乗鞍岳〜黒河峠幕営〜三国山〜赤坂山
- GPS
- 09:57
- 距離
- 22.3km
- 登り
- 1,327m
- 下り
- 1,565m
コースタイム
- 山行
- 4:27
- 休憩
- 1:00
- 合計
- 5:27
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
●帰り= 温泉さらさ 13:21 (コミュニティバス・220円) マキノ 13:36 / 14:51 (湖西線新快速姫路行・1980円) 新大阪 |
写真
感想
かずー氏と吉野から大天井ヶ岳を予定していたが、かずー氏が体調を崩したため行先をひとり用の山に変更する。当日朝になってかずー氏用のテントを出したり入れたり、食料を追加したり省いたり。先日 ふくぞうにアルファ米のセットをもらっていたので助かった。家を出る前にたっぷり汗を掻いた…。
近江中庄駅で下車。コミュニティバスまでに40分近く時間があるので琵琶湖を見に。子供の時 夏休みに琵琶湖の民宿に泊まるのが恒例だったが、琵琶湖の水に触るのはそれ以来かもしれない。
国境 (くにざかい) 着。別名 愛発越 (あらちごえ)。海津 (マキノ町) から敦賀への道は、古代三関のひとつである愛発関がこのルートに沿っていたことにちなみ「愛発越」といい、敦賀に集められた北国や山陰の物資を京に運ぶ重要な道だったとのこと。
日は照っているが風が強め。寒いほどではなく まずはいい天気。廃スキー場の斜面を登っていく。「私をスキーに連れてって」の時代の「遺産」だろうかなどと考えながら。道なき道は歩きづらくなかなかキツイ…。
左手にリフト、その向こうに山へと続く道が見えたので ひょっとしてあっちかと思い進みかけたが、やはりゲレンデの斜面を登っていくのだろうと軌道修正。相変わらずGPSを持たない勘に頼る山登り。
ちなみにそのリフトには人がいて時々少しずつ動かしているようだった。何の意味があるのだろう。
山道の入口に「高島トレイル」の道標。道には要所々々にいくつかのパターンの道標が設置されており、また「中央分水嶺高島トレイル」と書かれた黄色いテープが無造作に木に付けられている。
自然林でところどころブナ林が現れるいい道。しかし鉄塔が次から次へと現れる道でもある。人工物の多さに嫌気も感じるが、それだからこそ琵琶湖をはじめとする見事な展望を楽しむことができるわけだ。
乗鞍岳からの道も関電が作り出したユニークな景色。ススキの野の高原、鉄塔と舗装道の風景はどこか懐かしい気分も感じた。
樹林帯に入り 起伏の少ない楽な道となる。久しぶりの登りとなるもほどなく鉄塔分岐に辿り着く。その後も比較的楽な道を進むと芝生に2基の鉄塔が立つところに登り着いた。崖になっていて そこからは野坂岳、敦賀市、敦賀湾、西方が岳・栄螺岳が望まれた。西方が岳・栄螺岳は2000年10月に父と登った山。ひとりのため感動を噛みしめる。来てよかったとしみじみ感じた。
その後も比較的楽な道。大きな下りはあるもののしんどい登りはない。鉄塔とともに琵琶湖を中心とした展望を楽しむ。最後 急な下りをこなすとマキノ林道に下り着いた。左に少し進めば黒河 (くろこ) 峠のトイレと赤坂山への登山口が現れた。
今日のお宿作り。しばらく周辺をウロウロしてみたが、結局オーソドックスにトイレの脇のスペースにテントを張ることに。トイレの向こうに林野庁の車が止まっているのが気がかりだったが、北にある水場で水を汲んで戻ってくると車はなかった。
しかしテント設営中、北からサイクリング車がやってきて止まった。少し話をしたが、なんでも敦賀から50分ほどかけて登ってきて ここで引き返すらしい。
なお地面は砂と石で硬く、ペグはかなづちか何かでないと打ち込めない。石を置いてなんとかしのいだ。
薄暗い中で食事をし、17時過ぎ 早くも日が暮れた。長い夜が始まる。唯一の娯楽であるラジオは受信が不安定なうえ なかなか面白い番組がないが、今回 タカアンドトシの番組や伊藤蘭の番組など面白かった。特に伊藤蘭の番組はキャンディーズ特集で懐かしい歌を楽しんだ。とりわけ「罠」は帰ってきてYOU TUBEで見るなどし、今でも口についているほどだ。
服装は靴下以外ユニクロ。ヒートテックの下着、ダウンジャケット、スウェット下。足元が寒くなってきたので、アルミ保温シート発動。
どうやら23時頃 眠ったらしい。いつも2時を過ぎないと眠れないのに、珍しく そして嬉しいことだ。しかし4時前 強烈な寒気で目が覚めた。ラジオはつけっぱなしだった。スウェットの上着をダウンの上に着る。また3回 バーナーを1分ほどつけて室内を温めた。もちろんベンチレーターを開けて。(良い子はマネしないでね)。
***
6時起きの予定だったが 目覚ましをセットするのを忘れており、6時10分起き。すでに明るかった。そしてあまり寒くなかった。
朝飯のメインはインスタントおかゆ2つ。お湯を注げばすぐに食べられるので便利。サケ入りとホタテ入りを合わせてなかなか贅沢。
7時半発の予定だったが 7時53分発になってしまった。
しばらく巻き道。昨日もところどころそうだったが、山側から伸びる木の枝が大きなザックにあたりがち。かがむのはしんどいし、崖側に体を少し倒すのはちょっとした危険を感じる。
尾根道を登っていくと展望が開ける。後方 (東) には乗鞍岳とそこから下ってきた道が見える。そして南には琵琶湖。
やがて草地の斜面に木道が付けられた道。水の流れの音も聞こえる。7月上旬にキンコウカが咲くという湿地帯だ。
三国山分岐。ここまで早足で歩けたので遅れを取り戻した。ザックを置き、三国山に寄る。
穏やかな道を歩き、明王の禿到着。花崗岩の風化した崖で高山を思わせる景観。このコースのハイライトだ。大いなる感動と興奮。関西の標高1000m以下で最も楽しいコースではないかと過去の山行に思いを巡らせていた。
ダイナミックな展望を楽しみながら赤坂山。この山頂からも360度遮るもののない見事な展望が得られる。ここで単独行3人のハイカーが登って来られた。
「いい天気ですね」 風は結構強いがカンカン照り。わたしはスウェットを着たり脱いだりを繰り返している。
ハイカーのおひとかたに、北東方面にちょこっと覗く山が白山であることを教えてもらった。このかたはここで引き返されたため、何度か会い、お話をした。
ここから寒風までは高原状のなだらかな起伏を行く。道筋が見えるのがいい。とはいえ なかなかのアルバイトを要する登りあり。
寒風到着。いつの間にか予定より30分早い到着となっていた。ここで腹ごしらえ。パンと魚肉ソーセ−ジをかじる。温泉に入ってから1時間に1本のバスに乗れるか思案。普通に歩いていては温泉に入れないことが分かり、急いで下りることを決意。
なお「寒風」を「さむかぜ」と書いてある本があったが、やはり「かんぷう」が一般的らしい。私としては日本らしい訓読みを優先したいが、ハイカーさんと話をするには無難に「かんぷう」と言った。
ここからの下山路は間違えやすいようだが、ハイカーさんのおかげで間違わずに済んだ。まっすぐに下っていく道の左手にある道を下る。
こけないように注意しながら早足に下っていく。ハイカーさんを追い越す際「温泉に入ってバスに乗りたいので」と言い訳。
展望ベンチからは近年人気のメタセコイア並木道を見下ろせた。
西山林道との分岐まで1時間予定のところ ちょうど半分の30分で下りてきた。こけずに済んだ。われながらなかなかの健脚だ。
その後 草地のゲレンデを下っていくとキャンプ場などがあり、平日にもかかわらずアウトドアなどの客がそこそこいる。
12時台のバスが出た直後に温泉に到着。風呂に浸かってさっぱりしてバスに乗り込んだ。
バスはメタセコイア並木道の一部を通った。あたりはおしゃれな店が軒を連ねていて観光客でにぎわっていた。ずっとひとりだった行きのバスとは異なり、客を乗せた。
急に予定が変更となって面喰ったが、結局 最高の山歩きとなった。
昔から行きたかったが、乗鞍岳なしでもワンデイではややロングなのと、キンコウカの時期に行きたい、などとグズグズしていたら行きそびれていた。こんなに面白い山だったとは。損していたような気持ちにもなったが、黒河峠幕営だからこそたっぷりと楽しめたのだから結果的によかった。
雪山でキャンプする根性はないが、12月でもキャンプできるように、室内で安全に使える 軽量の暖房器具がないものだろうか。
※食事
1日目昼 (乗鞍岳)= カレーめし, 卵
同 夜= アルファ米, ソーセージ, 卵, スティックパン1本
同 夜食= 菓子パン
2日目朝= 雑炊x2, スティックパン1本
同 昼 (寒風)= スティックパン2本, ソーセージ
その他= クッキー, (ブラン), (インスタントおにぎり)
飲料= 麦茶0.6リット, 水1リットル, 珈琲粉, 粉末紅茶
忘れ物= メンタム、ログ充電のためのケーブル
次回持っていくもの= 充電器
室内で安全に使える 軽い暖房器具=ホッカイロ... だめ?
「花崗岩のマサ(真砂)化」初めて聞いた言葉やわ。覚えとこう。
ホッカイロは持っていってたけど、使わんかった。バーナーを室内で使えるようにする器具があったらいいのにとつくづく思うね。あるわけないけど。
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