御前山 湯久保尾根から
- GPS
- 07:45
- 距離
- 13.7km
- 登り
- 1,152m
- 下り
- 1,123m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年06月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
湯久保尾根、途中に荒れたところあり。 トイレは、避難小屋のみ。 最近、クマが出たとのこと(感想を参照してください)。 |
写真
感想
前日、仕事で遅くなり、頭が疲れていたので、眠りについたのは午前3時。
睡眠2時間半でしたが、どうしても行きたくて出かけました。
ダメ。最高に疲れた……。
以下、ヘタレの記録です。
最初の躓きは、武蔵五日市の駅で起こりました。
駅の改札を抜けると、駅前には長蛇の列。これが数馬行きのバスを待つ列だとは気づかず、私はその列の最後尾に並びました。すると、遠くのほうで発車するバスが一台。
あれ ? 私が乗る小岩行きのバスはあれじゃないのか !?
猛ダッシュでバスを追いかけました。運良く信号で止まったバスに必死の思いで追いすがり、真ん中の乗車口のあたりをドンドンと叩く。
しかし、その直後、信号が青になり、無情にもバスは発進。呆然……。
ふと気づくと、私のそのありさまを、数馬行きのバスを待つ大勢の人がじっと眺めている……。
私は「なんでもない ! 」という顔をしてタクシー乗り場に直行。すました顔でタクシーに乗り込む。
だって、そうするしかないでしょ ! 恥ずかしすぎる !
それに、次のバスまで1時間半近くあるのよ !
気持ちを落ち着け、タクシーの運転手さんに「御前山登山口まで幾らぐらいですか ?」と聞く。
「4,500円ぐらい」という返事。シーンとする。どうする……。
「運転手さん、前にバスがいるはずだから、追いかけて ! 追いぬいて ! 追い抜いたら一番、近いバス停で止めて !」
運転手さんは良い人だった。アクセルを踏み込んでくれる。やがてバスの姿をとらえる。
停れ !と、念力を送る。すると、バス停でバスが停った ! タクシーはスピードを上げて、一気にバスを追い抜く。やった !
次のバス停でタクシーを降り、後から来たバスに乗り込む。バスのなかから追いすがる私を見ていた後部座席の人たちが、口をあんぐりと開けている。
「そりゃそうだ。気持ちはわかる」と思ったが、「さっきのは別人です」と胸のなかでつぶやき、ここでも私は素知らぬ顔。
結局、払ったタクシー代は、1,250円。勝利 ! が、すでにここまでで相当に疲れた。
湯久保尾根は、宮ヶ谷戸バス停から上がるのが一般的だと思うが、「退屈な道」との情報があったので、人が住んでいるところも見て行こうと、御前山登山口で下車。
その結果、登山道まで、車道をかなり歩くことになった。ものすごく暑い。途中、道の上に張り出した木の枝から、シマヘビがダラリとぶら下がっている。ここですでに帰ろうかと思う……。
湯久保の集落 (寂れた別荘地 ? )を抜け、やっと登山道に入る。最近クマが出たという看板。さらにここで、今度はヤマカガシと遭遇。ますます帰ろうかと思う。
それでも足は前に出て、けっこうな登りを上がると、宮ヶ谷戸バス停から来る湯久保尾根登山道にぶつかった。
そこからさらに、延々、黙々、湯久保尾根の登り。長い……。途中でイヤになり、山菜を採ったり、花の写真を撮ったりする。
休憩していたら、下山してきた単独行のおじさんに話しかけられた。
「まだまだ先は長いよ〜。湯久保尾根は、このあたりの尾根道で一番つまらない道なんだけどね !」と、やけに力強くのたまう。思わず爆笑。
そういえば、ヤマレコの記録にも、単調な道という記述があったなあ……。
湯久保尾根は確かに長いし、眺望もない。それでも、花や鳥や山菜を目当てに行けば、かなり違った感想を持つ人が多いと思う。
怖かったのは、途中で異様な臭いがしたこと。これがあの獣臭ではないのか……?
重度糖尿病 & 垂れ流し & 長期入浴ナシだと、こんな臭いになるのでは?というような、甘さの混ざった強烈な悪臭。
まわりを見る余裕なし。まっすぐ前を見て、このときばかりは、ものすごい早足で歩く。
そのあとはず〜〜っと、一人で歌ったり、しゃべったり、手を叩いたり、吠えたり。
最後は疲れ果て、ちょっと歩いては立ち止まり、ちょっと歩いては立ち止まりという状態になる。
「もうヤダよ〜、帰りたいよ〜」と、見えないクマに向かって泣き言を言いながらヨロヨロと歩く。
ほとんど狂人状態……。
ようやく鋸山から来る登山道との分岐に到着。人の姿がかなりあって、急に元気になる。バス停からここまで、湯久保尾根で会った人は4人だけ。しかもそのうちの一人は「急に具合が悪くなった」と言って引き返して下山していった……。
分岐を左折すれば御前山山頂だが、分岐から2分で御前山避難小屋とあったので、とりあえず避難小屋を見学。
その後、分岐まで引き返して、ようやく御前山山頂。
昭文社の地図によれば、御前山登山口バス停から御前山山頂までは、休憩なしで3時間5分の道のり。それなのに私は休憩につぐ休憩で、なんと5時間以上もかかった。
いずれはテントを担いで……という身のほど知らずの野望を抱いている私は、睡眠不足だったのに、わざわざ荷物を重くして歩いていた。それも疲れてしまった原因かもしれない。と言っても、荷物はわずか8キロ。テント山行はあきらめるべきかも……、小屋泊まりだって無理かも……と、かなり暗い気持ちになる。
ヘタレです……。
下山は再び避難小屋の前を通って、猿橋バス停へ。
この道も途中から車道になるのだが、これがまた長い。暑いし、アスファルトは固いし、泣きたくなる。
だいぶ降りたところで村の人に会ったので聞いたら、山から木を切り出しているため、沢沿いの登山道が通行止めになっているとのこと。そのため、いまは、ものすごく遠回りになる車道を歩くしかないらしい。ただし、切り出し作業はあと1〜2ヶ月で終わるので、そうなれば沢沿いの登山道が歩けるようになるとのこと。
それまでは、御前山山頂から猿橋までの道は避けたほうが賢明だと思います。
それにしても、寝不足はダメだと深く反省。
だが、懲りない私は「よーし、リベンジだ ! 次回は陣馬尾根から御前山にアタックしよう!」と決意を新たにするのだった……。
コメント
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感想文ですが笑いながら読んでしまいました
タクシーでバス追いかけて 途中のバス停でGetするなんて冴えてますよ
寝不足の中、8kgの荷物背負って標高差1000mと12kmを歩いたのはスゴイです。
今回の成果、きっとあると思います
bonbonmaruさん、ありがとうございます。
そう? そうかあ。スゴイのかあ〜〜。
うっ、うれしい! 泣きそう……。
ホントに、つらかったんだよ〜〜〜。泣く。
鷹ノ巣山も雲取山も遠のいた、と思ったけど、やっぱりがんばろう!
ちなみに、ヘタレ全開だったにもかかわらず、御前山避難小屋のノートにも、「いつか必ず泊まりに来ます!」と書いてきました。
気持ちだけは前向き……。
タクシーで追いかけている姿が目に浮かびます。大野山程ではないかもしれないけど相当へばりましたね。しかしなかなかの根性です。山をやり始めって面白くって雨が降ろうが鑓が降ろうが行ったものです。主人に「こんな天気で行くのお」と言われても「現地に行ってみなければわからない」と。年月が過ぎ、20日からの庚申山登山は、タクシーを予約し観光課にルートの確認をし乗り換えを確認し荷物を作ったけど、やめました。雨だと鎖場や岩場が危ないので・・・・ なんて理由をつけて。確かにそうなんだけど最近はイケイケがないですね。
mizoikeikoさま
コメント、ありがとうございます。
イケイケがない? らしくないですねえ。
どうなさったのでしょう。
私には、雨でも行く根性はないです。一人だからでしょうか。やっぱり怖いです。
もう先月になりますが、東京でゲリラ豪雨が降ったとき、全身びしょ濡れになり、歯の根が合わないほどの寒さを体験しました。都心でこれだから、山だったら死んでると思いました。怖いです。クマも怖いけど……。
ヘタレ卒業に向け、とにかく歩き続けようと思っていますが、梅雨で行く手を阻まれそう。がっかりです。
お体を大切に!
御前山を御前山登山口から上りましたけど、熊らしい生き物と一発触発でした。ああ、このページを最初に読んでおけば・・・お互い山の独り歩きは気をつけましょう。
Take_Iさま。いま、記録を拝見してまいりました。
そっ、そうですか……。鼻息……。
それじゃあ、やっぱり、私が嗅いだあの臭いは !? ……!!!
ひゃあー! と、今さらながら改めて驚く……。怖い〜〜。
いっ、いるんですね。御前山あたりでも。
ああ、ダメだ。ヨワヨワになる心……。
やっぱり、一人には限界があるんだなあ……。考えよう……。
とにかく、以降はもっともっともっと気をつけます。
ちなみにクマ鈴は効かないそうです。
一日で3回クマに会った方が、ヤマレコの日記に書いていました。彼はクマ鈴を持っていたそうです。
私は、次回はラジオを持参しようかと思っています。
でも、カモシカ、見たいなあ……。
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