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Yamareco

記録ID: 47385
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谷川・武尊

菌界に分け入る、奥利根編02。ハナイグチ群れるカラ松の尾根へ

2009年09月26日(土) 〜 2009年09月28日(月)
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tanigawa その他1人
GPS
32:00
距離
11.9km
登り
341m
下り
348m
天候 薄曇り、のち晴れ
過去天気図(気象庁) 2009年09月の天気図
アクセス 資源涵養のため、ルートはイメージです。
コース状況/
危険箇所等
 翌27日は、標高1100〜1200メートルほどの長い尾根道を登り口から下山口まで5時間ほどかけて探索しました。
 この尾根は自然のブナ・ミズナラなどの林のうち、平坦な場所が伐採されて、カラマツが植林されたところ。25年ほど前、伐採と植林ががすすめられた直後のころは、日当たりがよい尾根でした。今回、ほんとうに久しぶりに通しで歩いてみると、カラマツは大きく育ち、自然の森が残された部分も手があまり入っておらず、尾根全体が森の道にもどっていました。
 以前には、5月末にウドやワラビがいっぱい生えていましたが、今は木漏れ日が差す程度です。どちらもほとんど見られません。
 カラマツはルート全体の2割ほど。笹の下生えが育っていない場所も多く、カラ松林の代表的なきのこのハナイグチがいっせいに生えだしていました。気候変動の影響か、ハナイグチがこの標高で幼菌が出始めというのは、とても遅いと思います。

 きのこを求めてここまで入る人は、ほとんどいないのでしょう奥利根では、ハナイグチよりも、1にマイタケ、2にナメコという感じで、カラ松林はあまり好まれません。ハナイグチは尾根の道にも、林の中にも、いっぱい生えていて、手つかずでした。
 私たちは、家で食べられる分だけ、しかも今晩も奥利根泊りのため、ごく若い幼菌のみを30本ほど摘みました。

 尾根を先へすすむと、ふたたびブナ、ミズナラ、黒檜などの林にもどりました。アップダウンののち、登山道に出会い、林道に降り立ちました。林道をすすむと、昨日同様、山ブドウの実を見つけて、しばし収穫。
 ザックがきのこと山ブドウで重たくなりました。
 林道の途中から沢筋の踏み跡に移って、最短ルートを藪こぎを交えて下降し、麓の車道へと下山しました。

 前編はこちら。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-47371.html
ナラタケ。
伸びたきのこの根元に、
コメ粒のような小さいな
幼菌が見えます。
2009年09月27日 09:06撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 9:06
ナラタケ。
伸びたきのこの根元に、
コメ粒のような小さいな
幼菌が見えます。
アカチシオタケ。
2009年09月27日 09:07撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 9:07
アカチシオタケ。
最初のカラ松林で、若いハナイグチ。
標高は950メートル。
2009年09月27日 09:24撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 9:24
最初のカラ松林で、若いハナイグチ。
標高は950メートル。
カラマツベニハナイグチ。
名前のようにカラ松林に見られます。
2009年09月27日 09:29撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 9:29
カラマツベニハナイグチ。
名前のようにカラ松林に見られます。
カラマツベニハナイグチ。
雨がないせいか、小ぶりです。
2009年09月27日 09:29撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 9:29
カラマツベニハナイグチ。
雨がないせいか、小ぶりです。
2つめのカラ松林で、
ハナイグチの幼菌。
標高1000メートルを超したあたり。
2009年09月27日 09:30撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 9:30
2つめのカラ松林で、
ハナイグチの幼菌。
標高1000メートルを超したあたり。
ハナイグチの幼菌。
2009年09月27日 10:22撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 10:22
ハナイグチの幼菌。
3つめのカラ松林で、
シロヌメリイグチ。
標高1200メートル弱。
2009年09月27日 10:18撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 10:18
3つめのカラ松林で、
シロヌメリイグチ。
標高1200メートル弱。
ハナイグチの成菌。
2009年09月27日 10:21撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
1
9/27 10:21
ハナイグチの成菌。
ハナイグチの成菌。
2009年09月27日 10:15撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 10:15
ハナイグチの成菌。
摘んだハナイグチ。
日持ちを考えて
幼菌のみ選びました。
2009年09月27日 10:33撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 10:33
摘んだハナイグチ。
日持ちを考えて
幼菌のみ選びました。
クサイロアカネタケ。
2009年09月27日 10:19撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 10:19
クサイロアカネタケ。
クサイロアカネタケ。
2009年09月27日 10:19撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 10:19
クサイロアカネタケ。
またブナの林に入って、
ナラタケの幼菌。
今年はナラタケも遅め。
2009年09月27日 11:49撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 11:49
またブナの林に入って、
ナラタケの幼菌。
今年はナラタケも遅め。
なぞ?
2009年09月27日 11:47撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 11:47
なぞ?
チョウセンゴミシと思います。
食不適。
2009年09月27日 13:18撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 13:18
チョウセンゴミシと思います。
食不適。
山ブドウの紅葉。
2009年09月27日 12:18撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 12:18
山ブドウの紅葉。
山ブドウの実を採集。
サルのおやつを失敬します。
2009年09月27日 13:15撮影 by  Canon PowerShot G2, Canon
9/27 13:15
山ブドウの実を採集。
サルのおやつを失敬します。
山ブドウの実を採集。
足元はガケ状。
2009年09月27日 13:15撮影 by  Canon PowerShot G2, Canon
9/27 13:15
山ブドウの実を採集。
足元はガケ状。
28日、冷蔵してきた極上のナラタケを、
まずざっと水で洗い、
念のため塩水で虫抜きします。
2009年09月28日 17:43撮影 by  Canon PowerShot G2, Canon
9/28 17:43
28日、冷蔵してきた極上のナラタケを、
まずざっと水で洗い、
念のため塩水で虫抜きします。
こちらも極上のハナイグチ。
2009年09月28日 17:49撮影 by  Canon PowerShot G2, Canon
9/28 17:49
こちらも極上のハナイグチ。
まずハナイグチをゆで、
そこから刺身用をとりだして、
氷水でしめます。
そこへナラタケを入れ、
今日はみそ味に。
仕上げに豆腐をいれて・・・
2009年09月28日 18:01撮影 by  Canon PowerShot G2, Canon
9/28 18:01
まずハナイグチをゆで、
そこから刺身用をとりだして、
氷水でしめます。
そこへナラタケを入れ、
今日はみそ味に。
仕上げに豆腐をいれて・・・
お椀によそって、刻み葱を添えます。
ハナイグチとナラタケから、
濃厚な出汁が出ます。
2009年09月28日 18:39撮影 by  Canon PowerShot G2, Canon
1
9/28 18:39
お椀によそって、刻み葱を添えます。
ハナイグチとナラタケから、
濃厚な出汁が出ます。
ことらは、ハナイグチの刺身。
2009年09月28日 18:13撮影 by  Canon PowerShot G2, Canon
9/28 18:13
ことらは、ハナイグチの刺身。
大根おろしが合います。
2009年09月28日 18:48撮影 by  Canon PowerShot G2, Canon
9/28 18:48
大根おろしが合います。
一方、山ブドウは、こんなにいっぱい。
2009年09月28日 17:34撮影 by  Canon PowerShot G2, Canon
9/28 17:34
一方、山ブドウは、こんなにいっぱい。
洗って、水なしでゆでると、エキスが
鍋に充満。
いい香り。
2009年09月28日 17:56撮影 by  Canon PowerShot G2, Canon
9/28 17:56
洗って、水なしでゆでると、エキスが
鍋に充満。
いい香り。
冷ましてから、
まず写真21番の粗い目の網で、
濾します。
ついで、濾し取った皮と種を、
ふきんで絞り、一番香りとコクのある
エキスを鍋に移します。
絞ったあとの「皮と種」の形が、
ときどき見かける何かに似ている。

そう、クマの糞そのもの。
これだったんだ!
2009年09月28日 20:29撮影 by  Canon PowerShot G2, Canon
1
9/28 20:29
冷ましてから、
まず写真21番の粗い目の網で、
濾します。
ついで、濾し取った皮と種を、
ふきんで絞り、一番香りとコクのある
エキスを鍋に移します。
絞ったあとの「皮と種」の形が、
ときどき見かける何かに似ている。

そう、クマの糞そのもの。
これだったんだ!
グラニュー糖を入れて、少し煮詰めて、
できあがり。
すごくいい色。
濃厚なジャムです。
皮をすべて入れようとしましたが、
やめといてよかった。
2009年09月28日 20:47撮影 by  Canon PowerShot G2, Canon
9/28 20:47
グラニュー糖を入れて、少し煮詰めて、
できあがり。
すごくいい色。
濃厚なジャムです。
皮をすべて入れようとしましたが、
やめといてよかった。
2009年09月27日 10:09撮影 by  Canon EOS 20D, Canon
9/27 10:09
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コメント

宝の山
こんにちは

もうTanigawaさんほど食用の野生植物を知ってたら奥利根なんて宝の山ですね!

個人的にナラタケのお吸い物を見てるときにおなかが鳴りました
2009/9/29 21:20
RE: 宝の山
 Smoczekさん、足の豆は癒えましたか? なかなかいい山があるんだなあと報告を見ていました。
 私も、論文を1つ仕上げて、いい気分で山へ入ったんですよ。半年かかりました。

>個人的にナラタケのお吸い物を見てるときにおなかが鳴りました

 ナラタケは、まろやかな、とてもいい出汁がでます。数も多いし、重宝するきのこと思います。

 野生のきのこは、まだ胞子を飛ばせるほどには成熟していない、若い新鮮なものを選んで採集してくると、アクも少なく、澄んだおいしい出汁が味わえます。

>奥利根なんて宝の山ですね!

 ほんとにそう思います。
 紅葉が始まったこの時期は、蚊やブユも減るし、見晴らしも利き始めます。山菜のコシアブラの葉は、美しくレモンイエローに真っ先に紅葉するので、春のフィールドの偵察も兼ねて、楽しめます。
 雪が一回来て、行動しやすくなってから、また出かけようと思っています。
2009/9/29 21:58
おや!
あらら!Tanigawaさんも論文を執筆されるようなお仕事がご専門ですか?お気持ちお察しいたします。

足の靴ずれはようやく出血しなくなり、皮が張り始めました。歩いていて楽ですね。博士論文を書き終えないうちにまた山に行きたくなってまいりました(笑)。

しかし、熊の野郎。山ブドウを食すとはなかなか良い生活を送っていますなぁ(笑)。
2009/9/30 2:48
熊の野郎。山ブドウを食すとは
 今回は19世紀末から現代までの物理学の基礎理論の発展史を概論的にまとめました。6万字ほどで、11月に出る雑誌に2回連載される予定です。
 それにしても、Smoczekさんは、たぶん私の息子の世代ですね。息子はマスターで研究には見切りをつけて、昨年、某カメラメーカーに就職しました。

>熊の野郎。山ブドウを食すとはなかなか良い生活を送っていますなぁ(笑)。

 山ブドウは、実が付くツルは、10本に1本くらいしかありませんので、クマさんも視力が足りないと、木の上り下りがたいへんと思います。匂いでも判別できるのかなあ。
 実がついたツルであれば、木の枝に座って、周囲からツルをたぐりながら、おやつののように食べるのでしょうね。
 ドングリやクリは主食で、おやつが山ブドウや、アケビあたりかな。

 山ブドウの種は固くて、結局は皮などのカスといっしょに適当に地面にクマが振りまいてくれる。鳥やサルも、さらに広範囲に種子を運んでくれる。とても合理的な繁殖作戦と思います。

 山ブドウは、秋口にまず黄色に葉が染まり、続けて赤い色に紅葉します。コシアブラも美しいレモンイエローに染まって、遠目にもよく目立ちます。
 これも、動物たちを呼び集める目印にもなるなあ、と思ったりしました。
2009/9/30 6:09
山と科学
19世紀末の物理学というと18世紀末に起こった産業革命で現れた新たな産業・工業手法を解釈・確立するために多くの科学分野が現れましたね。その一つが量子力学の出現だと思います。テーマが、この時代なだけに超大作の論文になりましたね。

僕はマスターで研究に見切りをつけ就職活動したものの、暑い中スーツ着て、ぺこぺこ頭下げて会社訪問するのがばかばかしくなり、就職活動にも見切りをつけてしまった、典型的な社会不適合者です

>山ブドウの種は固くて、結局は皮などのカスといっしょに
>適当に地面にクマが振りまいてくれる。
>鳥やサルも、さらに広範囲に種子を運んでくれる。
>とても合理的な繁殖作戦と思います。

こういった光景を山で目にすると、人間の付け入る余地なんてないですよねぇ。むしろいないほうが、繁殖の循環がうまく機能しそうです。僕も自然形態の輪に加わりたいのでこれからも山でブルーベリーを大量に消費してやろうかと思います
2009/9/30 16:55
社会に適合
 「自然の新しい階層を拓く」というのがサブタイトルの案で、原子→原子の構造→素粒子→クォークとみな入ります。量子力学はその基本方法、柱ですね。「超ひも理論」を批判的に扱ったら、そこまでは今回はいらんと言われました。

>典型的な社会不適合者です

 それはSmoczekさんのような純な方が生き生きと過ごせる場がない、日本の社会がひどく遅れているのです。しかし一方で、ある程度気がすすむ場は自分で見つけるか作るしかありませんね。

>僕も自然形態の輪に加わりたいのでこれからも山でブルーベリーを大量に消費してやろうかと思います

 そのう・・・食後の「もの」を、クマや鳥や猿のように、「広範囲に地面に振りまく」ところまでやらないと、達成したことにはなりません。そうすれば、種子は養分を得て、見る見る生長するでしょう。
2009/9/30 17:48
そうでしたっ!
>食後の「もの」を

トイレが無く、我慢も限界になりましたら、人目の付かない森に入って(もちろん登山道から遠ざかって)、積極的にブルーベリーを育てたいと思います
2009/9/30 21:32
こんにちは!
tanigawaさんこんにちは、Smoczekさんはじめまして。

お二人の自然との向き合い方が伝わってきました。
とても感銘を受けてしまいました。

以前山道近くから斜面に向かって入山したときに「もの」を踏んづけてしまった苦い記憶を思い出しましたw

ちなみに、私はハナイグチのお刺身の写真を見ているときにお腹が鳴りました
2009/10/2 15:12
一度、ブナ林へ
 stinkerさん、こちらでもよろしく。
 キノコがほんとに好きなんですね。
 いろいろな樹種の森に入ることを、おすすめします。
 そうすると、まったく違う「菌界」が目の前に開けますよ。

 奥多摩や富士山、丹沢でも、部分的にはブナはありますが、ずばりナメコやエノキダケ、ブナハリタケなどにも出会うならば、やはり上越国境のブナの山がいいですよ。

 シーズンは10月末まで、雪がくるといろいろ難しさが出てきます。
 今年は無理でも来年あたり、出かけてみてください。
2009/10/2 19:19
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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