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記録ID: 6573181
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積雪期ピークハント/縦走
北陸

【奥越】春浅き姥ヶ岳(平家平と奥ヶ原)

2024年03月23日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
20.8km
登り
1,063m
下り
1,065m

コースタイム

日帰り
山行
10:00
休憩
0:00
合計
10:00
7:30
260
スタート地点
11:50
11:50
130
14:00
14:00
70
15:10
15:10
140
17:30
ゴール地点
雨で新雪が腐ってラッセルが重かったため,かなり時間がかかっています。雪が締まっていれば7割くらいのタイムで行き来できるのでは。
天候 終日,雨(稜線上は風雨強し)
過去天気図(気象庁) 2024年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
国道157号線は公式には冬期通行止め中。整備は行われておらず積雪や落石が路上に残っている。ただし,雪解けが進んでおり,麻那姫湖青少年旅行村の少し先くらいまでは雪がない状態。
コース状況/
危険箇所等
<積雪状況>
・ 登り出しでは30cmほどだが,平家平上部まで行くと2mほどの積雪があり,意外にまだまだ雪がある印象。直近の冬の嵐で降った新雪に山行当日の雨が加わって雪質は最悪で,激重ラッセルが続き非常にしんどかった。足元をスノーシューにするかワカンにするかで迷ったが,少なくともこの日はスノーシューにして正解だった。

<平家平>
・ 平家平は林道や登山道が張り巡らされているが,十分積雪がありどこでも歩ける状態なので,大トチと姥ヶ岳に向けて直登するルートを取った。下部は植林が多く微妙な林相だが,上部は大きめのブナやトチノキが多く見られ,素晴らしい。

<奥ヶ原>
・ 姥ヶ岳の北西に広がる巣原川源頭部(横越谷)の緩傾斜帯は,地元では「奥ヶ原」と呼ばれているそう。春にはミズバショウの群落がみられる一帯。今回の山行では稜線を通る夏道を無視して,この奥ヶ原を横切って姥ヶ岳へ直行するルートを取った(「屏風山脈の旅」には,昔は実際にこのようなルートで山仕事の道が付いていた旨が記載されている)。大きなブナが多く,たおやかな地形とあいまって(天気さえよければ)もっと散歩していきたいと思える空間だった。
冬季閉鎖中の157号線を歩く。未明は雪だったが,日が昇るにつれて雨になってしまった。(路面に轍らしきものが見えるのはどうしてかって? …まあ,現地に行ってもらえれば分かります)
冬季閉鎖中の157号線を歩く。未明は雪だったが,日が昇るにつれて雨になってしまった。(路面に轍らしきものが見えるのはどうしてかって? …まあ,現地に行ってもらえれば分かります)
平家平に向かう橋。カモシカトレース以外はもちろんノートレース。
平家平に向かう橋。カモシカトレース以外はもちろんノートレース。
こぬか雨の中,林道をとぼとぼ歩いて行くと,モヤの向こうに平家平の緩傾斜帯が広がり始めた。雨の中から響いてくるミソサザイのさえずりに,春を感じる。
こぬか雨の中,林道をとぼとぼ歩いて行くと,モヤの向こうに平家平の緩傾斜帯が広がり始めた。雨の中から響いてくるミソサザイのさえずりに,春を感じる。
林道や登山道は無視して,大トチのある方角へ直登していく。右手に谷状地形を見ながら登っていけば丁度良いようなので,その意識で。
林道や登山道は無視して,大トチのある方角へ直登していく。右手に谷状地形を見ながら登っていけば丁度良いようなので,その意識で。
下部は植林が多くて微妙だったけど,登れば登るほど良いブナ林に。雨のせいで新雪が腐ってラッセル激重でしんどいけど…
下部は植林が多くて微妙だったけど,登れば登るほど良いブナ林に。雨のせいで新雪が腐ってラッセル激重でしんどいけど…
このブナなんか立派ねー
2
このブナなんか立派ねー
これは良い森
春はオウレンの花畑が広がるんだろうな。雪解けの後に来てみようかな
春はオウレンの花畑が広がるんだろうな。雪解けの後に来てみようかな
大トチに到着。これは確かに立派!
2
大トチに到着。これは確かに立派!
青葉のトチノキもいいけど,冬のトチも幹の重量感が強調されてけっこう好き
2
青葉のトチノキもいいけど,冬のトチも幹の重量感が強調されてけっこう好き
雪囲いにおおわれたお宮もあった。やっぱりこのトチノキは山の神的な存在なんだろうか。
2
雪囲いにおおわれたお宮もあった。やっぱりこのトチノキは山の神的な存在なんだろうか。
大トチの裏は意外にも結構な岩山
大トチの裏は意外にも結構な岩山
なので,少し西側に回り込んで尾根が低くなったところから姥ヶ岳側に乗り越す。
なので,少し西側に回り込んで尾根が低くなったところから姥ヶ岳側に乗り越す。
平家平の裏手の稜線に上がると,ブナ林の向こうに,姥ヶ岳の北西山麓に広がる奥ヶ原の風景がひろがる
平家平の裏手の稜線に上がると,ブナ林の向こうに,姥ヶ岳の北西山麓に広がる奥ヶ原の風景がひろがる
巣原川の源頭(横越谷)をスノーブリッジで渡渉し,奥ヶ原を横切るように,姥ヶ岳を目指す。奥ヶ原も大きなブナが多くて,素晴らしい。
巣原川の源頭(横越谷)をスノーブリッジで渡渉し,奥ヶ原を横切るように,姥ヶ岳を目指す。奥ヶ原も大きなブナが多くて,素晴らしい。
巣原川源頭部がこまかく食い込んで,ゆるやかに波打つような地形が広がっている。いいところだなー。春にはきっとミズバショウが咲いていることでしょう。
巣原川源頭部がこまかく食い込んで,ゆるやかに波打つような地形が広がっている。いいところだなー。春にはきっとミズバショウが咲いていることでしょう。
立派なブナを眺めながら行く
立派なブナを眺めながら行く
しかし標高が上がると,雨とともに風も強まってきた。ヤブ漕ぎでボロボロのアウターでは防ぎようもなく全身ビショビショで,凍える寒さ。これなら吹雪かれた方がずっとマシ。
しかし標高が上がると,雨とともに風も強まってきた。ヤブ漕ぎでボロボロのアウターでは防ぎようもなく全身ビショビショで,凍える寒さ。これなら吹雪かれた方がずっとマシ。
姥ヶ岳にちかづくと,天然ヒノキも増えてきて,独特の景観に。
姥ヶ岳にちかづくと,天然ヒノキも増えてきて,独特の景観に。
そのうちダケカンバの姿も現れて,高原的な雰囲気に。
そのうちダケカンバの姿も現れて,高原的な雰囲気に。
そしてP1447に立つと…はい,真っ白!
1
そしてP1447に立つと…はい,真っ白!
姥ヶ岳登頂。姥ヶ岳の山頂は結構細長くて,視界がない中ではどれが真のピークかわかりにくく,ちょっと行ったり来たりしたが,多分ここでしょう。晴れていれば360°展望が約束されそうな山頂だったが,今日は低体温症になりそうなくらいの暴風雨で,即刻下山を開始する。
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姥ヶ岳登頂。姥ヶ岳の山頂は結構細長くて,視界がない中ではどれが真のピークかわかりにくく,ちょっと行ったり来たりしたが,多分ここでしょう。晴れていれば360°展望が約束されそうな山頂だったが,今日は低体温症になりそうなくらいの暴風雨で,即刻下山を開始する。
奥ヶ原と平家平をたのしみつつ,夏季駐車場まで降りてきた。今度はスキーで来たいなー
奥ヶ原と平家平をたのしみつつ,夏季駐車場まで降りてきた。今度はスキーで来たいなー

感想

 姥ヶ岳は,冬には極端に遠い山となる。今冬の冠山トンネル開通で通年通行化したお隣の国道417号線とは対照的に,温見峠越えの国道157号線は長大な冬期通行止め区間を保ったまま,その沿線の山々は今も静かに雪に埋もれ続けていて,姥ヶ岳もそうした山の一つだ。
 だから,今回の山行でも冬季通行止めの始点の真名川ダムから歩く気まんまんだったのだが,実際に現地に来て見ると,おやおや? これはなんと…。
 当日はあいにくの雨で,標高を上げても期待に反して雨のまま。雨で腐ってしまった新雪や,霧の向こうの谷底から響いてくるミソサザイのさえずりに,冬の終わりと,春の訪れを感じる山行となった。眺めはなくても,平家平や奥ヶ原のブナの森とたおやかな地形の妙は十分楽しめた。雪さえあれば本当にどこにでも歩いて行けそうな場所で,天気さえよければ,もっとあちらこちら散歩していきたくなるような山域だった。今度はきっとスキーで再訪するだろう。

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