初めての秩父札所巡り1）−総開帳の観音様に会いに行く（一番〜五番＋十・十一番札所）
hirokok510
体力度について
- GPS
- 07:11
- 距離
- 17.8km
- 登り
- 438m
- 下り
- 389m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2014年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
一番札所から五番札所まで、結構距離が長く、アップダウンがあって、けっこうきついコース。歩きなれている人には問題ないが、そうでないと、二番札所への登りや距離の長さで結構厳しく感じることもありそうだ。十番札所から、十一番への尾根伝いの道は、納経所の手前を右に進み、手書き道標に従って、尾根道に向かうが、歩く人が少ないせいか、道標は頼りなさげで、知らないと入りにくいと思われるが、尾根に出ると道がよくなり、気持ちの良い道になる。下の道が大型ダンプなどが多く、尾根道がおすすめ。 |
写真
拍手
四萬部寺にちなむ錦絵の現代版ーー先に埼玉歴博で江戸時代の札所に関する錦絵を見たが、こうした絵に狂歌ややさしい解説が当時の庶民のわかる言葉で書き込んであった。
この四萬部寺は平安時代の天台僧、播磨国書写山性空により開山されたと伝えられている。この地を訪れた性空は四万部の経を読み、経塚を築いて一番札所となったという。
初めての巡礼なので、まず納経書と御姿（ご本尊）の仏画（江戸時代は木版、今は印刷）のファイルケース（御影入）などを購入。そのほか巡礼用グッズを少し買ったが、お金の持ち合わせが少なかったので、必要最小限にとどめる
こちらが参道の入り口ーーコースからは裏から入ってしまう―江戸時代はおそらく、こちらからが江戸から来る人々に入りやすかったのか？？
普通のアゲハにしては色が鮮やかだが――下翅の赤い模様が普通のナミアゲハとは違う−―図鑑ではわからない模様ーー近づこうとしてもすぐに飛んでしまい、これしか撮れずーー
年季が入っている。
左上に登ると観音堂で、ご本尊があるーー前立本尊聖観音で、金箔を補修しているのか、光り輝く明るいお姿で、最も印象深い観音様だった。御開帳と言っても近くで見れるわけではないので、多くのお堂は暗く、遠いために観音様の御顔などは中々よく見ることができない場所が多かったが、ここはよく見えて感激した。
国貞画と書いてあるが――「観音霊験記」（埼玉県立浦和図書館所蔵資料)著者名：歌川広重（二代）、歌川国貞/画，服部応賀/編 出版者：〔山田屋庄次郎〕 出版年：江戸末期 の絵の一部（国貞の部分だけ）を模写したものらしい―他の札所も同じらしい。
の絵の一部（国貞の部分だけ）を模写したものらしい―他の札所も同じらしい。
有名な子育て観音ーーマリア観音ともいわれるーー。江戸時代に隠れキリシタンの関係者が造らせたといわれる。蓮台にはカエルが彫ってあり、「御カエル」で「ミカエル」を意味したという。
ここのご本尊は六観音の一つの准胝観音。インドの女神がもとになっているという説もあり、唯一の女性系観音様。日本では観音は女性と思いがちだが、インドなど、本来は男性形らしい。
今日のフィナーレ、南石山常楽寺に出る。本尊は十一面観音で、ほかに釈迦如来像もある。かつては大きな伽藍のある寺だったが、明治11年の秩父大火で大半が失われたようだ。
感想
午年の総開帳ということなので、初めて秩父札所巡礼を始めてみた。今回は一番から五番まで歩き、その時の体調や時間などで、6番以降に進むか、最寄りの駅に向かうかを決めることにした。早朝、池袋の東武東上線で寄居経由で秩父線に乗り換え、和銅黒谷駅を下車。ここは今春、和銅遺跡を歩いて以来二度目。今回は和銅遺跡とは別の方角だ。駅では秩父鉄道主催の札所巡り無料ハイキングラリーのちらしがあり、とりあえず、駅員にお願いして参加申込書にスタンプを押してもらう。最後は秩父駅でもう一つ押してもらうと完了シールと台紙を受け取り、これを7回繰り返すと34札所巡礼が終了するというもの。しかしこれだと7回も分けて歩かねばならず、これに付き合う必要はなさそうーー。他にも一番札所を目指す巡礼者が数組、歩きはじめる。私は交通量の多い彩甲斐街道を避けて、わき道を進み、和銅地名の解説板のある内田家のあたりに立ち寄って、再び街道に合流し、しばらく進むと、和銅温泉があり、その先に一番札所・瑞岩寺方面への道標を見て左折する。瑞岩寺のい崖が見えてくるまで駅から25分くらいかかっている。今日は巡礼なのであまりせかせか歩くことなくゆっくり、風景と歴史の面影を辿るように歩く。
瑞岩寺は札所ではないが、岩ツツジ（多分ミツバツツジとヤマツツジ）の名所でひと月前なら花を楽しめただろう。少しお寺に近づいて、ツツジの裏山への登り口を確かめたり、お寺の正門の近くまで行ってみたが、今日は最初の巡礼なので、先を急ぐことにした。駅から40分弱で、一番札所の道標があり、正面に大霧山〜定峰峠の稜線を見ながら左折、一番札所には10分足らずで到着した。地図を大きくみると、今日の札所巡りは武川岳、伊豆ヶ岳に端を発する横瀬川を遡るように歩くコースだ。四萬部寺までは一旦、支流の定峰川方面を遡り、真福寺へとぐるっと回り込んで、再び別の枝流沿いに下って横瀬川に戻る感じだ。
さて、一番札所では、初めての巡礼として、まず何をどうすべきかーーところが、今日の出発で、お金の補充をしなかったため、持ち合わせが1万円しかない。まあーそんなにいきなりお金をかけて衣装など揃えても仕方あるまいーーまず、納経帳だけを買おうと考えたーーしかし納経所の中に所狭しと並ぶ巡礼グッズを見ていると、どうしたものかなーーとしばし思案ーー。まず納経帳だけを買って、朱印を受け、本堂、観音堂に行ってみる。本堂は入母屋造りで県指定文化財、元禄時代の棟札が現存し、秩父きっての名匠、藤田徳左衛門吉久によって造営された。そして宝暦年間に江戸浅草の講中寄進により、江戸の名工神田清助長則による補修を受けている。
「四萬部寺」の由来は、昔、性空上人が弟子の幻通に、「秩父の里へ仏恩を施して人々を教化しなさい。」と命じ、幻通はこの地で四萬部の佛典を読誦して経塚を建てた故事によるもの。その由来の話が錦絵となって、その模写の絵と現代的な解説の付いた絵がお堂の側壁にかかっている。この絵は埼玉歴博の展示で見た二代目安藤広重と歌川国貞らによる版本を元に描かれているもので、札所の各お寺に同様に掲げられているようだ。
− ご本尊は聖観音で江戸時代の作ーーしかし御開帳とはいえ、中は暗く観音様は小さく遠いので、お顔がよく見えないー−無論堂内は撮影できないーー残念ーー納経所に戻って、お姿を購入、お姿を入れる専用のファイルも購入した。菅笠や巡礼用衣装は高いので、秩父三十四カ所霊場などの文字が入った輪袈裟と布巾を購入。これで持ち合わせの大半がなくなり、あとは納経料とお姿代を払うお金しか無くなる。お姿とはご本尊の絵であり、かつては木版の刷り物だったが、現在ではその版木から起こした印刷になっている。
その後、再度お堂の透かし彫りや経塚などを撮影し、次の札所に向かう。外に出たところが山門で、来るときは裏から入ったことがわかった。知っていれば表から入るべきだったがーー。外に出るとすぐ目の前に「旅籠一番」がある。今でも営業している有名な旅籠らしい。道標に従って少し進むと、元禄十五年に建てられた石の道標がある。右大棚道と二番真福寺に向かう方向を教えている。左へ行くと定峰峠方面に向かう道。
右に進み、少し先に如意輪観音があり、再び石の道標、右三番、左二番札所と教えている。左に進むと少し先で広い道を渡り、真福寺まで1.7�劼梁腓�な看板。さらに三百mほど進むと、山々が見えてきていよいよ登りにかかる。途中、クレマチスの大きな白い花や白とピンクのバイカラーの牡丹などが道端や垣根に咲いており、巡礼者を和ませる沿道住民の思いが伝わる。また少し先の坂の途中にはウツギやノイバラなどが点々と咲いている。次第に登りの傾斜がきつくなり、強い日差しがしんどく感じてくると、武甲山の見るあたりに道標があり、真福寺の入口が見えてきた。入口の砂利道を進むと、アゲハチョウらしき蝶が止まっている。撮影しようと近づくと飛んでしまう。やっと一枚だけ撮影できたが、普通の図鑑では見かけない赤い模様のある蝶だったーー。
さて、二番札所は大棚山真福寺。昔大棚禅師という僧がこのあたりの窟屋の観音様の前で懺悔をする老婆の霊と出会い、そこにお堂を立てたのが真福寺の始まりと言い伝えられている。ここはかつては大きな伽藍があったものの、大火で焼失し今は本堂しかない。本堂には焼け残った須弥壇や彫刻の一部が再利用されており、室町時代の作と伝えられる聖観音のご本尊とそれとは別の一木造の聖観音ら数体が並んでいる。撮影できないのが残念だ。
本堂に登る途中の崖の壁の隙間にはお地蔵様が安置され、その他の石仏とともに巡礼者の安全を見守っている。ここでは大勢の巡礼者が休憩しており、私はここで時間は早いが昼食の弁当を食べる。まだ11時前だが、朝食を食べたのが出発前の4時ごろなので、すでに空腹だ。一番札所で出会った白装束のご夫婦が本堂の前で読経をしている。昼食を食べながら目の前に座られたご夫婦に挨拶し、巡礼礫や読経を始められたきっかけなどをお聞きすると、巡礼は5年目で、すでに西国や坂東など百霊場を回られ、秩父は数回回っているという、読経は近所のお寺の早朝の読経会に参加されて習ったという。観音様やお地蔵さまに別れを告げて先を急ぐ。巡礼は結構時間がかかり、予定時間より結構遅れている。それでも、あまり慌てて歩くことはない。ゆっくりお参りをすることが肝心だ。道標に従って三番札所＋納経所の光明寺方面に進む。初めは簡易舗装道路だが、少し先で舗装道と別れて山道に入る。道標のすぐ下に大きなヤマ仕事用の籠が置いてあり、農家のおかみさんが何やら山仕事。挨拶をして尋ねると、タケノコなど大きくなりすぎた竹を切ったりして、藪がひどくならないようにしているという。暑いのに大変な重労働だ。御苦労様ーー。巡礼道周辺の整備を住民自身も担っているのだろう。山道を五分ほど下ると大棚禅師が植えたという樹齢五百年におよぶキンモクセイの大木の案内板がある。キンモクセイは普通は4〜5mにしかならないが、ここのは10mを超す大木になっているという。花は秋に咲くのでどれがキンモクセイの木高、はっきりとはわからなかったが、それらしき期は半分枯れているようにも見えた。もう一度秋に来てみなければ−ー。そのすぐ下で山道は再び簡易舗装の道となり、その先で先に分かれた車道と合流、やがて光明寺と三番札所の分岐に出る。まず光明寺によって納経を済ますとすでに11時40分。予定より40分遅れているがこれはやむを得ない。そこから15分くらいで三番札所の常泉寺が見えてくる。雲水姿の三人連れの巡礼者とすれ違う。この常泉寺は以前は秩父神社内にある薬師堂だったが、明治初年の廃仏毀釈・神仏分離でこの地に移転、常泉寺の案内には
「秩父札所3番の観音堂は、一番四萬部寺の観音堂を作った秩父の名工藤田徳佐衛門の造営とされます。向拝の柱を結ぶ海老虹梁の龍の透かし彫は「かご彫」と呼ばれ、秩父で名高い彫士の飯田和泉の代表作です。本尊の聖観音は、室町時代の作です。札所3番の寺宝となっている子持石は、高さ30cm程の自然石ですが、形が赤ん坊にそっくりなところから、子宝の欲しい人が全国から訪れてきます。この石を抱くと子供に恵まれる、という言い伝えがあるからです。境内の古井戸の水は長命水といい、以前は、長寿や健康を求める人が飲んでいったといいます。裏山には、不睡石という折れば眼病に効くとされる石があったと伝えられております。」
とある。ご本尊は弘化の大火時に難を逃れた十一面観音で、これは金箔などの補修がなされているせいか、照明もよく、お姿、顔だちをよく拝むことができた。この観音像は本当に美しく立派なもので、しばし見とれていた。その後、国定の模写看板や素晴らしい透かし彫り「かご彫」の龍などを鑑賞、撮影し、4番札所に向かう。既に12時を回り、暑さにやられてかなり疲労を感じるが、五番札所までは何とか頑張りたい。道標に従って細い道を進み、民家のバラなどに癒されながら進むと10分くらいで横瀬川にかかる「秩父ふるさと歩道橋」に出る。手前に「御止め橋」の伝説が近くの旅館によって建てられている。このあたり昔から旅館や温泉が多いらしく、巡礼者の宿泊場所となっているようだ。町や駅の名前は「よこぜ」だが。橋に書かれた川の名前は「よこせかわ」と濁らない。これは単なる語呂の問題かーー？？横瀬川は荒川の枝流で和銅黒谷駅手前で荒川に合流し、この辺りでは水量は少ないが、谷は深い。橋を渡り、新木鉱泉への道を分け、如意輪観音の前を通り、橋から10分くらいで四番札所の金昌寺に出る。金昌寺の手前には四番札所入口の大きな石の道標とボランティアによる無料休憩所があり、誘われるが、とりあえず四番札所のお参りを先にする。
「高谷山（こうこくさん）金昌寺（きんしょうじ） 宗派／曹洞宗 本尊／十一面観音菩薩
この札所は、県指定民俗資料石仏群のある寺として知られ、本堂は、三間四面、様式は唐風の江戸中期の建築である。本尊は、十一面観世音立像で、像高107センチメートル、室町時代、行基菩薩の作といわれている。大きな草鞋（わらじ）がかかった朱塗りの山門をくぐると、境内の斜面は1300体余りの石仏で埋め尽くされている。」
まず山門をくぐり、納経書に行く。山門には仁王像があるとのことだったが、疲れていたらしく、よく見ないで通過。各所に安置されている石仏を見る。観音堂に登る途中に大きな石仏のお堂があり、撮影。各所にある石仏を見ながら上に登ると本堂があり、先にすれ違った雲水姿の巡礼者三人がお経をあげていた。ご本尊は室町時代（伝行基作？）の十一面観音立像（像高105�僉砲世�、有名なのは子育て観音、別名マリア観音だ。おそらく江戸時代の隠れキリシタンによるものと思われる。蓮台にはカエルが彫られ、「御カエル＝ミカエル」と読むことができるという。また傍にオビンヅル尊像もあり、病やけがの個所をなでると治ると言い伝えられている。お堂周辺の石仏を見ていたら、その先に「奥の院」という案内板があるので、さらに登ってみる。上は墓地になっているが、その途中の分岐を左に行くと窟屋があり、そこが奥の院らしい。窟屋内の祠には弘法大師が祀られ、隣に薬師様、付近には酒呑み地蔵などがあるようだが、よくわからなかった。また窟屋のそばには秩父ジオパークの解説板があり、この奥の院の窟屋付近に下層の蛇紋岩層と上の秩父礫層の間に不整合があることが確認できるという。じっくり見学する心の余裕がなくなり、そそくさと撮影だけして下山したのは残念。1時前になるが、疲れたので、ボランティア休憩所でしばし休息。家のご主人夫婦が巡礼者にお茶や漬物、菓子などを進めている。尋ねると今年から始めたそうだ。この辺りはお寺での休憩以外は休憩できる場所や飲み食いする場所もほとんどないので、本当に助かる。よもやま話をして20分くらい休憩し、1時半頃、五番札所に向かう。五番札所の語歌堂の納経所は手前の長興寺、ここによって納経し、語歌堂に到着したのは二時少し前。語歌堂では前の札所などであった雲水姿の巡礼者ら顔見知りの人々も休憩して来ていた。
語歌堂は
「昔、長興寺の檀走であった本間孫八という人が、慈覚大師の作と伝えられる准胝観世音菩薩（じゅんていかんぜおんぼさつ）を安置するために観音堂を建立した。「語歌堂」の名は、本間孫八が、一人の旅僧と和歌の奥義を談じ合ったとき、本間孫八は、旅僧が観音の化身であったと悟り、旅僧が訪れた堂を歌を語る堂（語歌堂）と名づけ、准胝観音を安置したと云われている。」
美しい山門をくぐると観音堂が現れ、その中に「准胝観音」が安置されている。しか「し准胝観音」とはどのような存在か、ウィキなどを見ても良く分からない。インド名が女性名詞なので女性、男性名詞である観音とは相いれないので本来観音ではなかったが、真言密教、空海がこの准胝観音を重視して、いつの時代からか六観音の中に入ったらしいが、どのような仏様なのか、不明だ。ある埼玉の写真サイトの札所巡りのHPによると、
「准胝観世音菩薩（じゅんていかんぜおんぼさつ）は、仏母ともいわれ、密教の女性尊で除災、延命、求児、除病などをつかさどるといわれている。」
と書かれている。
予定ではこの後、6番7番などいくつかの札所を巡り、横瀬駅に出るつもりだったが、今日は近くの10番、11番札所経由で秩父駅に出ることにした。最初の黒谷駅で押してもらった秩父鉄道のスタンプラリーを思い出し、秩父駅によることにした。多くの人は六番札所や横瀬駅方面に向かっていった。
10番札所の大慈寺は意外と近く15分くらいで到着。
「大慈寺は延徳2年（1490）の開創で、明応2年（1493）東雄禅師が再建し開山となる。本堂は玄関風の向拝、奥中央に内陣を配した簡素な禅刹らしい江戸時代の建築である。山門は3間2面、中一間を通路とし左右に仁王尊を安置している。この寺には本尊の外多くの仏像がある。特に子育て観音（金銅仏）は庶民的に親しみのもてる仏像で素朴な彫刻に特徴がある。他に地蔵菩薩の寄木造り十一面観音等が安置されている。」
時間も二時半を過ぎ、本尊の聖観音を拝み、納経してから最後の補給。残った果物やあんころ餅を食べてエネルギーを蓄え、最後の札所に向かって尾根に上がる。納経所の右手裏から山道の入口があり、危うそうな藪っぽい道に見えるが、進んでいくと次第に道がはっきりし、尾根に出る。その向こうは秩父セメントの敷地でフェンスがあってその手前を道が続いている。武甲山を見ながらの気持ちの良い道だ。この道を使わないで下を歩く方が体力的には楽でも、セメント会社のダンプなど大型車が頻繁に走る交通量の多い道でとても歩く気はしない。武甲山や横瀬の町を見ながら30分くらい歩くと「上之臺稲荷」につく。そこから階段を五分くらい下ると十一番札所、南石山常楽寺に出る。
「この札所は、江戸時代には観音堂、仁王門、庫裡を備えた立派な寺であったが、明治11年秩父大火で焼失し、明治13年に再建されたのが現在の観音堂である。本尊は、十一面観世音で、ほかに釈迦如来も祀っている。その昔、この寺の住持、門海上人は、仁王門建立を志し、多年勧化に心をくだいたが、普請なかばにして重い病となり、本願の達しがたいことを憂い、本尊に快気を祈念すると、ある夜、黄面の老僧、金銅神を従いてあらわれ、「門海の病気吾能治すべし」といい、金銅神に上人が肩を引き立てられるところにて夢さめ、たちまちに病い全快し、仁王門建立の本願を遂げたという縁起がある。またこの寺は明治初年までは天台宗の寺であった。」
ここまで来ると、もはや観音霊場参りを楽しむ余裕はなく、形式的に納経、十一面観音像を拝んで、秩父駅に向かった。駅では無料ハイキングスタンプラリーのスタンプを押していただき、西武秩父駅に出て、仲見世でジオパークなどのブースを見学、秩父地ビールとジェラートで疲労回復に努め？、特急で家路に急いだ。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録するこの記録で登った山／行った場所
関連する山の用語
山行記録を公開しました
X
Facebook
リンク取得
メール
ブログパーツ
情報提供のお願い
山行記録を投稿して、ヤマレコのコミュニティに参加しよう！
この山行記録の写真
瑞岩寺岩山の最新記録
一番の山の最新記録
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する