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Yamareco

記録ID: 30298
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無雪期ピークハント/縦走
十和田湖・八甲田

縫道石山(ぬいどういしやま)

2008年10月23日(木) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
3.8km
登り
394m
下り
397m

コースタイム

登山口(11:00)→山頂(11:40-12:00)→登山口(12:50)
天候 高曇り、東風
過去天気図(気象庁) 2008年10月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
東京函館便の飛行機からこの山を見下ろしたことがある。森の中に白い墓石を落として突き刺さったような姿だった。青函フェリーからも見た。仏ヶ浦奇岩海岸の上に見えた。

大間に用事があったが、時間が空いたので縫道石山に登った。登山道はふたつあるようだ。仏ヶ浦から川内のほうへ抜ける車道の峠から入る道で行った。歩き出してすぐ太いブナやヒバがばんばん出てくる。紅葉も盛りで目が回るような色のトンネルの中だ。道は途中424ポコの東側を捲き、縫道石山への取り付きへ近づく。樹間にナバホインディアンの聖地のような、マチュピチュのような、下北のエルキャプというべきか、いや、天空の城ラピュタといおうか、凄い形状の巨大岩峰が見えている。古い大きなヒバの切り株が多い。神聖な岩峰に見下ろされて何百年も生きたヒバだろう。この木を切ったのは何世紀頃なのか。森林鉄道が下北半島に張り巡らされていた明治以後昭和30年代までか。

とりつきからは南面の壁が見上げられる。これは4〜5ピッチでなんとか行けそうだぞ、という風に見えるが今回は夏道をアタック。よく歩かれ、手入れされた道だ。人も良く通っているようだ。最後は急だがグイグイ登って突然岩山の上に出る。陸奥湾にそそぐ緩やかな谷は赤と黄色と橙色のもこもこに覆われている。周りには、これより高い山はあるにはあるが、ここの高度感は特別だ。東北でも指折りの大岩壁の上だもんな。次回は壁を登って来たいものだ。

ところでふもとの福浦にはドライブインぬいどう食堂と手書き青看板の、引力の強い地元食堂があった。今回は泣く泣くパスしたが、マグロ定食からつけ中華500円までお品書きがペンキ書きで紹介されていた。

しかしこの山、青森から来るよりも、函館からフェリーにバイク積んで来る方がはるかに早い。大間から登山口まで1時間ちょっと。

このあたりはアイヌ語地名が濃く残る。大間の原発予定地は奥戸(おこっぺ)という。8世紀には坂上田村麻呂軍の前線基地が材木川河口にできたそうだが、この辺に和人が本格的に来たのは1700年代初頭になってのことらしい(大間の稲荷神社の由来書きより)。佐井の寺には蝦夷錦も伝えられている。この山にもアイヌは名前を付けていただろう。

下北に来て気がついたが、ここでは津軽海峡とは言わないようだ。だってここは津軽ではなく下北だから。津軽と下北(南部藩)とがまったく違う国であることを、青森県に来たことのない人は知らない。だから、竜飛〜白神間と同じように、大間汐首間も津軽海峡だと思っていたのだが、大間に言わせればここは差し詰め「下北海峡」。朝鮮人が日本海を日本海と呼ばないのや、松本出身者が、「出身は長野ですか」と言われても「や、長野県の松本です」と行ってしまうのと事情に似ているかも。これは函館にいても知らなかった。

自動車道から縫道石山西面
2008年10月23日 12:55撮影 by  P903iTV, DoCoMo
1
10/23 12:55
自動車道から縫道石山西面
縫道石山西面
2008年10月23日 12:54撮影 by  P903iTV, DoCoMo
10/23 12:54
縫道石山西面
南壁を見上げる
2008年10月23日 12:19撮影 by  P903iTV, DoCoMo
10/23 12:19
南壁を見上げる
途中のブナ林
2008年10月23日 12:16撮影 by  P903iTV, DoCoMo
10/23 12:16
途中のブナ林

感想

東京函館便の飛行機からこの山を見下ろしたことがある。森の中に白い墓石を落として突き刺さったような姿だった。青函フェリーからも見た。仏ヶ浦奇岩海岸の上に見えた。

大間に用事があったが、時間が空いたので縫道石山に登った。登山道はふたつあるようだ。仏ヶ浦から川内のほうへ抜ける車道の峠から入る道で行った。歩き出してすぐ太いブナやヒバがばんばん出てくる。紅葉も盛りで目が回るような色のトンネルの中だ。道は途中424ポコの東側を捲き、縫道石山への取り付きへ近づく。樹間にナバホインディアンの聖地のような、マチュピチュのような、下北のエルキャプというべきか、いや、天空の城ラピュタといおうか、凄い形状の巨大岩峰が見えている。古い大きなヒバの切り株が多い。神聖な岩峰に見下ろされて何百年も生きたヒバだろう。この木を切ったのは何世紀頃なのか。森林鉄道が下北半島に張り巡らされていた明治以後昭和30年代までか。

とりつきからは南面の壁が見上げられる。これは4〜5ピッチでなんとか行けそうだぞ、という風に見えるが今回は夏道をアタック。よく歩かれ、手入れされた道だ。人も良く通っているようだ。最後は急だがグイグイ登って突然岩山の上に出る。陸奥湾にそそぐ緩やかな谷は赤と黄色と橙色のもこもこに覆われている。周りには、これより高い山はあるにはあるが、ここの高度感は特別だ。東北でも指折りの大岩壁の上だもんな。次回は壁を登って来たいものだ。

ところでふもとの福浦にはドライブインぬいどう食堂と手書き青看板の、引力の強い地元食堂があった。今回は泣く泣くパスしたが、マグロ定食からつけ中華500円までお品書きがペンキ書きで紹介されていた。

しかしこの山、青森から来るよりも、函館からフェリーにバイク積んで来る方がはるかに早い。大間から登山口まで1時間ちょっと。

このあたりはアイヌ語地名が濃く残る。大間の原発予定地は奥戸(おこっぺ)という。8世紀には坂上田村麻呂軍の前線基地が材木川河口にできたそうだが、この辺に和人が本格的に来たのは1700年代初頭になってのことらしい(大間の稲荷神社の由来書きより)。佐井の寺には蝦夷錦も伝えられている。この山にもアイヌは名前を付けていただろう。

下北に来て気がついたが、ここでは津軽海峡とは言わないようだ。だってここは津軽ではなく下北だから。津軽と下北(南部藩)とがまったく違う国であることを、青森県に来たことのない人は知らない。だから、竜飛〜白神間と同じように、大間汐首間も津軽海峡だと思っていたのだが、大間に言わせればここは差し詰め「下北海峡」。朝鮮人が日本海を日本海と呼ばないのや、松本出身者が、「出身は長野ですか」と言われても「や、長野県の松本です」と行ってしまうのと事情に似ているかも。これは函館にいても知らなかった。

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コメント

反省しきり。
やはり、縫道石山には登っておくべきであったか?
と、反省することしきりです。
やはり、ぬいどう食堂には行っとくべきだったか?
と、後悔することしきりです。
2008/10/25 2:22
ぬいどう食堂
http://d.hatena.ne.jp/bluesapphire/20080511/1210503963

これです。2008年5月で1500円になってますね!後悔してください。
2008/10/25 8:28
わ〜。
見るんじゃなかった。すごすぎる・・・。
2008/10/29 2:55
第2の故郷
yoneyamaさん
はじめまして、araigengaと申します。
私も昔、青森県むつ市に3年ほどいましたので、縫道石山へ2回ほど行きました。平坦な山が多いところで特異な岩山に私も魅せられてしまいました。その時はむつ市から自転車で野平(のだいだったかな)まで行って登りました。青函連絡船が見えたようなきがします。
また、青森の山をぜひ紹介してください!
2009/1/29 23:29
下北半島
araigengaさん こんにつは

青函連絡船といえば昭和時代ですね!冬季恐山の宇曽利湖周遊をそのうちやってみたいです。
2009/1/31 23:52
プロフィール画像
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