日5件のお家でお経を唱えることを日課にされている。
ここは水道、トイレ、コタツ完備。二段ベットはあるが、はしごがないので私はコタツに寝ることにした。
01/14(月)
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今日は帰りのバスの関係で5:00発。西条からはその日の内に関西に帰れるが、16:40に乗車する必要がある。
天気は雨。標高が上がるにつれ道路に雪が現れ、雨でグチュグチュになって、ジョギングシューズにしみる。
交通量はほぼ皆無で、一台だけ通った軽トラの轍をトレースしながら雪を避けて歩く。足が凍傷にならなければいいが…
ふと昨日の答えが閃いた。
遍路は楽しくなくていいんだ!むしろ辛く苦しいほうが、温かい言葉やお接待が身にしみる。苦しみを知るが故に、他人に優しくなれる。旅を終え帰宅した時に、当たり前に思っていた家庭の暖かさを感じる事ができる。
人は喜びや幸せを求めるものだが、辛さや苦しさも大切にしなければならないものなのだ。
中腹の集落に着くと轍を付けた軽トラとジッチャンがいたので挨拶をすると、「この天気で横峯寺まで登れるか?」と聞かれ「登って見せます!」と断言した。
横峯寺は標高745m。登るにつれ、雨は雪に変わり積雪も5cmになって、靴にしみることはなくなった。
舗装路を終えた所が東屋で、一休みして昨日飲めなかった日本酒をグビッといった。山道に入ると、林のお陰で積雪が少ない。私の好きなせせらぎを聞きながら登るコースだ。思いがけない雪だったが、お陰で雪景色を見ることができた。
「佳きかな、佳きかな」
ほろ酔い加減で「横峯寺が熱烈歓迎してくれている!」と、脳天気なことを考えながら山行を楽しんだ。
時折積雪に耐えかねて枝が折れる音がする。倒木が多いと思っていると、10m程後ろでメキメキと音と立てて、木が幹から倒れた。
横峯寺に着くと積雪は30cmになっていた。
参拝客は皆無で、ジョギングシューズで境内をラッセルし本堂と太子堂を往復した。
雪は乾いていてしみてこない。先ほどの山行で、額は汗、手足もホカホカする。凍傷の心配はない。
ここのご住職も陸の孤島状態で「歩いて登ってきなすったか!」と驚いておられた。
下山の際、林を歩いていると頭上でメキメキ!と音がし、見上げると雪の重さに耐えかねた枝が落ち
てくる。音がして落下するまで1秒。なんとか逃げおおせたが、思わず「南無大師遍照金剛」と唱えた。
横峯寺を下山すると、下界に雪はなく晴れ間が覗いていた。今まで異世界に迷い込んでいたような気分だ。
俗世に帰って残りのお寺を回った。予定より一時間半も遅れ、西条駅の手前に石鎚山駅で電車に乗ろうとすると、電車は一時間半おきで、次の電車が来るのはバスの出発時間だ。
結局タクシーを呼んで西条駅へ向い、帰宅することができた。
コメント
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厳寒のお遍路ご苦労さまでした。
冬の遍路は経験ありませんが、やっぱり大変そうですね。
でも、よい修行をされましたね。
おっしゃるとおり非日常の世界に身を置くと日常の生活の有り難さを感じます。
これからも良い遍路をなさってください。
横峯はけっこう積もっているんですね。。。
僕は泰山寺の通夜堂にお世話になりました。
僕が歩いた時は10月でしたがいろんな通夜堂や善根宿で大量のゴキブリがうろうろしてました涙
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