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長野県庁2階にある、長野県山岳遭難防止対策協会事務局から、長野県内で発生した山岳遭難についてお知らせします。
■〜スキー場及びバックカントリーエリアにおける外国人向け安全啓発動画及び記事を公開〜
(1)長野県公式観光サイト「GO NAGANO」への啓発記事の掲載
安全にスキー場スキー及びバックカントリースキーを楽しむためのポイントを、下記の動画と合せて紹介
https://db.go-nagano.net/en/staying-safe-in-the-backcountry/
(2)啓発動画2本の公開
・「スキー場編」約5分間
長野県内のスキーリゾートの紹介、スキー場利用の注意点など
https://www.youtube.com/watch?v=AakVBpo-3Uw
・「バックカントリー編」約5分間
バックカントリースキーの魅力とリスク、安全に楽しむ方法など
https://www.youtube.com/watch?v=1FTMQ83xEUI
◎令和5年山岳遭難発生状況(週報):
・12月25日、単独で八ヶ岳連峰権現岳に入山した男性(24歳)が、三ツ頭登山口から入山し、権現岳から赤岳に向けて縦走中、雪が崩れスリップし、滑落、負傷する山岳遭難が発生し、無事救出しました。
・12月26日、八ヶ岳連峰美濃戸口から6人パーティで入山した女性(43歳)が、南沢大滝でアイスクライミング中にバランスを崩し、転落、負傷する山岳遭難が発生しました。
・12月27日、八ヶ岳連峰阿弥陀岳に2人パーティで入山した女性(28歳)が、行者小屋から美濃戸口に向けて下山中、凍結した登山道で足を滑らせ、転倒、負傷する山岳遭難が発生しました。
○令和5年12月31日現在の遭難状況は
302件(死者37人、行方不明3人、負傷者160人、無事救出132人)で発生件数・遭難者数ともに過去最多を記録しました。
前年比は、発生件数が+18件、遭難者が+22人です。
内)単独登山は、発生件数が+13件、遭難者が+13人です。
★長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス
令和5年12月5週は、八ヶ岳連峰で3件の遭難が発生し、うち1件はアイスクライミング中に発生しています。
権現岳の遭難は、滑落後、積雪により身動きがとれなくなってしまったものです。遭難時、携帯電話の電波が通じたことにより救助を要請することができましたが、もし電波が通じなければ最悪の場合、行方不明になりかねない事案でした。遭難者自身は、冬山経験が少なく、食料や水分も不足していたため、当日のうちに救助ができなければ低体温症等により命を落としてしまうリスクもありました。
冬山の単独登山は、複数人で入山するよりも非常にリスクが高いため、万一のトラブルやアクシデントに備えて十分な装備と食料等を携行してください。そして、冬山装備は、お守りではなく、実際に有効活用できるよう装備品の取扱方法や使用判断については事前に習熟しておきましょう。
令和5年中の長野県内の山岳遭難は、302件発生し、遭難者数は332人で、過去最多を記録しました。
「無事帰宅するまでが登山」です。令和6年も安全登山でお願いします。
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◎令和6年山岳遭難発生状況(週報):
・1月1日、単独で北アルプス五竜岳に入山した男性(28歳)が、山小屋周辺で幕営中、積雪でテントが埋まり、行動不能となる山岳遭難が発生し、無事救出しました。
・1月5日、3人パーティで八ヶ岳連峰天狗岳に入山した女性(49歳)が、テント宿泊中、発病して行動不能となる山岳遭難が発生し、無事救出しました。
・1月7日、4人パーティで八ヶ岳連峰に入山した女性(53歳)が、広河原沢をアイスクライミング中、転落、負傷する山岳遭難が発生しました。
・1月7日、3人パーティで八ヶ岳連峰横岳に入山した女性(55歳)が、三又峰ルンゼをアイスクライミング中、つかんだ木が折れて、バランスを崩し転落、負傷する山岳遭難が発生しました。
・1月7日、8人パーティで八ヶ岳連峰天狗岳に入山した女性(58歳)が、山小屋周辺を登山中、転倒、負傷する山岳遭難が発生しました。
・1月7日、4人パーティで中央アルプス宝剣岳に入山した男性(34歳、29歳)が、2人で宝剣岳から浄土乗越に向けて下山中、ホワイトアウトにより道に迷い、行動不能となる山岳遭難が発生し、無事救出しました。
○令和6年1月8日現在の遭難状況は
6件(死者0人、行方不明0人、負傷者3人、無事救出4人)です。
前年比は、発生件数が−2件、遭難者が−5人です。
内)単独登山は、発生件数が−3件、遭難者が−3人です。
★長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス
令和6年1月1週は、6件の山岳遭難が発生しました。積雪による行動不能や、アイスクライミング中の転落、ホワイトアウトによる道迷い等、いずれも冬山特有の遭難でした。
八ヶ岳連峰では、徐々に気温が低くなり、アイスクライミングに最適な時期になっていますが、アイスクライミングは、冬山経験にプラスして、技術・知識・体力が必要になります。
アイスクライミングは、一度転落や滑落をすれば、骨折を伴う重傷以上の怪我をしてしまうほど危険を伴いますので、アイスクライミングを行う際は、ルート判断、確実な支点構築を行い、登攀中は一歩一歩慎重な行動を心掛けましょう。
中央アルプス千畳敷での遭難は、ホワイトアウトにより方向を見失い、道に迷ってしまったものです。
当日は、冬型の気圧配置が強まり、吹雪が予想されていました。このような状況で行動をすれば、ホワイトアウトによる道迷い、低体温症のリスクが高くなります。気象遭難に遭わないためにも事前の気象情報の確認と慎重な判断をお願いします。
1週末は、長野県内北部地域を中心に市街地でもまとまった積雪が確認され、路面が凍結している箇所があります。
今後、登山やバックカントリーに出掛ける際は、積雪量を考慮した行動を心掛け、登山口やスキー場等へ移動する際の車の運転にも注意をしましょう。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/sotaikyo/sangakutusin.html
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○長野県警ホームページ 山岳情報
https://www.pref.nagano.lg.jp/police/sangaku/index.html
【令和5年長野県SAFETYBOOK】
【令和5年冬山山岳情報】
○長野県ホームページ
【登山相談所情報】(冬山)
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangakusounan/sangaku_tozansoudansyo.html
◇長野県では「信州 山のグレーディング」を公開しています。
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/gure-dexingu.html
このグレーディングを参考に、「自分に合った山選び」を行い、遭難を防ぐようお願いします。
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