秩父札所巡礼2(12〜18番)+秩父美術館+山岳映画サロン(塚本福治郎)
- GPS
- 07:33
- 距離
- 16.4km
- 登り
- 79m
- 下り
- 91m
コースタイム
天候 | 曇り時々雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
今週は梅雨入りして長雨が続いている。この日も曇りで雨がいつ降るかわからないどんよりした一日。秩父市街地の札所巡りなら問題ないが午後から強く降る可能性もあるので、早めに自宅を出発し、7時半過ぎに西武秩父駅に到着、トイレなど済ませて、ゆっくり12番札所野坂寺に向かう。時間が少し早いので(札所は8時から)、先に羊山公園に寄り道し、菖蒲園を探そうとした。おそらくまだ花は開花を始めたとしても数輪だろうーー??野坂寺へと続く道の途中、羊山公園、松坂峠(山の神)への分岐があり、急坂を上ると山の神(大山祇神社の祠)がある。峠の上が羊山公園だ。もう芝桜は終わったが、これからはアジサイと花ショウブの季節ーー。わんぱく広場まで来たが、菖蒲園はまだ見えないーー。時間は8時を大きく回ったので、菖蒲園はまたにして、野坂寺巡礼道に戻る。
西武秩父線の線路をくぐると大きな寺門が見える。12番札所だ。立派な山門で、もともと中腹にあった野坂観音堂と別の地に会ってお堂を管理していた寺が合併して現在の地に移った時にできた門らしい。山門の左右には秩父出身(白久)の高橋敬秀という彫刻家が復元した怪力柳生と仏像がある。同氏はこのお寺に多くの自作仏像を寄贈している。本堂の手前にはふれあい観音という銅製の仏像があり、観音堂の奥には本尊の聖観音が姿を見せている。納経所で朱印をいただき、お姿を購入して再び本尊を見ていたら、中にどうぞと寺の人に勧められて観音堂の中に上がって、ゆっくりと観音様などを鑑賞。この観音様は藤原時代の作でふっくらした唐美人風のお顔が印象的だ。現在は黒光りしているが、おそらく藤原京時代には金箔で光り輝いていたことだろう。またお寺の奥の庭も山側から池に向かって滝が流れ込み、よく手入れされた美しい庭だった。また高橋氏の寄贈した13仏などの仏像が多数展示してある建物もある。予定時間を大幅に過ぎて9時過ぎになったので、急いで次の十三番札所 旗下山慈眼寺に向かう。西武秩父駅の仲見世を経由し、お花畑駅付近にある慈眼寺に出る。ここは二回目だが本尊を見るのは初めて。本堂は大火で明治34年に再建されたもの。本尊は行基作?と伝えられるが、小さくて黒っぽく遠くからでは表情は読み取れない。一切経蔵はかつて土蔵造りで大火を免れてきたと、「秩父札所巡り(井上光三郎)」に出ていたが、今回来てみるとすでに土蔵の倉はなく、建て替えられていたようだ。すでに10時近くになっていたので、次の十五番札所、母巣山少林寺に向かう。
はじめ方向を間違え、逆方向に歩きはじめて間違いに気づき、戻ってうろうろしていると、親切な人が少林寺への道を教えてくださった。秩父神社の正門が見える馬場通りを進み、十五番札所入口を示す石柱の角の出る。十五番札所
「五葉山」少林寺となっているが、これは元々の十五番札所が秩父神社境内の中にあり、母巣山蔵福寺といったが、廃仏毀釈時代に廃寺になり、札所を移設したために名前を折半して母巣山少林寺となった。ここを右折し、踏切を渡ると少林寺がある。この寺も明治11年の秩父大火で焼け、現在は燃えにくい漆喰を塗った土蔵造にしてあるという。
秩父神社を見学し、秩父まつり会館を見学する。これまで秩父夜祭には行ったことがなかったがーー人混みがあまり好きでないためーー中々勇壮なすごいお祭りであることがよくわかったーー。祭りの実物大の山車や笠鉾を見ていると、秩父まつりの様子が映像で写し出され、祭りのビデオを見る。釘を使わない山車などの組み立て、二日間続く山車や笠鉾の神社奉納、三日目間に繰り広げられる屋台芝居、曳踊り、団子坂引上げなどの展示を見る。11時過ぎ、開館を出て次の14番札所、今宮坊に向かう。今宮坊の手前でかつて同じ場所にあった今宮神社に立ち寄る。竜神様を祀る竜神池やケヤキの大木「竜神木」などのある立派な神社だ。廃仏毀釈で分離された今宮坊は、観音堂と納経所だけのこじんまりとした札所。聖観音が祀られている。そのほか午年の人を守る瀬至観音が金色に光っている。私も午年なのであやかろうと思わず手を合わせる。わけても、本堂奥右端にある飛天菩薩は、曲線的な造形が秀逸で、藤原時代の秀作という評判だ。もう少し近づければよいのだがーー。今宮坊から、次の札所十六番の西光寺を目指す。このあたりはわかりにくい場所だが、道標を探して歩く。道標と持参の地図を見ながら西光寺の入口付近に出る。12時になったので、お寺の手前にある本格手打ち「わへいそば」で昼食をとることにした。蕎麦は秩父名物、ここの人気メニュー「天ざるそば」を大盛りでいただく。クルミ汁で冷たいおそばをいただく。中々イケル。夕方、豊島公会堂の山岳映画のイベントがあるので、あわただしく出発。西光寺を参拝する。ここは秩父札所最古の札堂があり、かつて木札を釘で打ち付けた跡があり、柱などは穴だらけで、巡礼の歴史を感じさせる。千手観音を祀る観音堂の前には大勢の巡礼者が読経していた。千手観音をゆっくりとみる余裕がなく、札堂の中にも十一面観音像らしき坐像があり、四国八十八カ所の本尊のレプリカが置かれる回廊を一周し、招福酒樽大黒を拝んでから次の17番札所に向かう。本尊は十一面観音立像だが、ここで有名なのは宝暦八年に寄進された梵鐘で、ご本尊蔵が浮き彫りに鋳造され、御詠歌が刻まれ、県指定文化財となっている。
ここから今日最後の十八番札所に行く前に秩父美術館に立ち寄る。ここには仏像を中心とした仏教美術品や絵画・民芸など多数の展示があり、絵画の一部や骨とう品は販売もしている。平安、室町などの古い仏像の他、唐時代などの渡来仏像、また江戸時代の隠れキリシタンのマリア観音や十字架を隠した観音像などの秘仏、「貝葉経」という植物の葉に貝で刻んだサンスクリット語のお経は世界最古のお経という貴重品だ−−ホントかなー??ーーまた十一面観音や千手観音の原型のようなヒンズー教の神様像や象の頭で抱き合う双身の歓喜天も面白い。そのほかチベットの大きな金剛杵も貴重なものらしい。
絵画では最初に秩父の白久出身の江戸後期の画家、森玄黄斎の掛け軸などが並んでいる。なかなか見ごたえのある仏画や水墨画などが並んでいる。そのほか秩父出身の幕末や近代の画家の日本画や洋画が並び、時間があればじっくり鑑賞したい美術館だ。北海道出身の茶谷雄司という画家の少女の肖像画は生きているようだ。思わず見入ってしまい、2時近くまで鑑賞して、休憩所でお茶をいただきながら美術館のスタッフと話をして、最後に骨董品を勧められたので慌てて辞して最後の札所に向かう。二時22分、18番札所の白道山・神門寺に向かう。この札所の本堂正面軒下の扁額は、秩父美術館でも見た森玄黄斎(もりげんおうさい)の揮毫、彫刻によるもの。森玄黄斎は秩父の生んだ芸術家で江戸末期に活躍し、彫刻や書画で名を馳せた。本堂の中は1mを超す聖観音立像があるということだが、比較的大きな観音様は黒々として見えにくい。また本堂の回廊や蓮華堂には大日如来や普賢菩薩像などの13仏などが祀られている。二時半過ぎ、相生町バス停まで急ぎ、西武秩父駅に戻って夕方の山岳映画イベントに向かった。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する