鋸岳【釜無川ゲートからピストン】
- GPS
- 10:40
- 距離
- 29.9km
- 登り
- 2,434m
- 下り
- 2,425m
コースタイム
- 山行
- 9:03
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 10:39
天候 | 曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2024年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
釜無川ゲート〜ログハウス ・崩落地が複数あり、そのたびに河原に下って登り返す(基本、迂回は川側) ・夜明け前、朝方は鹿が多数出没 ・下山時に、ツキノワグマを目撃(車道脇の斜面を登っていた。) ログハウス〜横岳峠 ・最初は河原を歩き、二俣に分かれているところを真ん中の尾根にのる ・真ん中の尾根の取り付き部分に、富士川の水源の看板あり ・河原はピンクテープが疎らなので、GPSがあると安心 横岳峠〜鋸岳(第一高点) ・三角点ピークまでは樹林帯の急登だが、特に危険個所はなし ・三角点ピークから鋸岳(第一高点)までは急登だが、ガレ場はなし 鋸岳(第一高点)〜鹿窓 ・ほぼ垂直のギャップあり ・ギャップの両側に鎖はあるが、トップからの1本なので、かなり振られる |
その他周辺情報 | 白州塩沢温泉 フォッサ・マグナの湯(830円、サウナ熱・狭い、水風呂冷・狭い) |
写真
装備
個人装備 |
MARMOLADA(SCARPA)
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感想
百高山を目指すには避けては通れない、南アルプスの鋸岳。
南アルプスの北部を歩いていると鋸岳の特徴的な山容をよく目にしますが、高いところが苦手なので、あまり積極的にプランニングすることはありませんでしたが、ついにチャレンジします。
ルートは、最も難度の低い、釜無川ゲートからのピストンを選択しました。距離はありますがガレ場がないので、体力でカバーです。
釜無川の国土交通省ゲート手前から出発です。砂利道を数キロ走った車の後ろは真っ白です。以前に偵察で、ここまでは来ていたので、暗いなかでの運転に不安はありませんでした。
工事車両用の車道を真っ暗ななか歩いていると、いたるところで鹿に出会います。ヘッドライトに反射する光る眼は少々不気味で、クマでないことを祈りながら、先を急ぎました。
崩壊地を通過するあたりから空が白み始め、何度か河原に降りて崩壊地を迂回します。
ログハウスからは本格的な山道の登りになるのですが、ログハウスのある樹林帯から河原にすぐに下りるところを、樹林帯に続く踏み跡につられてしまって、しばらく正規ルートを探すのに手間取りました。斜面を上がってしまったので、河原に下るのに苦労しました。
しばらく河原を歩き、沢が大きく2つに分かれるところの真ん中の尾根にとりつきます。そのとりつきに、「富士川の水源」という標柱があり、このルートで初めての案内板です。
富士川の水源から約500メートルの標高差を登っていくだけあって、勾配はきついですが、幅の広い尾根なので、直登ではなくジグザグに登っていくことができます。
これまでの車道歩きのための消耗なのか、先々週(丹沢)、先週(八ヶ岳、ランニング)の疲労が蓄積しているのか、脚がなかなかうまく上がりませんでした。
脚運びに苦労しながらも1時間ほどで横岳峠に到着し、休憩を取り呼吸を整え、ヘルメットを装着して、三角点ピークに向けての標高差約600メートルの急登に備えます。
横岳峠から望むことができる一つ目のピークへの登りが終わると、本格的な直登が始まり、延々と続く樹林帯の斜面を苦しみながら登っていきます。たまに縦間から見える仙丈ヶ岳を励みに高度を上げていきます。
樹林帯を抜けると、鋸岳第一高点のきれいな三角形の山容が目に飛び込んできます。第一高点を右手にザレた斜面を登ると、三角点ピークに到着します。
登り切ったところからさらに奥に進むと三角点がありますが、実際の標高は手前の大きな岩の上の方が高いように思いました。
三角点ピークからいったん下り、いくつかピークを越えると、やっと第一高点にとりつくことができます。第一高点の斜面は両手両足を使わないと登れないような傾斜でしたが、おそれていたガレ場のようなものは見当たりませんでした。
コルからひと登りで、鋸岳第一高点に到着です。
頂上からは、甲斐駒ヶ岳から北岳、間ノ岳、仙丈ヶ岳といった南アルプス北部の名峰が一望でき、この方向からの景色は初めてでしたので、ひときわ感動が大きかったです。遠くには中央アルプスや北アルプスの南部まで見渡すことができました。
第一高点で眺望を楽しんでいるうちに体力の回復もできたので、第一高点と第二高点のあいだにある鹿窓を見に行くことにしました。
小ピークを通過しながら高度を下げ、小ギャップと呼ばれるコルの脇に立って見下ろすと1本の鎖がギャップの底までぶら下がっています。ギャップの上からだと、下り口がわかりにくかったので、とりあえず鎖を使いながら下りていくことにしました。結果的には、鎖を頼りにしつつも、右手(戸台川側)に振れながら下っていきました。
コルに降り立って上を見上げると、ほぼ垂直(おそらく80度くらい)の壁で囲まれていて、戸台川側、釜無川側にそれぞれゴルジュのような沢が下っています。
一般ルートにはなかなかないギャップぶりで、無事に下りれたことがうれしかったです。
登り返しも1本の鎖を頼りに登っていきますが、下りより登りの方が簡単なので、あまり苦労はしませんでした。
ギャップを越えて少し下ると、そこには岩の間にぽっかりと穴が空いている鹿穴が突如現れます。特に標識もなく、あまりにも突然だったので、あっけにとられてしまいましたが、穴の向こうには戸台と北沢峠を結ぶ林道や仙丈ヶ岳を望むことができました。かつて戸台からのバスから見上げた鹿穴に、いま自分が立っていると思うと、感慨無量でした。
鹿穴には上側から鎖が下がっていて、鹿穴の下部のザレさ加減が半端ないことがわかりました。鹿穴をくぐって向こう側を覗きたい衝動を抑え、自分としてはここまで来れたことに満足して、鹿窓から望む仙丈ヶ岳を撮影して、第一高点に引き返すことにしました。
鹿窓から小ギャップを再び越えて、第一高点、三角点ピークを通過して、横岳峠まで戻り、そこで昼食をとりました。もっと景色のよいところで食べてもよかったのですが、時間が早かったのと、安全なところまで下って落ち着いて食事をとりたい気持ちがありました。
当初は横岳に立ち寄ることも考えていましたが、脚の疲労もあったので、そのまま下山することにし、長い車道も比較的元気に歩きどおし、釜無川ゲートまで無事に戻ることができました。
釜無川ゲートの600メートルほど手前の車道脇の斜面に体長1メートルほどのツキノワグマがいて、こちらに気づいて斜面を上がっていきました。たぶんクマの方が先に気づいて距離をとってくれたんだと思いますが、ここまでの至近での目撃は初めてでした。
百高山でなければ登ろうと思わない山でしたが、無事に下山できたこともあり、とても素晴らしい山だと思いました。
ほかの方のように、鋸岳を縦走できるようなスキルを身に着けることができたら、またチャレンジしたいと思いました。
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