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長野県庁2階にある、長野県山岳遭難防止対策協会事務局から、
長野県内で発生した山岳遭難についてお知らせします。
長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「入山注意報」を発表しています。
長野県 山岳情報サイト https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangaku/index.html
※第200号記念 長野県内の日本百名山における山岳遭難発生状況は最後に掲載
◎山岳遭難発生状況(週報)
・9月2日、北アルプス蝶ヶ岳において、女性72歳が下山中に疲労で行動ができなくなる山岳遭難が発生し、安曇野警察署山岳遭難救助隊員が救助しました。
・9月9日、下高井郡山ノ内町の奥志賀高原雑魚川渓谷において、女性79歳が遊歩道から足を踏み外して滑落し、負傷する山岳遭難が発生し、岳南広域消防署員が救助しました。
・9月14日、南佐久郡川上村の小川山廻り目平において、男性42歳がロッククライミング中に転落して負傷する山岳遭難が発生し、佐久広域消防本部救助隊が救助しました。
・9月14日、北アルプス焼岳において、男性43歳が下山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・9月15日、中央アルプス摺古木山付近において、男性29歳と女性27歳が道に迷い行動ができなくなる山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・9月15日、八ヶ岳連峰赤岳において、女性71歳が登山中に転落する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しましたが、死亡が確認されました。
・9月16日、北アルプス白馬岳において、男性66歳が下山中に滑落して負傷する山岳遭難が発生し、大町警察署山岳遭難救助隊員及び北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会白馬班救助隊員が救助しました。
・9月17日、四阿山において、男性39歳が下山中に滑落して行動ができなくなる山岳遭難が発生し、19日に山岳遭難防止対策協会救助隊員が救助しました。
・9月17日、燕岳において、男性73歳が登山中に道に迷い行動ができなくなる山岳遭難が発生し、翌18日に捜索予定です。
・9月18日、飯田市南信濃木沢の遠山川において、男性57歳が渓流釣りに入山したところ、負傷して行動ができなくなる山岳遭難が発生し、飯田広域消防本部の救助隊員が救助しました。
・9月18日、北アルプス大天井岳において、男性25歳が体調不良により行動ができなくなる山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・9月20日、八ヶ岳連峰蓼科山において、男性55歳が下山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・9月20日、北アルプス涸沢岳において、男性51歳が下山中に道に迷い、転倒して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・9月21日、北アルプス槍沢において、男性57歳が下山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・9月21日、北アルプス涸沢岳において、男性24歳が登山中に滑落して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・9月21日、八ヶ岳連峰三ッ岳において、女性65歳が下山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・9月21日、北アルプス北穂高岳において、女性39歳が下山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生し、県警ヘリで救助しました。
・9月21日、八ヶ岳連峰峰の松目において、男性38歳が道に迷い行動ができなくなる山岳遭難が発生し、22日、茅野警察署山岳遭難救助隊員等が救助しました。
・9月22日、北アルプス奥穂高岳において、男性が滑落する山岳遭難が発生し、23日、心肺停止の状態で発見され、死亡が確認されました。
・9月22日、北アルプス燕岳において、男性55歳が登山中に行動ができなくなる山岳遭難が発生し、安曇野警察署山岳遭難救助隊員が救助しました。
・9月22日、南佐久郡川上村の小川山廻り目平において、男性68歳がロッククライミング中に体調不良により行動ができなくなる山岳遭難が発生し、山梨県防災ヘリで救助しましたが、搬送先の病院で死亡が確認されました。
○令和2年9月22日現在の遭難状況は
131件(死者18人、行方不明1人、負傷者64人、無事救出59人)となりました。
前年比は、発生件数が-97件、遭難者が-107人です。
うち、
・バックカントリー(スキー登山とゲレンデ外滑走)遭難は、-1件、-4人
・山菜採り遭難は、-5件、-8人 です。
★長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス
9月1週は1件、2週は1件、3週は19件の山岳遭難の発生がありました。
2日に発生した蝶ヶ岳での疲労による遭難は、下山中の疲労により、これ以上の行動は不可能と判断して、携帯電話で救助要請をしたものです。通報は午後8時を過ぎていましたが、幸い無事に救助されています。
今回は携帯電話で救助要請できたことから、迅速に救助活動が行えましたが、携帯電話が通じない山域や、付近に山小屋のない山域で発生したとしたら、当事者がとるべき対処は、
⓵行動を打ち切り、ビバークをして体力の温存・回復に努め、翌日に行動を再開する
⓶回復が見込めなければその場にとどまり、救助を待つ(計画書の届出と家族や仲間との共有が前提です)
⓷通りがかりの登山者に救助を要請する 等が考えられます。
登山中に、体力不足や予期せぬケガに見舞われることは誰にでも起こりえることです。「もしも」に備えて準備を万全にしてから入山しましょう。
今後、県内の山岳では、標高の高い山域を皮切りに、順次、紅葉の見頃を迎えます。都市部では、まだ日中は暑さが続いていますが、県内の山域は既に秋を迎えており、稜線上で風雨に曝されると、簡単に低体温症になってしまいます。「ちょっと紅葉を見に・・・」そんな気軽な観光気分の延長で入山することがないよう、事前準備と下調べを十分に行いましょう。
長野県内の山は岩稜帯が多く、転倒や滑落により重大な事故に繋がることがあります。特に、転・滑落は頭部への外傷が致命傷になってしまうケースが多いことから、岩稜帯の多い山域を登山される方は必ずヘルメットを被ってください。
また第3週に遭難された20名のうち10名の方が単独登山です。なるべく少人数による登山が推奨されているところですが、単独登山は、登山中のトラブルも含め全て自分一人で判断をしなければならず、また携帯電話が通じなければ救助要請をすることもできません。これらのリスクがあることを認識し、登山経験豊富な方は、決して油断することなく綿密な計画と慎重な行動を、登山経験の少ない方は、経験豊富な方と登山するなど、ご自身の技術や経験に見合った登山を心掛けてください。
なお、県内では熊の目撃や負傷事案が発生しています。行動中は鈴やラジオなどを携行し、テント場では、食料やゴミなどを外に放置することのないようにしましょう。
長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「長野県内入山注意報」と、「登山者への5つのお願い」を発表しています。登山者の皆さんは、十分にレベルを落とした山域を選び、感染防止対策にご協力をお願いします。
http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/sotaikyo/sangakutusin.html
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○長野県警ホームページ 山岳情報
https://www.pref.nagano.lg.jp/police/sangaku/index.html
【安全で楽しい登山〜山岳遭難に関する現状と防止対策〜(動画)】
準備編/実践編
【山岳遭難救助活動における新型コロナウイルス感染防止対策(動画)】
【令和2年秋山情報(長野県版)】
○長野県ホームページ
【登山相談所情報】(秋山)
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangakusounan/sangaku_tozansoudansyo.html
◇長野県では「信州 山のグレーディング」を公開しています。
http://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/gure-dexingu.html
このグレーディングを参考に、「自分に合った山選び」を行い、遭難を防ぐようお願いします。
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