記録ID: 3391830
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沢登り
甲信越
痛恨のルートミス ヌクビ沢上部の崖で人生の崖っぷちに立つ 割引岳
2021年07月25日(日) [日帰り]
tetsuraw
- GPS
- 10:42
- 距離
- 11.6km
- 登り
- 1,463m
- 下り
- 1,465m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
日帰り
- 山行
- 9:38
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 10:35
| 天候 | 概ね晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2021年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
ヌクビ沢・割引沢両コースは9月中旬までスノーブリッジ、残雪あり 入山要注意と地図にあり 両コースは破線ルートです。 コース全般にマーキングあり。 沢から外れた巻道コースは藪漕ぎのようなもの。 雪渓は数ヶ所あり、どう通過するかは状況による。 上部の沢から外れて稜線に乗るまでのコースを見落とした。 ※天候によりコースの状況は変わります。装備やルートの選択は適宜自己判断してください。それぞれ経験、技術が違うので他人を頼りにしてはいけません。 |
写真
登山ポストあり。トイレもあり。この先の駐車場にも登山ポストあり。
中央にある雪渓が割引沢でその右の尖ったのが天狗岩、その右奥が割引岳。ヌクビ沢は天狗岩の右側の沢。
ただのヤブに見えるでしょう？ここをかき分けて歩いてきたわけ…コースは何となくわかる…
デカい！右の雪渓は関係なさそうだけど、奥の左の雪渓はどうかな？
高さは4〜5mぐらいあるか？沢沿いに進むみたいだけど、ツルツルすってんころりんドボンは避けたい！
ここはまだ日が当たっていないので雪渓を潜って、上部に出て回り込みました。雫が冷たい！
潜った雪渓を上から見たところ。写真の中央から雪渓の下に入り右上に登っていきぐるりと周って来た。
ここは割引沢（左）とヌクビ沢（右）の分岐。割引沢の雪渓は駐車場から見えていたもので、この感じだと日が当たる時間が短そうだ。
気持ちいい。この沢靴はラバーですが、グリップが大変よろしくてビビりました。
近くに行って見てみたけれど、結構薄っぺらくてヤバい雰囲気だったので、少し降って雪渓の隅っこを登り返した。
4つ目の雪渓…上を見ても中を見てもどこまで続いているかわからない…間違いなくアンダーパスはなし…んで、高巻きしてある程度の所で懸垂かな？と思い、装備を整え高巻きを開始したがヤブが深くそれどころではなく、元に戻って雪渓上を歩くことにした。
7/25 10:09
4つ目の雪渓…上を見ても中を見てもどこまで続いているかわからない…間違いなくアンダーパスはなし…んで、高巻きしてある程度の所で懸垂かな？と思い、装備を整え高巻きを開始したがヤブが深くそれどころではなく、元に戻って雪渓上を歩くことにした。
登ってきた雪渓を振り返る…雪渓の高さをトラバースしたが、足場がほんとになくてヒイヒイした
沢に降りて、雪渓の下をちょっと潜って安全な所で中を覗くが真っ暗でした…
5つ目の雪渓…短いがその先が崩落している…近くで確認したら比較的新しそうな崩落だったので、また降って雪渓の端っこを歩いてパス
1
7/25 11:18
5つ目の雪渓…短いがその先が崩落している…近くで確認したら比較的新しそうな崩落だったので、また降って雪渓の端っこを歩いてパス
比較的小規模な6つ目の雪渓。ペンキもあり、稜線が見えてあと少しと思う。正面のルンゼがコースという先入観があったのが間違いの始まり。
7/25 11:33
比較的小規模な6つ目の雪渓。ペンキもあり、稜線が見えてあと少しと思う。正面のルンゼがコースという先入観があったのが間違いの始まり。
ペンキもあって間違っていないと進む。実はまっすぐ（赤線）ではなく、右（青線）に巻いて行くのが本来のルート（定かではない）のよう。コースの確認をしないまま、突き進みミスったことに気づいた時は懸垂下降の支点も作れないような所だった。もちろんフリーで降るのもリスキーで、もう登るしかなかった。赤線の黄色の辺りは草付きがまずあり、足元が定まらず草を握りしめて這い上がった感じだった。その後は脆い岩場でステップやホールド探しに苦労した。
2
7/25 11:33
ペンキもあって間違っていないと進む。実はまっすぐ（赤線）ではなく、右（青線）に巻いて行くのが本来のルート（定かではない）のよう。コースの確認をしないまま、突き進みミスったことに気づいた時は懸垂下降の支点も作れないような所だった。もちろんフリーで降るのもリスキーで、もう登るしかなかった。赤線の黄色の辺りは草付きがまずあり、足元が定まらず草を握りしめて這い上がった感じだった。その後は脆い岩場でステップやホールド探しに苦労した。
すべての雪渓をパスしたところ。ここから少し登った所でルートミスに気づき、修行が始まった。ということでここから稜線に上がるまでは写真なし。
7/25 11:56
すべての雪渓をパスしたところ。ここから少し登った所でルートミスに気づき、修行が始まった。ということでここから稜線に上がるまでは写真なし。
割引岳の頂上に到着。あり得ないほどの疲労感を覚え満身創痍とはこのことかもしれないと思った。1月の赤岳南稜の時もそうだったが「生」を感じた。生きていることに感謝した。
1
7/25 13:11
割引岳の頂上に到着。あり得ないほどの疲労感を覚え満身創痍とはこのことかもしれないと思った。1月の赤岳南稜の時もそうだったが「生」を感じた。生きていることに感謝した。
帰る道筋ははっきりしていた。ガスで景色があまり見えなかったが、どうでもよかった。無事、それだけで満足だった。
撮影機器：
感想
ヌクビ沢は前から行ってみたいコースだったが、なかなか機会に恵まれなかった。
やっとその時がきた！登りの90％ぐらいは楽しみながら登ったが、最後の雪渓をパスしてからは修行そのもので、エスケープできるように用意したロープ類はただの重りと化した。
最後の雪渓をパスしてからのルンゼはホールドもステップも少なく慎重に登った。その後の草付きは、草が多いことで足場が不安定でとにかく落ちないようにしがみついていた感じだった。草付きを抜けて残りの岩場、ホールドとステップが少ない上、岩が脆くポロポロ取れてしまう状況だった。とにかく集中して、慎重に慎重にステップとホールドを探した、なければトラバースをして同じことを休憩をはさみながら行った。岩にしがみついている時に、稜線を歩く人の声が聞こえた。助けを求めることもできただろう。しかし、その人たちがロープを持っている可能性は限りなくゼロに近いだろうし、近づいてきて落石を起こされたりしたり、巻き込んでしまったりしては本末転倒だ。結局、静かに1人で登ることを決意した。幸い、まったくパニックになっておらず冷静に色々と考えることができ、焦っていないことも自覚していた。そこでどれぐらいの時間を費やしたかはわからないが、時間がかかっても必ず登り切ると自らに言い聞かせ「ここならイケる」という場所を見つけどうにか成し遂げることができた。
無事に下山できたのはよかったが、そもそもの発端はルートの確認を怠ったこと！最後の雪渓まではGPSも用いて確認をしていたが、50枚目の写真の赤線のところがコースという先入観があり、それが邪魔をしてルートミスに至った。今後は怠ることなくルートの確認をしていかなければ、本当に遭難してしまうかもしれない。改めてルートの確認の大切さを学んだ山行だった。
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