春はあけぼの山形市里山漫歩
- GPS
- 01:59
- 距離
- 2.9km
- 登り
- 232m
- 下り
- 239m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年03月の天気図 |
アクセス | 自宅から歩き |
コース状況/ 危険箇所等 |
あたご荘裏から戸神山は雪はなく足場もしっかりしていていた。下り口は登ってきた道から僅かに右よりに踏み跡があり、ところどころ赤布もあるが、最初にかなり急な岩場を下るので戸神山では上級者コースといった感じだった。寺山としたがこれは帰りに悠想の丘でお会いした方から伺ったのだが、通称のようで、山頂近くには黄金山大神との石碑があった。登り口は赤布があった。北面でまだ雪が残っていたがキックステップで登れた。 |
写真
感想
自宅を出た時にはもう少し明るくなっていて、新聞配達のおじさんも仕事を終えていた。山形市街の東の端、戸神山で日の出となった。曙光を浴びて朝日連峰から月山、村山葉山が桃色に輝いて見えた。それから東北芸術工科大裏の通称「寺山」にも登った。竹林をぬけると悠想の丘に出た。
山形市もやっと春めいて来て、5時頃にはもう明るくなっている。夜明け時刻は5時50分頃のようだ。自宅から歩いて最も近くて朝日連邦の展望の良い戸神山で春のあけぼのを楽しみたい。先週は山形市街の西のはずれから夕日を浴びた東の山々を堪能した。今日は逆だ。出勤前のほんの贅沢。
自宅を出た時は猿岡山はまだ淡くシルエットを見せ、尾根の表面は木々が散髪前の坊主頭のように見えた。しかし、春の夜明けは早く、戸神山が見える頃には枕草子のように紫立ちたる雲は細くたなびいていた。のんびり歩いていたら日の出時刻になってしまった。でも太陽は西蔵王に隠れてまだ見えない。あたご荘の駐車場に着いた頃には大朝日岳は桃色の蛍光色に浮き出て見えた。
今年の1月に下って来た尾根を今日は逆に登ることにする。あの時は雪が被った岩場があって、滑らないようにと苦労したが、南面は雪解けも早くあっという間に高度が上がっていくのが実感できた。その高度とは別に、日の出の太陽が降り注ぐ角度の微妙な違いのためか、西の山脈の色合いが目を向けるたびに違って見えた。厳冬期の雪を満々とたたえた朝日連峰は僅かな光でも薄桃色に瞬いているが、日の出とともにその色調は輝きを増して来た。
誰もいない山頂は市街からほんの100mあまり高いだけだが、遮るものがないため、そのまま大朝日岳まで一直線に見渡せる。日が僅かに登っても、今まで日陰になっていた市街地はあっという間に明るくなって、わずかな高層ビルも朱色に輝きだした。そのビルのほんのすこし上には月山が綿のような雪を全身にまとってはいるが、朝の目覚めの身づくろいをするように、その山肌はしろごろもを脱いでなまなましい肌色になっている。
山頂で西蔵王からの日の出を仰いで、それからまた西の山脈を眺め続けた。朝日の暖かさはなくなり、連峰は冷たい白色にさめていた。その西の斜面に赤布があるのを見つけた。見下ろすとかなりの崖だが、下りられそうだった。三点確保しながら、岩のでっぱりをやり過ごして二つ目の赤布地点まで来た。振り返るとまったくの岩の崖だった。
この前に登頂を諦めた鳥小屋からの尾根の続きかと思って下り続けたが、あたご荘がまた見えてきたので鳥小屋よりはずっと南を歩いていることがわかった。降り口は笹藪になっているが、その下の尾根の取り口にも赤布があった。戸神山のルートとしては上級コースのように思えた。今度、足場のいい晴れた日に登ってみたくなった。
戸神山を下山してもまだ7時にもなっていなかった。そのまま帰るのはもったいないようなぽかぽかな春の陽気だったので寄り道したくなった。悠想の丘の北の339mのピークに登ってみよう。いつも西蔵王の下山の際に歩く車道から取りつく。登山口ではないが作業のためか赤布があった。雪が薄く残る尾根はキックステップで登ると軽く凍っていた雪がサックと割れてその下の枯葉が焼海苔のように砕かれる。この時期の人気のない里山ならではの感触を味わうことができた。
ピークに近い真西に向かう山肌に小峰神社と黄金山大神の石碑と石仏3体が祀られていた。たぶん南寄りには道があるのだろう。そのままピークまで登り詰めた。ピークは展望がないが朝の澄んだ風が気持ち良かった。東になだらかに下る尾根をさがると竹林に出た。竹葉からの朝日は早くも黄色に変って見えた。竹林は異次元な雰囲気があってどこに連れて行ってくれるのだろうか。
竹を切り倒して適当な長さにして石で囲んだ中に積み重ねられてあるのを見つけた。以前に西蔵王で見つけた長方形の石の穴に似ていてびっくりした。これはたいそう昔の山の中に迷いこんだしまったと思い、早く昼間の世界で脱出しなくてはと焦ってしまった。四方が竹で囲まれた中を朝日の射す方角を頼りに進むと、まだできて新しそうな標識がひょっこりと前方に見えた。
ゴシック体でしっかりと感動の丘と刻んであった。いつも歩く悠想の丘にある標識だった。なんだと思って安心した反年、これでプチ冒険も終わったとがっかりもした。手入れされた遊歩道はまだ人気はなかった。コンクリートの上に残る雪はかなり硬くて滑りそうだった。まだ色付くには早い芝生に立つとすこし前に堪能した月山や朝日連峰がまた顔を出した。日もかなり上がって山々の顔もピカピカに光っている。
丘を下ると人生の大先輩らしき方が登って来られた。今登って来た里山の名前を聞くと正式には名前はないが通称「寺山」なのだと教えて頂いた。麓に耕源寺があるから、そう呼ばれているようだった。私は山頂近くの朝日連峰を望める山肌に黄金山大神の石碑があったので「黄金山」かと思っていたと話した。すると笑顔になって「そういえばあの山はコバルトブルーに輝くのだよ」と答えてくれた。紅葉の頃に夕日を浴びると黄金色に見えるのをコバルトブルーに輝く、と教えてくれたのだろうか。問い返すのも気がひけたので、今日の山行のルートに話題を変えた。よくこの近辺の里山を歩いていらっしゃるようで、戸神山のことをラクダと言ったり、私の知らない登りルートを教えてくれた。別れる時にちゃんとした道がないから楽しいんだよね、とおっしゃったのが、私とまったく同意見だったので、僕もこれからの人生、楽しくやれそうな気分になれた。それから、 さあこれからひと仕事だと思いながら家路に着いた。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する